プロフィール
- 作者名:宮城谷昌光(ミヤギタニマサミツ)
- 性別:男性
- 生年月日:1945年02月04日
- 出身地:日本 / 愛知県
- 職業:作家
早稲田大学第一文学部英文学科卒。『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で第105回直木賞を受賞。その他作品に『孟夏の太陽』、『楚漢名臣列伝』、『風は山河より』、『新三河物語』などがある。趣味のカメラで雑誌『日本カメラ』の年度賞で1981年に8位に入賞したこともある。
値引き作品
作品一覧
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3.8ずいぶん『三国志』について書いてきた。だが、そこに登場するひとりを選んで、大きな構想に移植するのは、これが最初であり、最後となろう。そのひとりとは、諸葛亮以外に考えられなかった――(日本経済新聞連載開始にあたっての「作者の言葉」より) 大河小説『三国志』全12巻完結からはや10年。この「作者の言葉」に、宮城谷作品ファンのみならず、日本中の歴史小説愛好家が期待をふくらませているに違いない。 「三国志」にはあまたの個性的な名将、名臣が登場するが、日本で最も名を知られるのが諸葛亮(孔明)であろう。冒頭の「作者の言葉」はこう続いている。 ――かれの人気は、おそらく劉備や関羽などをしのいでおり、たぶんどれほど時代がかわっても、最高でありつづけるにちがいない。通俗小説である『三国志演義』が、諸葛亮を万能人間、いわば超人にまつりあげてしまったせいでもあるが、そういう虚の部分ををいでも、多くの人々の憧憬になりうる人物である―― 「三顧の礼」「水魚の交わり」「出師表」「泣いて馬謖を斬る」「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」といった名言・名句はそのままに、諸葛亮の実像に迫ろうとするこの作品の冒頭はこのように始まる。 ――春を迎えて八歳になった。かれは景観から音楽を感じるという感性を備えている―― 乱世に生きながら清新さ、誠実さを失わない、今まで見たことのない諸葛亮がここにいる。
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4.0
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4.4
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4.5後漢という時代は、ひとの美質のなかで、「孝心(親孝行)」を至上とした。 能力よりも徳を重視し、頭脳よりも心を尊重する国家がつくられた。 184年に始まった「黄巾の乱」により、王朝の礎が揺らぐ中、 後漢の理想を体現する名臣たちが輩出する。 大将軍の何進、 劉備の師である盧植、 曹操を支えた荀彧など7人を描く、宮城谷昌光の「三国志」シリーズ。 解説・湯川豊 目次 何進(かしん) 朱儁(しゅしゅん) 王允(おういん) 慮植(ろしょく) 孔融(こうゆう) 皇甫嵩(こうほすう) 荀彧(じゅんいく) ※この電子書籍は2018年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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4.8為政者の徳とは何か。 現代にも通じる王と宰相の関係を描く長篇! 古代中国・晋の宰相として国を支え続けた趙一族の盛衰を、 歴史と運命への透徹した視点をもって描いた初期の傑作長篇。 中国春秋時代の大国・晋。 この国の重臣を代々務めた趙一族。 太陽 の如く酷烈な趙盾、族滅の危機に瀕した趙朔、 名宰相・趙武、王子 朝の乱を鎮定した趙鞅、その子趙無恤……。 二百年にわたる一族の興亡を、透徹した歴史観と清冽な筆致で描いた著者初期の傑作。 指導者に求められる「徳」のありようをめぐる物語。 解説・平尾隆弘 ※この電子書籍は1994年に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
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5.0
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3.4「いつの世でも、人が生きてゆくということは、むずかしいものである」(序より) 正史にもとづいた大作『三国志』全12巻を書き上げた著者が、時代の潮流の外にいながらも忘れがたい12人の生涯をたどった。 『三国志』をあらわした陳寿(ちんじゅ)、輝ける倫理観と志望をもっていた太史慈(たいしじ)、魏の名臣・王粲(おうさん)・・・。 ある者は、権力者や政治の中心に近づきながら、遠ざかることを余儀なくされた。その苦難をどのようにしのいだのか。曹操、孫権、劉備、関羽といった英傑たちとはことなり、歴史の中で一瞬だけ輝いた人生。その輝きが愛惜の念とともに描かれる。 著者による後漢・三国年表つき。
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3.5
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4.5商の紂王に仕える箕子は、王朝存続に心を砕くが、周の太公望が遂に商討伐の軍をおこした。古代中国商王朝の滅亡を描く一大叙事詩。 歴史小説家・宮城谷昌光の実質的デビュー作! 六百年に及ぶ栄華を誇る古代中国商(殷)王朝の宰相箕子は、新興国周の勢力に押されて危殆に瀕した王朝を救うため死力を尽す。 希代の名政治家箕子の思想を縦糸に、殷の紂王、周の文王、妲己、太公望など史上名高い暴君、名君、妖婦、名臣の実像を横糸にして、古代中国王朝の興亡を鮮かに甦らせた長篇歴史ロマン。 それまで活動してきた純文学系同人雑誌が終刊することになり、作家としての岐路に立った宮城谷氏が、以前から興味のあった中国の歴史に材を取り、限定500部の私家版で刊行。 そのうちの1部が司馬遼太郎氏の目にとまり、励ましの葉書を受け取る。 その後、名古屋の海越出版社から刊行され、94年3月に文春文庫化。 解説・平尾隆弘
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3.0宮城谷ファン必読! 若き日に書いた貴重な現代小説を初公開! 歴史小説家として世に出る以前に書いた現代小説がいま甦る! 未発表作品も含む現代小説五編と詩一編を収録。 小学生の時に身のまわりの世話をしてくれた年上の女・ツルと、故郷・蒲郡の生家の商事会社に勤める美緒。二人の魅惑的な女を描く「バラの季節」。 蒲郡の芸者置屋を舞台にした、川端康成や泉鏡花のスタイルを思わせる若き日の作品だが、師・立原正秋からは「陳腐だ」と赤エンピツで書かれて送り返されたという「秋浦」。 温泉町で土産物店を営む母と新婚夫婦三人の日々を、勤めを止めて母との同居を選んだ夫の視点から描いた中篇「発見者」は、執筆当時四十歳を過ぎ、最後に書きたいことを自由に書いてから筆を折ろうと決心して書いた作品。同じ時期に書いた「買われた宰相」(『侠骨記』に収録)が、後の中国歴史小説に繋がったという。 解説・湯川豊
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3.5歴史はふりかえってみるものではない。すすんでいって、みるものである。「特別随想 ふりかえること」より 『三国志』をはじめ長年、中国歴史小説を書き続ける著者が、みずからの歴史観、世界観、小説観をあますところなく開陳した。 自作解説や作家、経済人、学者など多彩なメンバーとの対談などを収録。 <目次> 【ロングインタビュー】私の「歴史小説」 【自作解説】三国志の世界 ・『三国志』の沃野に挑む--大歴史絵巻の豊穣なる世界 ・曹操と劉備、三国志の世界--正史からみえてくる英雄たちの素顔 ・『三国志』の可能性--歴史は多面体だからこそおもしろい ・『三国志』歴史に何を学ぶのか--構想十年、執筆十二年の大長編を終えて 【対談】歴史小説を語る ・水上勉--歴史と小説が出会うところ ・井上ひさし--歴史小説の沃野 時代小説の滋味 ・宮部みゆき--「言葉」の生まれる場所 ・吉川晃司--我々が中国史に辿り着くまで ・江夏豊--司馬遼太郎真剣勝負 ・五木寛之--乱世を生きるということ 【講義&対談】中国古代史の魅力 ・中国古代史入門--どこから学べばいいのか ・白川静--日本人が忘れたもうひとつの教養 ・平岩外四--逆風の中の指導者論 ・藤原正彦--英語より『論語』を ・秋山駿--春秋時代から戦国時代へ ・マイケル・レドモンド--碁盤上に宇宙が見える ・項羽と劉邦、激動の時代--ふたりを動かした英雄たちと歴史的必然 ・『三国志』をより深く楽しむための本 ・宮城谷昌光 中国歴史作品の年代一覧 ・特別随想 ふりかえること ・宮城谷昌光 出版年譜
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4.5
掲載誌
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
関羽
正史を元にしているためか、張飛の字は益徳である。劉備はやくざの兄貴分の印象であり、本人がオマージュしている劉邦のイメージと重なる。関羽も気性が荒い印象。
張飛
剛直に見えるが心は繊細で即断即実行で魅力的な男性。
諸葛亮
超人的な人物であるが、打算や葛藤も描かれる。
趙雲
常に同郷の友人である子叔が、彼の死まで側に付添う。
李恢
馬超を蜀に帰順させ、諸葛亮の南征に力を発揮した人物。
王平
字が読めず、勉学が好きではないため、魏では居心地が悪くなる。活動の場を転職するかのように、あざやかに蜀に移籍する。
費禕
有能であるとともに、博打や宴会も大好きな好人物。