桜木紫乃のレビュー一覧

  • ブルース

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    1人の男性を女性からみた視点で次々と繋がっていくストーリー。
    北海道での話し。
    たばこ、酒、欲望、女、男、雪、夜
    桜木さんの本を読むといつもこんなキーワードが出てくる。
    頭の中に私の知らない夜の街が次々と浮かんできて読み進めていくのが楽しい。
    最後は身体の関係ではなく、心で繋がっていたような関係だったけれど、何も刺されなくても〜!と思ってしまった。ハッピーエンド好きな私は。
    でもそれもまた良い終わり方でした。
    自分とはあまりにもかけ離れた話のようであるけれど、心がの根底は繋がっている話しであるようでいつも桜木さんの本はすいすいと読めてしまいます。

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    2021年11月29日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    桜木紫乃節と言いたい、きらりと光る文が、りばめられた連続短編集。
    言葉のあや(とり)に心地よくくすぐられるような、あやされるような、うまいんですね。

    主人公たちの「ふたり」夫婦も、その親たちの「ふたり」夫婦も、ご近所の、職場の夫婦の「ふたり」も日常はいろいろ事情が様々なんですよ。そこから教訓を得ようが、等身大と思おうが、何気なく安心してしまおうがいいんです。

    どちら様もおなじ、夫婦は所詮他人と思えば、大概のことは過ぎていく。突き放しているわけではなく、「ひとりぐらし」も「自立心をもって、頑張って、大丈夫!」と自信満々大きな声で言えないときがあるでしょう。

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    2021年11月26日
  • ブルース

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    影山博人と八人の女たちの物語。それぞれの物語が救いようのないくらい暗いけれど、小さな幸せを感じられる。壇蜜さんの解説も素敵。

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    2021年11月16日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    再読。 ストーリーをすっかり忘れていたため、世界観に酔いながら没頭しました。 前回は途中でネタバレを踏んでしまうという失態を犯し、楽しみの半分を奪われたような感じで読み終えましたが、今回は大丈夫。 ネタバレを踏んだ記憶だけあったので、注意してました。 著者の描く道東の様子、主人公の謎めいた暗い風情、嫌いじゃありません。 ただ、これが続くと自分も飲まれてしまうので、気をつけています。 著者のつむぐ言葉の美しさに魅了されました。

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    2021年11月02日
  • 風葬

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    小説に出てくる根室のカフェ、私が出張で行く時必ずランチに寄るあそこだ…と確信したり、書道のあれこれについても共感する部分が多くて桜木紫乃さんも書道を勉強していたのかなあと思うなど楽しみの要素が満載だった。読後かなり寂しさが残り、悲しくなるけど道東の雰囲気そのままに味わえます。

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    2021年10月23日
  • ワン・モア

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    主人公を変えつつ、それぞれの恋愛模様描く連作短編。
    訳アリで島に流れて来た女医と挫折した五輪候補選手の漁師の「業」を感じさせるような出だし。いつもの桜木さんです。
    ところがこの作品は少しづつ柔らかくなって行きます。いやDVの話もあるから、いつもと比較すればというレベルで、他の人に比べたらやはり全体に暗調で閉塞感は有りますが。しかし1話1話が少し明かりが見えたような終わり方です。
    そして大団円。
    本当に桜木さん?と聞きたくなるようなAll Happy。特に不穏な終わり方だった短編「おでん」のさとうしおさんを登場させたのは良かったなぁ。
    対比的な二人の女医と放射線技師の男と言う同級生トリオが粋です

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    2021年10月08日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    読もう、読もうと、やっと読めた本。予想以上に良かった!『予想以上に面白かった』ではなく『予想以上に良かった』。 この作者の本は2冊目。何故か文章がスゥーっと入り込んでくる。

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    2021年09月17日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    生まれてから一度も、欲したことなどなかった母。母への怨恨。最後、生家へ行き自分のアルバムを探す節子。その心理の中には、この母娘にしかわかりえない親子の情が見えた気がした。
    お金目的、母への復讐か親子ほど年の離れた母の元愛人との結婚。幸田をお父さんと呼ぶ節子の姿に、徐々に愛情が見え、よけいにやるせなかった。節子が求めていたのは父親の愛でもあったのか。
    どうして澤木ではいけなかったのか。全力で節子をサポートしているのに繋がらない澤木の祈り。身体は繋がっても、なにひとつ繋がり合えないことを確信する行為、という表現が悲しい。
    幸田が瀕死状態になった所から引き込まれ、読まさせられる勢いを感じた。クールで

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    2021年09月12日
  • 裸の華

    ネタバレ 購入済み

    個性豊かなキャラクター達

    舞踊の経験がある方には共感するところが多い作品だと感じました。題名からは想像し難いかと思いますが、北海道を舞台に人生をやり直していく様な内容です。主人公よりも周囲の人物に惹かれました。
    様々な見方ができる作品だと思います。

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    2021年08月31日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    最初は、中々話が掴めなかったけど読む事に引き込まれていった。
    家族の愛に一定の形はなく、様々で自由な愛の形がある。
    少し暗いけど、とてもいい作品を読むことができました。

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    2021年10月12日
  • 蛇行する月

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    女性の人生における人間模様を上手に描く最近の人気作家といえば、辻村深月さんを思い浮かべるのだが、桜木紫乃さんの本作(そして「ホテルローヤル」も)は、その域において新しく強烈な印象を残してくれた。きっと(特に女性)読者はそれぞれの女性の全て、あるいは何人かのある場面の心情に、自分を重ね、心揺さぶられると思う。関東の都市部出身である自分には、なかなか実感がわかない北海道の(郊外)事情も新鮮だった。主人公だけではなく、それぞれの女性を描く年代も変わるのだが、当時の社会的な雰囲気も伝わる。

    さて、私に刺さった一文(というか二文)はここでした。
    「子供が大人になるように、ずるさが包容力になり恋が勘違い

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    2021年08月13日
  • 蛇行する月

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    学生時代から今おっさんになるまで、地続きの自分がいます。突然大人になったわけでもなんでもなく、少年の自分が心の中にしっかり居るのを感じて生きています。

    高校卒業後就職した和菓子屋の主人と不倫をして2人で失踪した順子を軸に、同級生や和菓子屋の奥さん等関わった人々の姿を描いた連作集です。
    順子が貧しい暮らしをしながら、迷いなく幸せという姿に戸惑う同級生たち。おしゃれ一つ出来ず、籍を入れる事も出来ない生活の中で、親子三人カツカツで生きて行く姿はどう見ても人生の敗者なのに、目を輝かせて幸せを語る順子。読んでいる方も次第に順子に肩入れしてしまっている自分を感じる事でしょう。
    どう読んでいい本なのか分か

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    2021年08月12日
  • 砂上

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    小説を書く人と 書かせる人と 小説の中の人生と 現実の生活が どれがホントでどれが嘘か曖昧になりながらも ふりしぼるように文章にする主人公に心打たれます。

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    2021年07月31日
  • 裸の華

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    なかなか足を踏み入れない世界の話で、
    どんな話なのか興味が湧いて、手に取った本。

    いろんな生き方ってあるよなぁって思った‥。

    なんだから「生きてる」って感じがした。

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    2021年07月26日
  • 蛇行する月

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    6人の女性の内5人は高校の同級生であり、年代を重ねながら進んでいく物語。その中の、どんなときでも「すごくしあわせ」と話す順子に皆引き寄せられるが、会えば「何処にしあわせを見いだせているのか分からない生活状況」それでも、最後まで1点の曇のない眼差しで見つめる彼女に、自分のしあわせは何かを問いただして行く。人生にまっすぐな道は無く蛇行していて、紆余曲折ありそれぞれの幸せを掴み取るために日々必死なのだ。

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    2021年07月20日
  • 蛇行する月

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    順子という1人の女性から様々な接点を持つ、 6人の女性のお話。
    内容も面白く、1話1時間もかからない量なのでサクサク読めた。
    それぞれに悩み、問題を抱えつつ懸命に生きる姿に響くものがあった。
    自分も誰かに胸を張って「とっても幸せ」と言えるような人生を送りたいと感じた。

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    2021年07月17日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    母子家庭で小さい頃から男女関係に係わらされて来た節子、ラブホテルを経営の夫が自動車事故で昏睡状態、そんな中、歌人仲間の子供をかくまうことに、

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    2021年07月11日
  • ブルース

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    「男の美しさ」をすべて持っている男。本作のあらすじを簡単に言い表すならば、そんな男の少年時代から命を落とすまでの連作短編集。

    彼には生まれつき6本の指があり、愛想はなく、色気がある。その時々に彼にハマった女たちの目線で描かれます。

    表紙から想像する雰囲気も、話中で流れる音楽も、何かにつけて昭和の色が濃いなぁと思ったら、テレビのニュースから舞台が昭和であることがわかる。

    映像化したらR-18指定になりそうだけど、桜木紫乃の世界はいつもエロティックなのに品があって、薄っぺらさを感じない。なんだかとても哀しくなる。

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    2021年07月06日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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     40歳の映写技師と35歳の看護師の夫婦の話10篇。
     ・こおろぎ
     ・家族旅行
     ・映画のひと
     ・ごめん、好き
     ・つくろい
     ・男と女
     ・ひみつ
     ・休日前夜
     ・理想のひと
     ・幸福論
       理想のひと、と幸福論が好きかな。
     
     こんな感じで静かに暮らせるなら結婚してもよかったかな。

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    2021年06月26日
  • 蛇行する月

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    面白くて一気に読めた!
    こういう、短編だけど、一冊は全て繋がっている話は、次誰の目線かなと思って読めて、毎回楽しみな気持ちになる。
    決して羨ましい生活をしているわけではないのに、順子がきらきらしている理由を探しながら読んだ気がする。

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    2021年06月06日