九段理江のレビュー一覧

  • 東京都同情塔

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    文体の影響か、あっという間に読み終えてしまった。
    スト−リ−を追うというより、感覚をずっとなぞっていくようで、スルスルするすると文字が流れていく。なにか大事なことを見落としてると思いながら。

    鈴木保奈美の番組に出ていた作者の理知的な言動に、どんな文章を書くのだろうと興味を持ったのが本書を読むきっかけだった。読んでいる間自然と彼女の佇まいとリンクして、その頭の中をずっと覗き込んでいるような感覚だった。

    AIとの関係性は今後もっと密になっていくことを改めて予感させるが、何を持って正しいと(もしくはそういうものではないと)判断されていくのか、未来が見えるようでいて見えない。

    読み終えてからなに

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    2025年10月29日
  • しをかくうま

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    人が発語し書く詩の語順、字数、語の意味(どこまでを一つのモノとして区切りどう名付けるか)にとことんこだわる姿勢は強烈。太文字表記やわざと通常通りではない表記を選ぶ語と文は視覚的にも強く残る。他の小説にはない唯一無二の独自性があると思う。馬(マ)/人(ヒやビ)が今に至るまで歩んできた歴史が物語に一貫した主題になっている。人間にとって神々しい馬、そして馬を始めとして様々な箱を発明して遠く遠くへ移動しようと努力してきた人。人間のこれからはどうなるのか?遠く遠くへ向かい、人類がこれまでに苦労して見つけ出してきて累積した知恵や知識へ一瞬でアクセスして、自分で動いて考える必要がなくなっていくこれからの人間

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    2025年10月11日
  • 東京都同情塔

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    MUFGが国立競技場の命名権を買い取ったニュースが偶然にもタイムリーに響き合う。MUFGスタジアムとかにすんのかねー、知らないけども。
    日本人が日本語から離れていく、カタカナに逃げていくという感覚は、社会人になってから結構強く感じるようになった。

    何かを包摂しようとする語は、何かを排除しうる語を糾弾する。漢字の熟語に比べて、カタカナ語の包摂力の大きさみたいなものは感覚的にわかるが、果たしてそのカタカナで構成された余白の多い語は、本当に包摂されるべきものを掬い取っているのかという疑念の拭えなさが、常にカタカナ語にはついて回るような気もする。牧名はとくに言葉を厳格に使う人間だったが、彼女のうちに

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    2025年10月09日
  • 東京都同情塔

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    近未来の東京、建築家の女性のとある塔の建築プロジェクトを通して、言葉と建築を中心に社会のあり方を描く、、、お話(?)。

    芥川賞らしい硬質な文章だったため、ちゃんと理解できているのか不明。ただ何故だかすっと読まされてしまう作品ではあった。


    当時AIによる文章生成が話題になっていたけど、そこは特に問題ではなくて、それを主題に捉えて(?)、言葉の大切さを訴えているようなところがステキなことなのだと思う。

    オリンピックとかジャニーズ問題とか社会風刺も入っているところはさすがだなぁ、と思いました。

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    2025年10月04日
  • 東京都同情塔

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    オーディブルで聴いた

    犯罪者が社会的に作られるということや平等とはといった問題に一石を投じているように感じた。
    主人公や主要人物の人間像に共感は難しく、物語として面白さは感じられず、また、あまり自分として、問題への思考が深まった感じもしなかった。

    彼岸花が咲く島と同様に、芥川賞って何を観点に選ばれてるのかなと素朴に思った。

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    2025年09月23日
  • Schoolgirl

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    ネタバレ

    純文学は結構合う合わないがあって、こちらの方はあまり合わなさそうかな……。太宰治の「女生徒」読んでたら感じ方変わったかな?(太宰苦手であまり読んでない)

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    2025年09月22日
  • 東京都同情塔

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    ネタバレ

    難解な箇所では文章を反復することもあったが、非常に読みやすい印象も残る不思議な文章だった。

    国立競技場の描写に違和感を覚え読んでいる途中にネットで検索をして、ザハ案が通ったパラレルワールド的な東京の世界を描いているのだと理解した。

    「東京都同情塔」、この塔の是非についてメインキャラたちがどういった考えを持つのかの具体の描写があまりなかったのが少し残念だった。それは塔の是非自体がこの本の主題というわけではないから、というのも理解しつつ、私自身が非常に興味のあるテーマなのでそう感じた。
    犯罪者は哀れまれるべき、彼らは環境に問題があっただけ、というのは、社会心理学や犯罪心理学に即した考え方だ。

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    2025年09月07日
  • 東京都同情塔

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    牧名沙羅の思考が独特で面白かった。死んだ従兄弟に似てるウェイトレスとか特に深い意味のない描写ばかり印象に残って少し難しかった。

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    2025年08月17日
  • 東京都同情塔

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    ネタバレ

    「都内に建てられる刑務所ユートピア」という、いかにも妄想っぽいアイデアが、巧みな筆致によってリアルに頭の中に構築された。
    牧名沙羅は非常にこだわりの強い、自己主張の上手な女性だと認識した。建築家のことはよく分からないが、彼女のような人間がいるならちょっと喋ってみたいと思った。こちらに関心を寄せてもらえないかもしれないけど笑

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    2025年07月22日
  • 東京都同情塔

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    この本の登場人物が、思ったこと感じたことを真っ直ぐの表現で伝えてくれたことで、日本人が持つ特有の「気持ち悪さ」に気づいた。

    言葉を介している時点で、その人の本心は純度を失って伝わっている。そのことを踏まえると「真っ直ぐの表現」と用いたのは矛盾であるのかもしれない。

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    2025年06月27日
  • 東京都同情塔

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    ネタバレ

    人工知能との対話の壁打ちは良くも悪くも自己の壁を厚くするっていう話。

    もやっとしてて角が立ってない雰囲気が自分にはあまり合わず。

    この言葉とかこの一文というのではないけど、面白い文章や表現はたくさんあった。





    p. 3
    バベルの塔の再現。シンパシータワートーキョーの建設は、やがて現々の言葉を乱し、世界をばらばらにする。ただしこの混乱は、健築技術の進歩によって傲慢になった人間が天に近付こうとして、神の怒りに触れたせいじゃない。各々の勝手な感性で言葉を濫用し、捏造し、拡大し、排除した、その当然の帰結として、互いの言っていることがわからなくなる。
    喋った先から言葉はすべて、他人には理解不

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    2025年06月22日
  • 東京都同情塔

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    2030年に新宿に立つ新しいタイプの刑務所、東京都同情塔(シンパシータワートーキョー)の設計者の物語。AIへの問いかけが多く出てくることで読んでは見たもののとても難解。

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    2025年06月11日
  • しをかくうま

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    これを読んだおかげで少し競馬に興味が持てて、ウマ娘の映画を見に行くことができた。みんなの名前の文字数にだけ敏感。

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    2025年05月08日
  • 東京都同情塔

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    ネタバレ

    上手く言葉にするのは難しいけれど、劇的なことは起こらずただただ風刺的な会話で成り立たせてしまう著者の手腕に脱帽。
    複数回読まないと上手く感想はまとまらないけれど、言葉によって人間を定義するという点へのこだわりは虐殺器官にも近いものがある気がする。
    犯罪者を犯罪者として扱わない。
    誰しもが言葉によって自由になる。
    中々会話がハイレベルなのでもう1度読んで整理したいが、かなりの読み応えでした。

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    2025年05月08日
  • しをかくうま

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    人も馬も言葉も、止まることなく走り続けてきた生き物だ。今までもこれからもそこに優劣などないはずなのに、傲慢な我々が一番上に立とうとするから世の中めちゃくちゃになっている。生き物は死ぬ。それを突きつけられて、そうならないように頑張ろうよと手を握られた気がして、なんだかちょっと涙が出た。

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    2025年04月21日
  • Schoolgirl

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    保奈美ちゃんの番組「あの本、読みました?」で著者が出演されていました。
    自信家で、人をくったような態度の著者でしたが面白いなとその言動に惹かれ、現代版(太宰治の)女生徒、と紹介されていていた本書に興味が湧きました。

    確かに女生徒、でしたよ。
    意識高い系の中二病の主人公と母の話で、子供と大人の狭間な感じがよかったです。

    でも私はそれよりも、もう一遍収録されている悪い音楽の方が好みでした。
    悪い教師がよい音楽を作っても不思議はないよねとか、教師になることは音楽家一族にとって本当にもったいないことなのかとか、考えているうちに、どんどん展開してどんどんハラハラさせられました。

    まあどちらも、ザ・

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    2024年12月21日
  • Schoolgirl

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    ①読んでるとこちらまで鬱になりそう、awakening

    ②かなり好みだった。狂った音楽教室、ヒップホップ

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    2024年12月01日
  • Schoolgirl

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    Schoolgirl。影響を受けたとされる太宰治の「女生徒」も読んでみようかな。

    悪い音楽。こちらの方が読みやすく面白かった。先生のラップが良い

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    2024年11月09日
  • しをかくうま

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    レビューにある通り?よくわからんかった
    けどそれでも読んで良かったと思っている


    え?このアナウンサーはAIなの?ロボット的な?いやけど生活してるな?意志を持ったAI?え??キャロットラペに頭を突っ込んでる!!??馬なの??

    楽しくなってきたww


    名前とは一種の詩である、と言っていた。

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    2024年10月17日
  • しをかくうま

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    よくわからないまま読み終えてた。過去のヒとビとマの描写は想像が掻き立てられわくわくした。現在(といっても近未来感がある)は不思議だらけ、ターレンシスは何者?未来が一番難解だった。また読んでみたい。

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    2024年10月02日