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第45回野間文芸新人賞受賞作
「東京都同情塔」が芥川賞を受賞して更なる注目を集める著者が、
ほとばしる想像力で描く、馬と人類の壮大な歴史をめぐる物語。
太古の時代。「乗れ!」という声に導かれて人が初めて馬に乗った日から、
驚異の物語は始まる。この出逢いによって人は限りなく遠くまで
移動できるようになった――人間を“今のような人間”にしたのは馬なのだ。
そこから人馬一体の歴史は現代まで脈々と続き、
しかしいつしか人は己だけが賢い動物であるとの妄想に囚われてしまった。
現代で競馬実況を生業とする、馬を愛する「わたし」は、人類と馬との関係を
取り戻すため、そして愛する牝馬<しをかくうま>号に近づくため、
両者に起こったあらゆる歴史を学ぼうと
「これまで存在したすべての牡馬」たる男を訪ねるのだった――。
Posted by ブクログ 2024年03月15日
「詩を書く馬」「死を欠く馬」と書けるタイトルをはじめ、全編に仕掛けが隠されていて難解だけど、その難解さも含めて面白い。詩人、哲学者、映画監督、競走馬などの膨大な固有名詞と、物語の広がりに圧倒された。
九段さんの作品はどれも主張の強い女性が出てくるけど、根安堂太陽子・千日紅は特に突拍子もない言動が強...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月05日
『東京都同情塔』で芥川賞を受賞した九段理江さんが、それ以前に雑誌に発表していた作品。第45回野間文芸新人賞受賞作である。『…同情塔』はすばらしい作品で一気に読んでしまったが、こちらは手こずった。
いやあ、わからん(笑)。ちょっと衝撃的にわからない作品だった。
出だしはファンタジー、そこから競馬を実況...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月17日
芥川賞おめでとうございます。
受賞作より競馬をテーマにした本ということでこちらの方が気になって文学界を拝読しました。
途中までなかなか物語の中に入り込めず、言葉遊びの部分が多いなという感想でした。
途中から怒涛の展開に傾れ込んでからは引き摺り込まれるように入り込めましたが、やはり最後の結末のあたりは...続きを読む
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