桜木紫乃のレビュー一覧

  • ワン・モア
    「十六夜」安楽死事件を起こし離島へと左遷された内科医柿崎美和と昴。
    「ワンダフル・ライフ」美和の同級生で末期癌の滝澤鈴音と元夫志田拓郎。
    「おでん」本屋の店長佐藤亮太と坂木詩織。
    「ラッキーカラー」看護師浦田寿美子と!赤沢邦夫。
    「感傷主義」同級生八木浩一と米倉レイナ。
    「ワン・モア」志田拓郎と鈴音...続きを読む
  • 裸の華
    芥川賞読んだ以来、久しぶりに手に取ったけど、こういう本を書く人でしたか。。

    みんな優しくて、一生懸命で、潔くて、なんとも切ない。

    元ストリッパーの話で、時々すごい描写もあるんだけど、艶かしくて下品さが無くて、私も『小屋』に行ってノリカのダンスを見たいし、瑞穂とみのりもダンスも見てみたい。

    オガ...続きを読む
  • 裸の華
    ストリッパーの物語ということで際どいシーンが随所に顔を出すけれどそれもスパイスとして凄みを増してくるのがとても不思議だった。
    札幌の景色の描写がとても素晴らしく地元民としては震えてくるほどに感動。ダンサーふたりと凄腕のバーテンの絡みもたまらないしノリカさんの心意気をどこまでも追いかけていたくなるよう...続きを読む
  • 裸の華
    久しぶりの桜木紫乃。
    ベストワンと言いそうになるけど なんかもう一冊すごい好きなのあった記憶が。
    でも間違いなく わたしの中の桜木紫乃ベストスリーに入る。
    途中 胸が痛くなるほど切ない場面はいくつかあるものの 全体として明るい仕上がり。こんな明るい桜木紫乃は初めてかも。明るいというか 軽やかさを感じ...続きを読む
  • ラブレス(新潮文庫)
    北海道を舞台にした三世代の物語です。
    文学賞もとっているので、読んだ方も多いのかもしれません。
     
    今と過去を交差する物語です。今、位牌を握りしめて、死の淵にある女性、百合江の過去に戻っていきます。
     
    百合江の父はDV、アルコール依存、母はアルコール依存です。
    今はこのような言葉が存在するので、背...続きを読む
  • ラブレス(新潮文庫)
    悲しい話だが、登場人物がそれぞれ幸せを感じる瞬間がある。林真理子の解説に全く同意するが、人の人生で、生きたということが重要。みんな辛い人生を生きていく間にも、百合江、里実、綾子はもちろんだが、ハギだって幸せの瞬間があったと思う。
  • ラブレス(新潮文庫)
    なんだろう、胸キュンとか感動とか、そういうのじゃないんだけど、とっても好きな本。女性って強いな、こんなに愛せるっていいな、幸せってなんだろう。と、たくさん考えさせられた。タイトルはラブレス=愛がない、愛されない、だけれど…わたしはこの主人公の人生は愛でいっぱいだったと思う。というか、愛でいっぱいの人...続きを読む
  • ラブレス(新潮文庫)
    桜木紫乃の文章はいつも悲しくて優しい。本作もまた北の大地を舞台に、3世代に渡る女たちの人生を描く。標茶での極貧生活のなか、百合江は生き別れた妹の里美との再会に希望を抱く。豊かな暮らしに慣れていた里美は肉親との生活に絶望する。里美と百合江の関係はその後の青年期で変わってくるが、なぜそこまで里美が百合江...続きを読む
  • 蛇行する月
    しあわせとは人それぞれ。
    定義も解釈も感じ方も十人十色。
    巻末の解説も含めて、とても心に染みる一冊でした。
  • 蛇行する月
    作者定番の北海道の暗い話なんだけど、この話は幸せとは何か?を深く考えさせる良い物語になっているる。時間とお金に踊らされない自分の居場所がある事が大事だと気づかされる名書
  • ラブレス(新潮文庫)
    全く違う人生を歩む姉妹とその母、娘たちを描いた長編。
    他の方の感想で、ロクな男が出てこないと書いてあったけど、本当姉妹の周りにはロクな男がいなくて!
    娘の綾子の件に関しては、本だと解りつつ怒りが治らないくらい興奮してしまった。
    2人の姉妹の先が気になって面白くて1日で読んでしまった!
  • 裸の華
    足を痛めて北海道に流れてきた元ストリッパーのノリカさん。若いダンサーを集めて、ススキノでダンスバーを立ち上げる。店を手配してくれた不動産店の営業マンは、実は銀座の伝説的バーテンダー。新しい人生は成功するのか? 
  • 緋の河

    苦しくて美しい話

    桜木しのさんの小説は全て読んでいます
    全ての作品、ショートも含め緋色が最高作だと感じました
    渡辺淳一氏が小説はリアリズムが大切だと言ってるのを聞いたことあります
    フィクションをこんなに絡めてるにも関わらず
    ここまで全てノンフィクションに感じた小説を私は初めて読みました 両国に文治を探しに行きたいです
  • 裸の華
    元ストリッパー、フジワラノリカの第二の人生の物語!..って、元祖紀香にこれは許可を得ているのだろうか?それはともかく、これは好き。いつもうら寂しさを感じさせる桜木さんにしては、体温高め。怪我で引退したノリカは、新たにダンスシアターをオープンする。ポリシーは、店の踊り子は脱がせない、純粋たるダンサーに...続きを読む
  • 氷平線
    モノトーンなのに鮮やか。冷たいけど生々しい。
               (瀧井朝世さんの解説より)

    ​忘れられない思いの作品だったので、再読しました。
    しかし、
    自分の3年前の感想​​を見ますと、忘れられない作品と思ったわりにはあっけらかんとブログしておりました。

    特に短編6篇(「雪虫」「霧繭...続きを読む
  • 蛇行する月
    順子を主人公にした章がないのがとてもいい。

    幸せというのは本人が感じるもの。
    他人が決めるものではない。
  • 星々たち
    北海道、小樽、札幌、旭川、帯広、釧路、根室など北の大地を舞台に、過酷な運命に翻弄される母娘三代の女性、咲子、塚本千春、田上やや子の物語。「星々たち」(2016.10)、連作9話。何とも心にずしりと重くのしかかる桜木紫乃の世界です。客観的には苦労の連続に見える3人、特に咲子と千春、でも、それぞれが生を...続きを読む
  • 星々たち
    「星々たち」というタイトルがぴったり。登場人物それぞれが、きらきら美しく輝く、というのではなく、自分の命を少しずつ燃やして、ちかちかと光っているようなイメージ。桜木紫乃さんの静かな文章が大好きです。言葉にしづらい感情や、もやもやして言い表せない気持ちをさらっと表現していて、それが心に沁みたり刺さった...続きを読む
  • 誰もいない夜に咲く
    北の大地に生きる強く逞しい女達の浮き沈みある人生模様を描く桜木紫乃さんの傑作短編集。桜木さんの描くヒロイン達はみんな迷いがなくきっぱりとしていますよね。自らの下した決断に責任を取り後悔せずに今を懸命に生きている男以上の力強さを感じます。みんな十分に聡明で賢いのにどうして自堕落な甲斐性の無い男達に惚れ...続きを読む
  • 裸の華
    浅草のロック座でストリップを見たことがあります。
    本当に美しくて、同性がみても惚れ惚れとするまさに芸術的なものを感じました。
    卑猥さがない、全身全霊で作り上げるあの空気感は忘れられません。

    そういった鑑賞経験を持ってこの本を読むことができて本当に良かったと思える作品。

    ストリッパーというもの、踊...続きを読む