あらすじ
ひとりの週刊誌記者が、殺人犯を捜し当て、警察の腐敗を暴いた……。埼玉県の桶川駅前で白昼起こった女子大生猪野詩織さんの殺人事件。彼女の悲痛な「遺言」は、迷宮入りが囁かれる中、警察とマスコミにより歪められるかに見えた。だがその遺言を信じ、執念の取材を続けた記者が辿り着いた意外な事件の真相、警察の闇とは。「記者の教科書」と絶賛された、事件ノンフィクションの金字塔!
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怒りに震える
犯人はもちろん、警察の対応・体質にも凄く腹が立ち、ぶつけどころの無い怒りに悲しくなります。かと言って自分がどうこうできる問題でも無く・・・
沢山の方がこの本を読んで、少しでもこの卑劣な犯罪が減り、困った時にどう対応するかを心に刻んで欲しい。
あとがきの最後の最後で号泣。同じ娘を持つ身として。
Posted by ブクログ
事件記者による、犯罪捜査を扱ったノンフィクションである。
吐き気を催すような、集団による卑劣な犯罪行為と、それ以上に当時の警察の対応に驚愕する。
一方で、事件記者の情熱やプライドには感心させられたと共に、人として本当に大切なもの、守らなければいけないものとは何か、深く考えさせられる作品であった。
Posted by ブクログ
ストーカー規制法のきっかけとなった桶川ストーカー殺人事件の真実を暴いた、1人の週刊誌記者のノンフィクション作品。
真実を暴いてくれてありがとう…と身内でもないのに感謝と敬意しかない。
そして真犯人の死で終えたのは上尾署の大大大失態でしかない。
事件自体は知ってたけど詳細を読んで改めて警察のずさんな対応に腹が立つ。市民を守るはずの警察と、真犯人に彼女は殺された
その後の民事裁判も腸が煮えくりかえる。判事もまとめてクソだった。
例の埼玉県警の映像も見たことあるけど終始ヘラヘラした会見で被害者と国民をバカにしてるとしか思えなかった。
わたしは20年以ほど前、自分が一人暮らしを始めたばかりの頃
部屋に誰かがいると勘違いして警察を呼んでしまったことがある
その時の警察官は「何かあってからじゃ遅いんだから気にせずどんどん頼っていいから」と言ってくれたし
わたしの帰宅時間にはしばらくパトロールすると約束してくれて1年間くらい本当にその時間にパトロールしてくれた。
いい警察官もいるのに一部のクズ人間のせいで警察全体が悪く思われそうなのも大迷惑でしかなかっただろう。
Posted by ブクログ
すごい、しかない
もうほんとに
清水さんかっこよすぎる
〝報道とは〟〝ジャーナリズムとは〟の極み
ストーカー行為規制法が成立したのが詩織さんの誕生日ってgoosebumps
あずさちゃん…つらすぎる
Posted by ブクログ
20年以上前に起きた事件ではあるが、決して忘れられてはならない悲惨な出来事だと思う。
犯人が、何故そこまで執拗に詩織さんにまとわりつきストーカー行為や嫌がらせ行為に走ったのだろうと思った。
本書でも触れているように、犯人は精神的に異常な部分があったようだ。そして、最後には犯人は自殺してしまった。何らかの周囲のサポート、精神的なケアがあったらこのような凄惨な事件は起こらなかったのだろうかと考えてしまった。
しかしながら、犯人は相手が嫌がることはしてはいけなかったしあまりにも自分勝手で相手を想いやることができていないことに激しい憤りを覚えた。
著者の清水氏は、自分の足で地道に取材されており、本書を通して取材の裏側を知ることができた。報道やパパラッチに対してあまり良いイメージを抱いていなかったが、清水氏のように、被害者や遺族の気持ちに寄り添った取材をされている方がいることを知って報道に対するイメージが少し変わった。テレビ等の報道番組をまた違った角度から見られそうだと感じた。
警察の闇も深いことが分かり、これは残念な真実であると思う。あれから数十年が経過して多少は警察も変わったのだろうか?
一部の警察や報道は、未だに被害者や困っている人に寄り添った報道や取材が残念ながらできていない部分があるのかもしれない。
多くの人に本書を手に取ってもらって、真の報道、捜査のあり方を知ってもらうことは意味があることではないかと思った。
警察に頼ったにも関わらず、真摯に対応してくれなかった被害者や遺族は無念であったと思う。警察がしっかり捜査、対応していたら、このような凄惨な事件は起こらなかったと思う。警察はしっかり反省して、市民に寄り添った業務を全うして欲しいと思った。
最後に、被害に遭われた狩野詩織さんのご冥福を心よりお祈りします。
Posted by ブクログ
以前この著者の「殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―」を読んでから、凄まじい取材への熱量と執念を持った記者がいる!と度肝を抜かれた。桶川ストーカー殺人事件は当時ニュースで幾度となくTVで報道されていたし、この事件によりストーカー法が成立したことも知っていた。
元週刊誌記者の著者が真相を究明し週刊誌で報じなければ、実行犯やそのグループにまでたどり着けず真相は闇に葬られる可能性もあったのではないか。
過去の事件が風化されることなく、当時事件を知らない生まれていなかった人達にも読んで欲しいと思う。
Posted by ブクログ
報道陣にはあまり良い印象を持っていませんが、この人の情熱は凄いなと思いました。犯人家族から怒鳴られて言い返す場面の言葉遣いなどはやっぱり報道陣だなと思いましたが、それ以外はいい人そうな感じです。それにしても警察のお役所仕事的な、事なかれ主義的な、所詮は他人事という姿勢には呆れますね。そのくせプライドばかり高いという。
Posted by ブクログ
昔からのこの事件を知ってはいたが、それ以上の情報が沢山あり、終始驚かされる。
警察のずさんな、いやそんな可愛い言い方で終わるようなものではない、犯罪級の行動によって詩織さんが亡くなったと思うと、本当に悲しい事件だと思う。日本の法改正までを起こしたこの事件の真相を知って欲しい。どうか手に取って読んで頂きたいです。
Posted by ブクログ
桶川の21歳の女子大生が殺された。彼女は埼玉県警上尾署にストーカー被害を訴えていたのにも関わらず、警察は対応しなかった。さらに警察の無能ぶり、非道ぶりが明らかにされる。久々に心底腹が立った。そして、文庫本あとがきで筆者の不幸を知らされ、絶句。
Posted by ブクログ
読み応えバツグン。
登場人物が思ったより多く、後々色々な事実が判明する複雑な事件であるものの、とても分かりやすく書かれていてどんどん読み進めてしまう。
後半につれて判明する警察がらみの事実、これ他人事ちゃうぞと怖くなる。日本の事なかれ主義の悪い面が最悪の形で出た事件。
Posted by ブクログ
亡くなった被害者とその遺族の無念といったらない。
ストーカー集団はもちろん、助けられた命を見殺しにした警察も十分罪に問われるべきだけど、司法もまともに機能していないし、自分が犯罪に巻き込まれた時に、誰を頼るべきなのかすら不安になる。
上尾署が、日本の警察が少しでもマシになってくれていれば良いが、今なお断罪されて然るべきと思ってしまうぐらい怒りの感情が芽生えた。
Posted by ブクログ
桶川ストーカー殺人事件は、1999年10月26日に、埼玉県のJR桶川駅前で白昼に21歳の女子大学生が刺殺された事件である。被害者の猪野詩織さんは、刺殺される前からストーカー被害を受け、ご両親と一緒に上尾警察署に出向き助けを求めていたにも関わらず、警察は何もしなかったばかりか、詩織さんからの告訴状を改竄し、告訴がなかったことにしてしまう。更に、事件後の上尾署の捜査は、やる気を疑うほど進捗しなかった。
筆者の清水潔氏は、写真週刊誌FOCUSの記者であったが、いくつかの偶然にもより、犯人の居場所を特定し写真に撮ることに成功する。これがきっかけともなり、ようやく、犯人は逮捕されることとなった。
犯人逮捕後、埼玉県警と上尾署は、詩織さんからの助けを求める声をきちんと聴いていれば、事件を防げたはずであるという批判にさらされることになる。また、警察は事件捜査中に、詩織さんについてプラダやグッチを愛用するブランド好きの女子大生であり、風俗店で働いていた的なニセのイメージをマスコミに流し(警察への批判をかわすためであろうが)、大手のマスコミも、事実を確かめようとせずに、そのままの形で報道し、詩織さんの悪いイメージをつくってしまう。
こういったことを受けて、被害者のご家族は、「娘は犯人と警察とマスコミに3回殺された」と怒りの発言を行った。
読後感は皆同じではないか。
被害者の詩織さんご自身とその関係者、特に、ご両親が感じられた無念さ・怒り。埼玉県警と上尾署の無能さと責任感の無さ。そして、筆者の本事件に対しての執念。その執念は、犯人に対して、警察に対して、そして大手のマスコミに対しての怒りから来ているものだ。
そういったものが、迫力を持って描かれている傑作ノンフィクションだと思う。
Posted by ブクログ
「殺人犯はそこにいる」を先に読んだので、本事件についても概要は理解していた。
しかし、内容を読んで公務員としての警察の対応と犯人を野放しにしてしまう保身などなど憤りが大きかった。文章も最後まで飽きることなく読めて良書。
文庫改訂版の追記にも色々な意味で感情を動かされた。
Posted by ブクログ
イメージが決して良くない週刊誌の記者、1人の決意次第で、真実が明かされ、警察や法までも変えてしまえるのだな、と。もちろん周りの協力もあってこそではあるが、ペンは剣よりも強し、であり、記者とは、仕事とは、人の生き方とは、と子どもに読ませたい本でもある。
個人的に驚愕したのは、ストーカーになる人間は共通点あるんだな、と。近しい友人のストーカー被害話を聞いたことがあるが、全く一緒。
見初めた相手に対するオーバーリアクション(よく観察して気遣いがありすぎる)、運命などロマンチスト的な語り、最初のプレゼントやお金をかけてくる極端なアプローチの仕方、断ると逆上する、など。p.66-67
清水潔氏、協力者の勇気に感謝。あとがきで涙が出ました。
Posted by ブクログ
ノンフィクションで有ることに驚き、犯人たちと警察に殺されたといわれる深刻な実態に衝撃、怒り。取材過程の克明な記述で明らかになる深刻な埼玉県警の実態、保身、組織犯罪ともいえる隠蔽体質、誰のための組織なのか? 半グレ的なストーカーの酷さこれも現代的問題、あとがきでの娘さんをなくされたエピソードにも涙しました。
Posted by ブクログ
実際に警察は働いていない。それは刑事だけでなく、白バイだって、交通警官だって同じ。
でも、ここに描かれている上尾警察は酷い。こんなもんだろうなと思う
Posted by ブクログ
古い本だが桶川事件そのものの異常性が詳細に拾われている。一方で被害者にはこれといった落ち度もなく、だれもがストーキング被害に合う可能性があることを知らしめた事件だった。それだけでも重いテーマであるがさらにそれに警察の怠慢捜査というおまけがつく。
著者記者クラブに入っていないFOCUS誌の記者というハンディキャップのある立場をはねのけ、地道な取材の積み重ねにより、警察より早く犯人にたどりついた。
事実は小説より…というが…
この本を読んだあと、おさらいでウィキペディアを読むと事件の本質がよく理解できる。
Posted by ブクログ
事件名は知っていたけど詳細は知らなかった事件
読んでてものすごく歯がゆくなる
警察の責任逃れが酷すぎて胸糞悪い
実行犯をつき止め警察の不祥事を暴いた清水潔氏には感服する
Posted by ブクログ
「記者の教科書」と絶賛された本。桶川事件はストーカー規制法の成立の契機となった事件としても、警察の腐敗した体質が散見される事件としても有名な事件である。
著者の地道に取材を行う姿に感銘を受けた。特にこの事件の場合、首謀者の存在から関係者も口を開きがたい。懸命に足を運び、関係者に取材をする根を這うような仕事振りは、記者以外の仕事をする立場からしても尊敬に値する。法律が正義、法律に従って動く警察が正義ではない。何が正義が考え、闇を振り払おうとする姿勢が素晴らしいと思った。
それと同時に、世間の流れを作ることも大切だと感じた。いくら自分が事実を認識していたとしても、皆の目に触れ共感を得て初めて問題提起となる。そうした点についても考えられていて、興味深かった。
警察サイドも、虐待やDV、ストーカーなどプライベート性の高いが事件に発展しかねない事象について、難しいけれども向き合う姿勢は取ってもらいたい。この様な悲しい事件が起こらないこと、警察の罪の隠蔽が発生しないことを願うばかりである。
Posted by ブクログ
一気読み。
ページをめくる手が止まらず、黙々と読んでしまった。実際に起こった事件だったという事もあり、警察への怒りと、無念の気持ちでいっぱいになる。
警察の会見でヘラヘラ笑っていた画像も確認したが、こいつら本当に警察の前に人間か?と、疑いたくなるほどだった。ストーカー被害をこれほどに軽率に扱う国は日本だけではないのか?と、思ってしまうほど。全ての警察がこうとは思わないが、犯人はもちろんのことこれほどに警察に怒りを覚えた事件は初めてかもしれない。この本を読み終えたら是非警察の会見画像を見てもらいたい。
やっとわかった。
桶川ストーカー殺人事件。
結局、詩織さんを殺害したのは、2組の組織だったのだ。
そして、1組の主犯は死に、もう1組の主犯は罪も問われず「普通に」生きている。
Posted by ブクログ
悲しい
あとがきまで全部読んだ
ストーカーの基準は難しいし、あったことはないけれど、よく聞くのが事件にならないと警察が動いてくれないっていう話なんだけど
でもそれでも相談には乗ってくれるはずだし、子供たちは大人に相談して欲しいと思った
何か自分が責められるんじゃないかって思って相談しないのか、本当にそれは残念なこと
Posted by ブクログ
1999年、埼玉で起きた殺人事件を週刊雑誌記者(著者)が追ったノンフィクション。
当時、自身は10代だったので内容がよくわかっていなかったが、今回読んでみて事件概要がよくわかった。
・単なる個人のストーカーではなく、金銭やり取りのあるストーカーグループだったこと。
・実行犯が元恋人ではなく、雇われの人間
・警察署にストーカー相談に行っても対応が悪く、初期解決に至らなかったこと
・名誉毀損で告訴まで手続きしたが、その後警察の怠慢を誤魔化すために書類が改竄されたこと
・改竄事実と被害者が残した遺言の相違を隠すために真犯人(元恋人)を捜査から除外していたこと
被害者は、ストーカーグループと警察に殺された。どちらも事実とは思えないほど酷かった。
自分が被害者にならないために学んだ教訓は、
・変な人間に興味を持たれそうな所へ出歩かない
・困ったら警察が何とかしてくれると思わない
・金で釣られるような知人、友人を持たない
・他人を簡単に信用しない
Posted by ブクログ
とんでもないストーカーについての話かと思ったが、それ以上に警察の対応がとんでもない内容でした。
ただし、少なくとも自分が出会った警察官は優しく丁寧な対応をしてくださる方ばかりでしたので、旧世代かつ一部の雑な警察署のせいで、全体が悪い印象を持たれてしまうのもなんだか不憫に感じます。
Posted by ブクログ
ひどい。本当に。最後の砦と思ってる警察がそんな対応。何を信じればいい??誰に頼ればいい?ストーカーの規制がないから何も出来ないじゃ済まされない。いきどおりを感じる。
Posted by ブクログ
桶川ストーカー殺人事件はテレビや雑誌等でもよく目にしていたこともあって、事件のことも知った気になっていました。
でもこの作品を読んで、無知であることに恐怖すら覚えました。
警察や大手マスコミってこんな事するの?
是非真実を知ってもらうためにも、一人でも多くの人に読んで欲しい作品です。
Posted by ブクログ
こんな酷いことがあったのかと読むのが嫌になるくらい胸が痛くなった。今後同じことが起こらないようにストーカー規制法ができてよかったとも思うけど、被害者が声に出して助けを求めていたからどうにかできたんじゃないかという思いとあって、複雑な気持ちになったし、犯人と警察がどうしようもなくて、怒りが込み上げた。私は報道をする側でも事件の解決に尽力する側でもないから、当時生きていたとしても、事件の本質はわからずメディアの好き勝手な情報を信じてしまったかもしれない、この本を読んで目の前の情報の捉え方を気をつけようと思った。
Posted by ブクログ
こうやって、単なる捜査ミスとも違う理由で冤罪にされた人は本件だけにあらず、多々存在するのだと思うと警察とは何なのだろう?報道とは何なのだろう?何を信じたらいいのだろう?と色々考えさせられた。
Posted by ブクログ
嗚咽の波が何度も来て、鼻水で鼻が詰まり、泣きすぎて目が腫れ、大変なことになりました。同県で同時代を生きていた身として、言葉にならない思いが溢れて、人体の反応としてそうなりました。