桜木紫乃のレビュー一覧

  • 異常に非ず

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    ネタバレ

     桜木紫乃氏、「ホテルローヤル」「蛇行する月」を読み、筆力のある作家、と思っていました。さて税込2,750円の長編、どんな本に仕上がっているのか…

     題材は、昭和54年、1979年に起きた、銀行人質立てこもり事件。当時私は高校生か…この事件、テレビ中継や新聞報道で内容を知ったはず。Focus、Fridayが創刊するのは1980年以降で当時はまだ存在していない。

     本書では事件そのものにほとんど触れない。焦点は、犯人の花川清史の母、内縁の妻、の目線を主に、なぜこの男が犯行に至ったのかをゆっくりと描き出す。

     作中、描き出す側としてこの事件のノンフィクションをまとめる記者とその上司も重要な登

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    2026年05月08日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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     桜木さん作品にしては明るく楽しい作品でした。暗い背景を持つ主人公なのですが、出てくる人達が主人公を明るい方へ引っ張っていってくれる。

     最後には良かった…
    とほっこりする作品でした。

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    2026年05月04日
  • 家族じまい

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    初桜木紫乃。途中まで読んで間を開けてしまって、登場人物が誰が誰だか分からなくなりかなり混乱した(こちら側の問題でしかないけど)。
    「夫の何一つ間違っていないことがきつい」という心理描写、理不尽だけど分かるなあと思った。

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    2026年05月02日
  • 蛇行する月

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    ネタバレ

    釧路の高校で同級生だった女性たちのその後の人生を追う小説。
    それぞれの章が清美、桃子、弥生、美菜恵、静江、直子と全6章から構成されているが、いずれの話にも登場する『順子』という女性がいる。この『順子』が主人公の章は無いのだが、それぞれ物語の話題として登場するのだ。

    順子は高校卒業後に就職した札幌の和菓子屋の20歳も上の旦那の子供を孕んでしまい、東京に駆け落ちするが、彼女はどんな貧乏な貧相な状況でも『私は幸せだ』と言い切る。

    6章のうちの4章(清美、桃子、美菜恵、直子)は順子の同級生。
    残りの2章、弥生は和菓子屋の捨てられた妻であり、静江は逃げた順子の母親の立場での物語。

    人はいま自分が幸

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    2026年04月21日
  • 情熱

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    桜木紫乃さんの短編集。期待以上だった。
    ホテルローヤルから追いかけて読んでいるが年々彼女の描くお話の虜になっているような気がする。胡蝶の城は特に好きな作品。北海道在住だけあって吹き荒ぶ自然を描くのが秀悦。今回は気持ちを揺さぶられるお話が多く、
    表現や読みやすい文章の素晴らしさをひしひしと感じ、表題の情熱以外はのめり込んで読んでいたように思う。情熱は物書きならでは視点が興味深かったが内容は共感できなかったかな。今後も追いかけていきたい

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    2026年04月20日
  • ラブレス

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    重苦しい中にも、からりとした明るさを表現しようとしている小説だ。釧路周辺を舞台とした小説は珍しい。登場人物の理恵が話す、釧路の空の色は、象徴的だ。
    北海道に暮らす人のどこかに、フロンティア、バガボンド精神が漂っていること、昭和から平成にかけて、長い時間が経過したが、その時代に生きた人間には須臾の間とも感じられること、などなど、いろいろなテイストを感じる。

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    2026年04月19日
  • ホテルローヤル

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    初めて読んだ桜木紫乃さんの作品。逆クロニクル型の章立てがほんとうに美しかった。今は廃墟となったラブホテルが、どんな歴史をたどってきたのか……。各登場人物は傍から見ればみな不幸だが、そこに宿る一筋の光を描いている。最後の章を読み終わったとき、その微かな光がいっそう際立って見えた。

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    2026年04月17日
  • 裸の華

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    どっぷりとこの本の世界につかった。登場人物にはみんなクセがあり、自分の周りにいないタイプばかりだったが、いきいきと描かれていた。中でもオガちゃんの登場、別れの場面は感動した。
    ただ、ラスト近くの師匠との再会シーンだけは、もうちょっとどうにかしてほしかったなあ。

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    2026年03月31日
  • ラブレス

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    『貧しい』って人それぞれの測り方があって…私も決して裕福ではなかったけれど、ここまで貧しい生活をしてきた人がいた時代に唖然としてました。でも、この頃の時代ではよくあったとの事…。貧しいって人格を変えてしまう。そんな中での生き様、出会う人達…去って行く人達…変わらずにそばにいてくれる人達…過ぎ去って仕舞えばそれも良い思い出なのかもしれない。私は、これからどんな人生を歩んで、どんな信念を貫けるんだろう…。読み終わった後の『余韻』をとても味わえる作品でした。

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    2026年03月28日
  • 人生劇場

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    タケは能力あるのに、何で時々サボるの?それに暴力とパチンコ麻雀は論外!
    コレそれほど古い話では無いのに今時こんな人(まわりの人も含めて)いるのかな?
    まっ小説だからね。

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    2026年03月25日
  • ホテルローヤル

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    ネタバレ

    ラブホテルが題材のわりに、いやらしいシーンは少なめ。某レビューサイトで事前に確認はしていましたが、安心しました。連作短編になっていて、後日談が違う人物の話でなにげに語られることが、想像力をかきたてます。心中をした先生と生徒はあの傷を慰め合う寂しい二人なのだろうな。おもしろかった。良い作品です。

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    2026年03月23日
  • 二周目の恋

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    恋愛アンソロジー。

    どの作品も、一筋縄ではいかないけれど読後に希望の残る。こういうアンソロジーでは珍しく、どの作品も何かしら心に残る箇所があったのでとても得をした気持ち。

    特に「深夜のスパチュラ」のとりとめがないけどキュートな読み味や、「道具屋筋の旅立ち」のラスト、「海鳴り遠くに」のタイトルの意味が分かった瞬間が特に心に残った。

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    2026年03月21日
  • 情熱

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    「兎に角」60年振りに再会した同級生と、自分ならどんな言葉を交わすだろう…淡い夢物語がシャボン玉のようにポッと浮いてプチンと消える。「ひも」70代ホストの登場に驚く!さらに”ボケたら関係解消”が条件の美容師のひもだという。70代で、こんなに豆に動けるのは愛情のたまものではないのかと、ほっこりと感動。「グレーでいいじゃない」厳しいピアノ教師に育てられた息子とその母との関係。昔の母は、”背中を読め”と本音なんて見せなかった!「スターダスト」久し振りに、コルトレーンの”スターダスト”を聴いてみた。みんな優しい。短編集。中年と呼ばれる事にもとうに慣れ、体力的にも心の有り様にも、淡白になる男と女の物語。

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    2026年03月09日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    二人暮らしの夫と妻 交互の視点で描かれた連作短編集。

    『ふたりぐらし』というタイトルに
    同じ身の上として食指が動いた。 ただ 私の場合はプラス 猫一匹とときどき義母だけれど。


    定職に就かず脚本家の夢を追う不惑の夫・信好とそれを支える看護師の妻・紗弓 三十五歳。

    信好の胸中は常に自尊心と妻への遠慮でせめぎ合っている。一方 紗弓は収入の大部分が生活費に消えてしまい ごく近い将来さえも見えないという不安を抱えている。


    家計のやりくりもさることながら、
    お互い 相手を傷つけないように そして自分も傷つかないようにと気持ちのやりくりも大変そうだ。



    本書には様々な形の “ふたり” が出て

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    2026年03月02日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    一編30ページに満たない10作の短編からなる連作集。

    脚本家の夢を追い続ける不惑の夫と看護師の妻。賃貸アパートから夫の実家へ移っても、変わらず続く「ふたりぐらし」。
    周囲にもまた、近隣の老夫婦、妻の両親、配偶者を亡くした母親、そして長い独り暮らしを経て人生の伴侶を得る夫の雇い主など、さまざまな「ふたり」のかたちが描かれる。

    誰かと暮らす心地よさと、時折立ち上がる小さな波風。
    桜木さんらしい人生の陰影はありながら、本作では人が誰かと寄り添って生きていく暖かさがあります。

    みんみんが読んでいたので
    やっぱり 我慢できないで 読んじゃったー

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    2026年02月26日
  • ラブレス

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    きれいだった
    忘れられないキャラクターが何人も居た

    時代小説をあまり読んでこなかったから
    初めだけ慣れるのにページ数がかかった

    時代小説もっとたくさん読みたいと思った

    特に忘れ難いのは
    宗太郎と数十年ぶりに再会した百合江さんが
    演じきってお別れするところ
    あまりにも美しくて震えた

    ラブレスの意味についてもちもち考える

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    2026年02月18日
  • ラブレス

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    開拓小屋で育った百合江の生涯 妹と自分達の娘の人生 父の卯一はいつも酒ばかりを飲み、母は何も言わない人になり、中学を出て牛舎の仕事ばかりさせられる弟たち、家族は貧乏から脱出する事はできなかった。昔は皆こんな時代だったかも。ただ最後まで百合江を思う人がいた。石黒だ。男はその場を過ぎると逃げる。だが、石黒だけは最後までゆりえを大切に思っていた、人は育った環境に大きく左右されるのかこの本を読んでそう感じた。ただ昨日を捨てる事はできないダブレスとは「愛がない 愛情を感じない。愛されない。冷たいと言った意味」百合江はラブレスのような人だったのかな、桜木紫乃の本は本当に飽きが来ない。

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    2026年02月13日
  • ワン・モア

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    高校の同級生だった二人の女医を軸に、不器用な男女の関係を描いた連作短編集。

    「十六夜」
    過去のトラブルを背負い、離島の診療所に勤める女性医師。
    彼女は社会を恨むことも、自分を省みることもなく、ただ淡々と生活している。贖罪も再生もなく、あるのは日々をやり過ごす身体。
    島の男との恋が海の飛沫のように。

    「ワンダフル・ライフ」
    母親に請われ、個人医院を開業した女性医師。
    自分にも他人にも厳しかった父を亡くしたあとも、彼女は毅然とした母の「良い娘」であり続ける。人生の最期に、彼女は恋した人を求める。

    「おでん」
    前作で描かれた、個人医院の家。
    その建物が売りに出され、次の人生へと受け渡されていく

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    2026年02月12日
  • ふたりぐらし(新潮文庫)

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    子どものいない夫婦の日常が、淡々と描かれています。仕事を選び働かない夫が出てきますが、家事はしますし、妻も生活優先で給与の安い勤務先に転職した過去があります。
    経済的には厳しいけれども、相手を批判せず、互いに認めながらも、どこか言い出せない秘密がある。そんな夫婦の話。

    結婚は当人同士の話ではあるけれども、互いには育ててくれた親があって、それがどんな親であれ、関係ないとは割り切れない当人たちの気持ちが丁寧に描かれています。
    家族を想う言葉が、ストレートすぎれば反発を招き、気遣いが過ぎれば重くなる。縁の切れない家族との付き合いは他人よりも難しい。
    切なく優しい大人向けの話でした。

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    2026年02月12日
  • 蛇行する月

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    ネタバレ

    桜木紫乃ならでは、という筋立て。釧路の高校で図書部だった女子高生4人がそれぞれたどる人生を描く。

    国語教師に恋し、官舎に押しかけ愛を告白した女子高生時代。時は流れ同じ国語教師と結婚したのは別の図書部員だった。

    就職した和菓子店の職人と駆け落ちした順子。職人は店主である妻の前から、身ごもった順子とともに北海道から東京へ逃げる。時は流れ失踪宣言がなされ、順子はこの世に存在しなくなった夫と、その間にできた子と暮らし…苦労の末、これから、というところでまだ40代なのに不治の病にかかった順子。

    再会した別の部員に順子が言う。「子どもの目が見えなくなる。私の角膜を移植して、息子が、その目でいろいろな

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    2026年02月01日