桜木紫乃のレビュー一覧

  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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     桜木さん作品の男性といえば、DV気味のクズ男かヒモ男(口が悪くてすみません…)が多いのですが、今回は違いました。

     頼りない男性が描かれているのですが、桜木さん作品にしては珍しくほっこりするお話でした。

     私的には実家をリフォームして暮らし始めるあたりがなんだか温かく優しい気持ちになりました。

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    2025年11月30日
  • それを愛とは呼ばず

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     面白かったです。最後の展開は読めず、驚きました。
     亮介と紗希、それぞれが相手をどう感じているのか、各章交互に明らかになっていく。
     ずっと擦れ違い続け最後は…。

     廃墟同然のマンションのシーンは情景が目に浮かび、なかなか怖かったです。
     このお話はどのジャンルになるんだろう…。

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    2025年11月29日
  • 誰もいない夜に咲く

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    寄せては返す波のような欲望に身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。
    安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂。
    とても素敵な角川の紹介文、引用させていただきます。
    そんな人々の“どうしようもなさ”と“それでも生きていく姿”を、北海道の風景に託して叙情豊かに描き出す七つの短編。

    「波に咲く」
    中国人妻との静かな生活を守ろうとする畜産業の青年。寂しさを封じ込めているのは日本の女だけではない。青年にも言葉にならない悲しさがあるのが見えてくる。

    「海へ」
    クズ男に貢ぎ、身体を差し出す女。
    やがて 彼女は彼らを捨てて離れていく。
    “ん、それが良い”と思える、ささやかなカタルシスがある。

    「プリズム」
    この短編が最も印象的。
    クズ男に美人局を仕向けられる女。その気持ちの受け口になったのが、新しいクズ男。
    光を屈折させるプリズムのように、彼女の人生も斜めに歪んでいく。という意味にとったんですが。

    「フィナーレ」
    ストリッパーと地域記者の淡く静かな恋。
    すすきのを離れ、別々の道を歩むことで、ようやく得られる穏やかな生活。
    “終幕”とは、必ずしも悲しいものではないのだと感じさせる。

    「風の女」
    12歳で家を出た姉が、遺骨となって戻ってくる。
    書家として将来を期待されていた姉が、その才能を隠し生きた道。その理由に想いを馳せる妹の静かな揺れも少し哀しげ。

    「絹日和」
    着付師になる夢を諦め、廃坑のクズ夫について行った女。生き方どころか意志までも手放していたが、人生の再生へと小さな賭けに出る。

    「根無草」
    生活力のない父と共に転々としてきた少女は、やがて記者となる。
    子どもの頃の記憶に残る男との再会をきっかけに、自分の生き方をようやく選び取る。
    “根無し草”であることの痛みは、最期まで。

    どの短編の人物も、夜にひっそりと咲く花のように、誰にも気づかれない場所で自分の人生を生き抜こうとしている。
    作者は彼らに過度な救いは与えない。
    それでも読み終えたあと、女性たちの強さが印象的。それがこの短編集の魅力。

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    2025年11月28日
  • ヒロイン

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    かなり分厚い本だけどおもしろい。

    《どこで間違ったわけでもない。へまはしたけれど、それが岡本啓美の選択だった。》

    一度道を踏み外すと、こうも外れた道ばかりを選んでしまうのか。

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    2025年11月23日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体となった。年の離れた夫を看病する妻・節子の平穏な日常にも亀裂が入り、闇が溢れ出すーー。彼女が愛人関係にある澤木とともに、家出した夫の一人娘を探し始めると、次々と謎に直面する。短歌仲間の家庭に潜む秘密、その娘の誘拐事件、長らく夫の愛人だった母の失踪……。驚愕の結末を迎える傑作ミステリー。(解説・池上冬樹)

    いや〜面白かったです(*´∇`*)
    節子が火災で死んだところから始まるんですけどね
    男と女のドロっとした話も、桜木さんが書くとどこか渇いた文章で淡々としていて
    それがすごく良い♪
    中盤からミステリー感が増し増しでラストまで目が離せない展開。


    「削ぎ落とす快感に目覚めた小説です」
    桜木さんが仰ってますが本当にそれ!

    感情移入せずに俯瞰的に読むわたしには大変心地良い作品です╰(*´︶`*)╯

    女は強かで怖い笑
    そして何故か憎めない男たち


    気に入らない解説もたくさんありますが
    池上冬樹氏の解説も良かった!!




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    2025年11月20日
  • 無垢の領域

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     うわ〜…面白かったです。
    他の方々の評価は、低めな印象でしたが、十分に面白かったと思います。

     じっとりした展開で、秋津親子にはずっと嫌悪を感じながら読みました。最後の展開も、あ、なるほど…と納得。伶子さんが秋津と離婚したら、幾分気持ちがスッキリするのに…とモヤモヤ。でも、最後の展開が周囲に発覚すれば、さすがに伶子さんも見限るのかな?

     私的に、嘉史にも、もう少しスポットを当てて、心情を描いて欲しかったなと思いました。

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    2025年11月20日
  • ブルースRed

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     前作より続編。偉大なる父を亡くし、その後を継ぐ義理の娘の莉菜の人生を描いている。

     話はハードボイルドで、裏の世界が描かれている。淡々と歳月が進み、余計な文章はなく、読みやすく、面白かった。

     前作より、終始暗いが、その暗さが好きで、くせになる。

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    2025年11月18日
  • 起終点駅

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     一話一話が重く、深いお話でした。

     ただ、少し物足りなさ感じ、それぞれ長編で読んでみたいと思いました。

     桜木さん作品、まだまだ読み進めます。

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    2025年11月13日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    どの作品もさくっと読めるけど、登場人物の人生と重ねて考えられる余韻があった。私はななつ星に誰とどんなときに乗りたいだろうと考えた。

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    2025年11月09日
  • 氷の轍

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     面白かったです。前作の主人公もポツポツと出てきて嬉しかったです。

     犯行動機はうん…たしかに…と納得。良かれと思っても他人にとっては迷惑で…。歳を重ねると自分の考え方を変えるのは難しいですよね。

     桜木さん作品、このままの勢いで次に進みます。

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    2025年11月09日
  • 人生劇場

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    桜木さんの作品は根底に暗いものが漂っている。
    誰のせいでもなく、ただそこにあって、そこに生まれ落ちた人が宿命のように背負わされるもの
    その不条理に涙が出てくる。
    あちこちにぽこっと落とし穴があって、はまらずにすむ人と、はまってもがきまくる人と、その違いはなんだろうか。
    夫婦は自分で選んだから責任はあるとして、親や兄弟は自分では選べないのに、しがらみから逃れられず、諦めなのか許せるようになるのは、自分自身も様々な人生経験を積んだ後なのだと思うと、なかなかしんどいな。

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    2025年11月09日
  • 誰もいない夜に咲く

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    7つの短編集
    どの話も女が強かに生き抜いている
    男に騙され流されているようで、実は自分の足で踏ん張って生きている女達
    行ったことのない北海道の情景が目に浮かぶような文章はさすがです
    これぞ桜木紫乃って感じ♪

    北海道を描き続けている桜木作品はどれも似ていて飽きちゃう?って方もいるけど
    わたしはこのまま北海道にこだわって描き続けて欲しいと思ってます_φ(・_・


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    2025年11月07日
  • ホテルローヤル

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    全体的に寂れててジメッとした雰囲気が漂う ホテルにまつわる連作短編集 時系列が通常とは逆で、廃墟となったホテルローヤルから始まり、終盤はホテル開業前まで時間が遡って描かれていく。ギリギリの生活をしている登場人物ばかりで、非現実感やそういった世界の恐怖なども感じる。どこか物悲しさが漂うが、不思議と引き込まれる作品だった。

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    2025年11月06日
  • 情熱

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    帯にある3作品ではない2作品が好き。
    「グレーでいいじゃない」で、最後に亡くなった相棒の母が弾く「ストレンジャー」の演奏の音が聴こえてくる気がした。
    「らっきょうとクロッカス」1人で50過ぎまで目的に向かって目標を達成しながら完璧に生きてきた女性が、ささやかな出会いで穏やかで幸せな生き方を手に入れる、その語り口が、なんか、沁みた。

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    2025年11月03日
  • ホテルローヤル

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    辛い。
    この人の取り上げる人たちのギリギリ感はいつもきつい。
    上手な分、目を背けたくなる。
    「えっち屋」「バブルバス」で少し息ができる。

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    2025年11月03日
  • 風葬

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    思い出して、思い出して、忘れて行くこともある──

    釧路で書道教室を営む夏紀は、軽い認知症を患った母がつぶやいた、聞き慣れない地名を新聞の短歌の中に見つける。
    父親を知らぬ自分の出生と関わりがあるのではと、短歌を投稿した元教師の徳一に会いに根室へ。ひとつの短歌に引き寄せられた二人の出会いが、オホーツクで封印された過去を蘇らせる……。


    面白かった〜
    徳一は教師時代に受け持った女生徒への後悔と懺悔を胸に抱えて生きてきました
    夏紀が訪ねてきた事で過去の出来事を息子と共に探っていくんだけど…
    徳一、息子、夏紀…それぞれの心情が丁寧に描かれてて良いの♪

    曇天のオホーツクと過去を探っていくミステリー部分が絶妙に暗くて悲しい

    これぞ桜木紫乃の世界です
    :.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。

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    2025年11月01日
  • 情熱

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    「情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ」という帯書きだが、タイトル作の『情熱』よりも、他の『兎に角』に特に惹かれました。

    どの作品も、還暦過ぎた主人公たちの諦念や枯れ感がいい具合に醸し出されていて、安心して読めました。

    桜木さん、これからも是非この路線で頑張って欲しいです。

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    2025年10月29日
  • 家族じまい

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    認知症になった母親を軸に、娘や姉など周りの女性目線で家族を描いた物語。
    家族や夫婦だからこそ踏み込めるところと踏み込めないところがあって、面倒くささと愛情がリアルだった。どの話も余韻を残すようなラストでよかった。

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    2025年10月29日
  • 彼女たち

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    人間関係につまずいたイチコ。ある人のことばに背中を押されて生き方の舵を切り直した彼女は、一匹の猫との出会いで新たな感情を手に入れる。イチコ、モネ、ケイ。年齢も生い立ちも異なる三人の物語。それぞれやっかいごとを抱える彼女たちの人生は、とある喫茶店でかすかに交わる。店でひととき過ごしたあと訪れる、ささやかだけれどたしかな変化とは。 ひたむきに、今を生きるあなたへの一冊。読んだあと誰かに贈りたくなります。

    『仕事も恋も結婚も、今しかできないことを選びつづけてきたのに。どうしてこんなに疲れているんだろう。』

    【個人的な感想】
    予想よりかなりページ数の薄い本だった。
    綺麗な写真がたくさんで絵本のような感覚で読めた。

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    2025年10月25日
  • 凍原

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     久々の桜木さん作品。相変わらずの暗さが漂う内容で、好みでした。

     シリーズ物になるのかな?と思っていましたが、次作はまた別の主人公が活躍するみたい…。

     個人的に比呂とリンの関係の続きを読みたいです。

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    2025年10月23日