あらすじ
誰にも負けなかった釧路の女が、最後に守りたかったもの
釧路の街を裏社会から牛耳る影山莉菜は、ある青年を代議士にしようとしていた。人を裏切り、裏切られてきた女が最後に見た景色とは。
父の死という重い十字架を背負った女・影山莉菜は釧路の街を裏社会から牛耳っていた。亡父である博人の血をひく青年を自らの後継者とするため、代議士への道を歩ませようとする。だが、かつてのやり方では街を支配できなくなり、後継ぎとなるはずの青年も……。裏切りに直面した彼女が、人生の最後に見た景色とは。解説・宇垣美里
※この電子書籍は2021年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前作ブルースは、6本指の影山博人が様々な世界を行き来する物語ということは覚えているが、ほとんど内容を忘れたまま本作を読んだので、影山莉菜のキャラクターがよくわからないまま物語が進んでいった。莉菜のボディーガードに徹する弥伊知がなんともいじらしい。博人の忘れ形見の武博が少年から男になるにつれ、物語は不穏な空気に包まれていく。ただ、話の筋がどこに重きを置いているのかが今ひとつわからず、モヤモヤしてしまった。それでも相変わらず文体がとても美しく、引き込まれてしまう。そしてなぜか桜木紫乃の描く物語には色彩を感じない。
Posted by ブクログ
前作より続編。偉大なる父を亡くし、その後を継ぐ義理の娘の莉菜の人生を描いている。
話はハードボイルドで、裏の世界が描かれている。淡々と歳月が進み、余計な文章はなく、読みやすく、面白かった。
前作より、終始暗いが、その暗さが好きで、くせになる。
Posted by ブクログ
ブルースの続編。
殺された義理の父から娘に主人公が交代。
前作もそうだったと記憶しているが読んでいる時に頭でイメージするのだがずっと白黒映像で展開していくのが妙に心地良かった。
内容は影山博人の後継者となり釧路のフィクサー的な役割として生き抜いていく様を描いているのだが、事柄に焦点を当てるのではなく、生き様そのものを冷静に淡々と描いているのがハードボイルド的というか渋くてカッコ良かった。
また、博人を父としてだけでなく、男としてヒロトと表現しているのもカッコ良かった。
タイトルに相応しい作品。
Posted by ブクログ
『ブルース』の続編として本書を手に取った読者は、影山博人に恋をしていると思う。
本書の主人公:莉菜は、継父の博人に恋焦がれ、この世にいない博人の亡霊をいつも追いかける。
莉菜の目標は、博人の遺伝子を受け継いだ武博を、代わりに担ぎ上げること。
道東の釧路の裏社会を牛耳るも、その土地をどこかで恨んでいる。
『ブルース』は博人の視点で描かれなかったが、本書は莉菜の視点でしか語られていない…両書とも【女目線】なのだ。
「男と違って女のワルには、できないことはない」は莉菜の呪縛ではなかったのか⁈
紫乃氏作品は、余韻が凄い。