九段理江のレビュー一覧

  • 東京都同情塔

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    "言葉"は、正義やら、理想やら、概念やらを語りまくることが出来る手段ですが、"実"はない。
    "塔"は、建ってしまえば現実そのもの"実体"となる。

    この本に登場する幸福論者の言う、刑務所の在り方はなんとなく理想的なものに聞こえる。
    そういう側面や事情の犯罪者もいるだろうなという気持ちにもなる。
    でも、よくよく考えてみると変な話しだなとも思う。
    そんなタワー建築を前に、建築家の女性と、イケメンとすごく口の悪い外国人の記者と…そうそうあと、忘れてはいけないのがAI。
    登場人物はそれくらいしかいないものの、それぞれのキャ

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    2026年01月01日
  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    著者の小説は、東京都同情塔に次いで2冊目。
    軽快で少し毒のある心情描写が好き、心地良い。
    メインとなる登場人物はいわゆる「普通」から外れた思考や癖を持ってるが、読み進める中でその思考を辿るのが楽しい。
    ラップする音楽の先生、ファンキーで最高。
    ルッキズムに関する描写、花で例えてるとこも良い

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    2025年12月31日
  • GOAT Winter 2026

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     大掃除・小掃除が終わったら、「美」をテーマにしたGOAT第3号(2026 Winter)を読んでみましょう。

     表紙ではゴートくんが手鏡でお顔を映しています。
    表紙を開くとゴートくんと羊くんが美について話していました。

    「美ってなんだろう
     大きな羊?
     羊の角を頭に飾った人?」

    「由来は所説あるけど、
     ヤギじゃなくて羊なのか・・・」
    ちょっと残念そうなゴートくんです。。。

     最初の小説は、高瀬隼子さんの「ふたえ」でした。
    67歳のお父さんが、二重まぶたに整形したのに飽き足らず、顎やら頬やらを全身麻酔の手術を受けて整形するというお話です。

     思えば、美しい顔の基準は個々人によって

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    2025年12月31日
  • 東京都同情塔

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    芥川賞でちゃんと読めたの初めてかもしれない。この世の皮肉を広い視点から、現実のような表現で言葉で書かれているのがすごかった。
    庭で殴られたときはぞっとした、小さくたくさんゾッとした

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    2025年12月28日
  • GOAT Winter 2026

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    朝の情報番組で紹介されてて早速購入
    GOATにちなんで510円!
    表紙がキラキラしてて、ひとつひとつが読みやすい
    名前は知ってても、初読み作家さんが盛りだくさん
    「父の輪郭」はなるほどです

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    2025年12月24日
  • 東京都同情塔

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    いろんな言葉が入り乱れていて面白く読めました。読者に何が正しいのかを突きつけているでもなく、反応を求めない独白を聞いているような気持ちで読み終えました。東京都同情塔、実際にあってほしいとなぜだか思ってしまいました。

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    2025年12月23日
  • Schoolgirl

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    ネットと繋がって自己発信することが当たり前、生まれながらに多様な価値観に触れて生きてきた「娘」と、時代の流れには乗らず「少女時代」から触れてきた文化を大切にしている「母」が対照的に描かれていて、序盤、娘の強さに圧倒されて母の気持ちや境遇を考えるといたたまれない気持ちになるのだが、終盤立場がガラリと変わる。結局、体験せずに見聞きしただけの情報から「自分」を方向付けるよりも、自分の世界にとっぷり浸かって、考え、感じたことの方がリアルで、重みがあって生きた価値観なのかなと思った。
    九段先生は、現代社会に新たに発生した価値観を否定したいわけじゃないのだろうけれど、メスを入れるのが上手いと思う。とてもお

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    2025年12月04日
  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    「School girl」、「悪い音楽」の2篇

    「School girl」は太宰治の「女生徒」を踏まえた作品で面白かった。

    「悪い音楽」の方が面白かった。語感が良くて読むのが楽しかった。
    米津玄師に憧れている生徒に米津風作曲のコツでも「レクチャーしてやって、好感度を上げておくんだった」の一節がウケた。

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    2025年11月02日
  • 東京都同情塔

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    インタビュー番組を見て、知らなかった作家さんなんですがやっと読んでみました(書店になかなかなかった)。こういう内容って好き嫌いがはっきりしそうですが、私は好きな方です。
    まずは倫理観を置いておけば、アイデアが面白いと思いました。
    ただもう少し登場人物を膨らませてくれたなら、私は感情移入しやすかったかな。番組で、この本のプレイリストがSpotifyにあると言うので(九段さんが作られた)聴いてみたら、それがなかなか良かったです。読んでいる時に聴くといいかも。

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    2025年10月21日
  • Schoolgirl

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    語感が良くて笑ってしまう。
    一話目の娘と二話目の音楽教師が特に面白い。
    ユニークな登場人物が多いが実在しそうなタイプばかり。
    人を殴るときは床の素材を考えて欲しいとか、口には出せないけれど掃除する側は確かにちょっと思うかも……

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    2025年09月11日
  • 東京都同情塔

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    この本の文章、好きだった。まわりくどいめんどくさい感じの登場人物も好きだし、結局何が言いたいのかわかんない、ちょっと気持ち悪い感じも好き。5年後に読んだらまた別の戦慄走ったりして。示唆回収に恐怖かつ期待。また読もう。

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    2025年08月16日
  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    田内学さんが薦めてて読んだ

    グレタさんが娘だったら相当しんどいな
    親に言えないことをyou tube配信しちゃう人いるけど不思議だよな。親が見てるかもしれないのに。
    刀だと切れないけど銃だと撃てるみたいな感じなのか?

    世界が理不尽な殺し合いをしていても助けたいのはお母さんただひとり、なぜ女の子はこんなにもお母さんのことを考えているのか

    泣いた。作者、子供いるのか??

    女生徒を読みたくなった
    ラップ刻みたくなった

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    2025年08月03日
  • Schoolgirl

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    変人なのに自分が真っ当だと思っている、っていう点で、『成瀬は天下を…』の成瀬もそうなのだが、成瀬はジェダイで九段理江の人物たちはダースベーダーみたいな。
    勝手にそんなイメージ。
    『Schoolgirl』は太宰『女生徒』と対だが、短編のもう一作『悪い音楽』とも対になっている。短編内二作の主人公二人は似ている。対する「娘」と「教え子の女子」も似ている。後者たちは「正しさ」を振りかざし、文学や音楽(といっても高度な音楽)を否定(もしくは理解しない)。前者は敗北者。女の敗北の対として、普通は「権力者=男」みたいな構図で話を進めていく女性作家が多い中で、九段理江は特殊。また自己(=私、あなた)を深追いし

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    2025年05月30日
  • しをかくうま

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    ウマとヒトと言葉と時間がぐわーーと押し寄せてくる本
    分からないままに読んでるとグッと面白くなる
    最後はディストピア的なんだけど、コトバを探す苦しさが伝わってくる
    もう一度最初から読み直したい

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    2025年05月06日
  • Schoolgirl

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    少女と女性
    娘と母
    女生徒とSchoolgirl

    それらの対比で娘と母の関係や女性と世界の関係を描いている傑作。

    太宰治の『女生徒』を中心に母と娘と世界が交わる物語。

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    2025年04月14日
  • しをかくうま

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     私の中で、九段理江さんは新しもの好きなイメージがあったものの、本書を読めば決してそれだけではないことが分かる、過去も現在も未来も縦横無尽に行き来した、その一見突拍子と思われる物語も、最後まで読むと伝わってくるものがありながら、毎度の如く、その豊富な知識量や興味のあるものに対する飽くなき姿勢には感服させられる。

     そして、その様々な視点から現在に於ける常識と思われるものを揺さぶってくる作家性は、時に大胆で痛烈でありながら肯けるものがあったのも確かで、それは『多様性を求めながら同時に平等性をも要求するようになった』のような皮肉を効かせる一方で、『一貫性と政治的正しさと共感を集めることに徹した言

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    2025年03月16日
  • Schoolgirl

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     直前に太宰治の「女生徒」を読んだのは、本書を読む事前情報収集のためでした。なにしろ本書には、〈令和版「女生徒」〉〈「女生徒」を大胆に更新〉等のキャッチーな宣伝があり、本作も芥川賞候補だったこと、さらに九段さんがBS番組で、かつて三島由紀夫にのめり込む前に太宰治にハマっていた(真逆な二人と思うのですが…)と話され、興味が増したのです。表題作の他、デビュー作「悪い音楽」も収録されています。

     表題作「Schoolgirl」の主人公「私」は、母親と娘で視点が交互に切り替わります。タワマンで暮らす母親は専業主婦(夫は出張中)で、大の読書好き。一方、14歳の娘はインターナショナルスクール生で、環境や

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    2024年11月20日
  • しをかくうま

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    人間が進もうとしている未来について、漠然と持っていた違和感や不安を、書き表してもらったような感じがして、たくさんのフレーズを書き留めた。

    特に印象に残ったのは、
    「一貫性と政治的正しさと共感を集めることに徹した言葉を選んでいくとなると、最後は誰もが同じ言葉を喋る未来しかないんだよね。つまり言葉は死んでいくしかないんだよね。」

    言葉を死なせないように言葉を使っていきたい。

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    2024年10月24日
  • Schoolgirl

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     九段理江さんといえば、なんといっても、芥川賞受賞作品である「東京都同情塔」だとは思うのだが、捻くれている私は先に初小説集である、こちらから読んでみて、どんな感じなのかを確かめたくなってしまう衝動に駆られてしまったと思ったら、こちらも表題作が芥川賞候補作だったのですね。

     そして、読んでみて驚いたのは、このタイトルが若い頃に読んだ小説(内容は殆ど覚えていないが)の英語版だということで、帯にも「令和版『女生徒』」と書いてある通り、現代の多様化した社会に於いても依然変わらずに残り続ける、鬱屈とした雰囲気をシニカルに描きながらも、元の作品に於ける当時の空気感漂う文体との邂逅を果たすことで、それが母

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    2024年08月18日
  • 東京都同情塔

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     犯罪者は憎むべき存在か。服役生活は苦痛を伴うのが当然なのか。
     それらの問いに対する新しい考え方に基づく施設が建設された。
     シンパシータワートーキョー。またの名を「東京都同情塔」と言う。

     2020年の東京オリンピックの閉幕後、都心に建造された地上70階建ての高層刑務所に纏わる光と陰。人間の不安定さを描く近未来ストーリー。
     第170回芥川賞受賞作。
              ◇
     東京都心に現代版バベルの塔が建設されようとしている。日本の最先端都市東京の中心にあって、さらに最新技術の粋を尽くした超豪華高層ビル。
     設計コンペの段階では「タワー」程度の認識だったが、有識者たちの検討会を経て「

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    2025年11月10日