池井戸潤のレビュー一覧
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前作も読んだ人、ドラマも見たので新刊発売にすごい期待してた。ドラマの配役で読みながら脳内再生してたけど、面白かったー!これ、ドラマ化か映画化しないかなあ。
ハヤブサ地区での根のついた暮らしや、序盤の選挙戦の一幕、中盤の文学賞レースといった見せ場が随所にあるし、謎を解く展開もすごくスムーズで無理がない。
たまーに行く東京での居酒屋より、サンカクのカウンターや停電中の自宅飲みの方がずっと魅力的に見えるのもいい。
ハヤブサ地区で太郎くんがますます馴染んでいるのをみると楽しいし、文学賞にノミネートされるくらい実績と能力があるのがまた田舎暮らしと侮られない強さも見られて嬉しかった。
シリーズ化してくれたら次も読みたい。 -
Posted by ブクログ
『俺たちの箱根駅伝』下巻です。ついに本選の号砲が鳴り、20+1チームが大手町を飛び出して行きます。「+1」はもちろん学生連合チーム。往路・復路計10区間・200㎞超のレースが臨場感たっぷりに描かれ、目が離せない展開でした。
選手サイドでは、マスコミや本戦常連監督らによる学生連合チーム不要論、監督批判など、大きな逆境の中で選手たちは団結し、ランナーとしてのプライドと自らの存在意義を徐々に示していきます。
テレビ中継サイドでは、学生連合チームの予想以上の活躍で、演出上の選手情報収集不足が露呈。加えて悪天候で中継車とバイクカメラが使えず、多角的に表情を伝える映像提供ができない事態に…。
これらの2軸が交錯しながらいよいよ復路からクライマックスへ。
エースが集結する花の2区、山の5区、最終順位とシード権争い等々、純粋な競技スポーツの見どころはこれまでも理解していました。しかし、この他に放送の裏側や演出という視点を加えることで、物語として立体的な構造となり得ているんですね。
堂場瞬一さんの小説『チーム』を彷彿させ、何のために走るのか、その意味を問う素晴らしいスポーツ小説でした。また過日読んだ泉秀一さんの『アフリカから来たランナーたち』にも見過ごしていた視点を与えてもらったので、来年の箱根駅伝本選がさらに楽しみになりました。 -
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10月が到来しました。「◯◯の秋」で、とりあえずスポーツに注目し本作を手にしました。それは、間もなく本作の連続TVドラマが始まり、本作文庫化の商業戦略の波に乗せられたからに他なりません。
何だかんだ言って、箱根駅伝は毎年観ています。過剰な演出はちょっとなぁと思いながらも、選手や家族、チームの背景を知ることで心揺さぶられるのも事実です。本作は、箱根駅伝学生連合チームの選手・監督等と、中継に関わるテレビ局スタッフの両サイドの奮闘ドラマを並行して進む展開です。
上巻は、本戦出場を逃したチームから選抜される「連合チーム」の現実離れした目標への挑戦と、テレビプロデューサーを中心とした中継プロジェクト成功への挑戦の、土台が整うまでが描かれます。
この両軸には共通点があり、組織の体制や方針に不平・不満をもつ反対勢力の存在があるのです。これらの組織の中での逆風や葛藤、苦悩や克服の描き方は池井戸さんの得意とするところですね。
箱根駅伝や報道の歴史も含めた裏側の知識も散りばめ、専門知識がなくても興味を引かれ、とても読みやすいです。本戦に向けてリアルな緊迫感・臨場感が徐々に高揚していく構造に胸を熱くします。
いよいよ箱根駅伝本戦の号砲が近づき、下巻にはどんな展開が待つのか、気が逸ります。 -
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箱根駅伝が題材ということしか知らずに読み始めた。1つの大学にスポットを当てた物語ではなく関東連合チームを取り上げたお話だったのか~。そして学生たちとテレビ局の話が同時進行していく。箱根駅伝は大好きだけど、放送について思いを巡らせたことは今までなかったな…改めて、確かにあれだけの人数の選手、あれだけの距離を生で放送するのは大変なことだよなあ~と実感。メインアナウンサー、辛島さんが引き受けてくれて良かった。浩太の話しもグッときたけど、各校の陸上競技部の生徒たちが応援のためにサプライズで集まってたシーンが泣けた…。テレビ局の話も甲斐監督の動向も気になるけど、やっぱり学生たち一人一人の活躍や心の機微がなんといっても…!下巻も楽しみ!!そして、読んでる途中で『風が強く吹いている』の好きなシーンを思い出し泣き。
登場人物でいうと、計図が好き。ドラマで奥智哉さんが演じるのもイメージにぴったり。 -
Posted by ブクログ
ミステリ作家の三馬太郎が自然豊かな八百万町ハヤブサ地区に移り住んではや4年。すっかりハヤブサ地区に馴染み、作家だけでなく、地元消防団の一員としても忙しい日々を過ごしていたとき、太郎は消防団員として、ある若い女性の水死体を引き揚げる。彼女の死は自殺なのか、他殺なのか。真相究明がなかなか進まない中、太郎はとある文学賞にノミネートされる。最大のライバル候補は、今をときめく美貌の歴史ミステリ作家・北原未南。だが、未南に不可解な疑惑が持ち上がる。
前作以上に面白かった。
女性の死の謎。北原未南の疑惑。若き町長、様々な謎、疑問が解明されていく様が、まるで絡まった紐がスッと解けていくよう。田舎ほど周りの目が気になり、世間体を気にするんだよね。
穏やかで美しい自然がたくさんあるハヤブサ地区。そこにも過去には悲しい出来事があり、その歴史背景はとても勉強になった。
今回もハヤブサ消防団員が大活躍。特に、宮原分団長がいい味出してて、憎めないんだよなぁ。