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Posted by ブクログ
『アメリカひじき・火垂るの墓』
第58回 直木賞
初めまして♪ 野坂昭如さん ( ͡ ͜ ͡ )
8月もやってまいりました♡♥♡
【月イチ文豪生活】
今月は 8月ということで戦争に関する本です。
姐さん♥の 選んでくれた本はあと2冊あります
『野火』/ 大岡昇平
『悪女について』 / 有吉佐和子
(*´艸`)フフフッ♡
姐さん♥は 読むのは1冊でいいよ♡ と
仰ってくれていたので とりあえず 今回は
お言葉に甘えちゃいます ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ
ただ…余裕があったら 読みますよ♪
今回の『火垂るの墓・アメリカひじき』には
6編の短編作品が収録されています。
野坂さんの文体は ちょっと独特なんです。
ページを捲ると…ギッシリ文字が書かれていて
ちょっぴり驚いちゃったんです( ・᷄ ᴗ・᷅ )ゝ
冒頭の一文をご紹介…
省線三宮駅構内浜側の、化粧タイル剥げ落ちコンクリートむき出しの柱に、背中まるめてもたれかかり、床に尻をつき、両脚まっすぐ投げ出して、さんざ陽に灼かれ、一月近く体を洗わぬのに、清太の痩せこけた頬の色は、ただ青白く沈んでいて、夜になれば昂ぶる心のおごりか、山賊の如くかがり火焚き声高にののしる男のシルエットをながめ、朝には何事もなかったように学校へ向かうカーキ色に白い風呂敷包みは神戸一中ランドセルせおったは市立中学、県一親和松蔭山手ともんぺ姿ながら上はセーラー服のその襟の形を見分け、そしてひっきりなしにかたわら通り過ぎる脚の群れの、気づかねばよしふと異臭に眼をおとした者は、あわててとび跳ね清太をさける、清太には眼と鼻の便所へ這いずる力も、すでになかった。
これが…冒頭の九行 (*´艸`)フフフッ♡
すごいでしょう? こんな感じで 続くんです。
息がきれちゃうわぁ
会話の部分も改行とかもせずに とにかく
ずーーーーーーっと続くんです( ・᷄-・᷅ )
最初は読みづらい文章だなぁ……なんて思って読んでいたのですが…本当に不思議なんですが
徐々に 読みやすくなってくるんです。
無駄がないからなのか ちょっぴり戸惑うけど
要点だけが頭に入ってくるの!!
これは不思議な感覚でした(-Ò。Ó-) はい!
「火垂るの墓」
親を亡くした 中学生の清太と 4才の妹の節子。戦火の下で懸命生きようとする二人に胸を打たれます。
原作者の野坂さんご自身の原体験を元に描かれた作品でもあるそうです。
「アメリカひじき」
TVCM制作会社を主宰している俊夫。
妻と息子がハワイで お世話になったという
ヒギンズ夫妻 が来日するという。
俊夫は 一生懸命 過剰なほどに接待をする。
「焼土層」
十二年間育ててくれた養母が亡くなったと報せを受けた男が、二十年ぶりに養母の住んでいたアパートへと向かう。
「死児を育てる」
自分の娘を絞め殺した 久子。
彼女にいったい何が起こったのか…
「ラ・クンパルシータ」
六畳に 狭いながらも重なり合い十六人を収容
している 少年院に鑑別所からやってきた高志。
何故 彼は少年院に入所することになったのか…
「プアボーイ」
高志と同じ少年院に入所している辰郎。
ある日、少年院に弁護士が来て 辰郎は少年院を出る事ができる。
どの お話も 背景には 焼跡闇市派としての野坂氏の
体験にもとづくものでもあるらしい。
火垂るの墓 の清太は死んでしまっているが
これが野坂さんだとしたら…
それぞれ赤裸々に綴られている。
読み終わってからは 読むのが大変なのにも拘わらず 鮮明に光景が目に浮かんでしまう。
納得の直木賞だなぁって感じました。
どれか選ぼうと思ったんですが…
どれもいいんです。
姐さん♥
今月も素敵な選書ありがとうございます。
素晴らしい作品でした。
ジワジワ…ってきます…ジワジワって
理解しながら読むのに時間がかかってしまいました
(*´艸`)フフフッ♡
なんとも言えない この文体の
リズムが癖になりそうです♡
9月もよろしくお願いします(*•̀ㅂ•́)و✧
Posted by ブクログ
高畑勲さん監督のアニメ映画の悲しくも美しい映像から原作を手にした。
私は東京大空襲に続く、横浜・名古屋・大阪・神戸の東海道大空襲なる無差別爆撃をあまり知らなかった。
栄養失調の4歳の妹の、汗疹とノミ湿疹だらけの背中を海水で洗う優しい14歳の兄は、三ノ宮駅の構内で、他たくさんの浮浪児の死体と一緒に、駅員に葬られるのである…
著者の野坂さんは、実際に亡くした妹へのレクイエム、として火垂るの墓、を書いたよう。年齢的に兵士としては召集されず、集団疎開に行くでもない狭間の世代に入り、、生き恥を晒して生きるのが辛かったそうだ。
戦争孤児は12万人とも言われ、植民地からの引き揚げ孤児やもちろん原爆孤児は有名だが、彼らはGHQによる児童福祉政策や新憲法、教育基本法制定、でもまだまだ飢餓や親戚の家での子守り等の仕事、、で学校に行くこともままならず、人権は守られていないような状況が続いていたのだ。
火垂るの墓、含めて6編、独特な関西弁の文章がどしり、ときて、そして無知な私は読み終えることが出来て良かった…
Posted by ブクログ
先週NHKで高畑勲のジブリ作品「火垂るの墓」の制作にあたっての下準備過程を記した7冊のノートを題材にしたドキュメンタリーが放送されていた。亡くなってから東京近代美術館で高畑勲展を観に行って美術館でアニメ作家の展覧会をやることに多少違和感を感じていた。しかし「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」やテレビアニメ「狼少年ケン」「アルプスの少女ハイジ」「赤毛のアン」など多くの名作を世に送った高畑勲はアニメ監督としてただ者ではないと展覧会を観て感じその後高畑勲の本も読んだ。
「火垂るの墓」の原作本は数年前購入して積読状態だったが、今週このアニメがテレビ放送されるようで昨日今日で読んだ。35ページほどの短編だが、終戦直前の4歳と14歳の兄妹にふりかかる戦争の悲惨さを淡々と描かれて、淡々と描かれればかかれるほど現実の戦争がいかに残された市民、子どもたちに犠牲をしいているか、これでもかと表現されてます。母親が空襲で焼け死に、父親は海軍軍人として戦場に行って音信不通、遠い親戚の家をたよりますが、おばから邪見にされ兄妹はそこをでて、壕で生活します。母親の形見を金に変え食べ物を調達します。それもつき空襲にあったときに農家の畑に盗みに入り、また民家の家に入って金目のものをうばったりして飢えをしのごうとしますが、妹は終戦直前に飢え死にし、兄も20年9月22日に三宮駅構内で野垂れ死にします。
短編だけど分厚い本なみの人間の起こす戦争の醜さ、悪を充分訴えてます。
高畑勲は反戦映画ではないとして戦争のリアルを忠実に表現した作品としてます。
この8月にこの半日で読める本に触れるのは充分意義があります。
Posted by ブクログ
美術館でアニメーション作品に使用された画を観て『火垂るの墓』に関心を寄せた。アニメーション作品の雰囲気を伝える別な本にも触れたが、原案となった小説をゆっくり読んでみたくなった。そういうことで手にして読んだ。
本書は短篇集ということになる。『火垂るの墓』、『アメリカひじき』、『焼土層』、『死児を育てる』、『ラ・クンバルシータ』、『プアボーイ』の6篇が収められている。各作品、各々の味わいが在って引き込まれるが、共通項のようなモノも強く感じた。
各作品は昭和40年代前半頃(1960年代後半)に登場しているようだ。作者自身、野坂昭如は1945(昭和20)年の終戦時に15歳であったそうだ。「焼跡闇市派」と自称したそうだが、戦時の様々な事柄、戦後の混乱期を潜り抜けて、その時期から20年余りを経て「自身の中で終わったような、終わっていないような“時代”の記憶」が何時も在ったのかもしれない。本書の各作品については、そうした作者自身の経験、想いの遍歴というようなことを細かく切り取り、適宜組み合わせて脚色する形で小説各篇の主要視点人物を編んでいるというように感じられた。
『火垂るの墓』はアニメーション作品でもよく知られている。14歳の寄る辺の無い少年が、神戸の三ノ宮駅で力尽きてしまう場面から物語は起こる。そしてそこへ至る迄の、戦禍の中で幼い妹と2人になり、妹を護って生きようとして果たせなかったという顛末が綴られている。何か、少年の魂が何処か遠い所、更に未来にでも在って、そこから自身の顛末を見詰めて語っているかのような、不思議な雰囲気が漂う文章であるとも思った。
『アメリカひじき』は会社を営む男が、妻をハワイ旅行に出したことが契機で、ハワイで知り合った米国人夫妻が来日するので自宅に迎えたいと言い出すという辺りから物語が起こる。戦時のこと、戦後の様々なことに想いを巡らせながら、米国人夫妻との交流というようなことになる顛末が綴られる。戦後20年程を経ている時期の物語だ。
『焼土層』は戦禍で少し身体が不自由になった実母により、親類へ養子に出されたという経過の男の物語となる。戦後20年程を経た或る日の出来事が在り、色々なことに想いが巡る。
『死児を育てる』は2歳を過ぎた娘を絞殺してしまったという若い女性が出て来る。そういう挙に出てしまう背後に何が在ったのか、その複雑な想いが解かれる物語だ。戦後10年余りを経ている時期の物語である。
『ラ・クンバルシータ』と『プアボーイ』とは1947(昭和22)年頃というような時期の物語である。『ラ・クンバルシータ』では、或る少年が少年院に収容されるということになり、そこへ至る迄が振返られる。『プアボーイ』は『ラ・クンバルシータ』の主要視点人物である少年と少年院で同房であった別な少年が主要視点人物となる。新潟で会社を営むようになっていた叔父夫妻に引き取られるのだが、少年院に入るに至った顛末や、新潟での顛末という物語となる。
6つの篇を大まかに振り返ったが、作者自身の経験、想いの遍歴が様々に反映された形で物語が創られている様子が凄く伝わった。戦禍という異常で過酷な様子、そうしたモノに何か捻じ曲げられたような人の心や人生、少し長い時日を経ても澱のように人の中に溜まっている何か、場合によって人を突き動かす何かというような共通項が6つの篇から感じられた。
6つの篇の中、『火垂るの墓』の少年は力尽きてしまって「戦後」を長く生きるのでもない。他の5篇は「戦後」の経過を各々に経ている。年代の設定が少しだけ違う、また『死児を育てる』は少年ではなく少女ではある。それでも『火垂るの墓』以外の各篇は、「力尽きることを免れた場合の人生」というようなことであるかもしれない。
作者の野坂昭如の名を聞けば、自身が中学生や高校生であったような頃、更に大学生位の頃に、様々な活動で耳目に触れることも在った「個性的な文化人」というようなことを思う。「みんな悩んで大きくなった〜♪」というようなCMソングも歌っていたと思う。そういうことではあるが、彼は常々「作家 野坂昭如」と紹介された。その「作家」としての仕事には、自身では触れたことが無かった。今般、美術館で観た画が契機で、「作家 野坂昭如」が遺した仕事に確り触れることになった。善かったと思う。
2025(令和7)年は「戦後80年」ということになる。戦禍の記憶等を忘れずに考えるというような問題意識も在るのかもしれない。そうした中、戦禍という異常で過酷な様子、そうしたモノに何か捻じ曲げられたような人の心や人生、少し長い時日を経ても澱のように人の中に溜まっている何か、場合によって人を突き動かす何かに「経験者」として向き合った作家が綴った作品に触れるのは価値在る営為であると観る。
更に言ってしまうと、「今でも激しい戦禍に見舞われている国や地域」というような例も見受けられる中なので、「戦禍」というモノと「人間」というモノに想いを巡らせなければならないようにも思う昨今である。そういうことで、本書は考えるための好い材料になり得ると観る。
御蔭様で好い読書体験をさせて頂いているというようなことを感じる。本作は手軽に入手して気軽に読めるような文量の文庫本であるので、広く御薦めしたい。
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小説・文芸
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