桜木紫乃のレビュー一覧

  • 異常に非ず

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    実話をベースにした461頁の長編を3日掛けてじっくり読み終えた。

    昭和54年の『三菱銀行人質事件』を元に描かれた本作。

    銀行に立て籠もった犯人は当時30歳。
    4人を殺害し説得に駆けつけた母との対話を拒んだまま射殺された男は、なぜ凶行へと向かったのか。

    母と元恋人、二人の証言から少しずつ浮かび上がるのは、無学な母、絶えずつきまとう貧困、逃れようのない生育環境の影。

    時代のせいだけでは片づけられないが、その歪みはあまりに深い。

    理不尽を憎み続けた末に破滅へ向かった彼の人生を追いかけても、胸に残るのはただ虚しさだけだった。

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    2026年06月09日
  • 異常に非ず

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    事件そのものではなく
    ひとりの男を
    凶悪犯罪へ駆り立てたものは
    いったい何だったのか
    その背景を地道にたどっていく
    新聞記者たちが静かに熱かった。
    そして
    時代や社会や生まれなど
    自分ではどうしようもないことを
    言い訳にしなければ
    生きられなかった犯人とその母親の
    いたたまれなさ、苛立ち、怒り
    他人に己を見せられない弱さ…
    そんなものを感じた。

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    2026年06月09日
  • 人生劇場

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    なんだよおまっ!ッチっ!クソが!
    って思いながら読んでた。は?知らねーよ不幸になってろよって思うけれども、不幸になれば嫁が不憫で。別れてやってくださいって頭下げたくなっちゃうよ。なにが人生劇場だよ、孤独孤独と言いつつなんでこんな奴には共に生きてくれる人がいるんだよ、所詮兄さんと同じ遺伝子だろ(自分の思考が酷すぎて信じられないアワアワ)

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    2026年06月01日
  • 異常に非ず

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    タイトルだけ見たらどんな本なのか全く分からず。この事件を知らなかったが、実際に起きた事件がもとになっているようだ。花川という男とその母の生涯。主人公はむしろ母親かな。こういう史実に基づいた話は好きなので面白かったです。分厚いです、一週間毎晩少しずつ読んで読み終えました。

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    2026年05月30日
  • 緋の河(新潮文庫)

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    秀男の人生を生きた感じがしました。
    秀男は私にないものをたくさん持っていて、すごく憧れました。芯の強さ、真っ直ぐさ、行動力、見習いたいと思うところがたくさんでした。途中すごく短期になって誰とでも喧嘩してしまう事もあったけど、最後まで女性として格好良かった。

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    2026年05月29日
  • 異常に非ず

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    昭和54年、銀行で起こった立てこもり事件で4人を殺したのち射殺された男は、自分は異常ではないという言葉を残した。犯人死亡によりその動機も何もわからない事件を掘り下げる取材を行う新聞記者の海原は、犯人の花川と同い年。その世代独特の生きづらさに共感しつつも、なぜ花川が凶行に至ったのかを追求するため、花川の半生を深掘りしていく。重厚な読み心地の作品です。
    実際にあった事件を題材にした物語ですが、大きな事件であるにもかかわらず事件自体についてはほぼ語られていません。あくまでも主題は花川の人生であり、しかし彼の動機がいったい何だったのかということも謎のまま。読者の想像に委ねられている印象が強いです。

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    2026年05月28日
  • 異常に非ず

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    1979年、大阪で起きた「三菱銀行人質事件」。犯人は行員・警察官の4人を射殺し、裸にした女子行員を人間バリケードにして42時間立てこもった末、突入した機動隊によって射殺されます。本作は、事件後、犯人像を明らかにすべく新聞社の記者たちが、犯人の生い立ちから犯行に至るまでを調査する姿を描いたフィクションです。
    なお、本書のタイトル『異常に非ず』は、犯人が語った「オレは精神異常やない。道徳と善悪をわきまえんだけや」という言葉に由来し、作中に登場するノンフィクション本の題名でもあります(実際に出版された書名は『破滅―梅川照美の三十年』)。
    どうもこのタイトルに引きずられ、本作の主人公は犯人・花川清史(

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    2026年05月26日
  • ラブレス

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    好きか、嫌いかと問われれば。
    あんまり好きな物語ではないかな。
    あまりにも現実的ではないし、自分だったらこんな生き方出来ないと思うし。

    んー。
    なんて感想を書いたらいいのかわからない。
    よく、こんな人生を書き切ることができるなって。
    作者の人生そのものなのかな?
    フィクションだとして、どこからこの話の着想を得たのか。

    作り込まれた良い作品であることは間違いない。
    けど、あまりにも切ないよなぁ。

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    2026年05月26日
  • 蛇行する月

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    釧路の高校を卒業してすぐ、年の離れた男と駆け落ちした順子。
    彼女はいつだってひたむきで、時に危ういほど直情的に突き進み、そして今、貧しさのなかで「とても幸せだ」と言う。

    この物語の凄みは、順子本人の波乱万丈さ以上に、彼女と交わり、揺さぶられていく女たちの「様々な生き様」のリアルさにある。
    順子の眩しいほどの「幸せ」に触れたとき、彼女たちの心に去来するのは、純粋な祝福だけではない。羨望、蔑み、嫉妬、自己嫌悪、そして自身の抱える生活の歪み…。
    順子というひとつの強い光によって、彼女たちの隠したかった孤独や葛藤が、容赦なく照らし出されていく。
    満ちては欠け、時に歪んだ軌道を描く月のように、彼女たち

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    2026年05月22日
  • 異常に非ず

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    大変な労作で面白かった。

    あの異常犯罪の犯人の「真実」の物語ではない。もちろんノンフィクションを下敷きにしたフィクションなので「真実」には辿り着けない(辿り着かない)のは当然ではあるが、主人公は犯人の母と、情人と、取材する記者たち。
    社会に媚びる生き方しかできなかった人間が社会に復讐をする、という大きな骨組みの上にに、母の情、愛人としての情、そしてその情にこそ真実が隠れていると迫る記者の思いが物語として語られる。
    息も継がせぬ勢いで様々にゴツい情念が次から次へと現れて、それを書き切った筆者の凄さに感服するとともに、作者の世界観を顕現させるのに「良いネタ」を見つけたなあ、と思ったのが正直なとこ

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    2026年05月10日
  • 異常に非ず

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    ネタバレ

     桜木紫乃氏、「ホテルローヤル」「蛇行する月」を読み、筆力のある作家、と思っていました。さて税込2,750円の長編、どんな本に仕上がっているのか…

     題材は、昭和54年、1979年に起きた、銀行人質立てこもり事件。当時私は高校生か…この事件、テレビ中継や新聞報道で内容を知ったはず。Focus、Fridayが創刊するのは1980年以降で当時はまだ存在していない。

     本書では事件そのものにほとんど触れない。焦点は、犯人の花川清史の母、内縁の妻、の目線を主に、なぜこの男が犯行に至ったのかをゆっくりと描き出す。

     作中、描き出す側としてこの事件のノンフィクションをまとめる記者とその上司も重要な登

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    2026年05月08日
  • 俺と師匠とブルーボーイとストリッパー

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     桜木さん作品にしては明るく楽しい作品でした。暗い背景を持つ主人公なのですが、出てくる人達が主人公を明るい方へ引っ張っていってくれる。

     最後には良かった…
    とほっこりする作品でした。

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    2026年05月04日
  • 家族じまい

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    初桜木紫乃。途中まで読んで間を開けてしまって、登場人物が誰が誰だか分からなくなりかなり混乱した(こちら側の問題でしかないけど)。
    「夫の何一つ間違っていないことがきつい」という心理描写、理不尽だけど分かるなあと思った。

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    2026年05月02日
  • 蛇行する月

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    ネタバレ

    釧路の高校で同級生だった女性たちのその後の人生を追う小説。
    それぞれの章が清美、桃子、弥生、美菜恵、静江、直子と全6章から構成されているが、いずれの話にも登場する『順子』という女性がいる。この『順子』が主人公の章は無いのだが、それぞれ物語の話題として登場するのだ。

    順子は高校卒業後に就職した札幌の和菓子屋の20歳も上の旦那の子供を孕んでしまい、東京に駆け落ちするが、彼女はどんな貧乏な貧相な状況でも『私は幸せだ』と言い切る。

    6章のうちの4章(清美、桃子、美菜恵、直子)は順子の同級生。
    残りの2章、弥生は和菓子屋の捨てられた妻であり、静江は逃げた順子の母親の立場での物語。

    人はいま自分が幸

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    2026年04月21日
  • 情熱

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    桜木紫乃さんの短編集。期待以上だった。
    ホテルローヤルから追いかけて読んでいるが年々彼女の描くお話の虜になっているような気がする。胡蝶の城は特に好きな作品。北海道在住だけあって吹き荒ぶ自然を描くのが秀悦。今回は気持ちを揺さぶられるお話が多く、
    表現や読みやすい文章の素晴らしさをひしひしと感じ、表題の情熱以外はのめり込んで読んでいたように思う。情熱は物書きならでは視点が興味深かったが内容は共感できなかったかな。今後も追いかけていきたい

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    2026年04月20日
  • ラブレス

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    重苦しい中にも、からりとした明るさを表現しようとしている小説だ。釧路周辺を舞台とした小説は珍しい。登場人物の理恵が話す、釧路の空の色は、象徴的だ。
    北海道に暮らす人のどこかに、フロンティア、バガボンド精神が漂っていること、昭和から平成にかけて、長い時間が経過したが、その時代に生きた人間には須臾の間とも感じられること、などなど、いろいろなテイストを感じる。

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    2026年04月19日
  • ホテルローヤル

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    初めて読んだ桜木紫乃さんの作品。逆クロニクル型の章立てがほんとうに美しかった。今は廃墟となったラブホテルが、どんな歴史をたどってきたのか……。各登場人物は傍から見ればみな不幸だが、そこに宿る一筋の光を描いている。最後の章を読み終わったとき、その微かな光がいっそう際立って見えた。

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    2026年04月17日
  • 裸の華

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    どっぷりとこの本の世界につかった。登場人物にはみんなクセがあり、自分の周りにいないタイプばかりだったが、いきいきと描かれていた。中でもオガちゃんの登場、別れの場面は感動した。
    ただ、ラスト近くの師匠との再会シーンだけは、もうちょっとどうにかしてほしかったなあ。

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    2026年03月31日
  • ラブレス

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    『貧しい』って人それぞれの測り方があって…私も決して裕福ではなかったけれど、ここまで貧しい生活をしてきた人がいた時代に唖然としてました。でも、この頃の時代ではよくあったとの事…。貧しいって人格を変えてしまう。そんな中での生き様、出会う人達…去って行く人達…変わらずにそばにいてくれる人達…過ぎ去って仕舞えばそれも良い思い出なのかもしれない。私は、これからどんな人生を歩んで、どんな信念を貫けるんだろう…。読み終わった後の『余韻』をとても味わえる作品でした。

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    2026年03月28日
  • 人生劇場

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    タケは能力あるのに、何で時々サボるの?それに暴力とパチンコ麻雀は論外!
    コレそれほど古い話では無いのに今時こんな人(まわりの人も含めて)いるのかな?
    まっ小説だからね。

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    2026年03月25日