桜木紫乃のレビュー一覧

  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    深夜のスパチュラ
    なんか煮え切らない恋ってところが沁みた。男らしさを求めてしまうところは同じだな、毎度思うが綿矢りささんの小説に出てくる女は客観視してしまうほど過激。
    フェイクファー
    自分の中で思い出を消化し、少し客観的な立場で自分を見る主人公が少し羨ましい。
    海鳴り遠くに
    恋愛にタイミングは必要。ただ、わたしは肉体関係を生々しく描く作品はあまり得意としないと感じた。それだけで文章がドロドロに感じてしまう。

    0
    2024年07月15日
  • 谷から来た女

    Posted by ブクログ

    赤城ミワはアイヌの血をひき、背中に父親から彫られた彫物を背負っていた。
    奔放な女性を描いているようだが、背中の彫物と同じにアイヌの血が背負った重さに負けない姿勢に共感する。
    ミワと関わった和人の人々はミワとの距離感を掴めず近くに居ながらも関係を解消してゆく様は、谷から来たアイヌという存在がくびきとなっているのか。
    赤城ミワは力強く哀しく不器用な生き方しか出来ない女性の物語。

    0
    2024年07月13日
  • 氷の轍

    Posted by ブクログ

    前作 凍原とはタイプの異なる主人公。
    舞台は同じ釧路ですが、色味の異なる印象にまたまた次作が楽しみです。

    0
    2024年07月07日
  • 谷から来た女

    Posted by ブクログ

    アイヌの血を引き、新進デザイナーとして活躍する若い女性・赤城ミワを主人公にした連作短編集です。
    主人公の祖父が二風谷ダム訴訟(アイヌ民族の先住性を問う契機となった事件)の原告の一人という設定です。ですからアイヌの問題(私はこの領域に関しては全く無知なので、調べつつ読み進める事になりました)は出て来ますが、それについては極端に偏ることは無く、主人公(モデルになった人が居る)の言葉を介して淡々と重い事実が語られる感じです。むしろ、物語の焦点は凛として生きる主人公や彼女を取り巻く人々の生き様を描くことに重点があるように思います。
    それにしても、どんどん上手くなりますね。読み始め”酔いを片手にひとりに

    0
    2024年07月05日
  • 蛇行する月

    Posted by ブクログ

    桜木紫乃さんは五作品目
    いつもどの作品にしようか、レビューを読みながら決めるのを楽しみにしている° ✧ (*´˘`*) ✧ °

    話は暗めなのだが、初めて読んで以来、著者の凍てつく北の大地の世界に時々戻ってきたくなるようになってしまった

    著者が描く女達は、まるで極東の冷たい大地にのように逞しく芯が強い
    そしてその周りにいる男達は頼りない

    今作は六章に分かれていて、それぞれの語り手(女六人)がどの物語にも登場する”順子”と繋がっている
    そして今の”順子”のしあわせを確認したくなると同時に、自分と比べてみる

    「私は、あの人(順子)よりしあわせ」

    みんなそう思っていた

    しかし、妻子持ちの男

    0
    2024年07月03日
  • 家族じまい

    Posted by ブクログ

    「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」妹からの電話で実家の状況を知った智代。かつて横暴だった父が、母の面倒をみているという。関わり薄くいられたのも、お互いの健康あればこそだった。長男長女、墓守、責任という言葉に距離を置いてきた日々。妹は二世帯同居を考えているようだ。親孝行に名を借りた無意識の打算はないか。家族という単位と役割を、北海道を舞台に問いかける傑作長編。




    小説なんだけど とてもリアルに感じた
    もう両親は4人とも亡くなってしまったので 介護の心配はないんだけど 今度は私達の番だわ…って思いながら読んでました
    義父が認知症だったけど 周りの人達は本当に大変だと思う
    いろんな事を忘

    0
    2024年05月31日
  • 彼女たち

    Posted by ブクログ

    3人の女性とミルクコーヒー。人生の苦味とやわらかな甘味が溶け合う。あたたかい。彩りを添えるなんでもない風景写真がじんわりと心に沁み入る。切り取り方の巧さ!写真家さんのことが気になりインスタ見に行くと、とても美しい人でした。

    0
    2024年05月31日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

    Posted by ブクログ

    釧路のキャバレーで下働きをする、若い男が主人公。そのキャバレーへ余興に来た3人の芸人とのふれあいを描いた作品。その3人のキャラクターが個性的で、3人との絡みがめちゃくちゃ面白かった。
    特に、自分の父親の遺骨を同じ名前の他人のお墓にこっそり納骨したシーンは、思いもしない発想で笑った。

    0
    2024年05月22日
  • 家族じまい

    Posted by ブクログ

    それぞれの心象の表現が秀逸だ。
    家族なんてこんなもんだと現実を突きつけられる。
    親子の関係、夫婦の関係、結局他人同士で皆自分のことしか考えていない。
    表面上はうまくいってるように見える家族でも、本当に分かり合えているわけではない。
    他人同士だからどこかに折り合いをつけて生きていくしかないのだ。
    これは、うまく折り合いがつけられなかった家族の話だ。
    みんなが本音を言いだしたらこうなるというサンプルのようだ。

    0
    2024年05月22日
  • 蛇行する月

    Posted by ブクログ

    連作短編集。
    それぞれの視点から書かれていて、年代も少しずつ変わっているので時代の流れも感じられてリアルだった。
    たとえお金に余裕がなくても、好きな人と一緒に逃避行した順子は1番キラキラして見えた。
    読み終わったあとの余韻がじわじわくる。

    0
    2024年05月16日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

    Posted by ブクログ

    昭和の場末の匂いまで漂ってきそうな雰囲気がたまらない。
    登場人物のキャラが立っているので、映像化したらこの俳優だろうなあと想像しながら読んだ。
    かなり悲惨な生い立ちの主人公と関わり合う人達の距離感が絶妙。
    それぞれ訳ありでクセが強いが、素敵な大人達に出会えて良かった。

    0
    2024年05月07日
  • ヒロイン

    Posted by ブクログ

    ズルズルっと 初めは数ページ読んでおいていたのですが、読み始めたら最後までズルズルっと読めました。人にはそれぞれの人生があり、誰がどのように生きてきたのか、本人から聞いてもそれが真実なのか嘘なのか分かりません。自分が真実だと思えることが真実で嘘だと思うことは嘘なのでしょう。桜木柴乃さんの本は初めて手に取りましたが、今後もどこかで手に取りそうに感じました。

    無差別テロの実行犯として追われながら流れていく歳月をドラマティックに描いた作品でした。こういう作品を読むと、自分がどうして生きているのか、生きていてもよいのかなど余計なことを考えてしまいます。様々な境遇で色々な人が生きているこの社会、すぐ隣

    0
    2025年12月03日
  • 家族じまい

    Posted by ブクログ

    やり残したことはたくさんあるのに、やり直しのきかないところに来てしまったと気づく。このまま起伏なく働く日々が続くことも、その後のことも想像できてしまう。

    みな、自分が選んだ自分を生きている。

    あちらこちらに散らばるようにしてそれぞれの事情が転がり、その事情に足を取られながら歩いている。

    0
    2024年04月29日
  • それを愛とは呼ばず

    Posted by ブクログ

    読みやすく最初から引き込まれました。終盤に思いもよらない方向に進みびっくりしましたが、題名とリンクしていて納得、余韻に浸っています‥。

    0
    2024年04月28日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

    Posted by ブクログ

    この本を読んで、抽選で当たる狭き門の「ななつ星」豪華列車に乗車して夢のような時間を過ごしてみたいと思いました。
    幾らなのか?庶民には手が届かない列車でしたが、YouTubeで雰囲気を味わうのもいいなぁと思いました。

    0
    2024年04月06日
  • 緋の河(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今でこそLGBTに対する世間の理解は深まりつつありますが、当時の風当たりは相当厳しかったと想像できます。その中で、自分を曲げずに生き抜いた秀男の強さはなかなか真似できるものではないと思います。一方で、父や兄の対応も仕方ない面もあるなかなと思いました。母や姉が理解者であったことは、秀男にとって1番ありがたかったことではないかと思います。

    0
    2024年04月06日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「岡田さんとおつきあいさせていただいているのは、母を一緒に看取って欲しいのではなくて、母に忘れられてゆくわたしを、誰かに見守って欲しかったからなんです。同性じゃだめなのね。どこかに憐れみが混じるから、お互いによくない。ふと見回してみたときに、職場にも職場以外にも知人はたくさんいたけれど、異性と思えるような相手はいなかったの」
    「お見合いというかたちを選んだのは、なぜですか」
    「知り合う時間を待てなかったの。本当は時間をかけてお互いが理想のひとに育ってゆくのがいいのだけど、自分にはもうそこにかける時間がないんだなって気づいちゃった。……」

    0
    2024年03月18日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

    Posted by ブクログ

    初めての作家さんです。登場人物のキャラクターがどれも個性的で、物語に立体感がありました。北の地、夜の世界のお話なのに、しんみりし過ぎることも無く軽やかに進んで読みやすい。心に影を抱えた者同士の、程良い距離を保ったまま心を開いていく様子…ありのままの姿で繋がる温もりを、感じさせてもらえた気がします。

    0
    2024年03月17日
  • 氷平線

    Posted by ブクログ

    雪が降る様は、緩慢な時の流れを思い起こさせる。一年のうち、三分の一はそれが続く。積もれば容易く抜け出せない要塞を築き、人々を中に閉じ込める。
    雪国に在って、しだいに神経が麻痺していくような感覚はわかる気がする。
    極寒の気候で熱はひときわ存在感をもち、痛みは研ぎ澄まされて鋭く、悲しみは沁み通る。
    寥々たる地を背景にすれば、生きた人間の輪郭は否が応でも太く浮き出てくる。

    あらゆる要素が舞台装置として、これ以上ないほど有効に機能している。
    故に、どの作品も「北海道でなくてはならない」と思わされる。もしも別の場所が舞台だったなら、まったく異なる印象をもったと思う。

    全体を通して、思ったことがもう一

    0
    2024年03月18日
  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    「誰も軽視しないから、誰からも軽視されない。」p121


    波のおとをきいているような感覚の文。
    繊細で力強くて身を預けてしまいたくなる

    「カーマンライン」と「無事に、行きなさい」「海鳴り遠くに」がアンソロジーのテーマに合っている感じがしてよかった。

    0
    2024年03月18日