本著の冒頭にこう書かれています。「これは小説ではない。事実だ。」と。
北関東の限定されたエリアで発生した5件もの幼女連続誘拐殺人事件。容疑者が逮捕されたものの、冤罪であることがわかり無罪となり、真犯人もわかっているのに警察や検察のくだらないプライドのために今も尚、真犯人は放置されたまま。
こん
...続きを読むなことがあっていいのか、この国の司法はまだこの程度のレベルだったのかと情けなくなりました。
国の治安を守るために必死に頑張っている警察官がいることは十分理解していますが、その一方で冤罪もなくならない。
冤罪はその人だけでなく、その人の家族や関係者の人生をも壊してしまうし、被害者や遺族の心を傷つけてしまう。
幼い女の子を殺された母親が、冤罪を認めて自宅を訪れた検察官に誤って逮捕して永年拘束して人生を奪ってしまった容疑者に「ごめんなさいが言えなくてどうするの」と叱責した一言が心に残ります。
もう警察は真犯人を捕まえることを放棄してしまったのか、その真犯人はどういう思いで日々を過ごしているのか、とても気になります。