Posted by ブクログ
2019年03月29日
<上下巻を通してのレビュー>
中原の小国鄭は、超大国晋と楚との間で、絶えず翻弄されていた。
鄭宮室の絶世の美少女夏姫は、兄の妖艶な恋人であったが、孤立を恐れた鄭公によって、陳の公族に嫁がされた。
「力」が全てを制した争乱の世、妖しい美女夏姫を渇望した男たちは次々と・・・・・
夏姫という春秋時代...続きを読むを通じて西施と並び称される美女を通して、その時代の様々な国の様子や君臣のあり方などが描かれています。夏姫には嫌いを通り越して怒りの感情さえ抱いてしまう・・・・・子の子南は辛かったでしょうね。それ以上に夏姫も過酷な運命に翻弄されて辛かったのでしょうが、どこをどう探っても好きになれる要素がないのです。(途中から夏姫を無視して読みました)
覇権は斉の桓公から晋の文公へ、そして楚の荘王へと移行してゆくなかで、どれだけの策略がめぐらされ、どれだけの血が流されたんだろうかと真剣に考えてしまいます。
優れた君のもとには優れた臣がいる。愚劣な君のもとには愚劣な臣がいる。
どの時代でも力のない小国はつらいものですが、鄭と陳の2つの国だけはどういう事情があろうと好きになれません。
話の流れは好きなのですが、夏姫が好きになれないので・・・・・