九段理江のレビュー一覧

  • Schoolgirl

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     九段理江さんといえば、なんといっても、芥川賞受賞作品である「東京都同情塔」だとは思うのだが、捻くれている私は先に初小説集である、こちらから読んでみて、どんな感じなのかを確かめたくなってしまう衝動に駆られてしまったと思ったら、こちらも表題作が芥川賞候補作だったのですね。

     そして、読んでみて驚いたのは、このタイトルが若い頃に読んだ小説(内容は殆ど覚えていないが)の英語版だということで、帯にも「令和版『女生徒』」と書いてある通り、現代の多様化した社会に於いても依然変わらずに残り続ける、鬱屈とした雰囲気をシニカルに描きながらも、元の作品に於ける当時の空気感漂う文体との邂逅を果たすことで、それが母

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    2024年08月18日
  • しをかくうま

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    続けて九段理江さんの作品を。最初はとってきにくかったが、どんどん引き込まれました。現代文学は面白いなあ。

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    2024年08月10日
  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    グレタに憧れる女子中学生と文学を愛する母親。
    フィクションは時間の無駄だという娘と
    戦時中ですらフィクションこそ生き残るという母。
    九段さんと小川哲さんの文章に共通点を感じ、この人の文章が好きだと直感が働いた。


    太宰治の女生徒を基に書かれたそうだが、知識がないせいか「なるほど、女生徒はこういう作品なのか」としか思わなかった。
    AIスピーカーやYouTubeのない時代、女生徒はどんなふうに書かれていたのだろう。

    娘がフィクションを信じていないにも関わらず、母の本棚をどんどん散策していき、遂に「女生徒」にたどり着く。
    そして。。

    母を毛嫌いし、馬鹿にしつつも、母の世界に入りたい娘の気持ち。

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    2024年08月05日
  • しをかくうま

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    結構好きなんだけれど、なんというか、さらなる踏み込み方がありそうというか、もっと馬自体の美に踏み込んでいたほうが私はこの小説を好きになっていただろうと思う

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    2024年06月16日
  • しをかくうま

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    おしゃれすぎる。
    ミステリの後に読んだからなおさら文章に酔いしれた。
    最近の本ではお決まりとなっているが、もう一度読みたい。特にこの本は、もう一度読まなければならない。

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    2024年06月10日
  • Schoolgirl

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    少女ゆえの全能感、自分以外のみんな、特に自分の世話を焼く母親が馬鹿に思える。そんな少女期を通過していく様子が、読んでいて痛みを感じるほどよく描かれている。母親に愛されているからこその辛辣な言葉と、赤の他人に向けて吐露される本音。「明日から戦争が始まるっていう日でも、お母さんは小説の話をするの?」母親の答えに少女が気付きを得るのと同じように、私もハッとさせられた。

    「悪い音楽」にも、全能少女が登場するが、対する音楽教師もなかなかのものである。行き過ぎた音楽ファーストによって、教師として窮地に立たされることになる。こちらは「Schoolgirl」とは違って笑いながら読めた。面白い。

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    2024年05月27日
  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    つい最近芥川賞を取ったばかりでマスコミに露出も多くなった作家なので受賞作はまだだが先ずは本作から読んでみた。2作の短編だがどちらも女性が主役だ、文章に区切りがなく読みにくい作風だが、そのたたみ掛けが良いのかもしれない。一人は主婦そしてその娘、もうひとつは音楽教師とその生徒。どちらもその役割を実際の行いとその思想に問題はあるが必死にその役割を果たそうとしている、何故か生きるのがつらそうだ、世の中の女性は皆そうなのかと疑ってしまう、その点男の単純なこと、なぜだか悲しくなってしまう。

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    2024年05月25日
  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    新人賞受賞作「悪い音楽」から読みました。
    人の心がわからない教師の話。
    音楽家の父につけられた名は「ソナタ」。
    もうこれは呪いだな。

    確かに、心に寄り添うとか感情を揺さぶるとか、やたら共感を求められる時代にあって、他人の感情を忖度しない人は悪者扱いされてしまうのかも。

    ソナタ先生は感情が無いわけではなく、自覚が薄いだけで喜怒哀楽の末に苦しんだり傷ついたりもしている。サエはちゃんとそれを感じとっているのだとラストシーンを解釈しました。


    「Schoolgirl」はステレオタイプな思考が並び実態がつかみづらい。世界は大小のさまざまな説でできている。良い意味で最初の印象が裏切られていきます。

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    2024年05月23日
  • しをかくうま

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    盛り沢山すぎて頭の中がまだ整理しきれていない。
    感情や思考が言葉によってラベリングされることで腑に落ちると言うのは納得。
    今回も登場人物ヒやビやマがもはや男女どころか人かどうかも初めはわからないので感情移入できず、俯瞰で物語を眺めることとなった
    もう一度読みたい。

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    2024年04月25日
  • しをかくうま

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    表紙のデザインはエドワード・マイブリッジが複数台のカメラを使用して撮影したギャロップの連続写真に由来する。時間がテーマの一つとなる本作に即した的をいた装丁である。

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    2024年04月24日
  • Schoolgirl

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    「School girl」では、14歳の娘をもつお母さんの想いと映像で語っているyoutuberの娘の想いを交差しながら読むことが不思議な感覚でした。
    さらにそこに太宰治「女生徒」の話しが出てきて、時間軸的にも面白く描かれていました。
    まだ「女生徒」読んだことないので、読んでからまたこの本を読み返してみたいです。何かまだトリッキーな仕込みがありそうです。

    そしてもう一つの「悪い音楽」ですが、癖があり、新しい視点であり、そしてつい笑ってしまう場面あり、音楽で例えるとロック?いやカートコバーンやビリーコーガンを思わせるオルタネイティブ的な気持ちを感じました。
    わたしも心当たりがあるのですが、笑っ

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    2024年03月15日
  • しをかくうま

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    「詩を書く馬」「死を欠く馬」と書けるタイトルをはじめ、全編に仕掛けが隠されていて難解だけど、その難解さも含めて面白い。詩人、哲学者、映画監督、競走馬などの膨大な固有名詞と、物語の広がりに圧倒された。

    九段さんの作品はどれも主張の強い女性が出てくるけど、根安堂太陽子・千日紅は特に突拍子もない言動が強烈で笑いました。

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    2024年03月15日
  • Schoolgirl

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    表題作の【女生徒】は、私も大好きな太宰の女生徒を本歌取りしているということで、どんな小説になるんだろうと芥川賞ノミネート作の中でもとりわけ気になっていた。

    バイリンガル社会派Youtuberとして意識高く活動する14歳の娘から、“小説ばかり読んで頭がおかしくなった空想癖のある母親”と見下されている34歳の「私」。
    彼女と同様、なぜ私も女生徒が好きかというと、ありのままの少女がありのままに描かれているからなんだよね。純度100%の共感があって、だからこちらの小説でも私はきっと14歳の娘の方に理解できるものがあるかと思ったんだけど、全然そうじゃなかった。驚愕。
    娘から馬鹿にされ冷たい目を向けられ

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    2024年11月20日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    東京都同情塔というワードセンスがすごい

    久々に読んだ純文学は、やはり色々と言い回しが洒落ていて、読み終わった自分が一段階高みに登った気になる
    (実際には登っておらず、文字数に疲れている)

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    2026年08月29日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    Planet Her あるいは最古のフィメールラッパー

    90歳のおばあちゃんの覚醒剤体験が生々しい
    アメリカ人でラップしてるならその感覚がわかってそうという感覚もまさにそれ

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    2026年08月26日
  • GOAT Winter 2026

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    とにかくコスパがいい。飛び抜けて好きな話は無かったけど、いい時間潰しになった。気持ちミステリー多め?

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    2026年08月24日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    内と外を規定している事柄が変われば簡単に揺らぐ私たちのいい加減な世界の線の引き方について、見透かされているような気分になった。

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    2026年08月24日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    女性建築士の視点から語られる、犯罪者は同情に値し適切な環境に収容されるべきとの考え方で構想される東京都同情塔。複数人の視点から異なる文体で語られる体裁は読んでいて楽しめましたし、建築の視点も珍しくて良かったです。

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    2026年07月23日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ザハが勝ち取った国立競技場が建設された世界線が描かれたディストピア風の物語。

    まわりくどくて飽きが来そうな論調と、テーマの深さのバランスが絶妙でなんだかんだ読み終えてしまう。

    AIに対して、回答しないという選択肢が取れない不憫や哀れな存在だと揶揄する描写や、幸せを論ずる上で他者との比較を禁止するというシンパシータワートーキョーのルールだとか、日本人はどんどん日本語を捨ててダサくなってるとか…。物語の核となる刑務所タワーともいうべき「東京都同情塔」も犯罪者は同情すべき存在、「ホモ・ミゼラビリス」としたり、発想はとても面白かった。

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    2026年07月02日
  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    読み終えて印象に残っているのは、悪い音楽の方。最後サエは笑ってたのか泣いてたのか、何考えてたんだろう?全く検討がつかない。ロールシャッハテストみたい。人の気持ちに共感できる人ならこの時のサエの気持ちを三十文字でまとめよ、という問いにみんながみんな同じ正答を書けるんだろうか。

    人の気持ちが理解できない主人公の心の理解できなさが少しづつ見えてくる平熱な文章の読み心地がよい。理解できなさが理解できる。

    サエは芸術家としてすごく成功している人物という設定だけど、大麻に対して過剰に反応したり、主人公の告白に対してすごく視野の狭い返答をする辺り、この人の作品を見てみたいと思えない人物描写。逆に主人公の

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    2026年06月07日