桜木紫乃のレビュー一覧

  • 蛇行する月
    順子という1人の女性から様々な接点を持つ、 6人の女性のお話。
    内容も面白く、1話1時間もかからない量なのでサクサク読めた。
    それぞれに悩み、問題を抱えつつ懸命に生きる姿に響くものがあった。
    自分も誰かに胸を張って「とっても幸せ」と言えるような人生を送りたいと感じた。
  • 硝子の葦(新潮文庫)
    母子家庭で小さい頃から男女関係に係わらされて来た節子、ラブホテルを経営の夫が自動車事故で昏睡状態、そんな中、歌人仲間の子供をかくまうことに、
  • ブルース
    「男の美しさ」をすべて持っている男。本作のあらすじを簡単に言い表すならば、そんな男の少年時代から命を落とすまでの連作短編集。

    彼には生まれつき6本の指があり、愛想はなく、色気がある。その時々に彼にハマった女たちの目線で描かれます。

    表紙から想像する雰囲気も、話中で流れる音楽も、何かにつけて昭和の...続きを読む
  • ふたりぐらし(新潮文庫)
     40歳の映写技師と35歳の看護師の夫婦の話10篇。
     ・こおろぎ
     ・家族旅行
     ・映画のひと
     ・ごめん、好き
     ・つくろい
     ・男と女
     ・ひみつ
     ・休日前夜
     ・理想のひと
     ・幸福論
       理想のひと、と幸福論が好きかな。
     
     こんな感じで静かに暮らせるなら結婚してもよかったかな。
  • 蛇行する月
    面白くて一気に読めた!
    こういう、短編だけど、一冊は全て繋がっている話は、次誰の目線かなと思って読めて、毎回楽しみな気持ちになる。
    決して羨ましい生活をしているわけではないのに、順子がきらきらしている理由を探しながら読んだ気がする。
  • 氷平線
    凍てつく北海道を舞台にした6話の短編。
    どれも陰鬱としてラブストーリーなんてお気楽には言えないけれど、これは間違いなく愛の物語。
    雲一つない空であっても、そこには黒く立ち込める雪雲しか見えない。そんな中で必死に生きて行こうとする主人公たちの諦めや足掻き、再出発が決して美しくはない人間くさいドラマで描...続きを読む
  • 星々たち
    自分もまた小さな星のひとつー。解説の、限りなく暗い世界をじっと凝視しているとその底に微かに光を発するものが潜んでいることがわかってくる。…そういう感じ。というのがまさしくそんな感じで好きでした。
  • それを愛とは呼ばず
    自分より不幸な境遇の人を見てちょっとほっとしたりする気持ちもわかるが、それは確かに愛ではないよなぁ。。。と思いながら読んでいましたが、最後の衝撃!!!それは絶対に愛ではない!

    さきさん。女優目指すくらい美人だったのに、真面目すぎだょ〜。その演技力使うところそこじゃないでしょ!ちょっとずつおかしかっ...続きを読む
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
  • 誰もいない夜に咲く
    桜木紫乃さんの小説は、これまであまり読んでこなかった部類の小説なので、こういう世界もあるかと夢中になった。
    でも何冊か読んでいくと、決まったシチュエーションが繰り返され、物語の小道具となって語られることに気づいた。

    物語の背景には既視感が否めないが、それでも、最後の「根無草」では思いがけぬ結末が待...続きを読む
  • ラブレス(新潮文庫)
    暗い、暗かった…
    桜木紫乃の人間の切り取り方ってこうよね…
    ラブレスだけど、根底にあるのは、ラブだった!

  • 氷平線
    エッセイを読んでから、まずはデビュー作へ。
    男と女の関係を描いた文学を、これまであまり読んでこなかった。それよりも物語の題材の面白さが優っていた。
    桜木さんの小説を読んで、小説に男女の関係を盛り込むことは、人が生きている部分の、全部を描いていただけなのでは・・・と思った。その描写はリアルであるが、と...続きを読む
  • ワン・モア
    あと一つ手を伸ばし、幸せを掴もうとする人達の物語。
    北海道の日本海側、昼は空と海、夜は月と星しかない小さい島の診療所の医師美和。まっすぐで奔放な美和、安楽死事件をおこし、離島に飛ばされてきた。ここでも島の男性と逢瀬を重ね村人の知るところとなっている。
    連作短編で、友人医師鈴音、関わる人達と話は進む。...続きを読む
  • 硝子の葦(新潮文庫)
    あなたはプロポーズの台詞を覚えていますか?
    その機会がまだなら、どんな台詞を言いたい、言われたいですか?

    一生に一度の決め台詞。それは一生に一度だからこそ、大切な、重みのあるものだと思います。そんなプロポーズにもいろんな台詞があります。”僕と幸せな家庭を作りませんか?”、”世界中の誰よりもあなたの...続きを読む
  • 砂上
    この小説に出てくる人も解説の新井さんもみんな全然優しくなくて、なのに清々しくさっぱりした後味。
    日常がねっとりした優しさや必要以上の厳しさなんかに覆われてるからですかねー。
    作家も編集者も大変だ!!
    読むだけってありがたい。
  • 蛇行する月
    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    「東京に逃げることにしたの」釧路の高校を卒業してまもなく、二十以上も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子。親子三人の貧しい生活を「しあわせ」と伝えてくる彼女に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた高校時代の仲間は引き寄せられる。―わたしにとって、本当のしあわせとは何...続きを読む
  • 砂上
    なにかよくわからないけど、早く続きが読みたいと読み進めていった小説だった。
    すべてが共感できるというわけでもないけど、自分と重なる部分があったりして考えさせられた。
    おもしろかった。
  • ラブレス(新潮文庫)
    読んでいると辛くなって、やめてしまおうかと思った。子供がいなくなったら、こんなに悲しいんだ。当たり前だろうけど。でも生きていけるんだ、ひとって。母親がいなくなったら(育ての母だけど)どんなに辛いか、でも生きていけるんだ。
    最後まで、読んでよかった。
  • 蛇行する月
    高校を卒業した後、勤めていた和菓子屋の入婿である職人と駆け落ちしてしまった順子。彼女の高校時代の部活仲間の女性4人、順子の母親、駆け落ち相手の妻だった女性の6人をそれぞれ主人公に据えた連作短編集。
    駆け落ち生活は楽ではなく、生活に追い立てられる日々であるが、駆け落ち相手と息子の3人で暮らす順子は、小...続きを読む
  • ブルース
    作品紹介では影山博人を中心に描かれた印象を受けるが、実際に読むと女性側からその影山、というか男性との関係をそれぞれの価値観や距離、その人がその関係に至るまでの人生過程が程よい描写で描かれている。北海道のなんとも言えない風景が映し出される作品。男性が読むとより女性ってそういう視点を持ち合わせているのか...続きを読む