桜木紫乃のレビュー一覧

  • 風葬

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    小説に出てくる根室のカフェ、私が出張で行く時必ずランチに寄るあそこだ…と確信したり、書道のあれこれについても共感する部分が多くて桜木紫乃さんも書道を勉強していたのかなあと思うなど楽しみの要素が満載だった。読後かなり寂しさが残り、悲しくなるけど道東の雰囲気そのままに味わえます。

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    2021年10月23日
  • ワン・モア

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    主人公を変えつつ、それぞれの恋愛模様描く連作短編。
    訳アリで島に流れて来た女医と挫折した五輪候補選手の漁師の「業」を感じさせるような出だし。いつもの桜木さんです。
    ところがこの作品は少しづつ柔らかくなって行きます。いやDVの話もあるから、いつもと比較すればというレベルで、他の人に比べたらやはり全体に暗調で閉塞感は有りますが。しかし1話1話が少し明かりが見えたような終わり方です。
    そして大団円。
    本当に桜木さん?と聞きたくなるようなAll Happy。特に不穏な終わり方だった短編「おでん」のさとうしおさんを登場させたのは良かったなぁ。
    対比的な二人の女医と放射線技師の男と言う同級生トリオが粋です

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    2021年10月08日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    読もう、読もうと、やっと読めた本。予想以上に良かった!『予想以上に面白かった』ではなく『予想以上に良かった』。 この作者の本は2冊目。何故か文章がスゥーっと入り込んでくる。

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    2021年09月17日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    生まれてから一度も、欲したことなどなかった母。母への怨恨。最後、生家へ行き自分のアルバムを探す節子。その心理の中には、この母娘にしかわかりえない親子の情が見えた気がした。
    お金目的、母への復讐か親子ほど年の離れた母の元愛人との結婚。幸田をお父さんと呼ぶ節子の姿に、徐々に愛情が見え、よけいにやるせなかった。節子が求めていたのは父親の愛でもあったのか。
    どうして澤木ではいけなかったのか。全力で節子をサポートしているのに繋がらない澤木の祈り。身体は繋がっても、なにひとつ繋がり合えないことを確信する行為、という表現が悲しい。
    幸田が瀕死状態になった所から引き込まれ、読まさせられる勢いを感じた。クールで

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    2021年09月12日
  • 裸の華

    ネタバレ 購入済み

    個性豊かなキャラクター達

    舞踊の経験がある方には共感するところが多い作品だと感じました。題名からは想像し難いかと思いますが、北海道を舞台に人生をやり直していく様な内容です。主人公よりも周囲の人物に惹かれました。
    様々な見方ができる作品だと思います。

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    2021年08月31日
  • 蛇行する月

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    女性の人生における人間模様を上手に描く最近の人気作家といえば、辻村深月さんを思い浮かべるのだが、桜木紫乃さんの本作(そして「ホテルローヤル」も)は、その域において新しく強烈な印象を残してくれた。きっと(特に女性)読者はそれぞれの女性の全て、あるいは何人かのある場面の心情に、自分を重ね、心揺さぶられると思う。関東の都市部出身である自分には、なかなか実感がわかない北海道の(郊外)事情も新鮮だった。主人公だけではなく、それぞれの女性を描く年代も変わるのだが、当時の社会的な雰囲気も伝わる。

    さて、私に刺さった一文(というか二文)はここでした。
    「子供が大人になるように、ずるさが包容力になり恋が勘違い

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    2021年08月13日
  • 蛇行する月

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    学生時代から今おっさんになるまで、地続きの自分がいます。突然大人になったわけでもなんでもなく、少年の自分が心の中にしっかり居るのを感じて生きています。

    高校卒業後就職した和菓子屋の主人と不倫をして2人で失踪した順子を軸に、同級生や和菓子屋の奥さん等関わった人々の姿を描いた連作集です。
    順子が貧しい暮らしをしながら、迷いなく幸せという姿に戸惑う同級生たち。おしゃれ一つ出来ず、籍を入れる事も出来ない生活の中で、親子三人カツカツで生きて行く姿はどう見ても人生の敗者なのに、目を輝かせて幸せを語る順子。読んでいる方も次第に順子に肩入れしてしまっている自分を感じる事でしょう。
    どう読んでいい本なのか分か

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    2021年08月12日
  • 砂上

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    小説を書く人と 書かせる人と 小説の中の人生と 現実の生活が どれがホントでどれが嘘か曖昧になりながらも ふりしぼるように文章にする主人公に心打たれます。

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    2021年07月31日
  • 裸の華

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    なかなか足を踏み入れない世界の話で、
    どんな話なのか興味が湧いて、手に取った本。

    いろんな生き方ってあるよなぁって思った‥。

    なんだから「生きてる」って感じがした。

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    2021年07月26日
  • 蛇行する月

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    6人の女性の内5人は高校の同級生であり、年代を重ねながら進んでいく物語。その中の、どんなときでも「すごくしあわせ」と話す順子に皆引き寄せられるが、会えば「何処にしあわせを見いだせているのか分からない生活状況」それでも、最後まで1点の曇のない眼差しで見つめる彼女に、自分のしあわせは何かを問いただして行く。人生にまっすぐな道は無く蛇行していて、紆余曲折ありそれぞれの幸せを掴み取るために日々必死なのだ。

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    2021年07月20日
  • 蛇行する月

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    順子という1人の女性から様々な接点を持つ、 6人の女性のお話。
    内容も面白く、1話1時間もかからない量なのでサクサク読めた。
    それぞれに悩み、問題を抱えつつ懸命に生きる姿に響くものがあった。
    自分も誰かに胸を張って「とっても幸せ」と言えるような人生を送りたいと感じた。

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    2021年07月17日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    母子家庭で小さい頃から男女関係に係わらされて来た節子、ラブホテルを経営の夫が自動車事故で昏睡状態、そんな中、歌人仲間の子供をかくまうことに、

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    2021年07月11日
  • ブルース

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    「男の美しさ」をすべて持っている男。本作のあらすじを簡単に言い表すならば、そんな男の少年時代から命を落とすまでの連作短編集。

    彼には生まれつき6本の指があり、愛想はなく、色気がある。その時々に彼にハマった女たちの目線で描かれます。

    表紙から想像する雰囲気も、話中で流れる音楽も、何かにつけて昭和の色が濃いなぁと思ったら、テレビのニュースから舞台が昭和であることがわかる。

    映像化したらR-18指定になりそうだけど、桜木紫乃の世界はいつもエロティックなのに品があって、薄っぺらさを感じない。なんだかとても哀しくなる。

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    2021年07月06日
  • 蛇行する月

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    面白くて一気に読めた!
    こういう、短編だけど、一冊は全て繋がっている話は、次誰の目線かなと思って読めて、毎回楽しみな気持ちになる。
    決して羨ましい生活をしているわけではないのに、順子がきらきらしている理由を探しながら読んだ気がする。

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    2021年06月06日
  • 氷平線

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    凍てつく北海道を舞台にした6話の短編。
    どれも陰鬱としてラブストーリーなんてお気楽には言えないけれど、これは間違いなく愛の物語。
    雲一つない空であっても、そこには黒く立ち込める雪雲しか見えない。そんな中で必死に生きて行こうとする主人公たちの諦めや足掻き、再出発が決して美しくはない人間くさいドラマで描かれている。
    男性作家の場合…どうしても男性にとって理想の女性、こうあって欲しいという視点が否めない…男性作家さんごめんない。反して女性ならではの傷付く言葉や扱い、惨めさが現実味を帯びて胸を付く。
    風土や環境はどうしたって変えられない。郷に入れば郷に従えと言うように従えないものは生きづらい。都会では

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    2021年06月01日
  • それを愛とは呼ばず

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    自分より不幸な境遇の人を見てちょっとほっとしたりする気持ちもわかるが、それは確かに愛ではないよなぁ。。。と思いながら読んでいましたが、最後の衝撃!!!それは絶対に愛ではない!

    さきさん。女優目指すくらい美人だったのに、真面目すぎだょ〜。その演技力使うところそこじゃないでしょ!ちょっとずつおかしかったけど、最終的な壊れっぷりが振り切ってましたね。

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    2021年05月08日
  • 誰もいない夜に咲く

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    ネタバレ

    桜木紫乃さんの小説は、これまであまり読んでこなかった部類の小説なので、こういう世界もあるかと夢中になった。
    でも何冊か読んでいくと、決まったシチュエーションが繰り返され、物語の小道具となって語られることに気づいた。

    物語の背景には既視感が否めないが、それでも、最後の「根無草」では思いがけぬ結末が待っていて、物語の面白さは変わらなかった。

    人はここまで落ちてしまうのかという「プリズム」はいたたまれなかったが、酪農家に嫁いだ中国人の娘、「海に咲く」の海花や、「絹日和」の奈々子が、静かに自立していく姿は鮮やかだった。

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    2021年05月11日
  • 氷平線

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    エッセイを読んでから、まずはデビュー作へ。
    男と女の関係を描いた文学を、これまであまり読んでこなかった。それよりも物語の題材の面白さが優っていた。
    桜木さんの小説を読んで、小説に男女の関係を盛り込むことは、人が生きている部分の、全部を描いていただけなのでは・・・と思った。その描写はリアルであるが、ときには幻想的だ。それぞれの人が生きていく哀しみが透けて見えた。
    北海道に暮らすようになったからだろうか、気候も、時間に移ろう景色の様子も、海霧や流氷のことも、ここに出てくる人たちも、リアルに迫ってくる。その分、入り込んでしまう。他の土地に暮らしていたら、また違う印象を持つのだろうか。私が読んだ北海道

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    2021年02月21日
  • ワン・モア

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    あと一つ手を伸ばし、幸せを掴もうとする人達の物語。
    北海道の日本海側、昼は空と海、夜は月と星しかない小さい島の診療所の医師美和。まっすぐで奔放な美和、安楽死事件をおこし、離島に飛ばされてきた。ここでも島の男性と逢瀬を重ね村人の知るところとなっている。
    連作短編で、友人医師鈴音、関わる人達と話は進む。
    個人的には、亮太と詩織の「おでん」が好みだった。亮太は真面目でいい人だが、女性には縁が無い。偶然目の前に詩織が転がり込んでくる。別れたのか、と思える終わりかた。が後半の連作で結ばれたことがわかる。良かった。
    全体に、思わぬ方向に明るく進んだ。暗さから明るさへイメージが逆転した感が強かった。
    余命宣

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    2021年02月11日
  • 砂上

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    この小説に出てくる人も解説の新井さんもみんな全然優しくなくて、なのに清々しくさっぱりした後味。
    日常がねっとりした優しさや必要以上の厳しさなんかに覆われてるからですかねー。
    作家も編集者も大変だ!!
    読むだけってありがたい。

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    2020年12月11日