九段理江のレビュー一覧

  • Schoolgirl

    cnm

    購入済み

    うまい、と思わず唸る二作。東京都同情塔から九段作品に入り、彼女の魅力に取り憑かれています。芥川賞候補だったschool girlの現代的な作品世界に驚かされ、文學界新人賞受賞作品の悪い音楽には声を出してわらってしまった。

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    2025年12月01日
  • 東京都同情塔

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    AIを0.1%使った、?と発言していた九段理江さん。文学をよく知らずにこの作品をも読んでない人々が「人間のおわり!」だとか「AIに負けた」だとか言っていたけれど、そういう人たちは参政党を支持しているのかなと思った

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    2025年09月13日
  • しをかくうま

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    この人の書く本が本当にすきだと再確認。
    名前のくだりは本当に不意をつかれるような感覚になった。
    女性としての視点を交えながら、色んなものをみて、考えられる人なのだろう。村上春樹くらい偉大な作家さんになりそうだし、ずっと読み続けたい作家さん。

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    2025年09月11日
  • 東京都同情塔

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    設定に惹かれて読んだ
    何故なら自分も ザハハディド案が通ったら素晴らしかったのにと思っていたしハディドの建築でオリンピックしてたらどうなってたのかな、などを想像していたから
    だがしかし、作家の想像力は化け物だった
    世界観や言葉選び 文体などに身体をわななかせながら一気読みした
    作家の哲学がノイズになって読みにくい体験をいくつかしてきたが、九段理恵の言葉に対する哲学はノイズにはならず物語と共振していた
    好きな作家に出会ってしまった、一目惚れしちゃった感
    非常に芥川賞っぽい作家で好きだ

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    2025年09月13日
  • しをかくうま

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    独特の世界観に引きずられて一気読みした
    嵐の様な速度で読んだ、グイグイ引っ張られて掴まれて囚われて仕方なかった
    作家の想像力が暴力的でそのストームの中にいるような読書体験
    あまり頭で考えずに感覚で読むとよい気がする
    物語のようであり散文のようでもある
    聴覚的な読書体験だった

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    2025年09月14日
  • 東京都同情塔

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    全体の5%ほどが生成AIで作られた文章をそのまま使用して、芥川賞を受賞した作品(実際は5%も使っていないかも・・との本人談もあるが)

    ポリコレ、言葉狩りといった現代におけるコミュニケーションが題材とされており、「日常的な言葉遣い」と向き合うきっかけとなった。

    AIとの共作という点も話題になっているが、実際に自分でChatGPTにプロンプトを打ち込めば、それっぽい作品が出来上がる時代になっていて驚愕する。人文学や倫理が、AI侵食の防波堤になりうるのか、とても興味深いところ。

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    2025年08月11日
  • Schoolgirl

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    最っ高。①『Schoolgirl』、②『悪い音楽』の二作品。

    ①太宰治の『女生徒』を読んでからすぐ読んだら、かなり対比が分かりやすく、読みやすかった。
    とはいえ、30ページくらいでおなかいっぱいなほど現代で母親になることの難しさ(?)に心が限界を感じ始めた笑
    今回は主人公は大人の「元女生徒」で、14歳の娘がいる。
    「何気ない雑談を額面通りに受けとってくれる素直な人って、最近はもうどこを探してもいない。」
    これを30ページで既に痛いほど丁寧に言語化してくれてる。

    ②これは本当に素敵すぎる音楽教師のはなし。子どもの頃、「社会経験を通してない、子どもの社会に居続ける教師」という存在がほんっとうに

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    2025年07月04日
  • 東京都同情塔

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    めっちゃくちゃ面白い
    私のこういうのを読みたかったって気持ちに応えてくれる小説
    ザハ案の国立競技場が建てられた世界線の東京
    一人の建築家女性が新宿に東京都同情塔(刑務所)を設計する話
    刑務所と言っても従来の価値観とは違う意味づけをされた囚人が入居し、そこはさながらユートピアのよう
    新しい価値観への馴染めなさ、頭の中でされる検閲、繰り返されるAIとの対話、日本語や日本人の気持ち悪さ、寛容、キレる白人笑、性的同意、今直面してる事をこれでもかと盛り込むのにすんなり頭に入ってきて頷かされる
    東京都同情塔は、ユートピアかディストピアか
    恐ろしい場所だよ

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    2025年06月27日
  • 東京都同情塔

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    言語化するのにとても時間かかった
    なんとなくこの本を読んで考えたことを書く

    全体的な本の命題みたいなものが、
    この社会の中にある答えのない問題だったように感じた!大きくは以下3つのことがあるかなと
    ・犯罪者について
    ・言葉について
    ・AIについて
    どれも本当に人によって異なる答えがあるから、この本を読んでたぶん思うことは読者によって全然違うんだろうなと面白かった

    個人的には、主人公が建築家女性という同じ肩書だからこそ下二つの問題について考えた。
    そして、日本に唯一のザハ作品新国立競技場ができたという世界線の設定とそこに建つ東京都同情塔のあり方を考えるストーリーがものすごく興味深かった。

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    2025年06月22日
  • 東京都同情塔

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    建築から逃げたくなってしまったわたしが建築を見直せた作品。
    建築という名の「ひと」だけれど。
    だから、建築をやっていない人にももちろん読む価値は十分すぎるほどある。

    あとカバーの下が高校の数学の教科書と同じ柄でアツい。笑

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    2025年06月20日
  • Schoolgirl

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    これは面白かった!
    2編とも好き
    Schoolgirlの意識高い娘と箱入りお嬢様風母のやりとりと関係性がいい
    悪い音楽の先生、才能を持つ人って意外とこういう感じなのかもしれない
    総じて若い女性の自意識に批判的なんだけど、そこには著者自身の若い時を写してるのかもしれない

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    2025年04月07日
  • Schoolgirl

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    school girl 2022年の芥川賞候補、小説を愛する母親と、社会問題に目を向ける娘のそれぞれを描く。太宰治の女学生を踏まえた作品。何だかんだいって、娘には母親がとても気になる、という点に落ち着く。
    併録の悪い音楽はこの作家のデビュー作らしい。 毒が効いていて面白い。

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    2025年03月05日
  • しをかくうま

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    「しをかくうま」(九段理江)を読んだ。
    
ぶっ飛んだよ。
まさに《言葉の魔術師》の降臨であろうか。
    
ひとと馬と詩の物語。
    
九段理江さんほど言葉の持つ力を存分に発揮してガツンと読者の頭をぶん殴りにくる作家はそうは居ないね。
    
彼女には日本語の未来が見えているに違いない。
少し長いけど引用する。
(「東京都同情塔」からも併せて引く)
    
『とはいえ、一貫性と政治的正しさと共感を集めることに徹した言葉を選んでいくとなると、最後は誰もが同じ言葉を喋る未来しかないんだよね。つまり言葉は死んでいくしかないんだよね。』(本文より)
    
『言葉は私たちの世界をばらばらにする一方です。勝手な感性で言葉を濫用し、

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    2025年01月02日
  • 東京都同情塔

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    2020年前後3年付近の「現実」のオリンピックのゴタゴタやネットやSNSの空気を抑えてないと5年後にすらオーパーツになってそうな作品。
    最初は可読性とかその時代とかで低評価にしたけどやはりちゃんと読まないとだめだな。小説を読むとはどういうことかを教えてくれる作品でもあると思う。

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    2025年07月04日
  • Schoolgirl

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    面白かった。
    楽しませてくれる小説に出会った喜びを感じます。
    144ページ「悪い音楽」
    「事前に私の人となりを詳しく知ってしまったら、音楽以外の要素があなたの作品に影響を及ぼしてしまうのでは?」
    この言葉にドキッとした。
    芸術作品を本当にそれだけ鑑賞しているのかと日頃感じているので、刺さりました。

    86ページ「Schol girl」
    「頭の中からできるだけ自分を失くす」

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    2024年10月03日
  • 東京都同情塔

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    フィクションと現実との境目が絶妙。建築へのフェティシズム、言葉への拘りが絡み合う文体がおそろしく好みだった。

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    2025年09月11日
  • しをかくうま

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    意味は全然わかんないけど、読んでてとっても楽しい。作品全体が詩みたいだし、馬みたいでもある(今わたしたちが持ってる"ブレイン"とは全く違う基準で動いているような、という意味で)。
    根安堂(ネアンドウ)家おもしろすぎるし、途中で出てくる順番記号は競馬の順位や予想も連想させるし、あとヒとビの話は普通にすき。
    「彼の頭上にまず降りかかってきたのは不幸の極致にあるものだった。雨だ。」
    読んでる途中から、どうしても馬に乗りたくなってホーストレッキングを予約しました。ということは、この詩は概念を書いてるんじゃないんだな、だからこんなに面白いんだなと思いました。

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    2024年07月09日
  • Schoolgirl

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    『School』
    “みんなを愛したい”

    からの

    “美しく生きたいと思います”

    が良かったです。
    あと、少女のうちに死にたかった、、、ってところも。


    上記だけでなく、冒頭から太宰治『女生徒』のオマージュを彷彿とさせるはじまり。

    太宰治『女生徒』が十代の少女の日記をベースにした小説であり、語り手というか本来の日記の書き手の少女は当然ひとり。
    それに対して『Schoolgirl』は母と娘が、母のモノローグと娘が一方的に社会派YouTuberとして配信する動画で語っている。

    娘になめられている母親も読み進むにつれて母親然としている。
    偉そうなことを言っている娘もお母さんお母さんと繰り返す

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    2024年06月10日
  • Schoolgirl

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    グレタさん風社会派中学生YouTuber × 文學が好きな専業主婦の母を描いた「School girl」、音楽で食べていく道を断念した元音大生の音楽教師×合唱コンクールで優勝したい熱心な生徒を描いた「悪い音楽」の2編から成る作品。

    社会に揉まれていく内に諦めと限界と妥協を知った大人と、そんな大人の冷めた態度に純粋な気持ちで真っ向から反抗する子供の対立構造。軽快な文章とその表現力、時に皮肉が込められた台詞などそのどれもが面白く飽きない。

    九段理江先生の感性はめちゃくちゃ新しい発見になる。

    School girl|変な反抗期を迎えると子供はこうなるのか。太宰治の「女生徒」など小説を愛読する母

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    2024年05月29日
  • しをかくうま

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    タイトルも意味不明だが内容もぶっ飛んでいた。静かに。そしてその世界観が何故かとても心地よかったのだ。何故だ。
    松浦理英子の犬身を読んだときも同じように心震えるものがあったことを思い出した。

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    2024年05月04日