衝撃の展開ながらもサクサク読める。
だが情報量が凄い。それぞれの思惑が絡み合って、統治するのって本当しんどいだろうな、という感想。
単行本の表紙も印象的だが、文庫本の表紙も印象的。
280ページの「あーあ。 だから、駄目だと言ったのに。」
何が駄目なのか。自分の読解力の低さが恨めしい。
己の性格上、忠誠を誓った行動が駄目だったのか、
己の性格上、他者の想い渦巻く中央に身を置く進路自体が駄目だったのか、
垂氷で生涯を終える事が、己にとっては一番の選択だったのか。。
長束の「お前は落ち込んだりしないのか?」という投げかけもしんどい。
浜木綿の「お前はだたの一度だって、奈月彦を選ばなかった」という言葉もしんどい。
冒頭の奈月彦から姫君へのセリフ。この臣下にあたるのが雪哉だと思うのだが。。
でも、雪哉の、逃げようという提案は。。奈月彦の時もそうだけれど、雪哉にとっては逃げる、という言葉が出れば、自分の選択に賛同する覚悟が聞ければ、満足なのだろうか?
治馬の言葉に納得していなさそうだし。
『「政を行うという事は、皆を助けたいと願いつつも、皆を助けられないことだ。…自分に出来ない行為を臣下に押し付けておきながら、自分ばかりが潔白でいようとする。…だから、共に考えよう。」』
奈月彦が記憶を持たない理由は明らかになるのだろうか?
前作短編の作者後書きにもあったが、メインキャラクター以外の八咫烏も一生懸命に生きており、だからこその展開。彼等は忙しくて、やること沢山だけれど、妹君はむしろ思いを募らす環境だよなぁ。。
滝本とのすれ違いがまた切ない。
『関係を改善したいと思っても、衝突などなかったかのようにしたのだからそれが修復されることはないのだった。』
藤波の最期の行動は、彼女目線であれば理解できるのだろうか、それとも、彼女自身にとっても意外な、衝動的な行動だったのだろうか??
滝本は彼女を抱えて、何を思っていたのだろうか?雪哉に言われる前から藤波の宮を選ぼうと、決めていたのだろうか?それとも、過去をずっと悔いていたのだろうか?
奈月彦が雪哉に相談したかったことは何だったのか。
山神と玉依姫はどうなったのか。
本当、父親は、多分東家からの働きかけもあったと思うけど、なぜにこういう性格になったのだろう??彼目線の物語があれば共感できるのだろうか??
皇后の凛とした姿しか知らなかったので、亡き後の取り乱す姿は少し意外だった。覚悟していても、理想はそういかないということか。
南家出身でなければ、雪哉に賛同しただろうか。
夜桜を見に行った二人が、袂をわかつことなくともに尽力するパラレルワールドを読みたい。。
やり方を決定的に間違っていた、と雪哉は言うが、奈月彦はどんな感想を抱いただろう??
完結して、また一から読み直したいけれど、しんどい完結だったら、読み返すのもまたしんどそう。。
CLAMP作品のようだ。。