桜木紫乃のレビュー一覧

  • ホテルローヤル

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    全体的に寂れててジメッとした雰囲気が漂う ホテルにまつわる連作短編集 時系列が通常とは逆で、廃墟となったホテルローヤルから始まり、終盤はホテル開業前まで時間が遡って描かれていく。ギリギリの生活をしている登場人物ばかりで、非現実感やそういった世界の恐怖なども感じる。どこか物悲しさが漂うが、不思議と引き込まれる作品だった。

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    2025年11月06日
  • 情熱

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    帯にある3作品ではない2作品が好き。
    「グレーでいいじゃない」で、最後に亡くなった相棒の母が弾く「ストレンジャー」の演奏の音が聴こえてくる気がした。
    「らっきょうとクロッカス」1人で50過ぎまで目的に向かって目標を達成しながら完璧に生きてきた女性が、ささやかな出会いで穏やかで幸せな生き方を手に入れる、その語り口が、なんか、沁みた。

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    2025年11月03日
  • ホテルローヤル

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    辛い。
    この人の取り上げる人たちのギリギリ感はいつもきつい。
    上手な分、目を背けたくなる。
    「えっち屋」「バブルバス」で少し息ができる。

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    2025年11月03日
  • 風葬

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    思い出して、思い出して、忘れて行くこともある──

    釧路で書道教室を営む夏紀は、軽い認知症を患った母がつぶやいた、聞き慣れない地名を新聞の短歌の中に見つける。
    父親を知らぬ自分の出生と関わりがあるのではと、短歌を投稿した元教師の徳一に会いに根室へ。ひとつの短歌に引き寄せられた二人の出会いが、オホーツクで封印された過去を蘇らせる……。


    面白かった〜
    徳一は教師時代に受け持った女生徒への後悔と懺悔を胸に抱えて生きてきました
    夏紀が訪ねてきた事で過去の出来事を息子と共に探っていくんだけど…
    徳一、息子、夏紀…それぞれの心情が丁寧に描かれてて良いの♪

    曇天のオホーツクと過去を探っていくミステリー

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    2025年11月01日
  • 情熱

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    「情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ」という帯書きだが、タイトル作の『情熱』よりも、他の『兎に角』に特に惹かれました。

    どの作品も、還暦過ぎた主人公たちの諦念や枯れ感がいい具合に醸し出されていて、安心して読めました。

    桜木さん、これからも是非この路線で頑張って欲しいです。

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    2025年10月29日
  • 家族じまい

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    認知症になった母親を軸に、娘や姉など周りの女性目線で家族を描いた物語。
    家族や夫婦だからこそ踏み込めるところと踏み込めないところがあって、面倒くささと愛情がリアルだった。どの話も余韻を残すようなラストでよかった。

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    2025年10月29日
  • 彼女たち

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    人間関係につまずいたイチコ。ある人のことばに背中を押されて生き方の舵を切り直した彼女は、一匹の猫との出会いで新たな感情を手に入れる。イチコ、モネ、ケイ。年齢も生い立ちも異なる三人の物語。それぞれやっかいごとを抱える彼女たちの人生は、とある喫茶店でかすかに交わる。店でひととき過ごしたあと訪れる、ささやかだけれどたしかな変化とは。 ひたむきに、今を生きるあなたへの一冊。読んだあと誰かに贈りたくなります。

    『仕事も恋も結婚も、今しかできないことを選びつづけてきたのに。どうしてこんなに疲れているんだろう。』

    【個人的な感想】
    予想よりかなりページ数の薄い本だった。
    綺麗な写真がたくさ

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    2025年10月25日
  • 凍原

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     久々の桜木さん作品。相変わらずの暗さが漂う内容で、好みでした。

     シリーズ物になるのかな?と思っていましたが、次作はまた別の主人公が活躍するみたい…。

     個人的に比呂とリンの関係の続きを読みたいです。

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    2025年10月23日
  • 人生劇場

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    北海道で生まれ育った男の一生を描いた作品。どこにでもいそうな、男性の生涯であり、めちゃくちゃドラマチックではないのだが、それゆえに共感できるし、物語に没頭してしまう。

    幸せな人生か?どうかはわからないが、読後感が爽やかなのは間違いない。

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    2025年10月20日
  • それを愛とは呼ばず

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    面白かった。不思議な感じのお話でした。全体的にぼんやりしていてなんとも言えない雰囲気が漂う。小木田が現れるくらいから少し陰りが出てくる。そしてどんどんおかしな展開に。好きな展開でした。それを愛とは呼ばず、なんと呼ぶの?という感じか。何となくわかるような分からないような。人によって愛は違うとは言うけれど。愛って結局なんなのか誰にも分からないですよね

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    2025年10月11日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    5人の小説家の短編と、2人のクリエイティブディレクターのアンソロジー
    テーマは九州の特別列車「ななつ星」に乗り込む乗客の物語だ
    列車はたくさんの人を一度に運ぶけど、乗客の一人一人はそれぞれ特別な想いを持って列車に乗り込む

    5人の作家さんが寄せたとても短い物語には人生という長い長い想いが乗っていることに気が付く
    恩田陸さんの「お姉さん」が仕組んだ、複雑で切ない物語も時間の長さと、生きようとする想いの深さが音楽に乗ってやってくる

    個人的には小山薫堂氏の言葉が圧巻だった
    人から人へ繋ぐ想いが言葉となって、香り高く温かみを持って伝わってくる
    「共感」という到達点はその気持ちを理解しようとする意識の

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    2025年09月30日
  • 情熱

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    この作者さんの作品は何点か読んでいます。大きな事件や修羅場などは一切なく、大人の静かな感情の中に潜む“情熱"を描いた作品ばかりかと思います。この作品はコロナ禍の頃に書かれたものでしょう、随所にコロナ禍について書かれています。あの騒ぎはなんだったんだろう…と、コロナ禍から2年経った今、全てが日常に戻ってみて"当たり前の暮らし"のありがたさに気づかされました。
    さて、物語はどれも中高年というよりも定年、リタイア後の人達にスポットを当てて進んでいきます。
    「もう、若くないから」と言いつつ、現実を受け入れ残された未来に向けて歩もうとする登場人物に自分の姿を重ねて読みました

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    2025年09月28日
  • ホテルローヤル

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    たくさんの芸術家が影響を受けたと口にされているのので遅ればせながら。

    すでに評価が確立された本に対していうのもあれだけど、面白かった。独特の世界観と呼ばれるものがなんなのかよくわかった。そして惹きつけられた。

    行間から登場人物の人間味が感じられてとてもよかった。これを噂に違わず、というのだろう。

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    2025年09月21日
  • 情熱

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    今年還暦を迎えたタメ年作家・桜木さんの短篇集。収録された6篇は初出が『すばる』と『小説新潮』に半分ずつで、還暦前後の男女が主人公となっている。やはり還暦というのは男女関係なく一つの節目になるんだろうなと実感した。
    桜木さんにしてはあっさり読みやすい(1篇が短いというせいもある)短篇集で、登場人物(特に男性)もわりとまともだった(笑)。
    一番好きなのはジャズミュージシャンの世界を描いた「グレーでいいじゃない」だ。これ、『家族じまい』(既読)に出てきたコンビらしいのだが、例によって記憶が……(苦)。

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    2025年09月19日
  • 青い絵本

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    表題の青い絵本を含む5つの短編集
    どのストーリーも少し淋しくて、悲しくて
    でも、絶望するような辛さはなく、淡々と頑張って行こうと思えた。
    青い絵本が中でも一番好きかな…

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    2025年09月16日
  • ヒロイン

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    オウム真理教の地下鉄サリン事件を思わせる冒頭。
    主人公の啓美は、その事件のことを全く知らずに、ただ幹部の実行犯に連れられて歩いていただけで実行犯として指名手配されることになってしまった。
    そこから始まる逃亡劇。

    啓美の母親から逃げたくて宗教に身を寄せた。
    今度は指名手配犯として逃げる。

    「逃げるから追われる」

    最後に、啓美は安住の地を見つけることができたのだろうか?
    なんとも暗示的な終わり方をしていて、「読者のご想像にお任せします」的。

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    2025年09月09日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    一度は乗ってみたい豪華列車。ますます乗ってみたくなった。
    各作家さんが描くそれぞれのドラマが、同じ列車内で繰り広げられているんだなぁと思うと、感慨深い。

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    2025年09月07日
  • 家族じまい

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    親子の話で夫婦の話、家族の話それを娘…女性の側から書いている物語
    きっとこの中の話に似たような話が自分にも、自分の近くでも起こって来るのかなぁ
    と、切なくなったり、でも、なんとかやって行けるかな?と前向きな気持ちも持ちつつ本を閉じました

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    2025年08月26日
  • 情熱

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    帯にある「情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ。」
    ぴったりな全6編。どれも優劣つけ難く秀悦。

    今までの男女のどろどろとした部分を超えたなんだか潔いくらいの人たち。
    こんな大人(人は老年というのか?)に熟れているだろうか?少しわかる境地になっている自分が心地よい。

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    2025年08月26日
  • 風葬

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    釧路で書道教室を営む夏紀は、
    認知症を患いだした母の春江が呟いた「ルイカミサキ」という
    耳慣れない地名を新聞の短歌の中に見つける。
    父親を知らぬ自分の出生と関わりがあるのではと、
    短歌を投稿した元教師の徳一に会いに根室へと向かう。
    歌に引き寄せられた二人の出会いが、オホーツクに封印された過去を蘇らせる。

    そんなノワール的展開を予想させる冒頭。
    釧路と根室、近いようで実は随分と離れている二つの街で
    30年前の拿捕事件とそれに纏わる歪な人間関係。
    段々ときな臭い展開になっていく様相は読んでいてワクワクした。
    だが、そんな中でもどこか情緒的な雰囲気が全体に漂っていて
    その辺の緊張と緩和が上手く融合

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    2025年08月18日