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Posted by ブクログ
叡山。
千日回峰行。
7年に及ぶ過酷な荒行を生き残り、完遂した僧侶は北嶺大先達大行満大阿闍梨と称され崇められる。
成し遂げられなかった者には死しかない。
最も過酷な堂入りと呼ばれる行は、生前葬の後9日間、断食・断水・不眠・不臥で真言を唱え続ける。
比叡山延暦寺。名前は教科書で習いました。
天台宗、なんですね。
あまりにも知らない世界だったので理解できるかな?
という気持ちで読み始めましたが杞憂でした。
むしろ満たされる知識欲。
物語としての面白さ。
気づけば完全に世界観に引き込まれ、自分が行を終えたかのような読後感がありました。
思ったよりも人間臭いです。共感できるという良い意味で。
人が集まれば寺であっても俗世の企業と変わらないんですね。
色んな人の思惑、欲、不正。相性もある。
主人公の慈照は師を敬愛する清らかで真面目な僧侶だけれども、
不遜かつ恐ろしく優秀すぎる弟子に翻弄され、苦悩する。
二人には共通する境遇があり、それゆえに承認欲求という欲は強い。
そんな二人が互いに向き合う様は切れ味鋭い戦いのようで、
嫌悪感や憎しみを隠そうともしない。
けれども違いこそが唯一の理解者でもある。
唯一無二の、特別な関係なんです。
最後は哀しくもあり、いじらしくもあり、清々しくもある、
不思議な読後感のある物語でした。
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