あらすじ
呪われたトラックBT21号の運転手4人が次々と殺され、史郎が精魂を注いだ新事業も立ち行かない。
すべては闇の住人、成沢が仕掛けたことだった。
愛する鏡子まで成沢の罠に陥り、史郎は苦悩の選択をする――。
一方の琢磨は、現代に残っていたBT21号を手に入れる。
「物語」のすべてがつまった圧倒的大作。
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Posted by ブクログ
上巻からの一気読み。
ファンタジー的度合いはますます増して、憎々しげな悪役も幅をきかせ、ホラー小説の気配。
読み進めるうちに目を背けたくなるような想像するだに恐ろしい場面まで。
不思議さばかりではなく人としての愛情とは、親子の血の深さ、またひとつの会社組織の終焉や経済成長期の社会問題などオールラウンドエンタメとしても楽しめました。
Posted by ブクログ
自分の父親を過去を知る旅。うつ病で長期入院したことで仕事も妻も失った主人公。あることがきっかけで、5年前に他界した父が倒産した会社に勤めていたことを知る。また、過去にタイムスリップもできるようになった。過去には、自分の母とは別に父が愛した女性がいて、会社を倒産させまいと奮闘する父の姿があった。過去と現代を行き来しながら父の人生の真相が解き明かされていく。上下巻でボリュームがあり、話自体も全体的に暗いが続きますが、気になり一気に読みました。自分も子供を持つ父として「何でもない日常を過ごせることが、どれだけ素敵なことか」を教えられた1冊です。時間がある時に一気読みすることをオススメします!
Posted by ブクログ
悲しい呪いを背負ったBT21に追いつかれる話と思うも一転、父の思い出を乗せ人生を立ち止まった息子にエールを届けようとしていた祝福のBT21くんのお話
息子が真っ直ぐに思い出とその想いを受け継ごうと奮闘する後半戦は熱いものがあった
昭和の闇は怖すぎて顔歪めながら読んでた
Posted by ブクログ
BT´63は主人公と過去の父親を繋げることができた。
父親は主人公に過去を語らずに生涯を終えた。
過去の父親の姿を鑑賞することで、断片的に出来事を読み取ることができた主人公は、父親を詳しく知ろうと手がかかりを探して行動していく。
仕事が生きがいであった父親の会社は倒産することになる。主人公は過去を知った上で、結末を変えることができないのは残酷だと感じる。
過去と未来が交わることはない。
私はこの本を読み、村上春樹の海辺のカフカを思い出した。
BT´63と主人公が出会った時、何かが大きく変化するのではと読者に匂わて、実際はストーリーに影響しない。期待を裏切られた感じがある。
話が膨らみそうな部分で収束する。
とりあえず期待を返してほしい。
非道徳的なキャラに対しての鉄槌が全て殺害であるのもスッキリしない点であった。
Posted by ブクログ
もう少し幸せであって欲しかったと登場人物達へ願う切なさが心に残ります。
決して幸せな人生を送れる人達ばかりではない、苦労の上に苦労を重ねて報われない不幸の連続に読んでいて心が重くなりつつも、最後に少しの穏やかさを与えてくれたので後味は悪くありませんでしたが、それでも登場人物の人生の幕を下ろす際の心情を思うと切ないですね。
主人公は息子というより過去で懸命に生き抜いた父の方でした。
強くて愛情深い人。
切ない。