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Posted by ブクログ
物語は、音信不通だった母・百合江の昏睡現場から始まります。理恵が従姉妹の小夜子と訪ねた町営住宅で、老衰した百合江が握りしめていたのは「杉山綾子」という名の位牌。理恵は、叔母の里美に促されてその位牌の謎を知る人物を訪ねていきます。ミステリーのような導入ですが、本書は百合江の生き様を描きながら「愛」の形を炙り出す物語です。
北海道の開拓村で生まれた百合江は、奉公先を飛び出し、夢を追い旅一座に弟子入りします。一座が解散すると、百合江は弟弟子の宗太郎と深い仲になり綾子という娘を授かりますが、宗太郎は姿を消してしまいますーーーー
百合江や妹の里美、そして母のハギは苦労します。ハギに至っては文盲でルコール依存症、夫や息子たちから暴力を受けても耐え続ける受け身で無力な存在として描かれ、手に職を持ちせっせと働く娘たちとは対照的です。本書に登場する男性がほとんど身勝手でクズなので、「女性の自立」「生きること」というテーマが際立ちます。一方で「ラブレス」というタイトルの意味も物語の展開とともにじわりと重要性を帯びてくるのがとてもいいです。
そしてラストはめちゃくちゃ泣きました。こんなに涙が出た小説はひさしぶりです。作中のキーワードを反芻してまたうるうる(TᵕT)
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