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Posted by ブクログ
久々の飴村さん作品。
「水銀のエンゼル」医学部を中退後に作家デビューを果たした晃介は、若く美しい隣人で自分の大ファンだと言うみなもと恋人同士になる。順調に交際していたが、ある時医学部時代の元カノからの連絡で全てが一変してしまう。
数々の伏線もあり、みなもの正体もわかったが終わり方が呆気なかった。
「路地裏のヒミコ」
悪友の茂夫に誘われ踏み込んでしまった路地裏で、25年前に姿を消した百発百中の予言者、ヒミコのオッサンの存在を知る大輝。正体を探りはじめた二人に待っていたものとは...。
粘膜人間の世界観を期待し過ぎてしまったのか、物足りなかった。
もっとめちゃくちゃな展開が欲しかった。
Posted by ブクログ
2017年、19冊目は、約1年半振り『爛れた闇』以来の飴村行。120p前後の中編2本収録。
水銀のエンゼル:チョコボールのCM、「銀のエンゼル」のパロディー的タイトル(?)。医大を中退した藤村晃介は、新人作家。やっと、仕事が軌道に乗り始めたために上京。その住まいの隣には、偶然にも彼のファンの女性が住んでいた。
路地裏のヒミコ:大学卒業後も、ネオモラトリアムな生活を送る大輝。大学からの彼の友人でミュージシャン志望の茂夫。二人は25年前、預言者として地域のカリスマであった「ヒミコのオッサン」の、その後を追いかけるようになる。
飴村行と言えば、『粘膜』シリーズ。そこで見せた、エロ、グロ、暴力、冒険の飴村流エンターテイメントは今回抑えめ。逆にコミカルな部分が前面に出ている印象。どちらかというと『爛れた闇』の感触に似ている。『粘膜』シリーズ好きには正直、物足りない。逆に、飴村行入門編にはイイかも、といった感じ。
個人的に一番残念なのは、2本ともクライマックスでヒネって、オチ。このヒネり方、オチのパターンがあまりに近すぎるコト。その辺考慮して、ギリギリ★★★☆☆。
Posted by ブクログ
約2年ぶりに味わう飴村節。『爛れた闇の帝国』では、ひたすらにグロい粘膜シリーズとは一線を画した進歩性を示した。中編2編という構成だが、長いインターバルを経て、今回はどんな狂気を見せてくれるのか。
「水銀のエンゼル」。医大を中退後、紆余曲折を経て作家デビューした男。隣りの部屋に住む女性に作家であることを知られ、ファンだと告げられる。ほどなく、2人は男女の仲に…って、飴村作品にしては普通すぎる設定。当然修羅場が待っているはず。
順調に愛を育むわけがない。一通の手紙から、男の学生時代の苦い記憶が蘇る。渋々彼女のアドバイスに従うと…あれれ??? 予想外の展開に。どんな決着をするのかと思ったら…。一般読者には十分に嫌な結末だし、男同様に僕はお人よしでしたとも。でもね、現実世界を一歩もはみ出していなくて、飴村ファンとしては大いに不満だ。
その反動というわけでもないだろうが、現実世界をはみ出したのがもう1編の表題作「路地裏のヒミコ」。新宿区にある窪地。地下鉄の駅から近く、アクセスも治安もいいこの土地の因縁とは…。窪地という設定がいいよねえ。
ミュージシャン志望の悪友は、ある人物に心酔していた。自信満々のアルバム曲目に、彼は呆れたとは言えないのだった。いいじゃなーい、意味不明なのが飴村作品の持ち味だ。そして、意味不明なりに筋が通っているのが、飴村行の飴村行たる所以。
深追いしたばかりに彼を待ち受ける運命とは。一般読者なら本を投げつけそうだが、飴村節に毒された読者には滑稽でしかない。一応謎が説明されていて、ミステリーの体裁にはなっているのだが。彼にとって、どちらの選択がよりましだったのか。
意識したのかどうか、グロ描写は少ない。それが悪いわけではないし、「らしさ」は感じられる。それでも、粘膜シリーズのぶっ飛び具合と比較すると、何だか小粒になってしまった感が否めないのだった。完成度という点でも『爛れた闇の帝国』には及ばない。
飴村行の狂気は、こんなものではないはずだ。読まなきゃよかったと心底後悔するような作品を、飴村ファンは待っている。
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