あらすじ
走行中の大型トレーラーが脱輪し、はずれたタイヤが歩道を歩く若い母親と子を直撃した。トレーラーの製造元ホープ自動車は、トレーラーを所有する赤松運送の整備不良が原因と主張するが、社長の赤松は到底納得できない。独自に真相に迫ろうとする赤松を阻む、大企業の論理に。会社の経営は混迷を極め、家族からも孤立し、絶望のどん底に堕ちた赤松に、週刊誌記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。(講談社文庫)
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悲しい事件がどのような結末を迎
内容をいうと面白くないので、悲しい事件とだけ申し上げておきましょう。
その後の結末をどのように下巻で書かれているのか大変気になります。
おそらく、犯罪まがいの後ろめたいことをしているのは大企業、中小企業を問わずあり得ることです。
私たちが社会で生きていくうえで何を大切に取捨選択していくべきか読者に投げかける意味をもっている読み応えのある作品だといえます。
Posted by ブクログ
小さな運送会社の社長が歯を食いしばって大企業の理不尽に立ち向かう
他の池井戸潤作品では何度か出てくる構図だが、死亡事故が出てること、そしてそれが現実の腐敗した組織の自動車メーカー(三菱)で起きていた隠蔽だということが、この作品をさらに重々しくしている
この小説が話題作になってもなかなか映像化されなかったのは大口スポンサーの自動車メーカーに忖度したのではと言われているのも、小説を地で行っている
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作家:池井戸潤を世に知らしめた小説『空飛ぶタイヤ』が6月に映画化されるので、小説を『おさらい読み』した。映画では主人公の赤松社長は、TOKIOの長瀬が演じるようだ。(WOWOWドラマでは仲村トオル。熱い演技だった)
アコギな大企業と対峙する中小企業の意地とプライド。八方ふさがりの状況から、糸口を見つけ大逆転する勧善懲悪。
この胸のすく涙腺ユルユル状態になる感動は、サラリーマンなら誰もが感情移入できる。そしてやがて『下町ロケット』や『ルーズベルトゲーム』『陸王』などの池井戸作品に繋がっていくのであった!
この映画、たぶん泣くだろうな。それはそれで楽しみです(笑)
Posted by ブクログ
走行中のトレーラーのタイヤが外れ歩行者の母子を直撃した。
車両の製造元であるホープ自動車が出した結論は、「運送会社の整備不良」。
納得できない運送会社社長・赤松徳郎は、真相を追及しようとする。
赤松社長の家族や社員を大切にする心、辛抱強く真実を追求する姿に心打たれる。
息づまる攻防、中小企業の資金繰りの大変さで、ドキドキさせられます。
Posted by ブクログ
久しぶりの池井戸潤。
定番の面白さだね。
大企業の理不尽、傍若無人な振る舞いに苛立ちを覚える。
これをスカッとさせてもらえるんだから、やめられない。
下巻、期待しています。
Posted by ブクログ
登場人物が多く、私はしっかりと理解しながら読み込む必要があったが、構成やストーリーは整理されていると感じた。
各局面で登場人物の思惑や倫理観、思いなど、ダイレクトに伝わってくるところが素晴らしいと感じた。
前半は正しいことが正しい成果につながらない状況に残念な気持ちでいっぱいであったが、後半好転してきたように感じた。さて、下巻の1ページを開くぞ!
楽しみで仕方ない
Posted by ブクログ
上下巻読んでの感想。三菱ふそうのリコール隠しをモデルにした社会派経済小説。ある日神奈川県の運送会社が運転していた大型トレーラーのタイヤが外れ、母子3人に突撃、死亡させてしまうという痛ましい事故が起きた。当初、原因は運送会社の整備不良とされたが、実際は自動車メーカーのリコール隠しだった。巨大な大手自動車メーカーと銀行の理不尽に中小運送会社の社長が挑む。池井戸潤らしい痛快な展開である一方、これのモデルとなった事件が本当に起きていることを知りいたたまれない気持ちになった。
Posted by ブクログ
7章構成 社会派小説
・メインストーリー
とある運送会社が、タイヤの脱輪により
母子の死傷事故(事件)を引き起こした。
運送会社社長は、事故の要因に納得できず、
その真相追究に奔走する話。
・サブストーリー
小学校のモンスターペアレント処理
・構成
運送会社視点、銀行視点、大企業の販促部視点、
品証保証部視点など、今回の事件に絡みあう
様々な立場の視点から物語が描かれていく。
・特に印象的な場面など
物語中盤以降に描かれたワンシーン(p.325,326)
主人公の赤松が遺族の法事に参列した際に
涙を堪えながら遺族に向かって事故への向き合い方・償い方を発言するシーン。
事故を起こしてからの赤松の血の滲むような努力や、赤松本人がどれだけ事故に真摯に正義感を強く持って向き合ってきたか、、
赤松に強く感情移入してしまった。
・気づき
中弛みするため少し忍耐力がいる。
色々なポジションの人が出てきて、登場人物の名前も多いので、覚えるのが難しい気がするが、
それぞれ登場人物の個性や特徴が分かりやすく書かれていて、自分の中でのイメージと名前を結びつけやすく、意外と覚えれる。
Posted by ブクログ
序盤からタイヤが飛び人が死ぬ。
逆境から始まり、少しずつ本当に少しずつ追い風を吹かせ、最後には大逆転!
池井戸さんの書く作品の爽快感が大好きだが、この作品は逆転までがとても長い。ただ、複数の視点からそれぞれの戦いを描くので、長くても飽きがこない。
それぞれの置かれた場所で、各々が本音と建前を繰り広げ、最後に勝つのは1番正直で真っ直ぐな主人公。現実もこうであって欲しいなと思う。
Posted by ブクログ
池井戸さんの作品は面白いですね。
この作品、題名から想像すると未来の自動車みたいな感じですね。
ハラハラドキドキしながら読み終えました。
素晴らしい^_^
Posted by ブクログ
仕事がら概要は以前からなんとなく知っていたけど、ちゃんと読んだ事がなかった。メディアで取り上げられないであろう当事者達の思い描かれていた。しかも池井戸先生の勧善懲悪的な痛快ストーリーで最後はスカッとする。映画化やドラマ化されているのでどちらもオススメかも。
Posted by ブクログ
これは面白い小説。大企業の不正を暴く街の中小企業との戦い。それぞれの思惑が交差する展開は興奮へと誘う。1日半で読み終えてしまった。
後半が楽しみである。
Posted by ブクログ
2002年、走行中のトラックの左前輪が外れ、歩道を歩いていた母子を直撃し、母親が死亡した事件をモチーフにした小説。
ってか、事実そのものってな感じ。
リコール隠しを暴いていく。
ここまで、財閥系企業をこき下ろしちゃって大丈夫か?
山崎豊子の作風に似ていて、大変面白い。
まだ下巻があるので楽しみ。
Posted by ブクログ
タイトルからは、想像出来ない、メーカーと中小との真相巡る戦い、親会社の銀行巻き込んだ素晴らしい小説だー
走行中の大型トレーラーが脱輪し、はずれたタイヤが歩道を歩く若い母親と子を直撃した。トレーラーの製造元ホープ自動車は、トレーラーを所有する赤松運送の整備不良が原因と主張するが、社長の赤松は到底納得できない。独自に真相に迫ろうとする赤松を阻む、大企業の論理に。会社の経営は混迷を極め、家族からも孤立し、絶望のどん底に堕ちた赤松に、週刊誌記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。(講談社文庫)
Posted by ブクログ
中小企業と大企業の立ち位置がリアル
下は上に対してぺこぺこし、上は下に対して威圧的であり無関心
下巻の結末が楽しみ!!!
そんな世の中のリアルに対してメスを入れ、自らの在り方も改められる一冊であると考える
Posted by ブクログ
【なぜ】同僚からのおすすめ。オーディブルで。
【ここだけ】世の中、人との繋がり。しかし、繋がりすぎも危ない。
【感想】主人公のように強く生きられる人がどれほどいるか。
大企業へ勤めること=勝手に世の中のエリートになったつもりになる
古くから抱える日本の悪いところが凝縮された大企業病。失敗の本質を思い出した。
しかし、主人公役は長瀬なのか。もっとおっさんのイメージしちゃったな。
Posted by ブクログ
トラックのタイヤの脱輪により母子死傷という悲しい事故を起こしてしまった小さな運送会社。事故の原因を調査してもらうも、整備不良と診断され、世間からのバッシングもあり、窮地に立たされてしまう。だがしかし、本当は原因を調査した自動車メーカーが何か隠蔽しているのではないかと、疑惑が膨らみ、下巻へ続く。
運送会社はまだまだ窮地に立たされていて、見えた希望も潰えてしまいかねないし、死亡事故になってしまったのは事実なので、下巻でどうまとめるのか楽しみ。
Posted by ブクログ
池井戸作品は読んだ事がなかったが、こんなに面白いとは思わなかった。所謂、企業小説に分類されるのかもしれないが、大企業サラリーマンの心情を、何故こんなに把握しているのか関心すばるばかり。ハラハラドキドキ、勧善懲悪ハッピーエンドの読後感も悪くない。評価が高いのも頷ける。audibleで聴了
Posted by ブクログ
大企業の論理に支配された社員の行動は、当事者意識を麻痺させて、あってはならない状況を次々と生み出していく。それが、正に社外から見れば非常識極まりないことであっても、当然とるべき行動として遂行されていく。
たとえば、会議などで少し極端な意見をぶち込むことで、当たり前と考えていたことを見直すきっかけになればと思った。
また、伏線として走らせる子供の学校での事件で描かれる親子関係も、なかなかの見せ場となっている。
Posted by ブクログ
経済系好きなら池井戸作品ですね。タイヤが空を飛ぶ?そういうことか、、、まだ上巻なのてどうなるか楽しみ。
難易★★☆☆☆
感動★★☆☆☆
涙線★★☆☆☆
興奮★★★☆☆
感心★☆☆☆☆
伏線★★★☆☆
Posted by ブクログ
読み進めるのがつらかった。つらい理由は憤るから。
真面目に真摯にお客様や従業員に向き合ってきた会社が、こんな目にあうなんて。そしてこの物語が実話を元にしているなんて。
四面楚歌、八方塞がり、崖っぷち。そんなどこを向いても出口がないような状況で、社長はくじけない。諦めない。戦う。ホントにこんなことがあったんだ。私が社長だったら戦えただろうか。そんなことを考えるとまたつらくなった。
Posted by ブクログ
かなり長かったけど、面白くてすらすら読んじゃった。
悪意ある大企業に立ち向かって闘う、赤松の強さがカッコよかった。実話に基づいているというのもあって、大企業の不正とかたまにニュースで見るけど、それによって苦しい思いをしてる人がいるんだなっていうのをはじめて考えさせられた。
Posted by ブクログ
フィクションだけどノンフィクションのような大企業による隠蔽工作に翻弄される運送会社社長を主役とした物語。
上下巻かつ複数の企業や人が関わっているので読みごたえありますが、面白いのでサクサク読めました。
『整備不良』と決めつけられて四面楚歌となっても家族のため、社員のために奮闘する社長:赤松の底力・人間力がすごい!
ただ状況は悪くなるばかり。大企業でぬるま湯体制につかる人たちに負けないでほしい。
人や取引先も離れ、不利な状況のなか出てくる希望の光。上巻読んだら続きが気になってすぐ下巻を読み始めました。
Posted by ブクログ
七つの会議同様、企業のリコール隠しを題材とした小説ですが冒頭被害者の追悼文から始まるため、問題の重みを感じながら読み進める事となるのが七つの会議とは違った赴きとなっている。
登場人物それぞれの立場や心情が巧みに表され、関わりあって様々な事件や問題が発生しハラハラする展開は、相変わらずの面白さでさすがとしか言いようがない。赤松が補償金1億円を提示された時は「魂を売らないで!」と心で思ってしまったほど(笑)。
上巻でこんなに濃厚なのに同じくらい、いやそれ以上の展開が下巻であるのかと思うと楽しみだったり気合が入ったりするのですwww
マニアル馬
メインハーネスの異常で配線が、9本以上が焼けました。
過電流で車載CPもご臨終です。
ディーラとメーカの嘘にビックリ。
運転手としては、異常のモニターを撮ってたので、グウの根もでなかった。
トラックドライバの仲間さん、互いに頑張りましょう。
Posted by ブクログ
初池井戸潤小説!
半沢直樹のドラマは中学の頃見てたけど、なんであれが好きだったか思い出すドロドロ感、そして情熱的な男たち。
やるせなさに胸が詰まるけど読むのを辞められない。
Posted by ブクログ
三菱自動車リコール隠し事件をヒントにしたエンタメ小説。事件解明の進展と複数の場所で起こる人間ドラマを巧みに構成、テンポよく読めて面白い。
作者はビジネス界隈の世情に詳しいのだろう、ストーリーの骨子はなるほどありそうというリアリティを持っている。
ただ、悪役があからさまに悪役として描写されたりといった定型的な勧善懲悪パターンを小説で読むのはちょっと鬱陶しいし、リアリティを損なってしまう。エンタメに振り切るには有効な手であるけれど、これなら漫画で読みたいかなーと思ったのだった。
Posted by ブクログ
池井戸作品はテレビドラマで幾つか見たが、本では2作品目。自動車事故の原因究明の話だが、品質やコンプライアンスの話は人ごとではない。
主人公の運送会社社長・赤松は自動車会社との闘いに際し「だが、立ち止まるわけにはいかない。前進しなければならない」と述べる。アメリカの詩人ホイットマンの詩「さあ出発しよう!決められた決勝点は取り消すことができないのだ」に通じる。ストーリーも面白いが、登場者の心意気も学んでいきたい。