あらすじ
走行中の大型トレーラーが脱輪し、はずれたタイヤが歩道を歩く若い母親と子を直撃した。トレーラーの製造元ホープ自動車は、トレーラーを所有する赤松運送の整備不良が原因と主張するが、社長の赤松は到底納得できない。独自に真相に迫ろうとする赤松を阻む、大企業の論理に。会社の経営は混迷を極め、家族からも孤立し、絶望のどん底に堕ちた赤松に、週刊誌記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
上下巻読んでの感想。三菱ふそうのリコール隠しをモデルにした社会派経済小説。ある日神奈川県の運送会社が運転していた大型トレーラーのタイヤが外れ、母子3人に突撃、死亡させてしまうという痛ましい事故が起きた。当初、原因は運送会社の整備不良とされたが、実際は自動車メーカーのリコール隠しだった。巨大な大手自動車メーカーと銀行の理不尽に中小運送会社の社長が挑む。池井戸潤らしい痛快な展開である一方、これのモデルとなった事件が本当に起きていることを知りいたたまれない気持ちになった。
Posted by ブクログ
序盤からタイヤが飛び人が死ぬ。
逆境から始まり、少しずつ本当に少しずつ追い風を吹かせ、最後には大逆転!
池井戸さんの書く作品の爽快感が大好きだが、この作品は逆転までがとても長い。ただ、複数の視点からそれぞれの戦いを描くので、長くても飽きがこない。
それぞれの置かれた場所で、各々が本音と建前を繰り広げ、最後に勝つのは1番正直で真っ直ぐな主人公。現実もこうであって欲しいなと思う。
Posted by ブクログ
この事故は、2002/1/10に起きた「横浜母子死傷事故」を元に描かれたフィクションですが、登場人物やヒューマンドラマがフィクションで事故の概要はノンフィクションです。むごい事故でニュースや新聞記事のトップに取り上げられました。した。自分も印象に残っています。
あらすじ:登場人物は「赤松運送」社長が主人公で、そこの会社が所有しているトレーラーのタイヤが突然はずれ、横浜市の国道の歩道を歩いていた母親とその子供を直撃して、母親が死亡で子供が軽傷という何とも痛ましい事故で、加害者、被害者の人間関係を描いているのですが、特に加害者側の「赤松運送」について深く描いてました。事故の原因が「ハブ」と呼ばれるタイヤの部品の劣化だという報告を受けますが、「赤松運送」は点検・整備をきちんとやっているのにこれはおかしい、と社長がトレーラーの購入先である「東京ホープ自動車」に抗議します。
この小説では特に加害者側の人間関係について書かれていました。「赤松運送」の社員やその社員の家族、購入先の「東京ホープ自動車」の社員やその家族、「東京ホープ自動車」の社内の組織体系、「東京ホープ自動車」が過去にリコール隠しをやらかしたことや、週刊誌の記者が事故に迫ること、取引先の顧客のこと、融資を受けている銀行などなどです。
自分に言えることはいくら犯人捜しをしたところで亡くなった母親は戻ってこないということです。どうして人間は先に犯人探しをしてしまうんだろう、と事故・事件が起きるたびに思ってしまいます。一番知りたいのは、どういういきさつで事故になってしまったのかが大事だと思っています。「本質」が知りたくてゆっくり読みました。下巻もこのペースで読んでいき、事故の全容を理解したいと思っています。まさにヒューマンドラマを読んでる、ていう感じです。