桜木紫乃のレビュー一覧

  • 異常に非ず

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    事件そのものではなく
    ひとりの男を
    凶悪犯罪へ駆り立てたものは
    いったい何だったのか
    その背景を地道にたどっていく
    新聞記者たちが静かに熱かった。
    そして
    時代や社会や生まれなど
    自分ではどうしようもないことを
    言い訳にしなければ
    生きられなかった犯人とその母親の
    いたたまれなさ、苛立ち、怒り
    他人に己を見せられない弱さ…
    そんなものを感じた。

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    2026年06月09日
  • 人生劇場

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    なんだよおまっ!ッチっ!クソが!
    って思いながら読んでた。は?知らねーよ不幸になってろよって思うけれども、不幸になれば嫁が不憫で。別れてやってくださいって頭下げたくなっちゃうよ。なにが人生劇場だよ、孤独孤独と言いつつなんでこんな奴には共に生きてくれる人がいるんだよ、所詮兄さんと同じ遺伝子だろ(自分の思考が酷すぎて信じられないアワアワ)

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    2026年06月01日
  • 緋の河(新潮文庫)

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    秀男の人生を生きた感じがしました。
    秀男は私にないものをたくさん持っていて、すごく憧れました。芯の強さ、真っ直ぐさ、行動力、見習いたいと思うところがたくさんでした。途中すごく短期になって誰とでも喧嘩してしまう事もあったけど、最後まで女性として格好良かった。

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    2026年05月29日
  • ラブレス

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    好きか、嫌いかと問われれば。
    あんまり好きな物語ではないかな。
    あまりにも現実的ではないし、自分だったらこんな生き方出来ないと思うし。

    んー。
    なんて感想を書いたらいいのかわからない。
    よく、こんな人生を書き切ることができるなって。
    作者の人生そのものなのかな?
    フィクションだとして、どこからこの話の着想を得たのか。

    作り込まれた良い作品であることは間違いない。
    けど、あまりにも切ないよなぁ。

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    2026年05月26日
  • 蛇行する月

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    釧路の高校を卒業してすぐ、年の離れた男と駆け落ちした順子。
    彼女はいつだってひたむきで、時に危ういほど直情的に突き進み、そして今、貧しさのなかで「とても幸せだ」と言う。

    この物語の凄みは、順子本人の波乱万丈さ以上に、彼女と交わり、揺さぶられていく女たちの「様々な生き様」のリアルさにある。
    順子の眩しいほどの「幸せ」に触れたとき、彼女たちの心に去来するのは、純粋な祝福だけではない。羨望、蔑み、嫉妬、自己嫌悪、そして自身の抱える生活の歪み…。
    順子というひとつの強い光によって、彼女たちの隠したかった孤独や葛藤が、容赦なく照らし出されていく。
    満ちては欠け、時に歪んだ軌道を描く月のように、彼女たちの人生は決して平坦ではない。けれど、互いのドロドロとした痛みや孤独に向き合った時、その生き様はあたかも月のように、互いの行く末を静かに、確かに照らし出す。

    綺麗事だけではない、けれど決して突き放さない。
    順子と、彼女に引き寄せられた女たちの切実な生き様に、ページをめくる手が止まらなかった。

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    2026年05月22日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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     桜木さん作品にしては明るく楽しい作品でした。暗い背景を持つ主人公なのですが、出てくる人達が主人公を明るい方へ引っ張っていってくれる。

     最後には良かった…
    とほっこりする作品でした。

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    2026年05月04日
  • 家族じまい

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    初桜木紫乃。途中まで読んで間を開けてしまって、登場人物が誰が誰だか分からなくなりかなり混乱した(こちら側の問題でしかないけど)。
    「夫の何一つ間違っていないことがきつい」という心理描写、理不尽だけど分かるなあと思った。

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    2026年05月02日
  • 蛇行する月

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    ネタバレ

    釧路の高校で同級生だった女性たちのその後の人生を追う小説。
    それぞれの章が清美、桃子、弥生、美菜恵、静江、直子と全6章から構成されているが、いずれの話にも登場する『順子』という女性がいる。この『順子』が主人公の章は無いのだが、それぞれ物語の話題として登場するのだ。

    順子は高校卒業後に就職した札幌の和菓子屋の20歳も上の旦那の子供を孕んでしまい、東京に駆け落ちするが、彼女はどんな貧乏な貧相な状況でも『私は幸せだ』と言い切る。

    6章のうちの4章(清美、桃子、美菜恵、直子)は順子の同級生。
    残りの2章、弥生は和菓子屋の捨てられた妻であり、静江は逃げた順子の母親の立場での物語。

    人はいま自分が幸せかどうかを、他人と知らず知らずのうちに比較してしまうことがあると思う。
    他人よりも自分が優っていたら、『あの人よりは幸せだ』と思うが、同じくらいのレベルだった人が自分より上の立場になっていたら、悔しい気持ちになるだろう。

    物語の同級生たちは、波瀾万丈で他人や家族に迷惑をかける人生を送っている順子が、自らを『幸せだ』と言っていることを自分の境遇に照らし合わせ、ある者は嘘だと思い、ある者はやせ我慢してる、虚勢を張るなと訝しく思う。最後まで答えのようなものは無い。

    結局『幸せのモノサシ』は他人が決めるものではなく、あくまでも自分の心ひとつなんだろうなあ。様々な女性が登場するが、誰一人自分の生活に満足せずに、順子の『幸せ』を確認しつつ心の穴を埋めながら生きている。

    全体がどんよりと曇っているような内容であり、全く清々しさが無い。
    タイトルの蛇行する月。この月の軌跡というのは、あっちへ行ったりこっちに来たり…定まらない生き方ということなのかな。

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    2026年04月21日
  • 情熱

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    桜木紫乃さんの短編集。期待以上だった。
    ホテルローヤルから追いかけて読んでいるが年々彼女の描くお話の虜になっているような気がする。胡蝶の城は特に好きな作品。北海道在住だけあって吹き荒ぶ自然を描くのが秀悦。今回は気持ちを揺さぶられるお話が多く、
    表現や読みやすい文章の素晴らしさをひしひしと感じ、表題の情熱以外はのめり込んで読んでいたように思う。情熱は物書きならでは視点が興味深かったが内容は共感できなかったかな。今後も追いかけていきたい

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    2026年04月20日
  • ラブレス

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    重苦しい中にも、からりとした明るさを表現しようとしている小説だ。釧路周辺を舞台とした小説は珍しい。登場人物の理恵が話す、釧路の空の色は、象徴的だ。
    北海道に暮らす人のどこかに、フロンティア、バガボンド精神が漂っていること、昭和から平成にかけて、長い時間が経過したが、その時代に生きた人間には須臾の間とも感じられること、などなど、いろいろなテイストを感じる。

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    2026年04月19日
  • ホテルローヤル

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    初めて読んだ桜木紫乃さんの作品。逆クロニクル型の章立てがほんとうに美しかった。今は廃墟となったラブホテルが、どんな歴史をたどってきたのか……。各登場人物は傍から見ればみな不幸だが、そこに宿る一筋の光を描いている。最後の章を読み終わったとき、その微かな光がいっそう際立って見えた。

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    2026年04月17日
  • 裸の華

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    どっぷりとこの本の世界につかった。登場人物にはみんなクセがあり、自分の周りにいないタイプばかりだったが、いきいきと描かれていた。中でもオガちゃんの登場、別れの場面は感動した。
    ただ、ラスト近くの師匠との再会シーンだけは、もうちょっとどうにかしてほしかったなあ。

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    2026年03月31日
  • ラブレス

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    『貧しい』って人それぞれの測り方があって…私も決して裕福ではなかったけれど、ここまで貧しい生活をしてきた人がいた時代に唖然としてました。でも、この頃の時代ではよくあったとの事…。貧しいって人格を変えてしまう。そんな中での生き様、出会う人達…去って行く人達…変わらずにそばにいてくれる人達…過ぎ去って仕舞えばそれも良い思い出なのかもしれない。私は、これからどんな人生を歩んで、どんな信念を貫けるんだろう…。読み終わった後の『余韻』をとても味わえる作品でした。

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    2026年03月28日
  • 人生劇場

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    タケは能力あるのに、何で時々サボるの?それに暴力とパチンコ麻雀は論外!
    コレそれほど古い話では無いのに今時こんな人(まわりの人も含めて)いるのかな?
    まっ小説だからね。

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    2026年03月25日
  • ホテルローヤル

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    ネタバレ

    ラブホテルが題材のわりに、いやらしいシーンは少なめ。某レビューサイトで事前に確認はしていましたが、安心しました。連作短編になっていて、後日談が違う人物の話でなにげに語られることが、想像力をかきたてます。心中をした先生と生徒はあの傷を慰め合う寂しい二人なのだろうな。おもしろかった。良い作品です。

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    2026年03月23日
  • 二周目の恋

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    恋愛アンソロジー。

    どの作品も、一筋縄ではいかないけれど読後に希望の残る。こういうアンソロジーでは珍しく、どの作品も何かしら心に残る箇所があったのでとても得をした気持ち。

    特に「深夜のスパチュラ」のとりとめがないけどキュートな読み味や、「道具屋筋の旅立ち」のラスト、「海鳴り遠くに」のタイトルの意味が分かった瞬間が特に心に残った。

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    2026年03月21日
  • 情熱

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    「兎に角」60年振りに再会した同級生と、自分ならどんな言葉を交わすだろう…淡い夢物語がシャボン玉のようにポッと浮いてプチンと消える。「ひも」70代ホストの登場に驚く!さらに”ボケたら関係解消”が条件の美容師のひもだという。70代で、こんなに豆に動けるのは愛情のたまものではないのかと、ほっこりと感動。「グレーでいいじゃない」厳しいピアノ教師に育てられた息子とその母との関係。昔の母は、”背中を読め”と本音なんて見せなかった!「スターダスト」久し振りに、コルトレーンの”スターダスト”を聴いてみた。みんな優しい。短編集。中年と呼ばれる事にもとうに慣れ、体力的にも心の有り様にも、淡白になる男と女の物語。いつからか、何処かにその熱を置いて歩いて行くのだろうか。あの寝ても醒めてもどうしようもない熱を、かつて確かに持っていたと思い出す一冊だった。ただの若造だった男や、既に女であった女の子、年齢を重ねて今、この歳で再会したとしたら。そんな事がふと掠めてしまう。分別か、それは歳を重ねたからこそ手に入れられた私たちの最大の鎧なのかもしれないな。「ひも」「らっきょうとクロッカス」そして「情熱」桜木さんを読んだ気持ちで満たされる。

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    2026年03月09日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    二人暮らしの夫と妻 交互の視点で描かれた連作短編集。

    『ふたりぐらし』というタイトルに
    同じ身の上として食指が動いた。 ただ 私の場合はプラス 猫一匹とときどき義母だけれど。


    定職に就かず脚本家の夢を追う不惑の夫・信好とそれを支える看護師の妻・紗弓 三十五歳。

    信好の胸中は常に自尊心と妻への遠慮でせめぎ合っている。一方 紗弓は収入の大部分が生活費に消えてしまい ごく近い将来さえも見えないという不安を抱えている。


    家計のやりくりもさることながら、
    お互い 相手を傷つけないように そして自分も傷つかないようにと気持ちのやりくりも大変そうだ。



    本書には様々な形の “ふたり” が出てくる。 信好と紗弓のように相手を慮って思っていることを言えないふたり。
    思ったことをズケズケ言う紗弓の母とそれを笑って受けとめている紗弓の父たちのようなふたり。夫が定年退職する日 玄関で迎えてあげたいと言った紗弓の同僚。長年の想い人への手紙の代筆を紗弓に頼んだ入院患者の老婦人。
    つよくひとりを意識しながらふたりを生きる岡田と百合。

    どの形が良くてどの形が悪いなんて誰が言えるだろうか……



    読んでいて三十代の頃を思い出した。
    二人から三人になることはなかったけれど 今がいい。


    よい短編集でした。









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    2026年03月02日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    一編30ページに満たない10作の短編からなる連作集。

    脚本家の夢を追い続ける不惑の夫と看護師の妻。賃貸アパートから夫の実家へ移っても、変わらず続く「ふたりぐらし」。
    周囲にもまた、近隣の老夫婦、妻の両親、配偶者を亡くした母親、そして長い独り暮らしを経て人生の伴侶を得る夫の雇い主など、さまざまな「ふたり」のかたちが描かれる。

    誰かと暮らす心地よさと、時折立ち上がる小さな波風。
    桜木さんらしい人生の陰影はありながら、本作では人が誰かと寄り添って生きていく暖かさがあります。

    みんみんが読んでいたので
    やっぱり 我慢できないで 読んじゃったー

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    2026年02月26日
  • ラブレス

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    きれいだった
    忘れられないキャラクターが何人も居た

    時代小説をあまり読んでこなかったから
    初めだけ慣れるのにページ数がかかった

    時代小説もっとたくさん読みたいと思った

    特に忘れ難いのは
    宗太郎と数十年ぶりに再会した百合江さんが
    演じきってお別れするところ
    あまりにも美しくて震えた

    ラブレスの意味についてもちもち考える

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    2026年02月18日