あらすじ
呪われたトラックBT21号の運転手4人が次々と殺され、史郎が精魂を注いだ新事業も立ち行かない。
すべては闇の住人、成沢が仕掛けたことだった。
愛する鏡子まで成沢の罠に陥り、史郎は苦悩の選択をする――。
一方の琢磨は、現代に残っていたBT21号を手に入れる。
「物語」のすべてがつまった圧倒的大作。
感情タグBEST3
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登場人物(追加)
竹中鏡子
山口県から引っ越してきたという女性、一人娘の可奈子を連れている
史郎が勤める相馬運送で働くことになる
竹中可奈子
鏡子の娘、疲れが溜まると発熱しやすい
こちらに来てからは保育園に通っている
物語
上巻の方に書いています
読後感
史郎の過去を紐解いていくパートと、琢磨が自分探しのために動き回るパートが交互に描かれている
しかし、会話や行動が絶妙にクロスしているので話の切れ目は感じない作りになっている
最終的に琢磨がどう前を向いていくのかは読み手に任せられているが、物語の性質上作中での変化はわりと急なので、そこが読み進める時の分かれ目かと思う
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池井戸潤の作品の中で語彙が急に難しくなったと感じた。
内容は後半につれて面白くて、最後は止まらず寝ずに読んでしまった。
主人公が自分の人生を投げやりになっている中、親とその相棒トラックが息子を救う。そのために主人公は過去に呼ばれた。彼は、過去と現在を行き来し父の本当の姿を見つけ、これから生きていく糧を得た。
過去と現在という時を行き来したり、主人公がどの過去を見ていたのか明記されていなかったりして難しいが、内容がとても面白い
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上巻からの一気読み。
ファンタジー的度合いはますます増して、憎々しげな悪役も幅をきかせ、ホラー小説の気配。
読み進めるうちに目を背けたくなるような想像するだに恐ろしい場面まで。
不思議さばかりではなく人としての愛情とは、親子の血の深さ、またひとつの会社組織の終焉や経済成長期の社会問題などオールラウンドエンタメとしても楽しめました。
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自分の父親を過去を知る旅。うつ病で長期入院したことで仕事も妻も失った主人公。あることがきっかけで、5年前に他界した父が倒産した会社に勤めていたことを知る。また、過去にタイムスリップもできるようになった。過去には、自分の母とは別に父が愛した女性がいて、会社を倒産させまいと奮闘する父の姿があった。過去と現代を行き来しながら父の人生の真相が解き明かされていく。上下巻でボリュームがあり、話自体も全体的に暗いが続きますが、気になり一気に読みました。自分も子供を持つ父として「何でもない日常を過ごせることが、どれだけ素敵なことか」を教えられた1冊です。時間がある時に一気読みすることをオススメします!
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設定的にはあり得ないストーリーだったが、平凡に思っていた自分の父親が人殺しのヤクザ者と切った張ったの世界でもがいていた時代があるなんて、池井戸ワールドからはちょっと逸脱テーマかな。
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悲しい呪いを背負ったBT21に追いつかれる話と思うも一転、父の思い出を乗せ人生を立ち止まった息子にエールを届けようとしていた祝福のBT21くんのお話
息子が真っ直ぐに思い出とその想いを受け継ごうと奮闘する後半戦は熱いものがあった
昭和の闇は怖すぎて顔歪めながら読んでた
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思いもよらない方向に物語が進み、ハラハラドキドキしながら一気に読みました。
単に過去の出来事が明かされていくでなく、現代でも物語が進んでいくのがよかったです。
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辛く悲しい父の過去を巡る話。闇の住人が恐ろしく明るい要素があまりないけど、ナレーションも良く聴き応えがあった。琢磨側の現在の話は淡白なのが少し残念。
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後編。
息子、琢磨は父の冒険を共に経験する。
会社の業績低下。
DVから逃げてきた薄幸の親子との出会い。
そして社員が密かに関わっていた、ヤクザとの関わり。
BT'63という個性の強いトラックは、その全てに関わる。
降って湧いたような殺人事件から続け様に起こる不幸。
物語は、主人公の再出発と、親子愛に包まれ感涙。
Posted by ブクログ
BT´63は主人公と過去の父親を繋げることができた。
父親は主人公に過去を語らずに生涯を終えた。
過去の父親の姿を鑑賞することで、断片的に出来事を読み取ることができた主人公は、父親を詳しく知ろうと手がかかりを探して行動していく。
仕事が生きがいであった父親の会社は倒産することになる。主人公は過去を知った上で、結末を変えることができないのは残酷だと感じる。
過去と未来が交わることはない。
私はこの本を読み、村上春樹の海辺のカフカを思い出した。
BT´63と主人公が出会った時、何かが大きく変化するのではと読者に匂わて、実際はストーリーに影響しない。期待を裏切られた感じがある。
話が膨らみそうな部分で収束する。
とりあえず期待を返してほしい。
非道徳的なキャラに対しての鉄槌が全て殺害であるのもスッキリしない点であった。
Posted by ブクログ
これまでの池井戸作品とちょっとテイストの違う作品
今作は銀行との融資は出てくるものの、それがメインではなく、むしろ添え物的な感じしかない
心を病んで2年間も入院していた琢磨が、父親の残した車のキーを発見し、それがきっかけで父の生きていた過去と現在を行き来するファンタジーだ
しかしそのファンタジーの中には父が勤めていた運送会社のトラックをめぐるブラックな物語も描かれている
ヤクザあり、殺人あり、恋愛ありの珍しく内容てんこ盛りの内容になっている
読者としては主役が追い込まれるほど引き込まれていくものなのだが、今作はちょっと盛り込みすぎな気がする
そもそもタイムスリップすること自体が安直な気がした一作だった
Posted by ブクログ
もう少し幸せであって欲しかったと登場人物達へ願う切なさが心に残ります。
決して幸せな人生を送れる人達ばかりではない、苦労の上に苦労を重ねて報われない不幸の連続に読んでいて心が重くなりつつも、最後に少しの穏やかさを与えてくれたので後味は悪くありませんでしたが、それでも登場人物の人生の幕を下ろす際の心情を思うと切ないですね。
主人公は息子というより過去で懸命に生き抜いた父の方でした。
強くて愛情深い人。
切ない。