桜木紫乃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ写真が素敵。写真に合わせてテキストを考えたのでしょうか?こういうテイストの本好きです。好きな人が多いのでは。
更には桜木さんがこういうテイストの物語をつけるということもちょっと意外性があって良かった。素敵な温かい物語を紡ぎながらもピリッとするところや切なくなるところ苦みの効いたところを感じられるのが桜木調というか「らしさ」を感じて嬉しくなりました。
本書の写真家の方と桜木さんの対談?の記事をナニカで読みましたが、写真家の方のコメントが自信が透けすぎてて正直言うとちょっと嫌な感じだなぁと思ったんですが、本書の写真を見ると自信家なのもさもありなんと思わされてしまうセンスを感じました。言うだけのこと -
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Posted by ブクログ
これは、とても丁寧な作り方をされている本だなと感じられ、単行本サイズの広々とスペースを取った写真と、メッセージとも受け取れる、一ページ毎に間隔を空けた、少ない文体で手軽に読める短篇小説とのバランスも絶妙な、桜木紫乃さんにとって、『Our Stories』な物語は、今を精一杯生きている、そんな『彼女たち』に贈る、新たな視点をそっと教えてくれるフォトストーリーです。
『なつかしいものなんて、ひとつもないの』
『だまって言うことをきいていたら、胸が苦しくなってくる。
本音と建前が透けて見えるのは、つらいんだ』
三つある内の、一つ目の物語は、誰も彼女の心の中に興味の無い環境で暮らしてきた、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ桜木紫乃作品にしては暗い重い気持ちにならずに、読後はあったかい気持ちになった。
短編だけど登場人物がみんな繋がっているタイプで、そこは桜木紫乃さんらしいなぁと。
「おでん」の終わり方は、ああこれ店長の自信のなさ、自分が傷つきたくないから押せないってことでしょ?ってがっかりしたのに、最後に夫婦になっててウルッとした。
赤沢さんに会う時になぜか結婚指輪をしちゃう寿美子の気持ちはわからなかったけど、それを会った途端に絆創膏で隠しちゃうとことか、赤沢さんががっかりしちゃうとこ、否定しないとこに胸が苦しくなった。こちらも最後幸せでよかった…。
登場人物の関係性を書き出して整理したいな。笑
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Posted by ブクログ
「最悪よりは平凡」島本理生
顔は平凡だけど体がグラビアアイドルなみの魔美は、こんな名前をつける親に育てられたという心の傷と、しょっちゅう男性から誘いをかけられる体質。彼女にとっての幸せな恋愛は?
「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
大学生の可那は気になっている男の子に手作りチョコ前日に思いつきあげようとするけど、料理スキルなく、買い物から四苦八苦。オチ秀逸だった。
「フェイクファー」波木銅
主に着ぐるみ作る手芸サークルに入っていた男子の回想。仲間が一人死んだという連絡入る。
「カーマンライン」一穂ミチ
私が五歳の時、母は父と死に別れたアメリカから日本に戻ってきた。双子のケントをアメリカの、父の実家に -
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Posted by ブクログ
うっとりするようなお話が多かった。全ての作品にその人らしさが浮かんでいて、それも良かった。窪美澄さんの「海鳴り遠くに」が1番好きだったなあ。女性同士の恋愛をこんなにも美しく描けるなんて。
p.290 「無事に、行きなさい」桜木紫乃
学校なんて現代的にY染色体を理解したいなって。実際のY染色体っていうのは、すごくちいさくて、ほとんど遺伝子が乗ってないんです。唯一の働きは生物をオスにすることくらい。XXYもきれば、XYYもいるとなると、もはや性別というのは見える部分の肉体差異なんです。性染色体っていうのは、もともと異常が起きやすい部分なんですよ。だから、本来真っ二つに割るのは難しいんです」見か