あらすじ
第166回芥川賞候補作!令和版「女生徒」
どうして娘っていうのは、こんなにいつでも、
お母さんのことを考えてばかりいるんだろう。
社会派YouTuberとしての活動に夢中な14歳の娘は、
私のことを「小説に思考を侵されたかわいそうな女」だと思っている。
そんな娘の最新投稿は、なぜか太宰治の「女生徒」について――?
第126回文學界新人賞受賞作「悪い音楽」を同時収録。
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Posted by ブクログ
中学生の環境論者の娘とその母を描くスクールガール。天才音楽家の娘で音楽教師になったソナタを描く悪い音楽。後者は、天才感が出て中学生社会に上手く馴染めないサイコ感が出てて面白かった。僕も心が無いと言われがちなので、親近感ありますね。
Posted by ブクログ
著者の小説は、東京都同情塔に次いで2冊目。
軽快で少し毒のある心情描写が好き、心地良い。
メインとなる登場人物はいわゆる「普通」から外れた思考や癖を持ってるが、読み進める中でその思考を辿るのが楽しい。
ラップする音楽の先生、ファンキーで最高。
ルッキズムに関する描写、花で例えてるとこも良い
Posted by ブクログ
田内学さんが薦めてて読んだ
グレタさんが娘だったら相当しんどいな
親に言えないことをyou tube配信しちゃう人いるけど不思議だよな。親が見てるかもしれないのに。
刀だと切れないけど銃だと撃てるみたいな感じなのか?
世界が理不尽な殺し合いをしていても助けたいのはお母さんただひとり、なぜ女の子はこんなにもお母さんのことを考えているのか
泣いた。作者、子供いるのか??
女生徒を読みたくなった
ラップ刻みたくなった
Posted by ブクログ
グレタに憧れる女子中学生と文学を愛する母親。
フィクションは時間の無駄だという娘と
戦時中ですらフィクションこそ生き残るという母。
九段さんと小川哲さんの文章に共通点を感じ、この人の文章が好きだと直感が働いた。
太宰治の女生徒を基に書かれたそうだが、知識がないせいか「なるほど、女生徒はこういう作品なのか」としか思わなかった。
AIスピーカーやYouTubeのない時代、女生徒はどんなふうに書かれていたのだろう。
娘がフィクションを信じていないにも関わらず、母の本棚をどんどん散策していき、遂に「女生徒」にたどり着く。
そして。。
母を毛嫌いし、馬鹿にしつつも、母の世界に入りたい娘の気持ち。そこが絶妙だった。
心に残った文章。
“あさ、目を覚ます時の気持ちはおもしろい”
“少女のうちに死にたかった。”
そして、デビュー作の「悪い音楽」はある意味ぶっ飛んでいる…でも読む手が止まらない。
こういうものを面白いというのだろう。
Posted by ブクログ
つい最近芥川賞を取ったばかりでマスコミに露出も多くなった作家なので受賞作はまだだが先ずは本作から読んでみた。2作の短編だがどちらも女性が主役だ、文章に区切りがなく読みにくい作風だが、そのたたみ掛けが良いのかもしれない。一人は主婦そしてその娘、もうひとつは音楽教師とその生徒。どちらもその役割を実際の行いとその思想に問題はあるが必死にその役割を果たそうとしている、何故か生きるのがつらそうだ、世の中の女性は皆そうなのかと疑ってしまう、その点男の単純なこと、なぜだか悲しくなってしまう。
Posted by ブクログ
新人賞受賞作「悪い音楽」から読みました。
人の心がわからない教師の話。
音楽家の父につけられた名は「ソナタ」。
もうこれは呪いだな。
確かに、心に寄り添うとか感情を揺さぶるとか、やたら共感を求められる時代にあって、他人の感情を忖度しない人は悪者扱いされてしまうのかも。
ソナタ先生は感情が無いわけではなく、自覚が薄いだけで喜怒哀楽の末に苦しんだり傷ついたりもしている。サエはちゃんとそれを感じとっているのだとラストシーンを解釈しました。
「Schoolgirl」はステレオタイプな思考が並び実態がつかみづらい。世界は大小のさまざまな説でできている。良い意味で最初の印象が裏切られていきます。
主義にとりつかれている娘は、生きている実感が欲しいのかな。だとしたら私も誰かが語る「現実」よりも小説を支持します。
Posted by ブクログ
読み終えて印象に残っているのは、悪い音楽の方。最後サエは笑ってたのか泣いてたのか、何考えてたんだろう?全く検討がつかない。ロールシャッハテストみたい。人の気持ちに共感できる人ならこの時のサエの気持ちを三十文字でまとめよ、という問いにみんながみんな同じ正答を書けるんだろうか。
人の気持ちが理解できない主人公の心の理解できなさが少しづつ見えてくる平熱な文章の読み心地がよい。理解できなさが理解できる。
サエは芸術家としてすごく成功している人物という設定だけど、大麻に対して過剰に反応したり、主人公の告白に対してすごく視野の狭い返答をする辺り、この人の作品を見てみたいと思えない人物描写。逆に主人公のラップは聴いてみたくなる。
芸術と芸術家は切り離せるのか、というのは永遠のテーマで、条件によっていろんな答えが出せる無限に考え続けるられる問題だと思う。もう少し深掘りしてほしかった。
Posted by ブクログ
◯Schoolgirl
34の母と、環境保護などのyoutuberをしている14歳の娘。母はその母から虐待を受けていて、娘の気持ちを優先するが娘の意識が高く噛み合わない。母視線と、娘は母の見るyoutubeの中で想いを語る。太宰の女生徒をきっかけに会話の兆しができて終わる。
巧みな文章で娘と分かり合えない母の感情が描かれているけど、なぜ娘はその高い意識に反して「本当はお母さんだけを助けたい」までの感情があるのか、たぶんそのために嫌いな小説、女生徒に興味を持ったのかがわからない。そこの葛藤を書くのが小説じゃないかしら、それが芥川賞の選評にある「ここから小説は始まるのでは」に繋がるんじゃないないか。
でも結局は文も構成もすごくて面白いです。異国の凄惨な映像を見て悪夢を見るとどうせわかっているのになぜ見なきゃいけないの、と言う母に激しく同意。
昔の小説を自分の作品世界に組み込むということは、敬意を持って、それを蹂躙する覚悟が必要である。ちょっと及び腰だったかも。by山田詠美さん
◯悪い音楽
個人的にはこっちの方がより読んだ後の面白さがあった。他人に共感できない音楽教師の話。表情筋を鍛えたりするのだけど友人が怒る理由、生徒が怒る理由がわからずいけないところで笑ってしまったり合唱祭で生徒をディスるラップを披露してしまう。良かったのはこの主人公が歪んでいた過程がなんとなく想像できたところ、クソジジイ主任や友人のよう分からない抽象画。Black monkey、聴きたかったな。
Posted by ブクログ
純文学は結構合う合わないがあって、こちらの方はあまり合わなさそうかな……。太宰治の「女生徒」読んでたら感じ方変わったかな?(太宰苦手であまり読んでない)