池井戸潤のレビュー一覧
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池井戸先生の著作は半沢シリーズをはじめとして多くの作品を読んできたが、デビュー作の本作は未読のままだったので、この機会に読むことができて良かったと思う。
読む前に思っていたのは、大企業で生きる主人公のキャラクター作りは上手く、それなりに読んで面白いと思うことになると想像していた。しかし、推理小説という点では、どれぐらいの力量を発揮するのか、皆目見当がつかない状態だったので少し不安な点もあった。
だが、読んでみると、本作は想像をはるかに超えるほど面白かった。懸念していたミステリー要素も雑に扱わずに念入りに話を進めて、読者に飽きさせないように終始徹底されていた。
一つだけ気になったというか、 -
Posted by ブクログ
【2024年163冊目】
老舗足袋屋であるこはぜ屋の宮沢は減少する売上高に頭を悩ませていた。取引先の銀行員である坂本に「新規事業を考えてみては」と諭され、こはぜ屋はランニングシューズ業界に足を踏み入れることに。数々の困難を乗り越えながら挑戦を続ける人々の物語。
面白かった〜!頁数が多くて積読してましたが、読み始めたら止まりませんでした。困難に立ち向かったりとか、新たなことに挑戦したりとか、人と人とが支え合ったりとか、そういうシチュエーションにめちゃくちゃ弱いので、何度も目頭を熱くしていました。
順風満帆に見えたところで、思わぬ問題が立ちはだかるなどして、こはぜ屋は一体どうなってしまうのか、 -
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登場人物(追加)
竹中鏡子
山口県から引っ越してきたという女性、一人娘の可奈子を連れている
史郎が勤める相馬運送で働くことになる
竹中可奈子
鏡子の娘、疲れが溜まると発熱しやすい
こちらに来てからは保育園に通っている
物語
上巻の方に書いています
読後感
史郎の過去を紐解いていくパートと、琢磨が自分探しのために動き回るパートが交互に描かれている
しかし、会話や行動が絶妙にクロスしているので話の切れ目は感じない作りになっている
最終的に琢磨がどう前を向いていくのかは読み手に任せられているが、物語の性質上作中での変化はわりと急なので、そこが読み進める時の分かれ目かと思う -
Posted by ブクログ
登場人物
大間木琢磨
精神の不調により、職と家庭を失っている
父の仕事着や車のキーがきっかけとなり、過去の映像を見ることがある
大間木史郎
琢磨の父。本人は5年前に他界しているが、琢磨が見る映像は史郎の目線で語られている
物語
琢磨は自分は何者なのか、ここにいていいのか不安になるほどの失意の中、実家に身を寄せている
前に進むこともできずいたところ、家の整理中に父の仕事着を見つける
袖を通してみると、目の前には全く別の光景-40年前の相馬運送の光景-が飛び込んでくる
そこには、父史郎がBT21号というボンネット・トラックを中心とした激動の時代を生き抜く様子があった
琢磨は前を向いて立ち上がれるの