白鷺立つ

白鷺立つ

1,700円 (税込)

8pt

第32回松本清張賞受賞作 異形の歴史小説

玉照院の師弟は“やんごとなき秘密”を抱えていた――

天明飢饉の傷痕いまだ癒えぬ比叡山延暦寺に、失敗すれば死といわれる〈千日回峰行〉を成し遂げようとする二人の仏僧がいた。
歴史に名を残すための闘いは、やがて業火となり叡山を飲み込んでいく。

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白鷺立つ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     これはちょっととんでもない作品を読んだかもしれない、と読後、感嘆の息が漏れてしまいました。

     物語は十八世紀末頃からはじまります。平安朝前期に明王堂を開基した相應和尚以降、千年の歴史を持つ天台宗の荒行、北嶺千日回峰行にひとりの僧が挑むものの、行の途中で倒れてしまう。僧の名は恃照。大行満大阿闍梨に

    0
    2025年12月21日

    Posted by ブクログ

    後桜町天皇の御落胤、恃照は百日回峰行にあと一間歩けば届くところを倒れてしまい失敗した。もともと百日回峰行に失敗したものは自刃せねばならない取決めだったが、しかし帝の血筋の者を殺すわけにはいかない。そのため当行満阿闍梨とはせず、半当行満阿闍梨として扱い、生かすことになった。その恃照のもとに、同じく帝の

    0
    2025年11月11日

    Posted by ブクログ

    江戸時代の比叡山延暦寺。北嶺千日回峰行という仏道修行に挑む僧侶。その厳しさは命を落とすこともある壮絶なものである。難しい言葉は出てくるけど、物語はすごくシンプル、真面目さが一周回って笑えてしまうようなところもあり。ただただ面白く没頭した。好き。

    0
    2025年10月09日

    Posted by ブクログ

    いやー、面白かった
    テーマが千日回峰行だったのも新鮮だったし
    ラスト30ページは圧巻でした
    こういう本に出会えるから、読者は辞められません
    今年のトップ3に入ります

    0
    2025年10月07日

    Posted by ブクログ

    比叡山は今年も行きました。令和4年に初めて無動寺明王堂に、翌年は御祈祷もしていただきました。

    千日回峰行の本や漫画は読んだことはありましたが、白鷺立つは素晴らしかったです。グイグイ物語の中に引き込まれました。
     阿闍梨餅の紙袋は 阿闍梨様の絵だったのですね…

    0
    2025年10月06日

    Posted by ブクログ

    白鷺とは命懸けの「千日回峰行」に挑む修行僧を指す比喩表現だそうです
    白装束で、白い鳥のように清らかで力強くあるからだそう

    「はくろ」と読ませていますが、もちろん「しらさぎ」とも読む

    んでこの「千日回峰行」ってのがほんと命がけなのよ
    7年間かけて延べ千日間山中を1日約30〜40km歩いた上に最後は

    0
    2025年12月18日

    Posted by ブクログ

    比叡山延暦寺を舞台に失敗すれば死といわれる千日回峰行に挑む二人の仏僧の軋轢やそれを取り巻く仏僧の世界を描いた作品。二人はどちらもこの世にいない存在とされる業を背負い、何者かになってその存在を記したいと渇望しこの苦行に挑んでいた。二人の軋轢は現代にもよく見られるものであり、時代が移り変わっても同じこと

    0
    2025年11月28日

    Posted by ブクログ

    評判が良かったので。
    三体のあとに本作を読んだので、壮大な世界から、自分自身の内面と向き合うような狭くて深い世界に一気に変わって、それはそれですごく引き込まれた。

    通勤電車で駆け足で読んでしまい、もう一度ゆっくり再読せねば。
    結局他人にどう見られるかって、修行してる人でもめちゃめちゃ気にするのね。

    0
    2025年11月20日

    Posted by ブクログ

    出自を明らかにできず、生きたという証さえ残せぬ運命を背負った僧の師弟の物語です。

    自分は何のために生を受けたのか、何を生きた証とできるのか――誰もが一度はぶつかる問いを描いています。

    主人公は苦行に身を投じ、歴史に名を残すことで自分の存在を示そうとしますが、その願いは叶いません。

    同じく高貴な

    0
    2025年11月06日

    Posted by ブクログ

    公に出来ない帝の子供という共通点を持つが故に反発し憎しみ合う恃照と戒閻の師弟関係がスリリングで面白かった。自分の意思とは関係なく、生まれ落ちた瞬間から自分として生きる(生きた)ことを奪われた彼らの哀しみや苦しみは、何者であるかを当たり前のように語れる読み手の前に抱えきれないほどの大きさで迫ってくる。

    0
    2025年10月31日

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