桜木紫乃のレビュー一覧

  • 星々たち 新装版

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    連作短篇集9篇
    母、娘3代にわたる物語。咲子の男運のなさ、千春の欠けた心と母への思慕、やや子のまっすぐな逞しさが出会う人たちと混ざり合う。最後の方の案山子の章で物語の二重構造に驚くが、登場人物がそれぞれ自分らしく生きたことが嬉しい。

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    2024年12月25日
  • 家族じまい

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    介護の話は自分もいつか迎える未来でもあるので、自分だったらどうするだろうか、できるだろうかという不安を感じながら読んだ

    この話は小説用に綺麗にしてるわけではなく、描き方も自然。介護という現実やそれまでの家族の背景や関係性もぶっ刺さる感じがした。

    家族じまいは終いじゃなく「仕舞い」という意味で書いた感じもすごく伝わる

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    2024年12月15日
  • 二周目の恋

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    二周目の恋ということで、ほろ苦い大人の恋物語を想像したけど、全ての短編がそういうわけではなかった。「海鳴り遠くに」の描写が綺麗だった。

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    2024年12月15日
  • 青い絵本

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    以前『ホテルローヤル』を読んだ時に、従業員のエピソードがあったことを思い出した。
    何も求めず、受け入れる事で生を繋いでいる、そんな印象を受けた。
    この短編集を読むと、無性に彼女を思い出す。
    でも、ここに登場する人達は、諦めのその先に自らたどり着けている。
    一番しんどい時間を過ぎた後の穏やかな感情
    私はまだその境地にいけない、そんな生き方をしてきてない。
    だから、彼女達の背景に勝手に涙する。

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    2024年12月14日
  • 二周目の恋

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    小説のアンソロジーというものを初めて読んだけど、新鮮な感覚だった。当たり前だけど一作一作作者が違うから作風も文体も全然違っていて1冊のなかで色々なテイストを楽しめてよかった。
    特に一穂ミチさんと窪美澄さんの話が好き。

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    2024年12月08日
  • 星々たち 新装版

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    すごくリアルだったし、なんだか人生を追体験しているようで胸が苦しくなった。でも最後はこんなしんどい中でも救われるような作品だった。とても内容が濃く、印象深い作品。

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    2024年12月05日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    こういうタイプの本は、ほぼ読んだ事がなかったのですが、列車の旅を題材にしていたのが、気になり手にとりました
    ななつ星に乗った気分で、それぞれの旅を経験させてもらいました

    お値段もそこそこで、この先乗れることもないであろう列車ですが、様々な主人公を体験でき、切ない気持ちになりました

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    2024年12月03日
  • 蛇行する月

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    高校で同じ部活に所属していた女性たちの生き方を描く短編集。
    皆それぞれに息苦しい生活の中、父親ほどの歳の男性と駆け落ちした順子が、皆の心を波立たせていく。
    順子の生活は相当ギリギリで、苦難が多い。それでも屈託なく、しあわせと言い切れるのは一体何故なのか。
    それぞれが、自分のしあわせとは何なのかを見つめ、向き合うことになる。
    明るい話ではないが、重すぎる訳でもなく、曇り空の中にうすぼんやりと射す光のような表現が好み。

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    2024年11月27日
  • 硝子の葦(新潮文庫)

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    男女の情愛が拗れてストーリーが進むだけ…なんてことは一切なく、先の読めないミステリー!
    情景の中に不気味に人物の感情が表れていたり、文学的な表現が多く見られて読み応えがありました。

    序章に戻って読み直すとまた味わいが変わって、色々な言動の意味が見えてきます。

    とし子さんや木田さんがすごく常識人に感じてしまうくらい、登場人物たちには癖があった…

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    2024年10月23日
  • 氷の轍

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    釧路での殺人事件を追う、女刑事のサスペンス。に、見せかけた、肉親の尊さを訴える、桜木さんの家族小説。北海道本の中でも、道東の寒さを思い出させるのが魅力の一つ。4連作だそうですが単独でもOK。

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    2024年10月15日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    舞台が似合いそうなお話。頭の中ではすでに読みながら上演されていた。実際に舞台化したら見てみたい。
    後半を読んでいる時は竹内まりやの縁の糸が脳内を流れていた。(キャバレーっぽくないけど)
    みんないいキャラで、夜の世界を、芸事を心得ている感じで、その世界で出会ったら絶対仲良くなりたい!と思っただろうな。

    先日読んだ千早茜さんの『男ともだち』でも思ったけど、何かをなくすならなくしきった方が、挫折するなら挫折しきった方が、中途半端よりもいいだろうなと思う。
    別れもきっちりとする。そうしたら次の出会いを心から喜べる。
    ついつい色んなものや関係をずるずる引き延ばしがちだけど、覚えておきたいなと思う。

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    2024年10月10日
  • 彼女たち

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    ネタバレ

    ジョンとイチコ
    「なつかしいものなんてひとつもないの」というイチコさんと暮らす猫⁉︎のジョン。イチコさんの「なつかしいもの」に。

    モネの一日
    今したいこと。自分のページをめくる。

    夕暮れのケイ
    今を乗り越える力

    書き残した手紙
    〜どうか明日も、笑っていてください。〜

    こぼれ涙…やられた…。

    添えられた優しい写真。

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    2024年09月30日
  • ブルースRed

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    『ブルース』の続編として本書を手に取った読者は、影山博人に恋をしていると思う。

    本書の主人公:莉菜は、継父の博人に恋焦がれ、この世にいない博人の亡霊をいつも追いかける。
    莉菜の目標は、博人の遺伝子を受け継いだ武博を、代わりに担ぎ上げること。
    道東の釧路の裏社会を牛耳るも、その土地をどこかで恨んでいる。

    『ブルース』は博人の視点で描かれなかったが、本書は莉菜の視点でしか語られていない…両書とも【女目線】なのだ。

    「男と違って女のワルには、できないことはない」は莉菜の呪縛ではなかったのか⁈
    紫乃氏作品は、余韻が凄い。

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    2024年09月29日
  • 谷から来た女

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    こんなうだるような暑い最中に読んだとしても、一瞬で冬の北海道に降り立ったような空気感に染めてしまう桜木さんの作品。北海道と孤高の女を書かせたら右に出るものはいない作者だが、今作はアイヌ民族の血を引き、アイヌ紋様のデザイナーとして活躍する赤城ミワが主人公。語彙力のなさを承知で言うと、なんかカッコ良かった。クールだ。以前の作品から感じられる泥水をすするような、しょっぱい女の痛みのような雰囲気はあまり感じられない。個人的にはそっち系の方が自分の好みなのだが、行間から想像力を掻き立てる文章は流石のひと言。

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    2024年09月22日
  • 霧

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    三姉妹の次女の話、次女。家を出て芸者として生きるその後相羽と知り合う、三浦と言う男の身代わりになって助けていただいた恩があると言い警察に出頭する。珠生は、この男相場を待とうと、心に決め出所後芸者を辞め、相羽組を作り、妻となる。事務の木村は、珠生にとって心強い相手、相羽の骨を海に返す時三浦を殺したのは木村で最後にポツリと話す全ては愛であった。

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    2024年09月18日
  • 家族じまい

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    呆けてしまった母親と、昔気質な父親、2組の娘夫婦。付かず離れずで、老いという人生の不都合に立ち向かう。距離感や生活感が、故郷を思い出させる北海道本の傑作。

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    2024年08月27日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    タイトルに惹かれて読んでみたら、まさにタイトル通りの物語。
    桜木紫乃さんが描く、北海道の寒々しさを感じる夜の世界の人々のお話、やっぱり好きだ。

    北海道のキャバレーで雑用係として住み込みで働く主人公の章介と、年の瀬近くなった12月にそのキャバレーにやってきた、トランスジェンダー(ブルーボーイ)のシンガーソコ・シャネル、年かさのストリッパーフラワーひとみ、インチキ臭いマジシャンチャーリー片西(師匠)が送る、ひと冬の物語。

    4人の関係性がとてもよかった。章介が住むキャバレー持ちの寮はねずみなども発生するくらいオンボロで、短期間ではあるけどその寮の別々の部屋に住む予定だったゲストの3人も、結局章介の狭い部屋に集まるようになる。
    そこで食事をしたりするのだけど、その描写がとてもいい。かるく揉めたり、ぐだぐだ言いながらもいつも楽しそう。
    4人はみんな訳ありで、「こういう生き方しか出来ない」感が漂う。だけど誰にも迷惑をかけてはいない。それを奥底で解り合っている4人だからこその、絶妙な空気感がある。
    お互いに余計な干渉はしないものの、章介が母親に託された(?)ままほったらかしにしていた父親の遺骨を、真冬の墓場に4人でこっそり埋葬に行くくだりがとても好きだった。やってることは全然正しくないんだけど(笑)、阿吽の呼吸でやり遂げるところが素晴らしくて。

    私も夜の世界にいたから敢えて言うけど、一般的に夜の世界に生きる人たちって「底辺」扱いされがちだと思ってる。実際はそうではなくても、昼間の世界の人たちがそう思っていることをひしひしと感じる瞬間が私自身あったから。
    そして、そんなことで傷ついているようでは、やっていけない世界でもある。
    蔑まれることでお金になるならいくらでも蔑めばいい、くらいのマインドが必要だし、そんなことで、プライドはひとつも傷つかない。

    シャネルもひとみも片西もプロフェッショナルで、ステージは毎日きちんと盛り上げる。
    ショーの描写にはそこはかとない哀愁が漂うけれど(舞台が場末のキャバレーだからなのか)プロの仕事をしっかりやりこなす人たちは格好良い。

    そして4人に別れの日が来るのだけど、店の女たちに可愛がられながら風来坊のように生きてきた章介は、ここがターニングポイントであり、その先わずかにある未来の描写がまた心憎い。うらぶれた世界とは違う、希望的な場面がまた、とてもよかった。
    これまでの桜木さんの小説とは共通点もありつつ雰囲気はちょっと違った。ひとりひとりの人物像に迫りすぎていないから、なのか。
    すぐ別れがくることを知りつつ関わる4人の姿が、刹那的で濃密なのになんかあっさりもしてて、夜で生きる者の正しい姿だ、と思った。

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    2024年08月07日
  • 谷から来た女

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    ネタバレ

    ん〜〜〜?え?で、ミワは何処に行っちゃったの?
    なんか難しいラストで、よくわからなかったぞ…
    ?(^◇^;)

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    2024年08月04日
  • 谷から来た女

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     赤城ミワのほれぼれとした生き方に感動し自分ではできない生き方に嫉妬さえします。

    ― わたしを守るのは、わたし自身だったんです。 ―
     

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    2024年07月27日
  • 二周目の恋

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    深夜のスパチュラ
    なんか煮え切らない恋ってところが沁みた。男らしさを求めてしまうところは同じだな、毎度思うが綿矢りささんの小説に出てくる女は客観視してしまうほど過激。
    フェイクファー
    自分の中で思い出を消化し、少し客観的な立場で自分を見る主人公が少し羨ましい。
    海鳴り遠くに
    恋愛にタイミングは必要。ただ、わたしは肉体関係を生々しく描く作品はあまり得意としないと感じた。それだけで文章がドロドロに感じてしまう。

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    2024年07月15日