桜木紫乃のレビュー一覧

  • 青い絵本

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     紫乃さんの一行にゾ〜とすることがある。
     心が、不安になることもあれば、嬉しくてたまらないこともある。
     小説なのに、詩のように心に響く〜だから〜何度も読み返す❢

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    2025年05月25日
  • 谷から来た女

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    桜木紫乃さんの描写力に唸ってしまう。
    アイヌ出身の赤城ミワについて彼女を知る人たちが語る六つの連作短編。ミワという女性の像が徐々に浮き彫りにされていく。

    谷に生まれ育ったミワは札幌でアイヌ紋様デザイナーになる。"ミワ・ライン"と呼ばれる独特な曲線と鮮やかな赤が彩る物語。桜木紫乃さんの描く「男ですら太刀打ちできない考え方、生き方をする女性」に惚れぼれしながら一気に読んだ。

    「無事に、行きなさい」が良かった。
    ビストロシェフ、倫彦はミワと付き合い始めて二年。その関係に重さを感じるようになり…
    「不意に、目の前にいる人の気持ちがこっちに落ちてくることがあるの」とミワに言われて

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    2025年05月23日
  • それを愛とは呼ばず

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    白いシャツとジーンズの似合う紗希さん、どんな方なのか想像しながら読みました。面白かったです。展開がドラマチックで、最終章はえ、えーっ?と前のめりになって読みました笑。

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    2025年05月20日
  • 谷から来た女

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    アイヌの文化に触れたのは学生時代に訪れた北海道のアイヌ村以来皆無。部落差別という言葉は聴いたことはあっても、自分からは最も遠いところにあり恥ずかしながら関心も興味もなかった。
    差別や偏見、生き辛さを自然体で跳ね除け、誇りを持って生きる主人公のしなやかさが魅力的。アイヌのアートに触れてみたくなった。
    そしてアイヌの言葉、文化が途絶えることなく、生き続けて欲しい。

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    2025年05月20日
  • 家族じまい

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    老々介護、認知症そして家族の向き合い方等いろいろと考えさせられました。みんな幸せでなく悲しかったです。

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    2025年05月19日
  • 起終点駅

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    桜木紫乃さんの本は何を読んでも良い
    本の6 話全部孤独で1人生きている。孤独からいろいろな人と縁をして生きて行き、ただ耐えれる縁を持たず、孤立している人が最近は増えている。

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    2025年05月18日
  • 家族じまい

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    積ん読から。
    「ママがぼけちゃったみたい」
    この言葉は子ともにとって一番聴きたくない。
    ましてや、その子どもも身動きがとれない年代になっているからなおさら。
    5人の女性からの観点であるお話。
    姉妹であり他人であり義姉妹であり
    なんだかな、軸である姉妹の旦那さんが味があって優しくていい。無関心であり無関心でなく朴訥として、この姉妹はきっと自分の父親と違う男性に惹かれたのか。姉妹の母親の認知症とその家族を含みながら物語は進む。
    どうしようもない女としての立場や性と戦いながら、ちゃんと介護や連絡を取り合わなかった家族とも繋がり助け合う。
    ピンク=陽紅さんと、
    屺和さんの話がこの物語の中でちょっとした

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    2025年05月17日
  • 人生劇場

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    ご自身のお父様をモデルに書かれた作品。
    家族に手をあげる、他所に女を作る、ビッグマウスだけど仕事はなかなかうまくいかない…
    あまり人様には知られたくないのでは?というような人生が描かれていた。そんな父親の人生を、文章にすることで客観視されているのかな。
    「親の人生を肯定することが自分の人生を肯定することになる」という桜木さんの言葉にそんな思いが凝縮されていると感じた。
    滑稽な痩せ我慢人生。自分が年を重ねていくにつれ、そんな親の人生をも愛せるようになるのかも。

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    2025年05月13日
  • 人生劇場

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    読み始める前にチラッと紹介文を見たら「ラブホテル」「自身の父親をモデル」という言葉が出て来て、これは『ホテルローヤル』に繋がる物語かと。。。同時に「不快な460ページだった。(中略)作者がこの男を長々と描いた意味が分からない。」と酷評している書評が目に入りました。
    確かに何とも不快な主人公です。最初は真面目なのですが、理髪店の修行を終え結婚してからどうしようもない男になります。欲しいものが有れば後先考えず買う。山師。常に見栄を張って崖っぷちを歩かないと気が済まない生き方。自分勝手に生きながら、そんな自分を理解してくれないと女房・娘に手を挙げる。本当にどうしようもない男です。
    読んでるうちに気が

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    2025年04月30日
  • ホテルローヤル

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    ネタバレ

    読後、がんばらなきゃなぁとしんみり思った。普通の時系列だったらやるせなさの方が大きいのだろう。どちらかと言うと物悲しいホテルの歩みだが、おめでたい空気で読み終えられた。

    作中もっとも好きだった教師と女子高生が、ホテルで心中した2人だと気づいたときの悲しさよ。2人のその後がもう描かれないと悟らされたのは、本作の時系列が生んだ残酷さである。どうか釧路行きを選ばないでいてくれ。

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    2025年04月29日
  • ヒロイン

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    自分の来し方を思う時
    いつも心に浮かぶのは、

    娘が産声をあげた日と
    思いがけず雪が降った
    大学入試の朝。

    どちらもその後の私の
    生活が大きく変わった
    人生の転機でした。

    主人公の啓美に訪れた
    それは、

    母の束縛から逃れ教団
    の門を叩いた日と、

    思いがけず指名手配犯
    となった23歳の春。

    望むと望まざると自分
    の人生の主人公として、

    私たちはそのドラマの
    新たな章が始まる転機
    に何度も立ち会います。

    美しく装丁され一冊の
    本となった私の人生を、

    いつか静かに読み返す
    日が訪れたなら、

    すべて最終章へ繋がる
    伏線だったと感じるの
    かな。

    道を一本違えていたら
    私の人生もこう

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    2025年04月26日
  • ヒロイン

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    前に起きた事件を題材にした場面から始まり、濃厚なドラマが展開されていく
    主人公を含め登場人物の多くは、不安定な立場にあり流されるように物語が進行していく
    引き込まれるように読み進めていけたが、暴力や犯罪のシーンがあり引き攣るような感覚に陥る
    味わいのある独特な表現があり、舞台ができてくると筆がより乗っているように思えた

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    2025年04月24日
  • 人生劇場

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    昭和初期に生まれ理容師となった男の、波乱万丈の人生を描く。

    親兄弟からは疎まれて育ったものの、叔母や幼なじみからは過分な愛情を向けられ、感情の赴くままに身勝手を貫く主人公。
    このダメダメ男のモデルは作者自身の父親だそうで、ご本人も登場するのだが、よくぞこれほど距離感を保って客観的に書けるものだと驚く。インタビュー記事によると、作中人物たちに自分の存在を気付かれないように、という意識で書いているとのこと、なるほど。

    10年以上前に読んだ『ラブレス』は母親サイドの話で、本作と対を成すという。どの人物の言動にも共感するのは難しいのだが、どちらも作品としての底力に圧倒される。
    昭和歌謡や演歌のイメ

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    2025年04月20日
  • 人生劇場

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    作家の父親がモデル? ほんとに身勝手でどうしようもない男と思った。奥さんもよく我慢し、男たちを育てるのもほどがある。今は考えられない。私の身近に少し猛夫ほどではないがこの現在でも同じタイプの男がいる。今でも奥さんは腰が曲がっている者の一生懸命働いて居る.居酒屋 唐揚げ屋 キッチンカー でまた何かをしようとしてる.そのた度お金がいる。時々奥さんに「もうすぐ死ぬから」 もう少し頑張るように話す。猛夫も歳を取るまで奥さんのことに気がつかない男もどうしようもない。本を読んでいて腹が立った。主人が「腹が立つなら読むな」と言うが、最後まで桜木志乃の本なので読んだ。

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    2025年04月19日
  • ホテルローヤル

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    桜木紫乃さんの作品は、北海道、特に道東の風景が頭に浮かんでくる描写に惹かれます。北の大地に慎ましくも力強く生きる人間模様を感じる。

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    2025年04月15日
  • 人生劇場

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    新川猛夫という男の波瀾万丈の人生。
    壮大な大河ドラマのようだった。
    伯母カツが惜しみない愛情を注いでくれたのに、実家の両親や兄妹の卑屈さと陰湿さがそれを台無しにしてしまうように思えた。
    理容師として確かな技術を身につけ独立したのに、焦燥や苛立ちから妻へ暴力を振るい、身勝手な借金を重ねては見果てぬ夢を追い続ける男になってしまったのが残念。
    自分の境遇を受け入れて女一人で生き、影で猛夫を支え続けた駒子の強さがかっこいい。

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    2025年04月07日
  • ヒロイン

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    娘の啓美をバレリーナにするため、厳しく支配する母親から逃げ光の心教団へ流れるままに入り、流れるままテロに加担して指名手配されてからは名前を何度か変え、23歳から40歳まで17年も逃亡した女の逃亡記。彼女に逃げている感覚はないのと、居場所を変えても人に恵まれているのが不思議だった。本当にただ流れるまま男と住み、遺体を処理したり子供も産む。そこに罪の意識は一切ない。中国人のワンウェイのその後だけが気になる。

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    2025年04月06日
  • 人生劇場

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    まさに人生劇場。
    波瀾万丈の一生を読み終えてお腹いっぱい。
    読後、著者の父親がモデルになっていると知って驚いた。
    まさに昭和の男といった感じで見栄と意地で生きているような男。
    不快になる部分も多かったけど、時代背景においてこうだっただろうなと納得。

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    2025年04月05日
  • 人生劇場

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    戦前室蘭で生まれた猛夫が不幸な生い立ちから成功しようともがく話。

    作者の父がモデルだそう。猛夫のコンプレックスとか欲望とか、わかるーと言いたいのと、全編に渡って暗いのと。ダメな自分を癒してくれたり、こんな男じゃダメだと叱咤してくれる。

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    2025年04月01日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    よかった。最後の再会はやさしい男性と縁があったのかないのか何と言っていいのか難しいシーンだけど、会えてよかったのだと思う。割り切れない想いとか忘れらない人との思い出や後悔が残ることもまた人生なんだと思う。悲しいけれど。

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    2025年04月01日