ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
8pt
第32回松本清張賞受賞作 異形の歴史小説 玉照院の師弟は“やんごとなき秘密”を抱えていた―― 天明飢饉の傷痕いまだ癒えぬ比叡山延暦寺に、失敗すれば死といわれる〈千日回峰行〉を成し遂げようとする二人の仏僧がいた。 歴史に名を残すための闘いは、やがて業火となり叡山を飲み込んでいく。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
これはちょっととんでもない作品を読んだかもしれない、と読後、感嘆の息が漏れてしまいました。 物語は十八世紀末頃からはじまります。平安朝前期に明王堂を開基した相應和尚以降、千年の歴史を持つ天台宗の荒行、北嶺千日回峰行にひとりの僧が挑むものの、行の途中で倒れてしまう。僧の名は恃照。大行満大阿闍梨に...続きを読むその名を刻むための行において、最後までやり遂げられなかった者は、自らの命を絶つ、という決まりがあったが、恃照には周囲には言えないある出自の秘密があり、特例として『汚名』とも呼べるような『名誉』を授かるとともに、死ぬことが許されなくなってしまう。やがてそんな彼は、ひとりの弟子を持つことに――。 荒行に挑んだ師弟の壮絶なドラマです。傑作です。私のこんな駄文を読んでいる暇があったら、すぐに本屋さんに買いに行ってください。誰にも言えない出自の秘密を抱えた師弟は互いに憎しみ、毛嫌いしながらも、その果てに、『絆』という言葉が安易に思えるほど、強く共鳴し合っていく。ラスト30ページくらいは涙なくしては読めないほどに感動的で、一読忘れがたい余韻があります。結末に直接触れるわけにはいかないので、すこし曖昧な言い方になりますが、足跡のなかった場所に初めて足跡を付けていく結末は、物語の決着としてこれ以上、美しいものはなかなかないんじゃないか、と思えるほど、鮮やかでした。
後桜町天皇の御落胤、恃照は百日回峰行にあと一間歩けば届くところを倒れてしまい失敗した。もともと百日回峰行に失敗したものは自刃せねばならない取決めだったが、しかし帝の血筋の者を殺すわけにはいかない。そのため当行満阿闍梨とはせず、半当行満阿闍梨として扱い、生かすことになった。その恃照のもとに、同じく帝の...続きを読む御落胤である戒閻が弟子入りし、百日回峰行をしたいと望む。
江戸時代の比叡山延暦寺。北嶺千日回峰行という仏道修行に挑む僧侶。その厳しさは命を落とすこともある壮絶なものである。難しい言葉は出てくるけど、物語はすごくシンプル、真面目さが一周回って笑えてしまうようなところもあり。ただただ面白く没頭した。好き。
いやー、面白かった テーマが千日回峰行だったのも新鮮だったし ラスト30ページは圧巻でした こういう本に出会えるから、読者は辞められません 今年のトップ3に入ります
比叡山は今年も行きました。令和4年に初めて無動寺明王堂に、翌年は御祈祷もしていただきました。 千日回峰行の本や漫画は読んだことはありましたが、白鷺立つは素晴らしかったです。グイグイ物語の中に引き込まれました。 阿闍梨餅の紙袋は 阿闍梨様の絵だったのですね…
白鷺とは命懸けの「千日回峰行」に挑む修行僧を指す比喩表現だそうです 白装束で、白い鳥のように清らかで力強くあるからだそう 「はくろ」と読ませていますが、もちろん「しらさぎ」とも読む んでこの「千日回峰行」ってのがほんと命がけなのよ 7年間かけて延べ千日間山中を1日約30〜40km歩いた上に最後は...続きを読む「堂入り」って言って9日間、断食・断水・不眠・不臥(横になること)で不動真言を唱え続ける、人間を超えた難行をやるんだって ってどこか白鷺やねん!( ゚д゚ )クワッ!! あんなもん朝からギャーギャーうるさいだけやないか!( ゚д゚ )クワッ!! めっちゃ糞まきちらすし わが町の市役所にもけっこう苦情が寄せられてるみたいなんよザギ被害 でも白鷺って法律で保護されてるんで、勝手に捕まえたり、ましてや殺したりしたらあかんのやで 1年以下の懲役または100万円以下の罰金ですって 気を付けよう!
比叡山延暦寺を舞台に失敗すれば死といわれる千日回峰行に挑む二人の仏僧の軋轢やそれを取り巻く仏僧の世界を描いた作品。二人はどちらもこの世にいない存在とされる業を背負い、何者かになってその存在を記したいと渇望しこの苦行に挑んでいた。二人の軋轢は現代にもよく見られるものであり、時代が移り変わっても同じこと...続きを読むで人は悩むんだなと思った。そして二人の渇望は抑制のきいた中でひしひしと伝わってきて、そりゃ受け入れがたいことだよなと少し同情した。
評判が良かったので。 三体のあとに本作を読んだので、壮大な世界から、自分自身の内面と向き合うような狭くて深い世界に一気に変わって、それはそれですごく引き込まれた。 通勤電車で駆け足で読んでしまい、もう一度ゆっくり再読せねば。 結局他人にどう見られるかって、修行してる人でもめちゃめちゃ気にするのね。
出自を明らかにできず、生きたという証さえ残せぬ運命を背負った僧の師弟の物語です。 自分は何のために生を受けたのか、何を生きた証とできるのか――誰もが一度はぶつかる問いを描いています。 主人公は苦行に身を投じ、歴史に名を残すことで自分の存在を示そうとしますが、その願いは叶いません。 同じく高貴な...続きを読む血を受け継ぐ弟子と激しくぶつかり合い、互いを否定しながらも、最後には心を打つ結末を迎えます。 一人の人間として何を大切に生きるべきかを問いかけられたような、深く胸に残る作品でした。
公に出来ない帝の子供という共通点を持つが故に反発し憎しみ合う恃照と戒閻の師弟関係がスリリングで面白かった。自分の意思とは関係なく、生まれ落ちた瞬間から自分として生きる(生きた)ことを奪われた彼らの哀しみや苦しみは、何者であるかを当たり前のように語れる読み手の前に抱えきれないほどの大きさで迫ってくる。...続きを読む恃照が過酷極まる千日回峰行へ引き寄せられる始まりが俗で人間的なところにあるからこそ最後の場面に信仰の微かなひかりを感じもする。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
白鷺立つ
新刊情報をお知らせします。
住田祐
フォロー機能について
「文春e-book」の最新刊一覧へ
「歴史・時代」無料一覧へ
「歴史・時代」ランキングの一覧へ
一覧 >>
▲白鷺立つ ページトップヘ