桜木紫乃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
寄せては返す波のような欲望に身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。
安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂。
とても素敵な角川の紹介文、引用させていただきます。
そんな人々の“どうしようもなさ”と“それでも生きていく姿”を、北海道の風景に託して叙情豊かに描き出す七つの短編。
「波に咲く」
中国人妻との静かな生活を守ろうとする畜産業の青年。寂しさを封じ込めているのは日本の女だけではない。青年にも言葉にならない悲しさがあるのが見えてくる。
「海へ」
クズ男に貢ぎ、身体を差し出す女。
やがて 彼女は彼らを捨てて離れていく。
“ん、それが良い”と思える、ささやかなカタルシスがある。
「プリズム」
この短編が最も印象的。
クズ男に美人局を仕向けられる女。その気持ちの受け口になったのが、新しいクズ男。
光を屈折させるプリズムのように、彼女の人生も斜めに歪んでいく。という意味にとったんですが。
「フィナーレ」
ストリッパーと地域記者の淡く静かな恋。
すすきのを離れ、別々の道を歩むことで、ようやく得られる穏やかな生活。
“終幕”とは、必ずしも悲しいものではないのだと感じさせる。
「風の女」
12歳で家を出た姉が、遺骨となって戻ってくる。
書家として将来を期待されていた姉が、その才能を隠し生きた道。その理由に想いを馳せる妹の静かな揺れも少し哀しげ。
「絹日和」
着付師になる夢を諦め、廃坑のクズ夫について行った女。生き方どころか意志までも手放していたが、人生の再生へと小さな賭けに出る。
「根無草」
生活力のない父と共に転々としてきた少女は、やがて記者となる。
子どもの頃の記憶に残る男との再会をきっかけに、自分の生き方をようやく選び取る。
“根無し草”であることの痛みは、最期まで。
どの短編の人物も、夜にひっそりと咲く花のように、誰にも気づかれない場所で自分の人生を生き抜こうとしている。
作者は彼らに過度な救いは与えない。
それでも読み終えたあと、女性たちの強さが印象的。それがこの短編集の魅力。
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Posted by ブクログ
道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体となった。年の離れた夫を看病する妻・節子の平穏な日常にも亀裂が入り、闇が溢れ出すーー。彼女が愛人関係にある澤木とともに、家出した夫の一人娘を探し始めると、次々と謎に直面する。短歌仲間の家庭に潜む秘密、その娘の誘拐事件、長らく夫の愛人だった母の失踪……。驚愕の結末を迎える傑作ミステリー。(解説・池上冬樹)
いや〜面白かったです(*´∇`*)
節子が火災で死んだところから始まるんですけどね
男と女のドロっとした話も、桜木さんが書くとどこか渇いた文章で淡々としていて
それがすごく良い♪
中盤からミステリー感が増し増しでラストまで目が離せない展開。
「削ぎ落とす快感に目覚めた小説です」
桜木さんが仰ってますが本当にそれ!
感情移入せずに俯瞰的に読むわたしには大変心地良い作品です╰(*´︶`*)╯
女は強かで怖い笑
そして何故か憎めない男たち
気に入らない解説もたくさんありますが
池上冬樹氏の解説も良かった!!
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Posted by ブクログ
思い出して、思い出して、忘れて行くこともある──
釧路で書道教室を営む夏紀は、軽い認知症を患った母がつぶやいた、聞き慣れない地名を新聞の短歌の中に見つける。
父親を知らぬ自分の出生と関わりがあるのではと、短歌を投稿した元教師の徳一に会いに根室へ。ひとつの短歌に引き寄せられた二人の出会いが、オホーツクで封印された過去を蘇らせる……。
面白かった〜
徳一は教師時代に受け持った女生徒への後悔と懺悔を胸に抱えて生きてきました
夏紀が訪ねてきた事で過去の出来事を息子と共に探っていくんだけど…
徳一、息子、夏紀…それぞれの心情が丁寧に描かれてて良いの♪
曇天のオホーツクと過去を探っていくミステリー部分が絶妙に暗くて悲しい
これぞ桜木紫乃の世界です
:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
人間関係につまずいたイチコ。ある人のことばに背中を押されて生き方の舵を切り直した彼女は、一匹の猫との出会いで新たな感情を手に入れる。イチコ、モネ、ケイ。年齢も生い立ちも異なる三人の物語。それぞれやっかいごとを抱える彼女たちの人生は、とある喫茶店でかすかに交わる。店でひととき過ごしたあと訪れる、ささやかだけれどたしかな変化とは。 ひたむきに、今を生きるあなたへの一冊。読んだあと誰かに贈りたくなります。
『仕事も恋も結婚も、今しかできないことを選びつづけてきたのに。どうしてこんなに疲れているんだろう。』
【個人的な感想】
予想よりかなりページ数の薄い本だった。
綺麗な写真がたくさんで絵本のような感覚で読めた。