あらすじ
その日、東京第一銀行に激震が走った。
頭取から発表されたライバル行との合併。
生き残りを懸けた交渉が進む中、臨店指導グループの跳ねっ返り・花咲舞は、ひょんなことから「組織の秘密」というパンドラの箱を開けてしまう。
隠蔽工作、行内政治、妖怪重役……このままでは我が行はダメになる!
花咲舞の正義が自行の闇に切り込む痛快連作短篇
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2024年4月 今田美桜さん主演でドラマ化されました!
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下っ端でも諦めずに意見を言ってけばいい方向に会社は進めるんだろうか。
もっと会社を良くしていくために自分ができることを精一杯やる。
舞の姿勢をすごいと思ったし、自分にはなかったから考えさせられた。
それと舞の姿勢を受け入れる次長と相馬さんとの関係性もすごくよかった。
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ドラマは現在第7話まで放映されているが、ここまではほぼ原作に忠実な形で再現されている。(飲み屋で個人情報を大声で話すシーンが何話かにあるが、あれはありえないと思うが)
企業の論理は、世の中の当たり前とは異なる…多かれ少なかれ『事なかれ主義』で臭いものに蓋をすることに慣れてしまった我々?に、『お言葉を返すようですが!』と正論を説く花咲舞は痛快であり、溜飲を下げる。(このシーンはドラマでも目頭を熱くすることもある…)
ライバル銀行との合併に伴い、なんとあの『半沢直樹』もゲスト出演。(演じるのは『劇団ひとり』なのでコントに見えてしまう)
企業の合併にあたっては、人事制度や給与体系、システムなどのルールをどうするか、それぞれのマウント取りや社内政治での暗躍等々、醜い争い、丁々発止とやりあうのは僕にも経験あるが、それによる浮き沈みなどサラリーマンは犠牲が伴うもの。ドラマはどこまでリアルに描くのか、ちょっと注目したい。
小説では相馬と花咲の臨店指導グループが目障りとなった役員が相馬を左遷させ、花咲舞1人になってしまうが、ドラマでは番組HPを見る限り、違った展開になっていくようだ。原作とドラマ脚本が異なることで、日テレは問題となったこともあったが、あまりにもご都合よくまとめて終わらせることがなければいいなあ。
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「不祥事」の続編。前作同様痛快なストーリー。七つの話から成る。第七話の「小さき者の戦い」は長く読み応えがある。あの「半沢直樹」が登場してくるのもおもしろい。個人的には第五話の「神保町奇譚」がよかった。
心に残った言葉
・「世間に知られなければそれでいいなんてこと、ありませんよ」
「たとえその時傷つくとしても、過ちは過ちであり、ただしていくべきなんじゃないでしょうか。もし違うというのなら、この銀行という組織そのものが間違っていると思います」
・「相手がどれだけ偉いとか、そんなこと関係ありませんよ」
・「あなたの人生はあなたが決めればいい。だけどそれは、生きるためなら何をしてもいいという理由にはなりません。あなたは、自分のしたことについて、ただ自分勝手に正当化しているに過ぎない。あなたからすれば、裏切ったのは組織かも知れない。だけと、組織なんて、会社なんて、所詮そんなものなんじゃないですか。会社がなんとかしてくれるだなんて、そんなのは幻想です。勘違いした銀行員の、ただの甘えに過ぎません。いいかげん、目を覚ましてください!」
・「あなたの頭の中は、お客様を大事にしようと思う気持ちなんて、欠片もないじゃないですか。お客様の夢や希望なんかどうでもよく、顧客を騙して儲けていると知りながら、そんな会社への融資で自らの実績を作ることしか考えない。与信判断が正しいかどうかという以前に、あなたは支店長ーいえ、銀行員として失格です」
・「あなたは何のために仕事をしてるんですか」「簡単じゃないからあきらめるんですか。あなたはそれに見て見ぬふりをするんですか。本当にそれでいいんですか。そんなんだから、この銀行は良くならないんですよ」
・どこに行ってもそれなりにやっていくのは大変なことだ。
日々苦労し、周りの人間関係に腐心しながら、何とかバランスを取って戦っているのが銀行員であり、ひいてはサラリーマンというものではないのか。
・この組織のどこへ行っても、私は自分らしくあればいい。そのことを舞は、繰り返し思うのであった。
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銀行融資の行き先
銀行の合併問題は、あらゆる事項部署融資案件など吟味され合併の同意書が作成される。そんな中で銀行内部で問題案件「不祥事」を揉み消そうと役員関係者が動き始める。不当融資、「エリア51」など一部の役員しか知らない「闇融資」などが露出することになる。縦社会に生きるサラリーマンの宿命は上司には決して逆らえないと言うジレンマがある。勇気と正義を持って行動するには「首」以上に人生を賭けての勝負となる。
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池井戸潤らしい勧善懲悪の結末。
繋がりのある短篇で、読みやすいし、面白い。
半沢直樹も登場して、半沢直樹シリーズを読んだ人には感慨深いものがある。
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銀行が舞台なので、金融用語や専門知識が出てきます。
登場人物たちが、読者にも分かるように自然な形で説明してくれるので、難しい部分もスッと頭に入ってきます
専門知識がなくても安心して読める!
悪を暴くたびにスカッとする!そんな一冊です。
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面白かった。
舞のまっすぐで誠実で、銀行を良くしたいという熱意、忖度やしがらみや権力など気にしない行動力には胸がすかっとするが、
現実なら飛ばされるだろうなぁと思いながら見てた、
すべての章がつながっていて、長編を読んでるかのような重厚感があった。
Posted by ブクログ
『花咲舞が黙ってない』読めました〜!!でも個人的に『不祥事』の花咲舞の方がむちゃくちゃおもしろかったなぁ(^○^)♪
今回は池井戸潤さんの描く銀行員といったらあの人!!が出てきて興奮してしまいました笑
花咲舞みたいにスッパリ潔い性格、羨ましく思います。
Posted by ブクログ
解説にもあったとおり、池井戸先生が書く銀行を背景とした物語は、誰かに焦点をあてて物語が動く。「シャイロックの子供たち」でこの作劇法にハマり、どの物語がタイトルの主流となるのか予測しながら読み続けることに池井戸作品の楽しみがあるとこれを読んで確信しました。
半沢直樹もこれもドラマを観ていないので、原作として純粋に楽しめました。
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このシリーズもドラマ化していたなんて全然知らなかった。(解説読んで初めて知った)
★4つはやや甘めかもしれませんが、短編が集まって最後の話に繋がる構成は最近よく見かけるものの、池井戸さんらしい感じで纏まっており、面白く読めました。
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ドラマからの〜ではないんだけど、
ずっと積んでた一冊。やっと読み終えた!
バンカーとしての小さな正義が銀行の闇という巨大な悪と戦う。そして勝つ。
そんなド定番な構図をやはり期待せずにはいられない。ドラマで一世を風靡したあの人も今回は大きな難題に一石を投じる一幕も。痛快!
これだから池井戸作品はやめられない!
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リアルでも言えるけど、私利私欲のために会社をダメにする人っているんだよなぁと
意外だったのが、この作品はドラマで使われたタイトルを本のタイトルにしたのね
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東京第一銀行の跳ねっ返り行員・花咲舞は、己の信じる正義のもと、空気は読まず、時にブチ切れながら、問題支店や勘違い行員の指導に奮闘している。 そんな中、ひょんなことから「組織の秘密」というパンドラの箱を開けてしまい……このままでは我が行はダメになる! 歯を食いしばり行内の闇に切り込む、痛快連作短篇
『不祥事』の続編
今放送されているドラマをもう何話も観ているので 『不祥事』を読んだ時とは違い 私の頭の中でちゃんと花咲舞は今田美桜さん、相馬健は山本耕史さんが出て来てくれた
原作もとても面白かったです
ドラマは原作とは少し違うところもあるけど ほぼ忠実だった(今観ているところまでのストーリーは…)
ストーリーも登場人物も ドラマは上手く脚色されていると思いました
自分では言えないような事を言ってくれるから 花咲舞は面白いんだよね
半沢直樹も登場して 堺雅人さんが脳内に出て来たわ
Posted by ブクログ
2024/4/28
最後のざまぁのためにヘイトためまくるパターンがしんどかったけど、これは短編連作なのでまだ楽でよかった。
ここまでじゃなくても会社にいると善悪の基準ちょっと狂ってくることあるよね。
会社に限らずか。
なんか閉じた場所に長くいると。
気を付けよと思ったりそこまで関係ないかと思ったり。
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時代が銀行合併直前。合併することに緊張感を覚えているなかで、銀行員として正しい道を進もうとしている人たちの話でした。花咲舞と相馬が銀行の闇に踏み込み揉まれていきます。そんな中、要所で出てくるチーター(半沢直樹)の存在はとても面白かったです。
本全体として読みやすかったです。
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正義を振りかざして権力者をギャフンと言わせる様は、現実の世界ではなかなかできないだけに痛快。ややストーリーの構成が浅いような印象がするのと、物語の回収が粗いように感じた。全体を通して読みやすい企業ミステリー。
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オーディブルにて。
連作短編集だから仕方ないけど、どうしても半沢直樹シリーズと比べると一段下がってしまう。
でもその業界の知識がなくても楽しめる点では上かな。
次は何にしようか。
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若さが羨ましくなる。自分の中では、歳をとることは長いものに巻かれることとほぼ同義語になって久しいから、余計に羨ましいし哀しくなってくる。そんなに失うものなんてないはずなんだけどなぁ⋯。
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東京第一銀行の激震、頭取から発表されたライバル行との合併。
臨店指導グループの花咲舞は、「組織の秘密」の箱を開けてしまう。
はっきり物申す舞と、弱気な相馬さんのかけあいが面白い。
ただ前作の「不祥事」と比較して、なぜか面白さは半減した感があります。
こちらも独立した物語で、連作短編集の形になっています。
Posted by ブクログ
2024.05.24 ★3.8
事務部臨店グループの相馬と花咲コンビシリーズ。
銀行内部の悪事を暴いていく勧善懲悪の短編集、かと思いきや、善悪だけでは計れない東京第一銀行の「組織」としての思惑もあり、一刀両断に出来ないこともある。
読者としてはやきもきさせられるが、花咲の完全なる「善」に救われもする。
昇仙峡調査役といい産業中央銀行との合併といい、続刊にも期待している。
↓↓↓内容↓↓↓
その日、東京第一銀行に激震が走った。頭取から発表されたライバル行との合併。生き残りを懸けた交渉が進む中、臨店指導グループの跳ねっ返り・花咲舞は、ひょんなことから「組織の秘密」というパンドラの箱を開けてしまう。隠蔽工作、行内政治、妖怪重役……このままでは我が行はダメになる! 花咲舞の正義が自行の闇に切り込む痛快連作短篇。
Posted by ブクログ
合併を前に様々な問題が起きる、東京第一銀行。その中で信念を貫く舞が頼もしくもあり不憫でもある。
舞の熱さが上役には邪魔になることが多く、展開は非常に分かりやすい。
最後に舞の思いを汲んでくれる玲子と半沢。池井戸作品らしくスカッとした終結であった。
Posted by ブクログ
東京第一銀行の臨店指導グループを舞台に不正に斬り込んでいく小説。合併が進められる産業中央銀行の半沢直樹も登場し、池井戸潤の世界が繋がります。前作「不祥事」も読んでみたい。