住田祐のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ叡山延暦寺の密教修行、北嶺大先達大行満大阿闍梨の話で、大阿闍梨と言えば千日回峰行という特に”堂入り”の9日間、断食と断水、不眠、不臥を達成させること、また不達すると自死せねばならぬという厳しい修行を達せねばならない。そんな修行に挑むのが普通の修行僧ならいざ知らず、帝の血を受け継ぎながらも世に知らしめることのできない曰くつきの僧で、自死させること即ち帝の子を見殺しにすることになり修行決行を認めるわけにいかない。それを押して修行を始めたもんだからさて大問題。こんな流れで話が始まりその修行結果は...
坊さんの修行話とか興味がないどころかそんなもの物語になるのかと疑ったがどっこいこれほど苦しくも目の -
Posted by ブクログ
ネタバレすごい小説を読んだ。
千日回峰行という修行があることはTV報道で見て知っていたが、このような手続きで行われる比叡山全山あげての大行事であることまでは知らずにいた。
考えてみれば当たり前のことかもしれない。
実生活とはかけ離れた仏教界のはなしだ。まして、昨今葬儀も以前のように身近なものではなくなりつつある中では、ますます縁遠いものとなっている。
そんな中で新刊帯に異形の本格歴史小説と書かれた本書をみた。
普段なら購入するまでしばらく躊躇うのだが、すこしも迷うことはなかった。
松本清張賞受賞がどのくらい売り上げに貢献するのかわからないが、本作は傑作だ。
千日回峰行のクライマックスであと数歩歩けなか -
Posted by ブクログ
ネタバレ普段なかなか読むことがないジャンルだったので、恐る恐る読み始めましたが、あっという間に物語の圧倒的な雰囲気に飲み込まれていきました。
恃照と戒閻は師弟である。戒閻は強い反骨心を抱いており、決して仲の良い師弟ではない。
にも関わらず、同じことを目標としそれを為そうとする。戒閻亡き後の恃照の変化に、心を打たれました。しかし戒閻も皮肉やというか天邪鬼というか…。草葉の陰からほら見ろ!とでも言ってそうだなと思ってしまいました。
また成し遂げたことは戒閻の方が凄いのかもしれないが、思いやりがあり、人を素直に認めることができる良照も素晴らしく出来た人物だなと思いました。個人的にはすごく好きな登場人物でした