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Posted by ブクログ
『俺たちの箱根駅伝』下巻です。ついに本選の号砲が鳴り、20+1チームが大手町を飛び出して行きます。「+1」はもちろん学生連合チーム。往路・復路計10区間・200㎞超のレースが臨場感たっぷりに描かれ、目が離せない展開でした。
選手サイドでは、マスコミや本戦常連監督らによる学生連合チーム不要論、監督批判など、大きな逆境の中で選手たちは団結し、ランナーとしてのプライドと自らの存在意義を徐々に示していきます。
テレビ中継サイドでは、学生連合チームの予想以上の活躍で、演出上の選手情報収集不足が露呈。加えて悪天候で中継車とバイクカメラが使えず、多角的に表情を伝える映像提供ができない事態に…。
これらの2軸が交錯しながらいよいよ復路からクライマックスへ。
エースが集結する花の2区、山の5区、最終順位とシード権争い等々、純粋な競技スポーツの見どころはこれまでも理解していました。しかし、この他に放送の裏側や演出という視点を加えることで、物語として立体的な構造となり得ているんですね。
堂場瞬一さんの小説『チーム』を彷彿させ、何のために走るのか、その意味を問う素晴らしいスポーツ小説でした。また過日読んだ泉秀一さんの『アフリカから来たランナーたち』にも見過ごしていた視点を与えてもらったので、来年の箱根駅伝本選がさらに楽しみになりました。