住田祐のレビュー一覧
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白鷺(はくろ)とは 白い浄衣を纏い 山道を跳ぶように歩く 叡山における回峰行者を指して用いられる比喩である─。
寛政8(1796)年 比叡山 延暦寺。
成し遂げることができなければ “死” とされた〈北嶺千日回峰行〉に挑む32歳の恃照。
彼は ある特殊な生立ちを抱えていた。
そしてその後 恃照は自らと同じ境遇をもつ17歳の太之助を弟子として預かることになる──。
「この世には おらぬはずの者」
恃照と戒閻(太之助)。真逆のようでいて、抱えている屈託は同じもの。
戒閻を目の当たりにすることで 恃照は自らの心の奥底を覗かざるをえなくなる。
俗世から隔離された場所ではあるけれど そこ -
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第32回松本清張賞
圧倒的!!
作中に漂う厳粛な空気や緊張感、僧たちの胸に潜む熱、仏道の世界観に触れる読書体験ができた。
仏教用語や独特の難しい言い回しがあるのに、読みやすく心地よい文章で、前半からこれは!と星5を確信。
一見地味そうな僧の修行の話なのに、ささやかなユーモアもあり飽きることなく没入した。
千日回峰行はとんでもない荒行。
人って、水も飲まないと3日くらいしかもたないんじゃないっけ?
不眠も死んでしまうんじゃないっけ??
医学的に無理だと思うし、そんな危険な修行をすることになんの意味が、、、と全く理解はできないけどすごい世界を見てしまった気分。
寺院と朝廷が深く結びつき、寺院 -
Posted by ブクログ
心打たれました!
本格歴史小説とあったので、読み切れるかな〜という思いもあったのですが、もう読みだしたらとまらない(@_@。
叡山 (比叡山の略称 ) の三大地獄とされている回峰地獄の北嶺千日回峰行をめぐって、本人にはどうすることも出来ない本人の出目が障壁となる師僧と弟子の運命が描かれています。
これは不運とは違う運命?
「わしらはそのような血を享けておるからこそ、この北嶺千日回峰行に命を賭す覚悟を決めたのじゃ。この行に出会い、自らに鞭打ち、自らを高めんとすることができたのも、わしらが血を享けているからではないか」と。
この師僧の言葉がどこで発せられたか、ぜひ読んでいただきたいですね。
お -
Posted by ブクログ
北嶺千日回峰行は、失敗(行不退)となれば自死が避けられない荒行だ。成功すれば僧侶としての格は上がる。帝の血を引く恃照(じしょう)は比叡の立場としては死んでもらっては困る状況ではあるが恃照は最後の最後で行不退となる。特例で死なずにすんだ恃照である。そしてこの同じく帝の血を引く戒閻(かいえん)が比叡の預かりとなる。反目し合う恃照と戒閻であり、特に戒閻は自分の血を呪うかのように荒行へと入っていく。この二人の関係はライバルと言えるのかもしれないが、なかなか普通には理解できない極限状態の中での人間関係である。そこにもしかすると何かを超えたものがあるのかもしれない。