桜木紫乃のレビュー一覧
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二周目の恋ってなんでしょ。
人気作家さんお揃いのアンソロジー。
「最悪よりは平凡」島本理生
妖艶な名前を持つ女の子は平凡を目指す
「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
勝負のバレンタイン。彼氏は凄腕。
「フェイクファー」波木銅
着ぐるみ同好会。
「カーマンライン」一穂ミチ
アメリカと日本。離れて育った男女の双子の擬似恋愛。
「道具屋筋の旅立ち」遠田潤子
かわいいを振り切った女子は、カッコよく生きるのだ。
「無事に、行きなさい。」桜木紫乃
アイヌ語で アパンノ パイエ 「さよなら」がない民族
「海鳴り遠くに」窪美澄
程良い年齢の百合。
二度目ではなくて二周目ってキーワードが難 -
Posted by ブクログ
私は三浦しをん熱がまだ冷めないので、本屋に行くと、「三浦しをん」を探してしまう。
題名を見て「きみはポラリス」を思い出したこともあり、本書を購入。
でも、開けて読み始めると、JR九州のクルーズトレインを巡る7人の作家の短編集だった。北斗七星之ではない。表紙をよく見れば電車だったし、帯にもそう書かれている。すぐにカバー掛けてもらっなので気が付かなかった。
因みに、文春文庫では「甘い罠」「妖し」などをテーマに豪華な顔ぶれでアンソロジーを出している。(この本がそうであるように、初出はオール読物かもしれない)
私は、中でも川上弘美の「アクテビティは太極拳」が良かった。母親が子育て中の娘に手紙でななつ -
Posted by ブクログ
ネタバレ霧が立ち込める、寒々しい北の歓楽街。今でこそ人口が減少し寂れてしまったが、炭鉱やパルプ産業で活気があった昭和の北海道を感じさせる小説。
戦後の日本、特に北海道が発展した裏側では、光の当たらない、悲しい出来事が沢山あったのだろう。演歌を通り越して、まさにブルースである。
白黒の寂しい街角を思わせる表紙と、裏表紙の紹介文から、登場人物の設定やストーリーの展開は容易に想像できた。それでも、ついつい、博人の人生に引き込まれ、読み進んでいく。結局、「濡れ場」中心に物事が進んでいく展開は気に食わないのだが、まだまだ謎が多い博人の人間性に迫るために、もう一度読むか、続編も手に取りたい。(漫画の方は後にし -
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Posted by ブクログ
おすすめ文庫王国2022からのチョイス(って、いつの話だよ)、恋愛小説ベストテンの第8位(この微妙な順位のどこに惹かれたのだったけな)。
定職を持たず時々入る映写技師の仕事をしながら映画評論や脚本を書いて暮らす信好40歳と、昼夜の看護師を掛け持ちして彼を支える紗弓35歳。
親ともあまり関わらず近所付き合いもないような二人だけで暮らす世界で、甲斐性のなさに後ろめたさを持つ夫と、そんな夫の屈託を理解し彼の心に踏み入らない妻。
それぞれの心の中にある小さな棘や夫婦であっても相手に話さぬ気遣い話せぬ秘め事、そうした夫婦の微妙な心根と日常が交互の視点で描かれていく。
仲の良い、健気な夫婦の話は、悪い話