桜木紫乃のレビュー一覧

  • 砂上
    なにかよくわからないけど、早く続きが読みたいと読み進めていった小説だった。
    すべてが共感できるというわけでもないけど、自分と重なる部分があったりして考えさせられた。
    おもしろかった。
  • ラブレス(新潮文庫)
    読んでいると辛くなって、やめてしまおうかと思った。子供がいなくなったら、こんなに悲しいんだ。当たり前だろうけど。でも生きていけるんだ、ひとって。母親がいなくなったら(育ての母だけど)どんなに辛いか、でも生きていけるんだ。
    最後まで、読んでよかった。
  • 蛇行する月
    高校を卒業した後、勤めていた和菓子屋の入婿である職人と駆け落ちしてしまった順子。彼女の高校時代の部活仲間の女性4人、順子の母親、駆け落ち相手の妻だった女性の6人をそれぞれ主人公に据えた連作短編集。
    駆け落ち生活は楽ではなく、生活に追い立てられる日々であるが、駆け落ち相手と息子の3人で暮らす順子は、小...続きを読む
  • ブルース
    作品紹介では影山博人を中心に描かれた印象を受けるが、実際に読むと女性側からその影山、というか男性との関係をそれぞれの価値観や距離、その人がその関係に至るまでの人生過程が程よい描写で描かれている。北海道のなんとも言えない風景が映し出される作品。男性が読むとより女性ってそういう視点を持ち合わせているのか...続きを読む
  • 風葬
    軽い認知症を患う母親がつぶやいた聞き慣れない地名、一つの短歌共に引き寄せられる人達。釧路・根室・東京を行き来し出生の秘密を知ることとなるが、母親の封印したい過去を掘り出し葛藤していく娘。いくつもの伏線がたくみで2時間のサスペンスドラマを読んでいる気分。複雑に絡み合う人間ドラマ。
  • 砂上
    10年連れ添った旦那と別れ、彼の不貞による慰謝料とバイト代で暮らしながら文章を書き続けてきた令央。「主体性のなさって、文章にでますよね」と編集者から言われるほどどこか掴みどころがない彼女は、母であるミオと、母の子として育てた実の娘美利との関係もどこか希薄。そんな自分、母、娘との関係を題材にした文章「...続きを読む
  • 砂上
    読みたい桜木紫乃全開で、ホントあの一行から始まる小説俺も読みたい!
    ちょっとラブレスを思い出しますね。現代版ってとこか。増えた40kgのエピソードも読ませてもらいたかったな。
    裏小川乙三、気になりますね!!
  • 氷平線
    ありそうでなさそうな現実感がある。
    ドロドロしてる作風なのかと思っていたけど、さっぱりしていて後味も良い。面白かった。
  • それを愛とは呼ばず
    なにか小説を読まねば……という焦りに駆られて本屋に赴き、タイトルを見た時「それ」ってなんだ?と思って手に取った一冊。結果、興味を持った点が物語を通じて明確に、かつ鮮やかに表現されていて楽しめた。
    10~20代がメインの青春モノが好きな自分にとって、序盤の方は登場人物の年齢層からして大人向けというか好...続きを読む
  • 砂上
    柊令央、感情が安定しているのか周囲に興味がないのか気持ちの動きのない人。こういう人が作家になるのか…と思って、読んだ。彼女の成長若しくは変化を見届けた感じ。
  • ホテルローヤル
    ー 男も女も、体を使って遊ばなきゃいけないときがある…

    道東のとあるラブホテルにまつわる連作短編集。

    廃墟となった後の話から始まり、最後にホテル「ローヤル」と名付けられた経緯が語られ終わる。

    ラブホテルは、単にセックスをするための非日常的な場所。そういった場所をモチーフにした小説だから、読む前...続きを読む
  • 風葬
    誰でも大なり小なり隠しておきたい物事があるものだ。
    「墓場までもっていく」つもりの秘め事は人の頭の中、あるいは心の中にのみ容れられ、封をされ、取り出されることなく朽ちるのを待つことになる。
    棄てたくても棄てられず、ただ放置するしかないもの、あたかも宝箱の中身のように大切に保管されるもの、事象によって...続きを読む
  • ワン・モア
    それぞれの物語が描かれていて、いろいろ抱える中でも前向きな小説でよかったと思う。不器用だな、人間って
  • 無垢の領域
    結末は終わりではなく、始まりである。

    思えば、この作品においてはすべてがそうかもしれない。
    何かが終わること、それは取りも直さず、何かの始まりとまったくの同義なのだ。

    全体の作りとしては、上質な、けれどももどかしい、大人の恋愛である。
    大人の恋愛と本来は相反するプラトニックな愛と交流が(途中まで...続きを読む
  • 硝子の葦(新潮文庫)
    怖くて、悲しくて、やるせなかった。主人公節子は、母親の愛人と結婚し、元カレとも浮気を続けていても何も感じない。他の登場人物も皆、ぶっ壊れていて罪の意識が欠けている。ある日、節子の夫が事故で植物状態に。その後、節子自身の焼死体が発見される。その謎を遡っていくストーリー。謎が紐解かれても、スッキリ感ゼロ...続きを読む
  • それを愛とは呼ばず
    自分よりも悲しみが深そうな人間のそばに行けば、わずかでも明日に日が差すような気がした。このかんじがよくわかる。そして、自分よりも嘆きたい人間を思いつく限りの前向きな言葉で励ましていると、吐いた言葉によって気持ちが「浄化」してゆく、とも。心理描写がするどくて気持ちがはまった。
    不遇な目にあい、行き場を...続きを読む
  • 硝子の葦(新潮文庫)
    一気に読めた。最後までミステリーやった。北海道の風景と人の感情が合っとった。頭の中は色々な思いがあっても言葉に出さん主人公が好き。"なにひとつ繋がり合えないことを確信する"って表現もなんとも言えない感じ。
  • 蛇行する月
    北海道の田舎を舞台に書かれた小説って、閉鎖された空間における絶望が描かれていることが多いと思う(私の男・桜庭一樹先生著)けど、この蛇行する月では、その絶望を描きながらも、その環境でしか見つけられない境地のようなものに各登場人物が達しているような気がして、とても読後感が爽やかだった。

    「私の男」も「...続きを読む
  • ラブレス(新潮文庫)
    初めて読んだ桜木紫乃さんの作品。一度も本を閉じる事なく、最後まで読み切ってしまいました。嗚咽が止まらないくらい衝撃的で、全作品コンプリートするほどのファンに。
  • ラブレス(新潮文庫)
    評判を聞いて読んでみました。
    重くて悲しい、涙が止まらないって聞いててドキドキしてたけど思ったよりも悲しいという感情ではなかったかな?
    もちろん辛いけどねぇ…
    昔の田舎で親の愛も受けられなくて貧しくてって…
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    それでユリエの人生を子供達は全然知らないんやね。
    おばあちゃんのことをあんな風に慕ってた...続きを読む