桜木紫乃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
はぁっ、これは良い。桜木さんが元ストリッパーを描いたらこうなるだろうな、という予想を見事に裏切られました。四人の出会いが出来すぎているのと瑞穂さんのオチがソレかぁ・・・っていうガッカリ感も、JINさんの「あの」設定(経歴じゃない方)とみのりさんの師匠愛、そしてなんと言ってもオガちゃんだよね、補って余りある良さです。12章の冒頭はこの小説を終えるのに欠かせない挿話。そして読みながらずっと感じていたタイトルに対するモヤモヤ感も最後にキッチリ回収されて、実に晴れやかな読後感でした。
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あと桜木さんの情景描写ほんと巧い、ハッとする珠玉の名文が作中にいくつもいくつも -
ネタバレ 購入済み
原作の世界観そのままでした…!
もんでん先生は雪人でもコミカライズされてて、そちらももちろん素晴らしかったし、ご自身の原作漫画も本当に傑作揃いなので、こりゃ絶対間違いない!とは思ってましたけど、なかなかに気力を使いそうなので購入してから読むまでちょっと心の準備が必要でした笑
感想はもう…何も言うことはありません!
早くもヒロトロスです… -
すげえ。
原作の桜木紫乃はウィキによると「北海道釧路出身。中学生の時に原田康子の『挽歌』に出会い文学に目覚める。2人目の子供を出産直後に小説を書き始め、原田康子も所属した文芸誌「北海文学」の同人として活動。2007年に『氷平線』で単行本デビュー。作品のほとんどは北海道、特に釧路市近辺を舞台としている。「新官能派」のキャッチコピーでデビューした性愛文学の代表的作家であるが、人間の本能的な行為としての悲哀という描き方であり、過激さは低い。実家は理容室であったが、15歳のときに父親が釧路町に「ホテルローヤル」というラブホテルを開業し、部屋の掃除などで家業を手伝っていたという経験が性愛への冷めた視点を形成したという。」という人物。こりゃあ、すげえぜ。原作も漫画も読みたいと思ったのは久しぶり。漫画はもんでんあきこ。作品としての完成度が非常に高い。素晴らしいと言うしかない。
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Posted by ブクログ
久しぶりの桜木紫乃。
ベストワンと言いそうになるけど なんかもう一冊すごい好きなのあった記憶が。
でも間違いなく わたしの中の桜木紫乃ベストスリーに入る。
途中 胸が痛くなるほど切ない場面はいくつかあるものの 全体として明るい仕上がり。こんな明るい桜木紫乃は初めてかも。明るいというか 軽やかさを感じるというか。ある時期から描く世界に色がついてきたのは感じてたケド それが加速した感じかな。
まぁ 明るい中に 底無しの闇はあるけど 笑。
でも 明暗のコントラストというより もっと近い感じ。うまく言えないけど コントラストって わたしの中では 色相で言うと補色みたいに対極にあるイメージなんだけど これは明暗の差は激しいけど スポットライトの隣にある闇 みたいな。全然わかりやすくないか 笑。
オガちゃんのタンバリン 聞いてみたかった。
タンバリンって そんな上手下手があるとは知らなかった。でもタンバリン芸っていうくらいだからね
なんか違うんだろうなぁ。
オガちゃんが店を訪ねてくるシーン
いろんな意味で 涙なくしては読めない。
ファンってありがたいねぇ。
最後にオガちゃんのタンバリンで踊るノリカを見せられてよかった。お互いに最高のプレゼント。
熱海の静佳に会いに行ったシーンもほんと切なく 読み進めるのがツライほど。暗闇での再開。どんな強い気持ちで踊り終わるまで観てたんだろ。踊るほうも同じく。たぶんこれが最後になるだろうに 最後までコトバを交わすことなく。楽屋を訪ねることもなく。
こんなしんどい思いをしながらも ストリッパーとして死にたいって 強いなぁ。それほど 自分の芸に対して揺るぎない自信と愛情があるってことだろうね。
それにしてもなぁ スポットライト当てる照明さんは
胸が張り裂けそうだろうし 静佳ファンでないイチゲンサンがほとんどだろうアウェイな舞台で いきなりこれを見せられるって お客さん どんな気持ちだろ。酔っ払ってるだろうし 罵声のひとつも飛びそう。その場面さえ目に浮かぶようで胸が痛くなった。
なんでここまでって思いに戻っちゃうんだよ ぐるぐると。まさに凄絶。
そしてノリカ まさかストリッパーに戻るとはなぁ。
自分で踊りたくなっちゃったのかなぁ。
それとも わたしの居場所はやっぱり舞台ってことなのかなぁ。ここでもまたファンって有り難いねぇと。
あたたかいファンの気持ちに迎えられての復活。
ストリッパー冥利に尽きるね。
誰かを育てる元気がなくなっちゃったとしても またちょっと違うタイプの店にしていけば良くない?
わざわざ そんな厳しい道を選ばなくても すごいバーテンダーもいるんだし。と思うわたしは甘いんだろうなぁ。
抜群にカッコいいオンナとオトコが出てくるって ほんと桜木紫乃変わったね 笑。前はほんと感情移入できない 嫌なひとばっかり出てきたもん 笑。
この5年後くらいの話が読みたいな。
ま かかないだろうケド。
ここで切なく終わるのがいいんだろうね きっと。 -
Posted by ブクログ
モノトーンなのに鮮やか。冷たいけど生々しい。
(瀧井朝世さんの解説より)
忘れられない思いの作品だったので、再読しました。
しかし、
自分の3年前の感想を見ますと、忘れられない作品と思ったわりにはあっけらかんとブログしておりました。
特に短編6篇(「雪虫」「霧繭」「夏の稜線」「海に帰る」「水の棺」「氷平線」)のうち最初の「雪虫」が何とも言えずいいのです。オール読物新人賞デビュー作だそうで、これで世に出ましたという作品だからでしょうか。そもそもの桜木さんワールドのはじまり。
どんな風にいいのか?ストーリーがうまい。情景が湧いてくる。
芳しい牧草の中での交歓、牧歌的風景。高校以来付き合ってるいい年の男女の紆余曲折。
持っていかれる感情。明るい中の哀歓をかみしめたくなる。余韻が嫋々とそして納得する。
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<3年前の感想>
桜木紫乃さんの短編集『氷平線』と『誰もいない夜に咲く』にはまって
「格差社会の現代の片隅に生きている」短編の主人公たち(『誰もいない夜に咲く』解説)
「一億総中流」の昭和に駆け抜けたわたしからみれば、「庶民の哀歓」になる
やっぱりちょっと古いかなあ(笑
つまり、いつの時代も庶民は悲哀に満ちた人生を送っている、ってこと
主人公たちが
けしてお金持ちではなく、家庭が崩壊しかけてるか、肉親同士が解り合えず
夫婦円満でないか、離婚してるか、恋人フラれているか、さびしい、きびしいひとり身か
しかし
この作者の短編の数々が一見「暗いものがたり」を編んでいるようにも
背景にからっとした空気の北海道の風景がそこはかとなくはめ込まれてあるので
そこに目が行く、目だけで無く、そこへ旅行したくなる不思議さ
その風景の中で哀歓をかみしめてみたい、なんてさ
だからうまい作家ってことになるのだけれど
北海道がからっとしているという感想もわたしの幻想なのかもしれない
霧の摩周湖は行った時、ほんと霧で何も見えなかったしね(笑 -
Posted by ブクログ
北の大地に生きる強く逞しい女達の浮き沈みある人生模様を描く桜木紫乃さんの傑作短編集。桜木さんの描くヒロイン達はみんな迷いがなくきっぱりとしていますよね。自らの下した決断に責任を取り後悔せずに今を懸命に生きている男以上の力強さを感じます。みんな十分に聡明で賢いのにどうして自堕落な甲斐性の無い男達に惚れるのかは謎ですが、まあ生まれついての性分なのでしょうね。本書を読んで心に思い浮かんだ2つの歌詞を書きますね。前川清「そして神戸」誰かうまい嘘のつける相手捜すのよ、さだまさし「向い風」倖せの形くらい私に決めさせて
『波に咲く』我愛爾、愛してる、国だけで性格を一括りにすべきではないと思います。『海へ』健次郎は自由への手切れ金と考えよう。加藤さんは少し気の毒ですね。『プリズム』やがて記憶が戻り現実が重く圧し掛かってくるでしょう。『フィナーレ』勇気を出せば二人の復縁も有り得るかも知れませんね。『風の女』自らの運命を悟った姉は妹の幸せを願って全てを仕組んだのかも知れませんね。『絹日和』最低の男と死の一歩手前で別れられてよかった。彼の潔さだけは褒めてあげるべきでしょう。『根無草』嘘も方便。古賀の遺した金で母娘二人お幸せにね。