桜木紫乃のレビュー一覧

  • 青い絵本

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    人生も後半にさしかかった女たちの短編集。
    苦しかったことも嬉しかったことも時間とともにその人の一部となる。喜びばかりではない人生だからこそ、彼女たちのそばに『絵本』があるのかなと思った。
    おとなの絵本というのがあるけれど、子どものための絵本でも、人と出会うと心に深く残る作品であったりする。

    それぞれの短編は静かな語り口だ。初めて読んだ作家さん、とても優しい。彼女たちの未来と、北海道の寒さに思いを馳せる。冬に読めてよかった一冊。

    本作に付録として入っていた、たかしろこうこの『青い絵本』は、作品を読んだ後に読むのをおすすめしたい。いつ読んでも差し支えはないけれど、じんわりと心に沁みてくる。

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    2024年12月06日
  • 星々たち 新装版

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    すごくリアルだったし、なんだか人生を追体験しているようで胸が苦しくなった。でも最後はこんなしんどい中でも救われるような作品だった。とても内容が濃く、印象深い作品。

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    2024年12月05日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    こういうタイプの本は、ほぼ読んだ事がなかったのですが、列車の旅を題材にしていたのが、気になり手にとりました
    ななつ星に乗った気分で、それぞれの旅を経験させてもらいました

    お値段もそこそこで、この先乗れることもないであろう列車ですが、様々な主人公を体験でき、切ない気持ちになりました

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    2024年12月03日
  • 蛇行する月

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    高校で同じ部活に所属していた女性たちの生き方を描く短編集。
    皆それぞれに息苦しい生活の中、父親ほどの歳の男性と駆け落ちした順子が、皆の心を波立たせていく。
    順子の生活は相当ギリギリで、苦難が多い。それでも屈託なく、しあわせと言い切れるのは一体何故なのか。
    それぞれが、自分のしあわせとは何なのかを見つめ、向き合うことになる。
    明るい話ではないが、重すぎる訳でもなく、曇り空の中にうすぼんやりと射す光のような表現が好み。

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    2024年11月27日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    男女の情愛が拗れてストーリーが進むだけ…なんてことは一切なく、先の読めないミステリー!
    情景の中に不気味に人物の感情が表れていたり、文学的な表現が多く見られて読み応えがありました。

    序章に戻って読み直すとまた味わいが変わって、色々な言動の意味が見えてきます。

    とし子さんや木田さんがすごく常識人に感じてしまうくらい、登場人物たちには癖があった…

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    2024年10月23日
  • 氷の轍

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    釧路での殺人事件を追う、女刑事のサスペンス。に、見せかけた、肉親の尊さを訴える、桜木さんの家族小説。北海道本の中でも、道東の寒さを思い出させるのが魅力の一つ。4連作だそうですが単独でもOK。

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    2024年10月15日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    舞台が似合いそうなお話。頭の中ではすでに読みながら上演されていた。実際に舞台化したら見てみたい。
    後半を読んでいる時は竹内まりやの縁の糸が脳内を流れていた。(キャバレーっぽくないけど)
    みんないいキャラで、夜の世界を、芸事を心得ている感じで、その世界で出会ったら絶対仲良くなりたい!と思っただろうな。

    先日読んだ千早茜さんの『男ともだち』でも思ったけど、何かをなくすならなくしきった方が、挫折するなら挫折しきった方が、中途半端よりもいいだろうなと思う。
    別れもきっちりとする。そうしたら次の出会いを心から喜べる。
    ついつい色んなものや関係をずるずる引き延ばしがちだけど、覚えておきたいなと思う。

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    2024年10月10日
  • 彼女たち

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    ネタバレ

    ジョンとイチコ
    「なつかしいものなんてひとつもないの」というイチコさんと暮らす猫⁉︎のジョン。イチコさんの「なつかしいもの」に。

    モネの一日
    今したいこと。自分のページをめくる。

    夕暮れのケイ
    今を乗り越える力

    書き残した手紙
    〜どうか明日も、笑っていてください。〜

    こぼれ涙…やられた…。

    添えられた優しい写真。

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    2024年09月30日
  • ブルースRed

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    『ブルース』の続編として本書を手に取った読者は、影山博人に恋をしていると思う。

    本書の主人公:莉菜は、継父の博人に恋焦がれ、この世にいない博人の亡霊をいつも追いかける。
    莉菜の目標は、博人の遺伝子を受け継いだ武博を、代わりに担ぎ上げること。
    道東の釧路の裏社会を牛耳るも、その土地をどこかで恨んでいる。

    『ブルース』は博人の視点で描かれなかったが、本書は莉菜の視点でしか語られていない…両書とも【女目線】なのだ。

    「男と違って女のワルには、できないことはない」は莉菜の呪縛ではなかったのか⁈
    紫乃氏作品は、余韻が凄い。

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    2024年09月29日
  • 谷から来た女

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    こんなうだるような暑い最中に読んだとしても、一瞬で冬の北海道に降り立ったような空気感に染めてしまう桜木さんの作品。北海道と孤高の女を書かせたら右に出るものはいない作者だが、今作はアイヌ民族の血を引き、アイヌ紋様のデザイナーとして活躍する赤城ミワが主人公。語彙力のなさを承知で言うと、なんかカッコ良かった。クールだ。以前の作品から感じられる泥水をすするような、しょっぱい女の痛みのような雰囲気はあまり感じられない。個人的にはそっち系の方が自分の好みなのだが、行間から想像力を掻き立てる文章は流石のひと言。

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    2024年09月22日
  • 霧

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    三姉妹の次女の話、次女。家を出て芸者として生きるその後相羽と知り合う、三浦と言う男の身代わりになって助けていただいた恩があると言い警察に出頭する。珠生は、この男相場を待とうと、心に決め出所後芸者を辞め、相羽組を作り、妻となる。事務の木村は、珠生にとって心強い相手、相羽の骨を海に返す時三浦を殺したのは木村で最後にポツリと話す全ては愛であった。

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    2024年09月18日
  • 家族じまい

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    呆けてしまった母親と、昔気質な父親、2組の娘夫婦。付かず離れずで、老いという人生の不都合に立ち向かう。距離感や生活感が、故郷を思い出させる北海道本の傑作。

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    2024年08月27日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    タイトルに惹かれて読んでみたら、まさにタイトル通りの物語。
    桜木紫乃さんが描く、北海道の寒々しさを感じる夜の世界の人々のお話、やっぱり好きだ。

    北海道のキャバレーで雑用係として住み込みで働く主人公の章介と、年の瀬近くなった12月にそのキャバレーにやってきた、トランスジェンダー(ブルーボーイ)のシンガーソコ・シャネル、年かさのストリッパーフラワーひとみ、インチキ臭いマジシャンチャーリー片西(師匠)が送る、ひと冬の物語。

    4人の関係性がとてもよかった。章介が住むキャバレー持ちの寮はねずみなども発生するくらいオンボロで、短期間ではあるけどその寮の別々の部屋に住む予定だったゲストの3人も、結局章介

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    2024年08月07日
  • 谷から来た女

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    ネタバレ

    ん〜〜〜?え?で、ミワは何処に行っちゃったの?
    なんか難しいラストで、よくわからなかったぞ…
    ?(^◇^;)

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    2024年08月04日
  • 谷から来た女

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     赤城ミワのほれぼれとした生き方に感動し自分ではできない生き方に嫉妬さえします。

    ― わたしを守るのは、わたし自身だったんです。 ―
     

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    2024年07月27日
  • 二周目の恋

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    深夜のスパチュラ
    なんか煮え切らない恋ってところが沁みた。男らしさを求めてしまうところは同じだな、毎度思うが綿矢りささんの小説に出てくる女は客観視してしまうほど過激。
    フェイクファー
    自分の中で思い出を消化し、少し客観的な立場で自分を見る主人公が少し羨ましい。
    海鳴り遠くに
    恋愛にタイミングは必要。ただ、わたしは肉体関係を生々しく描く作品はあまり得意としないと感じた。それだけで文章がドロドロに感じてしまう。

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    2024年07月15日
  • 谷から来た女

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    赤城ミワはアイヌの血をひき、背中に父親から彫られた彫物を背負っていた。
    奔放な女性を描いているようだが、背中の彫物と同じにアイヌの血が背負った重さに負けない姿勢に共感する。
    ミワと関わった和人の人々はミワとの距離感を掴めず近くに居ながらも関係を解消してゆく様は、谷から来たアイヌという存在がくびきとなっているのか。
    赤城ミワは力強く哀しく不器用な生き方しか出来ない女性の物語。

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    2024年07月13日
  • 氷の轍

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    前作 凍原とはタイプの異なる主人公。
    舞台は同じ釧路ですが、色味の異なる印象にまたまた次作が楽しみです。

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    2024年07月07日
  • 谷から来た女

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    アイヌの血を引き、新進デザイナーとして活躍する若い女性・赤城ミワを主人公にした連作短編集です。
    主人公の祖父が二風谷ダム訴訟(アイヌ民族の先住性を問う契機となった事件)の原告の一人という設定です。ですからアイヌの問題(私はこの領域に関しては全く無知なので、調べつつ読み進める事になりました)は出て来ますが、それについては極端に偏ることは無く、主人公(モデルになった人が居る)の言葉を介して淡々と重い事実が語られる感じです。むしろ、物語の焦点は凛として生きる主人公や彼女を取り巻く人々の生き様を描くことに重点があるように思います。
    それにしても、どんどん上手くなりますね。読み始め”酔いを片手にひとりに

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    2024年07月05日
  • 蛇行する月

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    桜木紫乃さんは五作品目
    いつもどの作品にしようか、レビューを読みながら決めるのを楽しみにしている° ✧ (*´˘`*) ✧ °

    話は暗めなのだが、初めて読んで以来、著者の凍てつく北の大地の世界に時々戻ってきたくなるようになってしまった

    著者が描く女達は、まるで極東の冷たい大地にのように逞しく芯が強い
    そしてその周りにいる男達は頼りない

    今作は六章に分かれていて、それぞれの語り手(女六人)がどの物語にも登場する”順子”と繋がっている
    そして今の”順子”のしあわせを確認したくなると同時に、自分と比べてみる

    「私は、あの人(順子)よりしあわせ」

    みんなそう思っていた

    しかし、妻子持ちの男

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    2024年07月03日