桜木紫乃のレビュー一覧

  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    どの作品もさくっと読めるけど、登場人物の人生と重ねて考えられる余韻があった。私はななつ星に誰とどんなときに乗りたいだろうと考えた。

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    2025年11月09日
  • 氷の轍

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     面白かったです。前作の主人公もポツポツと出てきて嬉しかったです。

     犯行動機はうん…たしかに…と納得。良かれと思っても他人にとっては迷惑で…。歳を重ねると自分の考え方を変えるのは難しいですよね。

     桜木さん作品、このままの勢いで次に進みます。

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    2025年11月09日
  • 人生劇場

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    桜木さんの作品は根底に暗いものが漂っている。
    誰のせいでもなく、ただそこにあって、そこに生まれ落ちた人が宿命のように背負わされるもの
    その不条理に涙が出てくる。
    あちこちにぽこっと落とし穴があって、はまらずにすむ人と、はまってもがきまくる人と、その違いはなんだろうか。
    夫婦は自分で選んだから責任はあるとして、親や兄弟は自分では選べないのに、しがらみから逃れられず、諦めなのか許せるようになるのは、自分自身も様々な人生経験を積んだ後なのだと思うと、なかなかしんどいな。

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    2025年11月09日
  • 誰もいない夜に咲く

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    7つの短編集
    どの話も女が強かに生き抜いている
    男に騙され流されているようで、実は自分の足で踏ん張って生きている女達
    行ったことのない北海道の情景が目に浮かぶような文章はさすがです
    これぞ桜木紫乃って感じ♪

    北海道を描き続けている桜木作品はどれも似ていて飽きちゃう?って方もいるけど
    わたしはこのまま北海道にこだわって描き続けて欲しいと思ってます_φ(・_・


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    2025年11月07日
  • ホテルローヤル

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    全体的に寂れててジメッとした雰囲気が漂う ホテルにまつわる連作短編集 時系列が通常とは逆で、廃墟となったホテルローヤルから始まり、終盤はホテル開業前まで時間が遡って描かれていく。ギリギリの生活をしている登場人物ばかりで、非現実感やそういった世界の恐怖なども感じる。どこか物悲しさが漂うが、不思議と引き込まれる作品だった。

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    2025年11月06日
  • 情熱

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    帯にある3作品ではない2作品が好き。
    「グレーでいいじゃない」で、最後に亡くなった相棒の母が弾く「ストレンジャー」の演奏の音が聴こえてくる気がした。
    「らっきょうとクロッカス」1人で50過ぎまで目的に向かって目標を達成しながら完璧に生きてきた女性が、ささやかな出会いで穏やかで幸せな生き方を手に入れる、その語り口が、なんか、沁みた。

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    2025年11月03日
  • ホテルローヤル

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    辛い。
    この人の取り上げる人たちのギリギリ感はいつもきつい。
    上手な分、目を背けたくなる。
    「えっち屋」「バブルバス」で少し息ができる。

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    2025年11月03日
  • 風葬

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    思い出して、思い出して、忘れて行くこともある──

    釧路で書道教室を営む夏紀は、軽い認知症を患った母がつぶやいた、聞き慣れない地名を新聞の短歌の中に見つける。
    父親を知らぬ自分の出生と関わりがあるのではと、短歌を投稿した元教師の徳一に会いに根室へ。ひとつの短歌に引き寄せられた二人の出会いが、オホーツクで封印された過去を蘇らせる……。


    面白かった〜
    徳一は教師時代に受け持った女生徒への後悔と懺悔を胸に抱えて生きてきました
    夏紀が訪ねてきた事で過去の出来事を息子と共に探っていくんだけど…
    徳一、息子、夏紀…それぞれの心情が丁寧に描かれてて良いの♪

    曇天のオホーツクと過去を探っていくミステリー

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    2025年11月01日
  • 情熱

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    「情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ」という帯書きだが、タイトル作の『情熱』よりも、他の『兎に角』に特に惹かれました。

    どの作品も、還暦過ぎた主人公たちの諦念や枯れ感がいい具合に醸し出されていて、安心して読めました。

    桜木さん、これからも是非この路線で頑張って欲しいです。

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    2025年10月29日
  • 家族じまい

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    認知症になった母親を軸に、娘や姉など周りの女性目線で家族を描いた物語。
    家族や夫婦だからこそ踏み込めるところと踏み込めないところがあって、面倒くささと愛情がリアルだった。どの話も余韻を残すようなラストでよかった。

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    2025年10月29日
  • 彼女たち

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    人間関係につまずいたイチコ。ある人のことばに背中を押されて生き方の舵を切り直した彼女は、一匹の猫との出会いで新たな感情を手に入れる。イチコ、モネ、ケイ。年齢も生い立ちも異なる三人の物語。それぞれやっかいごとを抱える彼女たちの人生は、とある喫茶店でかすかに交わる。店でひととき過ごしたあと訪れる、ささやかだけれどたしかな変化とは。 ひたむきに、今を生きるあなたへの一冊。読んだあと誰かに贈りたくなります。

    『仕事も恋も結婚も、今しかできないことを選びつづけてきたのに。どうしてこんなに疲れているんだろう。』

    【個人的な感想】
    予想よりかなりページ数の薄い本だった。
    綺麗な写真がたくさ

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    2025年10月25日
  • 凍原

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     久々の桜木さん作品。相変わらずの暗さが漂う内容で、好みでした。

     シリーズ物になるのかな?と思っていましたが、次作はまた別の主人公が活躍するみたい…。

     個人的に比呂とリンの関係の続きを読みたいです。

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    2025年10月23日
  • 人生劇場

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    北海道で生まれ育った男の一生を描いた作品。どこにでもいそうな、男性の生涯であり、めちゃくちゃドラマチックではないのだが、それゆえに共感できるし、物語に没頭してしまう。

    幸せな人生か?どうかはわからないが、読後感が爽やかなのは間違いない。

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    2025年10月20日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    今思えばユリエとリエ、サトミとサヨコ、と名前の似てる親子だったのだけど、読んでるときはたびたび関係がわからなくなった。
    それはたぶん、現在パートの里実と理恵の性格が、なんとなく似てるからではないか。

    それにしても大河だったし、うらぶれた昭和感がたっぷり漂う大作だった。
    出てくる男のなんと情けないこと。
    里実は若い頃はしっかりものという印象だったけど、最後の方では結構イヤなおばさんになっていたな。
    椿あや子の存在を、百合江はどのように知ったのだろうか。

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    2025年10月17日
  • それを愛とは呼ばず

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    面白かった。不思議な感じのお話でした。全体的にぼんやりしていてなんとも言えない雰囲気が漂う。小木田が現れるくらいから少し陰りが出てくる。そしてどんどんおかしな展開に。好きな展開でした。それを愛とは呼ばず、なんと呼ぶの?という感じか。何となくわかるような分からないような。人によって愛は違うとは言うけれど。愛って結局なんなのか誰にも分からないですよね

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    2025年10月11日
  • ラブレス(新潮文庫)

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    貧しい開拓の村に生まれた女性の半生を描く大河小説。

    「北海道の開拓の村」と聞くと明治を思い浮かべるが、
    舞台はなんとザ・ピーナッツが流行した昭和の時代。
    まずその設定に驚かされた。

    クソビンボーな境遇から始まり、旅芸人となり、未婚の母となり、
    数々の裏切りにあう百合江。
    特に義母の嫌なヤツっぷりは全開で、思わずひっぱたきたくなるほど。
    それでも百合江は、そんな困難な世の中をはんなりと交わして生きていく。

    対照的な妹・里実のしっかり者ぶりといい、
    登場人物ひとりひとりが丁寧に描かれていて、読後に余韻が残った。

    同時期に出版された『ホテルローヤル』で直木賞を受賞しているのも納得の筆致。

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    2025年10月09日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    5人の小説家の短編と、2人のクリエイティブディレクターのアンソロジー
    テーマは九州の特別列車「ななつ星」に乗り込む乗客の物語だ
    列車はたくさんの人を一度に運ぶけど、乗客の一人一人はそれぞれ特別な想いを持って列車に乗り込む

    5人の作家さんが寄せたとても短い物語には人生という長い長い想いが乗っていることに気が付く
    恩田陸さんの「お姉さん」が仕組んだ、複雑で切ない物語も時間の長さと、生きようとする想いの深さが音楽に乗ってやってくる

    個人的には小山薫堂氏の言葉が圧巻だった
    人から人へ繋ぐ想いが言葉となって、香り高く温かみを持って伝わってくる
    「共感」という到達点はその気持ちを理解しようとする意識の

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    2025年09月30日
  • 情熱

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    この作者さんの作品は何点か読んでいます。大きな事件や修羅場などは一切なく、大人の静かな感情の中に潜む“情熱"を描いた作品ばかりかと思います。この作品はコロナ禍の頃に書かれたものでしょう、随所にコロナ禍について書かれています。あの騒ぎはなんだったんだろう…と、コロナ禍から2年経った今、全てが日常に戻ってみて"当たり前の暮らし"のありがたさに気づかされました。
    さて、物語はどれも中高年というよりも定年、リタイア後の人達にスポットを当てて進んでいきます。
    「もう、若くないから」と言いつつ、現実を受け入れ残された未来に向けて歩もうとする登場人物に自分の姿を重ねて読みました

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    2025年09月28日
  • ホテルローヤル

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    たくさんの芸術家が影響を受けたと口にされているのので遅ればせながら。

    すでに評価が確立された本に対していうのもあれだけど、面白かった。独特の世界観と呼ばれるものがなんなのかよくわかった。そして惹きつけられた。

    行間から登場人物の人間味が感じられてとてもよかった。これを噂に違わず、というのだろう。

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    2025年09月21日
  • 情熱

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    今年還暦を迎えたタメ年作家・桜木さんの短篇集。収録された6篇は初出が『すばる』と『小説新潮』に半分ずつで、還暦前後の男女が主人公となっている。やはり還暦というのは男女関係なく一つの節目になるんだろうなと実感した。
    桜木さんにしてはあっさり読みやすい(1篇が短いというせいもある)短篇集で、登場人物(特に男性)もわりとまともだった(笑)。
    一番好きなのはジャズミュージシャンの世界を描いた「グレーでいいじゃない」だ。これ、『家族じまい』(既読)に出てきたコンビらしいのだが、例によって記憶が……(苦)。

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    2025年09月19日