Posted by ブクログ
2021年02月21日
キングダム60巻で表舞台から姿を消した呂不韋について、書かれた本が文庫本化されることを知り、興味を持ちました。
戦国時代末期に韓の陽翟にある商人の次男として生まれた呂不韋が秦の宰相となるまでにどんな生き様を見せてくれるのか二巻以降が楽しみになる内容でした。
特に、「完璧」の語源ともなった趙の藺相如...続きを読むと秦の昭襄王の和氏の璧(と15城)をめぐる駆け引きは、戦国時代の外交に如何に胆気が必要であったかを教えてくれました。
(印象に残った文章)
・与えられることになれた者は、その物の価値がわからず、真の保有を知りませんから、けっきょく豊かさに達しないのです。
・信用という目にはみえぬものを蓄え、それを財産にする、という認識がある。信用は人と人とが共存し共栄するという考えがなければ成り立たない。独裁者ではわからぬことである。
歴史小説として、キングダムの前の時代(趙国三大天や白起将軍)について興味がある人にお勧めできる1冊です。