九段理江のレビュー一覧

  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    新人賞受賞作「悪い音楽」から読みました。
    人の心がわからない教師の話。
    音楽家の父につけられた名は「ソナタ」。
    もうこれは呪いだな。

    確かに、心に寄り添うとか感情を揺さぶるとか、やたら共感を求められる時代にあって、他人の感情を忖度しない人は悪者扱いされてしまうのかも。

    ソナタ先生は感情が無いわけではなく、自覚が薄いだけで喜怒哀楽の末に苦しんだり傷ついたりもしている。サエはちゃんとそれを感じとっているのだとラストシーンを解釈しました。


    「Schoolgirl」はステレオタイプな思考が並び実態がつかみづらい。世界は大小のさまざまな説でできている。良い意味で最初の印象が裏切られていきます。

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    2024年05月23日
  • しをかくうま

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    盛り沢山すぎて頭の中がまだ整理しきれていない。
    感情や思考が言葉によってラベリングされることで腑に落ちると言うのは納得。
    今回も登場人物ヒやビやマがもはや男女どころか人かどうかも初めはわからないので感情移入できず、俯瞰で物語を眺めることとなった
    もう一度読みたい。

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    2024年04月25日
  • しをかくうま

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    表紙のデザインはエドワード・マイブリッジが複数台のカメラを使用して撮影したギャロップの連続写真に由来する。時間がテーマの一つとなる本作に即した的をいた装丁である。

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    2024年04月24日
  • Schoolgirl

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    「School girl」では、14歳の娘をもつお母さんの想いと映像で語っているyoutuberの娘の想いを交差しながら読むことが不思議な感覚でした。
    さらにそこに太宰治「女生徒」の話しが出てきて、時間軸的にも面白く描かれていました。
    まだ「女生徒」読んだことないので、読んでからまたこの本を読み返してみたいです。何かまだトリッキーな仕込みがありそうです。

    そしてもう一つの「悪い音楽」ですが、癖があり、新しい視点であり、そしてつい笑ってしまう場面あり、音楽で例えるとロック?いやカートコバーンやビリーコーガンを思わせるオルタネイティブ的な気持ちを感じました。
    わたしも心当たりがあるのですが、笑っ

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    2024年03月15日
  • しをかくうま

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    「詩を書く馬」「死を欠く馬」と書けるタイトルをはじめ、全編に仕掛けが隠されていて難解だけど、その難解さも含めて面白い。詩人、哲学者、映画監督、競走馬などの膨大な固有名詞と、物語の広がりに圧倒された。

    九段さんの作品はどれも主張の強い女性が出てくるけど、根安堂太陽子・千日紅は特に突拍子もない言動が強烈で笑いました。

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    2024年03月15日
  • Schoolgirl

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    表題作の【女生徒】は、私も大好きな太宰の女生徒を本歌取りしているということで、どんな小説になるんだろうと芥川賞ノミネート作の中でもとりわけ気になっていた。

    バイリンガル社会派Youtuberとして意識高く活動する14歳の娘から、“小説ばかり読んで頭がおかしくなった空想癖のある母親”と見下されている34歳の「私」。
    彼女と同様、なぜ私も女生徒が好きかというと、ありのままの少女がありのままに描かれているからなんだよね。純度100%の共感があって、だからこちらの小説でも私はきっと14歳の娘の方に理解できるものがあるかと思ったんだけど、全然そうじゃなかった。驚愕。
    娘から馬鹿にされ冷たい目を向けられ

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    2024年11月20日
  • GOAT Winter 2026

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    今号も お得感ありあり。いろいろな意見あるけど、気軽に読書するには 最高だと思ってる。作家さんとの新しい出会いもあるし。整形の話も バレリーナの話も 建築家の話…どこを切っても 読めるから ほんと楽チンな 本!で、作家さんは 話題の方々ばかり。
    こんな 本に出会えたこと、こういう本を作ってくれたことに感謝かな。次のテーマはなんだろう?

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    2025年12月29日
  • GOAT Winter 2026

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    テーマは「美」。よかったものをいくつか。

    『ふたえ』高瀬隼子
    子どもの頃からずっと、単身赴任で川崎に住んでいるお父さんと、遊びのため四国から上京して何年かぶりで会ったら、目が二重になっていた。そしてさらに、顎の骨を削る手術をするという。ずっと別居、67歳になって退職しても田舎には帰ってはこない、でも離婚もしていない、両親がケンカしていた感じもない、父の家に行ったが、愛人がいるような感じもない。で、整形。じつに不思議な家族の話。

    『ヴィンテージ』井上先斗
    古着屋を経営する大学時代の友人に、50万円のデニムジャケットを持って飛んだアルバイトを探して欲しいという依頼を受けた探偵。アルバイトのイン

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    2025年12月24日
  • GOAT Winter 2026

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    美しさとは
    ただ見た目のものだけではなく
    その振る舞いであったり
    姿勢であったり
    言葉であったり
    さまざまなものが
    絡み合っていると思う

    「そとばこまちの夜」
    の中で老婆が言う
    『そうして私が私と出会えた時、
    ずいぶんと小さく縮こまった小娘が
    胸の内で泣いていたっけ
    華やかで美しいと信じていた美女など
    己の中にはいなかった
    他人の目によって造られた幻影だった
    だからその怯える小娘と
    向きあうことにした
    その子が本当に好きなものを探して
    愛でる
    それは人目を気にして
    怯えていた日々に比べて
    どれほど豊かで満たされたものか』

    本当の自分が求めるものは
    いったい何か
    はたして今、どれくらい
    豊か

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    2025年12月15日
  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    ◯Schoolgirl
    34の母と、環境保護などのyoutuberをしている14歳の娘。母はその母から虐待を受けていて、娘の気持ちを優先するが娘の意識が高く噛み合わない。母視線と、娘は母の見るyoutubeの中で想いを語る。太宰の女生徒をきっかけに会話の兆しができて終わる。
    巧みな文章で娘と分かり合えない母の感情が描かれているけど、なぜ娘はその高い意識に反して「本当はお母さんだけを助けたい」までの感情があるのか、たぶんそのために嫌いな小説、女生徒に興味を持ったのかがわからない。そこの葛藤を書くのが小説じゃないかしら、それが芥川賞の選評にある「ここから小説は始まるのでは」に繋がるんじゃないないか

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    2025年11月22日
  • 東京都同情塔

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    コンプライアンスの時代に代表されるような、気を使って言葉を発しないといけない現代が持ち得る危うさが、空想的な予測をはらんで未来に向かった結果を表現したような作品に感じた。看護婦という言葉が使われなくなったのと同じベクトルで、犯罪者はホモミゼラビリスに、そしてそこにいたるまでのバックグラウンドにまで気をつかわないといけなくなっている表現方法が面白かった。随所に性を象徴する比喩表現や構造の配置が見られたが、それが何を表現しているのか、自分には深く理解できなかった。テーマは理解できたと思うがそれに深みを与える表現が自分の理解を超越していたので、もっと読解力か感受性を高めてまた読み直したいと感じた。

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    2025年11月18日
  • 東京都同情塔

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    「自分の言葉で書かないと彼女の自伝にならない」と言いながら他人の言葉を借用する男の子。コロナが明けたと思ったら、正しい言葉を並べないと他人と対峙できない病気が蔓延しているよな。
    本のレビューをかくにしても、他人の評価を見て、自分の見立てが正しいのか確かめないと怖いと感じる。
    はっきり言って全然物語は面白くないし、登場人物もイケすかない。ただ黙っていたらその方向に向かっていく未来がある一種の預言書。ただ、日本人はもっと流されやすくて、トランプの再登場でまた違う未来を見てる気もする。

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    2025年11月13日
  • 東京都同情塔

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    文体の影響か、あっという間に読み終えてしまった。
    スト−リ−を追うというより、感覚をずっとなぞっていくようで、スルスルするすると文字が流れていく。なにか大事なことを見落としてると思いながら。

    鈴木保奈美の番組に出ていた作者の理知的な言動に、どんな文章を書くのだろうと興味を持ったのが本書を読むきっかけだった。読んでいる間自然と彼女の佇まいとリンクして、その頭の中をずっと覗き込んでいるような感覚だった。

    AIとの関係性は今後もっと密になっていくことを改めて予感させるが、何を持って正しいと(もしくはそういうものではないと)判断されていくのか、未来が見えるようでいて見えない。

    読み終えてからなに

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    2025年10月29日
  • しをかくうま

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    人が発語し書く詩の語順、字数、語の意味(どこまでを一つのモノとして区切りどう名付けるか)にとことんこだわる姿勢は強烈。太文字表記やわざと通常通りではない表記を選ぶ語と文は視覚的にも強く残る。他の小説にはない唯一無二の独自性があると思う。馬(マ)/人(ヒやビ)が今に至るまで歩んできた歴史が物語に一貫した主題になっている。人間にとって神々しい馬、そして馬を始めとして様々な箱を発明して遠く遠くへ移動しようと努力してきた人。人間のこれからはどうなるのか?遠く遠くへ向かい、人類がこれまでに苦労して見つけ出してきて累積した知恵や知識へ一瞬でアクセスして、自分で動いて考える必要がなくなっていくこれからの人間

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    2025年10月11日
  • 東京都同情塔

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    MUFGが国立競技場の命名権を買い取ったニュースが偶然にもタイムリーに響き合う。MUFGスタジアムとかにすんのかねー、知らないけども。
    日本人が日本語から離れていく、カタカナに逃げていくという感覚は、社会人になってから結構強く感じるようになった。

    何かを包摂しようとする語は、何かを排除しうる語を糾弾する。漢字の熟語に比べて、カタカナ語の包摂力の大きさみたいなものは感覚的にわかるが、果たしてそのカタカナで構成された余白の多い語は、本当に包摂されるべきものを掬い取っているのかという疑念の拭えなさが、常にカタカナ語にはついて回るような気もする。牧名はとくに言葉を厳格に使う人間だったが、彼女のうちに

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    2025年10月09日
  • 東京都同情塔

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    近未来の東京、建築家の女性のとある塔の建築プロジェクトを通して、言葉と建築を中心に社会のあり方を描く、、、お話(?)。

    芥川賞らしい硬質な文章だったため、ちゃんと理解できているのか不明。ただ何故だかすっと読まされてしまう作品ではあった。


    当時AIによる文章生成が話題になっていたけど、そこは特に問題ではなくて、それを主題に捉えて(?)、言葉の大切さを訴えているようなところがステキなことなのだと思う。

    オリンピックとかジャニーズ問題とか社会風刺も入っているところはさすがだなぁ、と思いました。

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    2025年10月04日
  • 東京都同情塔

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    オーディブルで聴いた

    犯罪者が社会的に作られるということや平等とはといった問題に一石を投じているように感じた。
    主人公や主要人物の人間像に共感は難しく、物語として面白さは感じられず、また、あまり自分として、問題への思考が深まった感じもしなかった。

    彼岸花が咲く島と同様に、芥川賞って何を観点に選ばれてるのかなと素朴に思った。

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    2025年09月23日
  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    純文学は結構合う合わないがあって、こちらの方はあまり合わなさそうかな……。太宰治の「女生徒」読んでたら感じ方変わったかな?(太宰苦手であまり読んでない)

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    2025年09月22日
  • 東京都同情塔

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    ネタバレ

    難解な箇所では文章を反復することもあったが、非常に読みやすい印象も残る不思議な文章だった。

    国立競技場の描写に違和感を覚え読んでいる途中にネットで検索をして、ザハ案が通ったパラレルワールド的な東京の世界を描いているのだと理解した。

    「東京都同情塔」、この塔の是非についてメインキャラたちがどういった考えを持つのかの具体の描写があまりなかったのが少し残念だった。それは塔の是非自体がこの本の主題というわけではないから、というのも理解しつつ、私自身が非常に興味のあるテーマなのでそう感じた。
    犯罪者は哀れまれるべき、彼らは環境に問題があっただけ、というのは、社会心理学や犯罪心理学に即した考え方だ。

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    2025年09月07日
  • 東京都同情塔

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    牧名沙羅の思考が独特で面白かった。死んだ従兄弟に似てるウェイトレスとか特に深い意味のない描写ばかり印象に残って少し難しかった。

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    2025年08月17日