桜木紫乃のレビュー一覧

  • 青い絵本

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    表題の青い絵本を含む5つの短編集
    どのストーリーも少し淋しくて、悲しくて
    でも、絶望するような辛さはなく、淡々と頑張って行こうと思えた。
    青い絵本が中でも一番好きかな…

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    2025年09月16日
  • ヒロイン

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    オウム真理教の地下鉄サリン事件を思わせる冒頭。
    主人公の啓美は、その事件のことを全く知らずに、ただ幹部の実行犯に連れられて歩いていただけで実行犯として指名手配されることになってしまった。
    そこから始まる逃亡劇。

    啓美の母親から逃げたくて宗教に身を寄せた。
    今度は指名手配犯として逃げる。

    「逃げるから追われる」

    最後に、啓美は安住の地を見つけることができたのだろうか?
    なんとも暗示的な終わり方をしていて、「読者のご想像にお任せします」的。

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    2025年09月09日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    一度は乗ってみたい豪華列車。ますます乗ってみたくなった。
    各作家さんが描くそれぞれのドラマが、同じ列車内で繰り広げられているんだなぁと思うと、感慨深い。

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    2025年09月07日
  • 家族じまい

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    親子の話で夫婦の話、家族の話それを娘…女性の側から書いている物語
    きっとこの中の話に似たような話が自分にも、自分の近くでも起こって来るのかなぁ
    と、切なくなったり、でも、なんとかやって行けるかな?と前向きな気持ちも持ちつつ本を閉じました

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    2025年08月26日
  • 情熱

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    帯にある「情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ。」
    ぴったりな全6編。どれも優劣つけ難く秀悦。

    今までの男女のどろどろとした部分を超えたなんだか潔いくらいの人たち。
    こんな大人(人は老年というのか?)に熟れているだろうか?少しわかる境地になっている自分が心地よい。

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    2025年08月26日
  • 風葬

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    釧路で書道教室を営む夏紀は、
    認知症を患いだした母の春江が呟いた「ルイカミサキ」という
    耳慣れない地名を新聞の短歌の中に見つける。
    父親を知らぬ自分の出生と関わりがあるのではと、
    短歌を投稿した元教師の徳一に会いに根室へと向かう。
    歌に引き寄せられた二人の出会いが、オホーツクに封印された過去を蘇らせる。

    そんなノワール的展開を予想させる冒頭。
    釧路と根室、近いようで実は随分と離れている二つの街で
    30年前の拿捕事件とそれに纏わる歪な人間関係。
    段々ときな臭い展開になっていく様相は読んでいてワクワクした。
    だが、そんな中でもどこか情緒的な雰囲気が全体に漂っていて
    その辺の緊張と緩和が上手く融合

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    2025年08月18日
  • 人生劇場

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    主人公の猛夫は幼少期より、両親や兄からどこか下に見られながら育つ。
    その中で、彼らを見返そうと中学卒業後は床屋奉公に入るも、そこでも親方や先輩たちから疎まれ、技術を身につけつつある中で立ち去ることになる。
    それでも、雑草魂は途切れることなく、自ら街中の床屋職人に弟子入りし、めきめきと腕を磨き、同じ床屋職人と家庭を持つ。

    地域一の床屋職人となるも、それでは飽き足らず、床屋職人の腕を競う全国大会では入賞となり、不完全燃焼に。
    その後は自分が人生を一発逆転させられるような、様々なビジネス話に手を出していき、妻子からも距離を置かれるようになる。

    自分の生きたいように生きる情熱を絶やさぬ姿勢は一貫し

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    2025年08月13日
  • ヒロイン

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    ネタバレ

    Audibleで聴了。
    ひろみは、根は善良なんだとおもう。
    死体遺棄と損壊はしたけど、殺人はしてない。
    すみれへのDVの時とか、ジョウさんが口封じを仕掛けた時とか、誰かを痛みから助けることはしたけど、痛めつけることはしてない。

    鈴木まことの娘は、なんでルナちゃんなんだろう、月なのか?

    だんだん関西弁が抜けていくのが上手いなと思った

    プロローグがエピローグで、各エピソード終わりの年齢を言うからうっかり年齢を重ね過ぎそうになったけど、子どもを産んだ時、若くはないけど、そんなに高齢出産でもない、同年代くらいだ。

    逮捕されたのは40歳、逃亡してたのは17年。
    長いけど、人生はまだ半分だ。
    逮捕

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    2025年08月09日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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    キャバレーで働く男のお話
    マジシャン、歌手、踊り子の3人の芸人が
    キャバレーで出るのでしばらく寮で暮らすことに
    その生活、出来事の物語ですがとても楽しめました
    3人の出番は年末までの期間限定なので
    別れもくるのだけど・・・
    読んでいてずっとこの4人の生活が続いて欲しいな
    と感じました

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    2025年08月07日
  • 蛇行する月

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    やっぱり、桜木さんはざわざわしながらしっくりくる。高校の同級生の、その母の、その中の1人と旦那に逃げられた女の人のお話。
    女の子達が大人になり、1人1人が人と比べたり、引け目を感じたり。なんともあるなこんな気持ち。。こんなざわざわした思いは昭和であろうと令和であろうと一緒だ。
    そして、「幸せ」の価値観や考え方も人それぞれ。
    この中で「弥生」の物語がスンときた。それは菓子や幸福堂を百貨店に導いた同じ老舗の和菓子やの尾崎の言葉「自分の役割を理解しているとそうそう大きな間違いをしなくてすむんですよ」面白くない言葉かもだけど、すげー納得。
    それと看護師の直子の自分の部屋についての言葉「嬉しいことが倍に

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    2025年08月06日
  • 人生劇場

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    昭和の戦争前後の話は、重く苦しいことが多い。酷い時代だったなぁと思う。
    そこを乗り越えて育ってきた主人公が、立派な人格者になるわけではない、か。
    理髪技術の習得に一所懸命なすごい職人になったが、妻や子どもに手をあげる暴力描写には、思わず目を瞑る。が、レベルの差はあれ、職人だった父も、カッとなるタイプで、怖かったなぁ…
    それでも離婚しない妻、最後は認知症。こうして書いていると状況が…うちと似てる。
    ホテルローヤルが出てきて、え!その後、「家族じまい」も繋がってる?
    読み直してみようと思った。

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    2025年08月01日
  • 家族じまい

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    ネタバレ

    おもしろかったなぁ
    ひさびさに夢中で読んだ

    乃理の回が息をつかせぬ感じだった、不気味で、角田光代の「紙の月」をちょっと思い出した

    それにしてもよくもまぁこんなにいろんなバージョンの女たちを描いたもんだ
    それぞれに家族のしがらみをくっつけて…

    桜木紫乃って、「ホテルローヤル」がちっともおもしろくなかったもんだからそれっきり読まなかったけど、こんなにリアルに切なく、下品にならずに描くひとならもっと他も読んでみようと思う

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    2025年07月16日
  • 人生劇場

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    前半は話が停滞してなかなか読み進まなかったが人生劇場がヒートアップするにつれ加速。ホテルローヤルが出てきた時はもしやと期待してしまった。

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    2025年07月11日
  • 谷から来た女

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    自分では経験していないことについて、想像することはできたとしても。経験した人と全く同じように感じることはできない。
    昔、阪神淡路大震災で多くの友人が被災して、ほとんど被害を受けなかった私は罪悪感のようなものをずっと感じていて、そのことをふいに思い出した。
    本当の意味で理解できないのに理解できていると勘違いして、同情を示したりするよりはまだましなのか。

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    2025年07月09日
  • 人生劇場

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    おのれの欲に忠実に行きた男の一代記。著者桜木紫乃の父親がモデルだという。職業が理容師で後にラブホテルを経営した。その名前は「ホテルローヤル」なるほど、ここにつながるのかと妙に納得した。
    父親は終戦を7歳でむかえた。貧しい魚屋の次男でその名を新川猛夫といった。時代がそうさせたのか分からないが両親とも長男だけを特別扱い。次男の猛夫は長男の一郎から壮絶なイジメを受け育った。そんな猛夫の唯一の落ち着ける居場所は母親の姉のカツ。芸者から身を起こし旅館を営んでいた。カツは両親から疎まれていた猛夫を親代わりのように面倒を見てくれた。旅館の女中、駒子もタケ坊と呼び可愛がってくれていた。しかし生来の気質か育ちの

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    2025年07月08日
  • 谷から来た女

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    ネタバレ

    6編の連作短編集。
    久しぶりに桜木さん節を楽しめた。
    中でも「ひとり、そしてひとり」が印象的だった。
    それにしても、何とも言えない感じで漂ってくる男の頼りのなさはなんだろう。
    ミワと出会った男はなぜか下を向いているような気がしてくる。
    女である千紗や幸生はそれとは対照的だ。
    そういうとこがなんかツラかった(笑)

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    2025年07月06日
  • 谷から来た女

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    北海道出身の桜木紫乃さんならではの作品ですね。

    アイヌの血をひくアイヌ紋様デザイナー赤城ミワに関わった人たちの目線で描かれる6編の連作短編集。

    最初の『谷から来た女』では大人の恋愛が描かれており、赤城ミワという才能もあり、頭も良い凛とした女性にとても惹きつけられました。

    アイヌの事は詳しくないですが、アイヌ民族として生まれ生活していくことに誇りを持ちながらも、生きにくさもあった民族であることを感じ取れました。

    赤城ミワの描くアイヌの紋様がとても魅力的に思えて、この目で見てみたいと思いました。モデルとなった女性はいるのかしら?

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    2025年06月11日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    内容が濃く重かったが、すごく印象に残る本だった。
    とにかく、登場する男がクズばかりでイライラさせられる。特に主人公の百合江が結婚した男とその母親は、鬼のようなやつらでめちゃくちゃ腹が立った。そのやつらが、何の罰も受けずに生きた展開には少しガッカリというか憤りを感じてしまった。
    百合江が、めちゃくちゃな事をされても、何もかも赦すというか受け入れてしまう人柄にもモヤモヤさせられた。

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    2025年06月11日
  • 彼女たち

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    生きていく中で、経験し、通り過ぎていくことがある。でも、それはなくなるわけではなく、大切にしたいと思えば、寄り添い続けることもできる。
    そうやって、毎日を、みんな生きている。

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    2025年06月01日
  • ホテルローヤル

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    章ごとに時間が逆行してるのはなかなかおもしろい。最初では廃墟になってるラブホテルが、章を追うごとに「こんな過去もあったのね…」となり、もの悲しい気持ちになる。

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    2025年05月31日