池井戸潤のレビュー一覧
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いやー、面白かった!
ついに迎えたレース本番。
スポットライトが当たらない「学生連合チーム」が巻き起こす、意地とプライドの下剋上物語。
箱根駅伝を見たことある人であれば、想像できる光景が随所あって、ドラマを観ているような没入感でした。ドラマやるんだけどね。
選手それぞれのストーリーがあり、それが丁寧に描かれているので、全員を応援したくなるし、ちゃんと嫌な奴も出てくる、笑。
波乱がありの最後まで目が離せない展開。
そして明かされる真実。
しかし、学生連合チームって、「記録に残らないオープン参加」だけど実際そんなにひどい扱いなのかな?
下剋上感を出すための演出なんだとは思うけど。
お正月の -
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若き日の半沢直樹を描いた本作は、シリーズの原点とも言える“信念の形成過程”に焦点が当てられており、これまでの作品とはまた違った深みを感じさせる一冊だった。舞台は大阪西支店。美術品を巡る融資案件を通じて、銀行の論理と顧客の想いがぶつかり合う構図が描かれる。特に印象的なのは、「価値とは何か」という問いであり、数字だけでは測れない本質に向き合う姿勢が強く心に残る。
まだ若く、葛藤を抱えながらも、自分の信じる正しさを貫こうとする半沢の姿は非常に人間味があり、その後の彼につながる芯の強さを感じさせる。組織の中で生きる以上、理不尽や圧力は避けられないが、それでも顧客と真摯に向き合うことの大切さが丁寧に描 -
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箱根駅伝という大舞台を目指す若者たちの“始まり”を描いた上巻は、夢と現実の間でもがく姿が印象的な一冊だった。華やかな大会の裏側で、選手たちは怪我や実力差、将来への不安といった厳しい現実に直面する。それでも走ることを諦めない理由を、それぞれが模索していく過程が丁寧に描かれている。
特に、チームとしてのまとまりがまだ不完全な中で、衝突や葛藤を繰り返しながらも少しずつ信頼関係を築いていく様子がリアルで引き込まれた。個々の想いが交錯することで、単なるスポーツ小説ではなく、人間ドラマとしての厚みが増している。
また、「勝つため」だけではない、それぞれの走る意味が提示されている点も印象的だった。下巻へ -
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物語の集大成として、これまで積み重ねてきた想いや葛藤が一気に結実する、熱量の高い一冊だった。箱根駅伝という舞台に立つまでの過程で、それぞれの選手が抱えてきた挫折や迷いが、走りという形で昇華されていく描写が非常に胸を打つ。ただ速さを競うだけではなく、「何のために走るのか」という問いに向き合い続ける姿が印象的だった。
特に、チームとしての結束が強まっていく過程は見どころであり、個の力だけではなく、仲間を信じて襷をつなぐことの重みが丁寧に描かれている。限界を超えて走る選手たちの姿には、思わず感情を揺さぶられた。
結果だけでなく、その過程や想いにこそ価値があるというメッセージが一貫しており、読後に -
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シリーズの原点となる本作は、銀行という巨大組織の中で理不尽と闘う半沢直樹の原点が描かれた一冊。バブル期に入行したエリートたちのその後を背景に、融資トラブルや組織の責任回避といったリアルな問題が次々と押し寄せる。特に印象的なのは、失敗の責任を個人に押し付けようとする組織の冷酷さと、それに屈せず立ち向かう半沢の姿だ。
「やられたらやり返す」という強烈な信念の裏には、顧客や仲間を守るという揺るがない正義があり、その芯の強さが物語を一気に引き締めている。決してスマートではなく、泥臭く証拠を集め、理詰めで追い込んでいく過程が非常にリアルで引き込まれた。また、同期との関係や人間ドラマも丁寧に描かれており -
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前作に続き、痛快さと緊張感がさらに増した一作。銀行という巨大組織の中で、不正や権力闘争に真正面から挑む半沢の姿は、読んでいて何度も胸が熱くなる。特に印象的だったのは、バブル期の負の遺産に向き合うストーリーであり、過去のツケが現在にどのような影響を与えているのかがリアルに描かれていた点だ。単なる勧善懲悪ではなく、組織の論理や人間の弱さも丁寧に描かれているからこそ、物語に深みがある。
半沢の信念は一貫しており、「正しいことを貫く」というシンプルだが難しい姿勢が、周囲を巻き込みながら大きなうねりを生んでいく。その過程での仲間との連携や、敵との駆け引きも見どころで、ページをめくる手が止まらなかった。 -
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老舗足袋メーカー「こはぜ屋」が新規事業としてランニングシューズ開発に挑む姿を描いた本作は、挑戦することの尊さと、ものづくりの誇りを強く感じさせる作品だった。資金難や技術的課題、大企業との競争といった現実的な壁が次々と立ちはだかる中で、宮沢社長をはじめとする社員たちが諦めずに前へ進む姿は非常に胸を打つ。特に印象的だったのは、「伝統」と「革新」をどう両立させるかというテーマであり、長年培ってきた技術が新たな価値へと昇華されていく過程に、強いロマンを感じた。
また、単なる企業再生の物語ではなく、登場人物それぞれの葛藤や成長が丁寧に描かれている点も魅力的である。ランナー・茂木との関係性を通じて、製品 -
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企業社会のリアルとスポーツの熱量が見事に融合した一作。左遷された主人公・君嶋が、ラグビーチーム再建という困難なミッションに挑む姿は、単なるスポーツ小説にとどまらず、組織の在り方やリーダーシップの本質を鋭く描いている。勝利至上主義と経営合理性の狭間で揺れながらも、「何のために戦うのか」という問いに向き合う姿勢が印象的だった。ラグビーの持つ「ノーサイド」の精神が、対立や利害を超えて人をつなぐ象徴として機能しており、読み進めるほどに胸が熱くなる。仲間を信じ、泥臭く前に進む姿に勇気をもらえる、まさに池井戸作品らしい痛快さと感動が詰まった作品だった。
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記録の残らない学生連合チームとして厳しい箱根路を駆け抜ける選手たち。彼らの戦いを余すところ無く箱根駅伝ファンに届けるテレビマンたち。
大学の資金力や練習環境、家庭での生い立ち、選手や監督ごとに立場や抱えているものが全く違う。そんな中で、バラバラだった気持ちが徐々に1つに集まり、途方もない力となって本番の舞台で現れる。
お涙頂戴だけではなく、思惑だけでもない、熱い情熱と巧みな分析力とで作り上げられていく箱根駅伝の新たな1ページに釘付けになって読んだ。
箱根駅伝ランナーのひたむきな挑戦に心打たれるのはもちろんだが、あくなき挑戦は若者だけの特権ではないことをこの物語は教えてくれた。 -
Posted by ブクログ
読み始めは弱小チームを強豪に育て上げる監督の話かと思いきや、企業再建に命をかけて臨む社員一人ひとりにスポットを当てていく構成。それに加えて池井戸作品のお家芸「悪は滅びて正義は勝つ」が盛り込まれているストーリー。
「こうなるだろうね」と思って読んでる自分と、答え合わせをしている自分が共存し、楽しみながら読み進められる。読書は娯楽と感じられる作品。
そして池井戸作品には、必ず辞書を引かないと意味もわからない、読めない熟語が散りばめられている。調べればこの文にはこの語しか当てはまらないと思わせる池井戸先生の言葉選びに感服しきり。ただただ自分が勉強不足なだけですが、読めば新たな語彙にも出会える池井戸 -
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率直に言って凄く面白く、感動するストーリーであった。
実際の箱根駅伝を想起させながら、しっかりと人間ドラマを分かりやすく且つテンポ良く表現されていた。
誰しもが注目していなかった学連選抜チームが快進撃を見せる中、同時に取材が薄かったことが浮き彫りになる。そこでみせた辛島アナの実況が温かく選手に寄り添った内容でとても良く、一気に辛島ファンになってしまった。
池井戸作品らしく、所々で嫌みな登場人物は出るものの駅伝の素晴らしさによって最後は良い終わり方になっていたのも良かった。
ドラマ化も控えているようだが、是非とも原作に忠実に制作してもらえることを期待したい。