住田祐のレビュー一覧
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叡山。
千日回峰行。
7年に及ぶ過酷な荒行を生き残り、完遂した僧侶は北嶺大先達大行満大阿闍梨と称され崇められる。
成し遂げられなかった者には死しかない。
最も過酷な堂入りと呼ばれる行は、生前葬の後9日間、断食・断水・不眠・不臥で真言を唱え続ける。
比叡山延暦寺。名前は教科書で習いました。
天台宗、なんですね。
あまりにも知らない世界だったので理解できるかな?
という気持ちで読み始めましたが杞憂でした。
むしろ満たされる知識欲。
物語としての面白さ。
気づけば完全に世界観に引き込まれ、自分が行を終えたかのような読後感がありました。
思ったよりも人間臭いです。共感できるという良い意味で。
人が -
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ネタバレかつてバラエティ番組で北嶺千日回峰行を目にし、自らの命をかけてまで人を修行へ駆り立てるものは何なのかと気になり、本書を手にした。
命がけで、失敗すれば自害を求められる北嶺千日回峰行の過酷さは想像以上だったが、いちばん心に残ったのは、それを経験した人の心のあり方だった。とりわけ印象深かったのは恃照である。戒閻を疎ましく思い、この修行さえ失敗すればよいと願っていた恃照が、戒閻にかつての自分を重ね、いつしか達成を願うようになる。その変化が深く心に残った。
極限の修行は人をただ強くするのではなく、見たくなかった弱さや醜さも含め、自分のすべてに向き合わせるのだと思う。エピローグで恃照が再び北嶺千日 -
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ネタバレ実家から毎日眺めていた比叡山を舞台にしたお話。
めちゃくちゃ面白い。
仏の道に入り、ともに千日回峰行を為さんとする恃照と戒閻の2人の人物を中枢に、彼らの同族嫌悪に近い厭悪や確執が、叡山という因循姑息な組織の上でどんな顛末を辿るのかを描いた小説。
規則という柵の中で死ぬことが許されず、恥を晒して生きてゆくしかない恃照にとって、出生を近くしながらもずんずんと自らの道を突き進む戒閻がどれだけ嫉ましく厭わしかったか、そしてどれだけ憧れ、堂入りを満することを願ったか。
長きに渡って、確執という殻の中で育まれてきた戦友同士の同情と信頼が一気に弾け出るラストシーンには、胸を打つものが大きかった。 -
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白鷺(はくろ)とは 白い浄衣を纏い 山道を跳ぶように歩く 叡山における回峰行者を指して用いられる比喩である─。
寛政8(1796)年 比叡山 延暦寺。
成し遂げることができなければ “死” とされた〈北嶺千日回峰行〉に挑む32歳の恃照。
彼は ある特殊な生立ちを抱えていた。
そしてその後 恃照は自らと同じ境遇をもつ17歳の太之助を弟子として預かることになる──。
「この世には おらぬはずの者」
恃照と戒閻(太之助)。真逆のようでいて、抱えている屈託は同じもの。
戒閻を目の当たりにすることで 恃照は自らの心の奥底を覗かざるをえなくなる。
俗世から隔離された場所ではあるけれど そこ -
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第32回松本清張賞
圧倒的!!
作中に漂う厳粛な空気や緊張感、僧たちの胸に潜む熱、仏道の世界観に触れる読書体験ができた。
仏教用語や独特の難しい言い回しがあるのに、読みやすく心地よい文章で、前半からこれは!と星5を確信。
一見地味そうな僧の修行の話なのに、ささやかなユーモアもあり飽きることなく没入した。
千日回峰行はとんでもない荒行。
人って、水も飲まないと3日くらいしかもたないんじゃないっけ?
不眠も死んでしまうんじゃないっけ??
医学的に無理だと思うし、そんな危険な修行をすることになんの意味が、、、と全く理解はできないけどすごい世界を見てしまった気分。
寺院と朝廷が深く結びつき、寺院 -
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比叡山の千日回峰行。
1300年続く天台宗の荒行である。
一晩に40キロ歩く事、100日を7年。60キロ、80キロ歩く年もあり、総距離は地球一周分に匹敵する。5年目のクライマックス、堂入りは断食断水不眠不臥を九日間。1300年間で満行(成し遂げた)した者は数えられる程で、人間業とは思えないまさに命がけの修行だ。
それを行うのは選ばれた僧侶だけで、名誉な事である。しかし、修行中に歩けなくなったり、実行できなくなったら、その場で自害を選ばなければならない。失敗は死。その為に死装束を纏い、短剣と紐を持参して歩く。成功して大阿闍梨になるか、失敗して死ぬかの2択なのである。
恃照(じしょう)と戒閻( -
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江戸中期の女帝後桜町天皇の落胤恃照は叡山で難行北陵千日回峰行の終盤、明王堂参籠に挑み、九日間の断食、断水、不眠、不臥をやり遂げた後、最後の三匝(さんそう)の3周目を1間残して人事不省に陥る。
千日回峰行は行不退と言われ、満行できなければ自ら命を絶つ不文律が課せられているが、恃照は出自がそれを許さず、叡山の判断で「半行満阿闍梨」とされた。
玉照院の住持を継いだ恃照は、後桜町の跡を継いだ後桃園天皇の落胤太之助を弟子として預かり、法名を戎閻と名付ける。
自ら恃むところの厚い狷介な戎閻は、半行満の恃照を軽んじ、尽く恃照に反発する。
共通の出自ながら恥ずべき過去を持つ恃照と未来への確信しかない戎閻 -
Posted by ブクログ
読書ログとして自然な流れにしつつ、率直でユーモアのある語り口をそのまま残したスタイルです。
馴染みの薄い、江戸時代の比叡山を舞台にした物語。「日々穏やかに規則正しく生活をしながら、精神を練っていたのだろう」程度の認識であったが、どうやらそうでもないらしい。命の危険を伴う荒行を行ったりもする。
本作は二人の僧の対立が話の軸となる。ちょっと極端な対立ではあるが、行く末は想像と違っていて感動した。「怒鳴ったり、ひどい体罰をしたり、胸ぐらを掴んだり、ギラギラした野心を持ったり……全然精神が練れてないじゃん!」とは思ったが、実際の歴史や人間臭さはそんなものなのかもしれない。
あまり世間に認知されていな