住田祐の作品一覧

「住田祐」の「白鷺立つ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 白鷺立つ
    4.5
    1巻1,700円 (税込)
    第32回松本清張賞受賞作 異形の歴史小説 玉照院の師弟は“やんごとなき秘密”を抱えていた―― 天明飢饉の傷痕いまだ癒えぬ比叡山延暦寺に、失敗すれば死といわれる〈千日回峰行〉を成し遂げようとする二人の仏僧がいた。 歴史に名を残すための闘いは、やがて業火となり叡山を飲み込んでいく。

ユーザーレビュー

  • 白鷺立つ

    Posted by ブクログ

    叡山。
    千日回峰行。
    7年に及ぶ過酷な荒行を生き残り、完遂した僧侶は北嶺大先達大行満大阿闍梨と称され崇められる。
    成し遂げられなかった者には死しかない。
    最も過酷な堂入りと呼ばれる行は、生前葬の後9日間、断食・断水・不眠・不臥で真言を唱え続ける。

    比叡山延暦寺。名前は教科書で習いました。
    天台宗、なんですね。
    あまりにも知らない世界だったので理解できるかな?
    という気持ちで読み始めましたが杞憂でした。
    むしろ満たされる知識欲。
    物語としての面白さ。
    気づけば完全に世界観に引き込まれ、自分が行を終えたかのような読後感がありました。

    思ったよりも人間臭いです。共感できるという良い意味で。
    人が

    0
    2026年05月25日
  • 白鷺立つ

    Posted by ブクログ

    読み応えのある内容でした。戒閻の想いの刹那さには、涙してしまった。一日のばした訳をいろいろと考えてしまった。大行満大阿闍梨に、二人でなってほしかった。最後に、恃照がなしとげられたのも戒閻あってのこと。大行満大阿闍梨に、なったことを知らせてあげたい。何というのか、聞いてみたいとおもう。

    0
    2026年05月17日
  • 白鷺立つ

    Posted by ブクログ

    松本清張賞ということで読んでみた。ラストがとてもよかった。人間の心とは不思議なもの。あれほどの憎しみが信頼とか感謝に変わるきっかけって結局何だったのだろう、と考えさせられる。いや、今だって憎いは憎いのか?どうなんだ?
    仏教のことも修行のこともよく知らないが、御仏に仕える崇高な僧もわりと普通の人間の心をもっているのがちょっと嬉しくも感じた。

    フレーズ:
    白鷺(はくろ)とは叡山における回峰行者を指して用いられる比喩である。白き麻の浄衣をその身に纏い、山道を跳ぶように歩く姿から来ているという。

    0
    2026年05月08日
  • 白鷺立つ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     かつてバラエティ番組で北嶺千日回峰行を目にし、自らの命をかけてまで人を修行へ駆り立てるものは何なのかと気になり、本書を手にした。
     命がけで、失敗すれば自害を求められる北嶺千日回峰行の過酷さは想像以上だったが、いちばん心に残ったのは、それを経験した人の心のあり方だった。とりわけ印象深かったのは恃照である。戒閻を疎ましく思い、この修行さえ失敗すればよいと願っていた恃照が、戒閻にかつての自分を重ね、いつしか達成を願うようになる。その変化が深く心に残った。
     極限の修行は人をただ強くするのではなく、見たくなかった弱さや醜さも含め、自分のすべてに向き合わせるのだと思う。エピローグで恃照が再び北嶺千日

    0
    2026年05月05日
  • 白鷺立つ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    実家から毎日眺めていた比叡山を舞台にしたお話。
    めちゃくちゃ面白い。

    仏の道に入り、ともに千日回峰行を為さんとする恃照と戒閻の2人の人物を中枢に、彼らの同族嫌悪に近い厭悪や確執が、叡山という因循姑息な組織の上でどんな顛末を辿るのかを描いた小説。

    規則という柵の中で死ぬことが許されず、恥を晒して生きてゆくしかない恃照にとって、出生を近くしながらもずんずんと自らの道を突き進む戒閻がどれだけ嫉ましく厭わしかったか、そしてどれだけ憧れ、堂入りを満することを願ったか。
    長きに渡って、確執という殻の中で育まれてきた戦友同士の同情と信頼が一気に弾け出るラストシーンには、胸を打つものが大きかった。

    0
    2026年05月02日

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