九段理江のレビュー一覧

  • Schoolgirl

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    面白かった。
    楽しませてくれる小説に出会った喜びを感じます。
    144ページ「悪い音楽」
    「事前に私の人となりを詳しく知ってしまったら、音楽以外の要素があなたの作品に影響を及ぼしてしまうのでは?」
    この言葉にドキッとした。
    芸術作品を本当にそれだけ鑑賞しているのかと日頃感じているので、刺さりました。

    86ページ「Schol girl」
    「頭の中からできるだけ自分を失くす」

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    2024年10月03日
  • しをかくうま

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    意味は全然わかんないけど、読んでてとっても楽しい。作品全体が詩みたいだし、馬みたいでもある(今わたしたちが持ってる"ブレイン"とは全く違う基準で動いているような、という意味で)。
    根安堂(ネアンドウ)家おもしろすぎるし、途中で出てくる順番記号は競馬の順位や予想も連想させるし、あとヒとビの話は普通にすき。
    「彼の頭上にまず降りかかってきたのは不幸の極致にあるものだった。雨だ。」
    読んでる途中から、どうしても馬に乗りたくなってホーストレッキングを予約しました。ということは、この詩は概念を書いてるんじゃないんだな、だからこんなに面白いんだなと思いました。

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    2024年07月09日
  • Schoolgirl

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    『School』
    “みんなを愛したい”

    からの

    “美しく生きたいと思います”

    が良かったです。
    あと、少女のうちに死にたかった、、、ってところも。


    上記だけでなく、冒頭から太宰治『女生徒』のオマージュを彷彿とさせるはじまり。

    太宰治『女生徒』が十代の少女の日記をベースにした小説であり、語り手というか本来の日記の書き手の少女は当然ひとり。
    それに対して『Schoolgirl』は母と娘が、母のモノローグと娘が一方的に社会派YouTuberとして配信する動画で語っている。

    娘になめられている母親も読み進むにつれて母親然としている。
    偉そうなことを言っている娘もお母さんお母さんと繰り返す

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    2024年06月10日
  • Schoolgirl

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    グレタさん風社会派中学生YouTuber × 文學が好きな専業主婦の母を描いた「School girl」、音楽で食べていく道を断念した元音大生の音楽教師×合唱コンクールで優勝したい熱心な生徒を描いた「悪い音楽」の2編から成る作品。

    社会に揉まれていく内に諦めと限界と妥協を知った大人と、そんな大人の冷めた態度に純粋な気持ちで真っ向から反抗する子供の対立構造。軽快な文章とその表現力、時に皮肉が込められた台詞などそのどれもが面白く飽きない。

    九段理江先生の感性はめちゃくちゃ新しい発見になる。

    School girl|変な反抗期を迎えると子供はこうなるのか。太宰治の「女生徒」など小説を愛読する母

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    2024年05月29日
  • しをかくうま

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    タイトルも意味不明だが内容もぶっ飛んでいた。静かに。そしてその世界観が何故かとても心地よかったのだ。何故だ。
    松浦理英子の犬身を読んだときも同じように心震えるものがあったことを思い出した。

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    2024年05月04日
  • Schoolgirl

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     『Schoolgirl』も良かったが、『悪い音楽』に登場する音楽教師ソナタのズレが印象的だった。
     保護者を呼んで生徒指導する場面で、その内容をネタにしたラップを考え、教師や保護者から問い詰められたり、合唱コンクールな学級指導で音痴な男子をカバーするために声量をあげることを指導し伴奏者の生徒から反感をかったりと、音楽的才能は優れているのに、あまりにも周囲と噛み合わない感じが、実に面白かった。
     今後の作品にも目が離せない。

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    2024年02月24日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    SF likeな純文学、て感じ?
    入りはやや難解だし、感情移入の余地はないが、読み応えあって面白かった。

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    2026年06月27日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    AIに頼ることが当たり前となってきて、自分で言葉を探すことをしなくなって、与えられる言葉を使って生きていくことにむしろ気楽さを感じていた。誰も傷つけないふわふわしたカタカナみたいな言葉を使うことが当たり前のように染み付いていたので、そのアンチテーゼの思想を持つ建築家の女性は理解し難いものだったが、同じような葛藤を抱える人間なのだと感じる面もあった。建築を生み出す究極のエゴイズム、人間の支配欲求は理解するのに難しい。ただ淡々とそれを良いものか悪いものか感情は置いておいて受け入れる。そんな一市民として生きてしまうことは果たしてダメなのか?このお話で伝えたいだろうことを理解できた気はしないので、もう

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    2026年06月26日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    建築としての文学という解説に頷く。言葉で構築されたエッシャーみたいな感じ?伏線は回収されず螺旋状に連環する。内部のない構造の生成と消滅。
    最近の芥川賞も建築の話だったし(冒頭で挫折したけど)建築と文学というのはポストモダンな風情のようで実は今キテるのかもしれない。

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    2026年06月23日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    脳内で検閲を繰り返してやっと出てきた当たり障りのない言葉は本音と大きく乖離する。見えない相手に配慮した結果、誰に何が伝わるんだろう。

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    2026年06月23日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    読む前には、流行をうまく形にするセンスだけで成立しているキワモノだと勝手に思い込んでいた。しかし、実際に読んでみると、かなり奥深いテーマを扱っている正統派の小説ではないか!、と印象がガラリと変わった。
    それほど長くはない小説だが、構成はかなり複雑。実は解説を読むまで、自分ではうまく解きほぐせなかった。単調な外壁の連鎖を嫌い、細かい意匠の連鎖でリズムを生み出しながら、全体を俯瞰してみれば大きな構造が浮かび上がるように設計されている、という建築家的発想によるのかもしれない。

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    2026年06月15日
  • GOAT Winter 2026

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    私は紙の本も電子書籍も読む。
    媒体にあんまりこだわりはない。
    でもこの文芸誌を作る過程の様子をYouTubeで見て、いまだに紙の本好きが一定数いる理由がわかった。
    私にとって読書は文字を情報として捉えるだけだった。でも本当に本が好きな人は、ページをめくるという行為そのものも読書体験の中に含んでいる。
    作り手はそこをいちばんわかっていて、こだわり抜いてできたのがこの文芸誌。
    本屋で見つけて手に取ったらすぐに理解できた。

    内容も、普段本をあまり読まない層にも届かせようと完結型の短編にしている。
    派手な展開はなくとも日常の中でじわじわ人の心理に訴えかける話が多くて楽しめた。
    ミステリー好きとしては

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    2026年05月28日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    カタカナ言葉で新たな概念を作り出して押し付ける、そんなことが平気で起きるようになっているし、SNSを活用して今後ますます盛んになりそうだと思う。生きにくくなりそう。

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    2026年05月24日
  • 東京都同情塔(新潮文庫)

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    ザハ案の国立競技場が建ったパラレルワールドの日本が舞台の建築文学作品。ディストピアな世界感が面白かった。
    “ホモ・ミゼラビリス”などと訳の分からない造語が出てきて、それを解説されるうちに何となく受け入れてしまう擬似体験をさせられ、カタカナの造語が汎用される世を皮肉っている。
    変な終わり方するので取っ付きづらい作家かなと思ったけど、おまけの短編がファニーでなんだか安心した。

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    2026年05月23日
  • GOAT Winter 2026

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    新潟国際アニメーション映画祭に行った際に、古町の書店で買った。1ヶ月ほどで読み終えた。良い買い物だったと思う。前号も買おうかな。以下好きだったのメモ。

    小説
    『いつになったら大人になれる?』大前粟生
    『ハッピーエンドの小説』金子玲介
    『家になった男』八木詠美
    『少女は椅子に座っている』遠田潤子

    エッセイ系
    『わたくしは猫です 世界一の』北大路公子
    『待ち焦がれたね、こんなもんだね日記』ゆっきゅん

    対談系
    『生き直すパイプ椅子と人間の生き様』
    『日本社会再定義 排外主義・鬱漫画・AI』平野啓一郎×マライ・メントライン

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    2026年03月15日
  • GOAT Winter 2026

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     「かわいい」や「普通」にいろんな意味を込めすぎて、言語化をサボっているという朝井さんのお話が印象的。
     サボっているという見方もあるし、あえて濁してるという見方もあるんじゃないかなあと。あまりにも明瞭に表現しすぎると、あからさまになってしまうこととかある。

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    2026年03月03日
  • GOAT Winter 2026

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    一気に読むというよりは、毎日少しずつ。

    気に入った話
    ◎わたくしは猫です世界一の 北大路公子
    ◎simeoウイルス 村崎キコ

    紹介と広告で気になった本
    ◎海の仙人・雉始雊 絲山秋子
    ◎天橋立物語 3年菊組ロリィタ先生 嶽本野ばら

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    2026年03月03日
  • GOAT Winter 2026

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    ネタバレ

    youtubeで紹介されてて気になってたので初めて文芸誌なるものを買ってみた。
    思った以上にボリュームあってこれで510円!?大丈夫か?と思ってしまった。
    これで好きな作家見つけて長編を読むのが良さそう。
    文芸誌って連載ものがほとんどでいきなり読み始めてもついていけないことが多そうなイメージだったけど、ほぼ全部読み切りで楽しめた。

    読んだ順でメモ。記号の意味は以下の通り。
    ◎=めっちゃよかった
    〇=結構面白かった
    ×=途中で読むのやめた

    ◎永井紗耶子/そとばこまちの夜
    一応近代よりだけど時代小説。横浜にいるジャズシンガーの話。
    木挽町のあだ討ちのイメージがあったからカタカナがたくさん並んで

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    2026年02月28日
  • GOAT Winter 2026

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    色んな作家の短編小説や対談などが入っている本誌が510円という事実に驚愕。それだけでも買う価値あり。
    今まで読んだことのない作家さんやあまり触れたことのないジャンルの作品に出逢えるのも文芸誌ならでは。

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    2026年02月06日
  • GOAT Winter 2026

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    いろんな作家さんの短編や対談があり、ものすごく読み応えがあった。
    中でも、貴志祐介の短編は笑わせてもらったし、平野啓一郎とマライ・メントラインさんの対談、俵万智さんと岸田繁さんの対談が面白かった。
    あと、編集後記も何処となくサークル感を感じさせてくれて親近感が沸いた。
    雑誌を読んでもあんまり自分のなかで読書の実績にはなかなか認めにくいところはあるけれど、安価でこれほどの質と量を兼ね備えた文芸誌は貴重な存在なので、コスパ最高。定期的に出してほしいな、と思う。

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    2026年02月01日