無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
<文庫全4巻を通してのレビュー>
古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は、栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。
人が見事に生きるとは、どういうことかと。
諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。
才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。
楽毅は戦国時代の小国:中山国の宰相の嫡子であり有能な武将。
若い頃は斉の臨淄で孫子の兵法などを学び、人が溢れている雑踏の中で「人が見事に生きるのはなんと難しいことか」と考える。
孟嘗君を尊敬し、傾倒していったのも自然な流れだろう。
故郷の中山国に戻った楽毅を待ち受けていたのは、暗愚な君主のためにまさに崩壊寸前の母国と、希望の光でもある太子。
太子は全面的に楽毅を信頼しており楽毅はきたるべき太子の時代を思い、国のために忠誠を尽くしますが、虚しくも中山国は趙の武霊王によって滅ぼされる運命となる。
ここまでの展開でも楽毅の才能と魅力はいかんなく発揮されているが、母国が滅んでからの楽毅がまた素晴らしい!
孟嘗君からの陰の支えもあり、燕の昭王に仕えることになった楽毅。
その楽毅をしたって続々と燕にやってきた、かつての盟友や臣下たち。
昭王の最大に目標ともいえる斉攻略をとうとう実現させる。
有能で魅力的な人物は引き際も素晴らしい。
-人が見事に生きるとはどういうことなのか-
それをじっくりと考えさせてくれる一作。
Posted by ブクログ
同作者の「孟嘗君」を読み終えたので、次はこれを読み始めました。
本作は「孟嘗君」と同じ戦国時代の話で、序盤に孟嘗君その人も出てきます。
孟嘗君は作中において、主人公である青年楽毅の心の支えといえるくらいの重要な人物なので、「孟嘗君」を読んでいると感慨もひとしおと思います。
「孟嘗君」は戦国時代の話のわりに人間ドラマ的な色合いが濃かったのですが、本作はまさに戦国という感じ。
「孟嘗君」も優れた作品であることは間違いないですが、個人的にはこっちのほうがわかりやすくて好きですね。
主人公の楽毅ですが、第1巻ではまだ二十代の青年です。
にもかかわらず、人格がすでに完成されています。
昔の人でそれも名家の生まれなので、当然といえば当然なんですが、二十代にしてすでに人望を集めながらも、決して奢らない。
常に冷静に戦況を見るさまは、とても若者とは思えません。すごいです。
ならば主人公の成長物語はないんじゃないか?
そんなふうに思われる方もおられるでしょうが、そんなことはありません。
実は、楽毅は生まれが中山という弱小国で、さらに君主がとんでもないくそやろうなため、自分の身の振り方に悩んでいたのでした。
上司に恵まれなかったというわけですね。
そこで彼は常に自分自身に対して、人が立派に生きるとはどういうことかと問い続けるのです。
ところで、楽毅のほかに、武霊王という登場人物も出てきます。
この人は楽毅の祖国を攻め取ろうとする趙という大国の王。
いわば楽毅の最大の敵なのですが、その強敵っぷりが凄まじい。
そんな少年漫画のような興奮を味わえるのも、この作品の面白いところだと思います。
Posted by ブクログ
中国 戦国時代中期の名将・楽毅の小説。
生き方自体が哲学であり、その言動が彼の生き方そのものを映している。
そんな一本筋の通った潔さ・清々しさに胸を打たれる逸品である。
宮城谷小説には珍しく、物語の冒頭から青年の楽毅が登場する。
序盤の彼は、孫子の兵法を学び、過去の歴史を学ぶ、小国の宰相の子として登場する。暗愚な君主に率いられた中山国でいかに生きるか、悶々と悩む彼の行動にはまだ迷いが多く、正直この時点ではこの小説の魅力に疑問を感じた。
しかし、読み進めるほどに楽毅が成長し、いつしか孫濱兵法を戦場だけでなく外交・内政でも発揮する、実践する哲学者とでも言いたくなる楽毅像が出来上がってくる。
もうこうなると、彼の生き方・進退の鮮やかさ・人間的魅力にただただ魅了されるばかり。
魅了されるばかりではない。組織の№2としての組織への殉じ方、あるいは前線部隊の長としての部下育成のあり方など、今の世でも活かせるような哲理を言動で表している、実に得るところの多い書物である。
面従腹背・朝令暮改の世の中を、「人」に視点を据えて清々しく見事に生き切った楽毅の姿を、ここまで鮮やかに想像した宮城谷氏の筆力に、ただただ感嘆。
Posted by ブクログ
諸葛亮孔明をして、軍略の天才と言わしめた中国春秋戦国時代の名将・楽毅の生涯を描いた大作。1巻から4巻まであるが、若者としての楽毅が苦境を乗り越えて中国史に残る偉業を達成するまでの過程が、個人としての成長とリンクして非常に清々しい。
戦国時代、趙や斉、魏といった大国に囲まれた中山という小国の宰相の子として生まれた楽毅は若くして斉の首都に留学し、孫子の兵法を学ぶ。だがそれ以上に彼にとって財産となったのは、戦国四君にも数えられる当代一の英雄・孟嘗君との交流であった。
大望を胸に抱きながらも主君に恵まれず、隣国趙の侵攻から太子を守りながら奮闘する若き楽毅の姿に、ページを捲るのももどかしいほどに感情移入した。それとなく処世術とも言うべきエッセンスが加えられており、とくに若い人にとって読んでもらいたい内容である。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。