桜木紫乃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
北海道の美しさと共に、鮮明に青のイメージが広がる絵本に関わる人たちの短編。
今まで読んだことのある激しい展開より、心地よい静けさを感じ、それでも心に深く刺さる心情描写、やるせなくも最後は澄んだ気持ちになれました。
鍵 key、いつもどおりが沁みました。他愛のない日常のありがたみを感じます。それぞれの人生への捉え方にぐっと深みがありました。
喪失と再生の繰り返しなのだなと思います。様々な岐路に立ち、その先に人生の終焉をも考えさせられるようになってきました。なのに、本当に自分の足で歩くときが来た。やはりそう感じるのは、まだまだだと、背中を押されているようでした。 -
Posted by ブクログ
人生も後半にさしかかった女たちの短編集。
苦しかったことも嬉しかったことも時間とともにその人の一部となる。喜びばかりではない人生だからこそ、彼女たちのそばに『絵本』があるのかなと思った。
おとなの絵本というのがあるけれど、子どものための絵本でも、人と出会うと心に深く残る作品であったりする。
それぞれの短編は静かな語り口だ。初めて読んだ作家さん、とても優しい。彼女たちの未来と、北海道の寒さに思いを馳せる。冬に読めてよかった一冊。
本作に付録として入っていた、たかしろこうこの『青い絵本』は、作品を読んだ後に読むのをおすすめしたい。いつ読んでも差し支えはないけれど、じんわりと心に沁みてくる。 -
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Posted by ブクログ
舞台が似合いそうなお話。頭の中ではすでに読みながら上演されていた。実際に舞台化したら見てみたい。
後半を読んでいる時は竹内まりやの縁の糸が脳内を流れていた。(キャバレーっぽくないけど)
みんないいキャラで、夜の世界を、芸事を心得ている感じで、その世界で出会ったら絶対仲良くなりたい!と思っただろうな。
先日読んだ千早茜さんの『男ともだち』でも思ったけど、何かをなくすならなくしきった方が、挫折するなら挫折しきった方が、中途半端よりもいいだろうなと思う。
別れもきっちりとする。そうしたら次の出会いを心から喜べる。
ついつい色んなものや関係をずるずる引き延ばしがちだけど、覚えておきたいなと思う。 -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読んでみたら、まさにタイトル通りの物語。
桜木紫乃さんが描く、北海道の寒々しさを感じる夜の世界の人々のお話、やっぱり好きだ。
北海道のキャバレーで雑用係として住み込みで働く主人公の章介と、年の瀬近くなった12月にそのキャバレーにやってきた、トランスジェンダー(ブルーボーイ)のシンガーソコ・シャネル、年かさのストリッパーフラワーひとみ、インチキ臭いマジシャンチャーリー片西(師匠)が送る、ひと冬の物語。
4人の関係性がとてもよかった。章介が住むキャバレー持ちの寮はねずみなども発生するくらいオンボロで、短期間ではあるけどその寮の別々の部屋に住む予定だったゲストの3人も、結局章介