【感想・ネタバレ】殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―のレビュー

あらすじ

5人の少女が姿を消した。群馬と栃木の県境、半径10キロという狭いエリアで。同一犯による連続事件ではないのか? なぜ「足利事件」だけが“解決済み”なのか? 執念の取材は前代未聞の「冤罪事件」と野放しの「真犯人」、そして司法の闇を炙り出す――。新潮ドキュメント賞、日本推理作家協会賞受賞。日本中に衝撃を与え、「調査報道のバイブル」と絶賛された事件ノンフィクション。

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盛岡の書店で「文庫X」として表紙もタイトルも内容も伏せて販売され、話題となった本作品。書店員さんの手書きPOPで「どうしても読んで欲しい」作品として紹介されていたため、てっきり感動モノの小説と思っていたら、ノンフィクションだったので驚きました。
今まであまりノンフィクションの作品を読んだことがなく、読む前は「完読できるかな?」と不安でしたが、読み始めるとひき込まれるように夢中になって読んでいました。ノンフィクションですが思ったより文章が堅くなくて、とても読みやすかったです。
内容は、衝撃的すぎて、一生忘れないと思います。本作で取り上げられている事件についての知識がほぼない状態で読みましたが、読み終わった後は、同様の事件のニュースにとても関心をもつようになりました。
一人でも多くの人に読んでいただきたい作品です。

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感情タグBEST3

購入済み

是非読んでもらいたいです!

内容云々は沢山書いてる方がいるので省略しますが、中身ホントに興味引き付けられましてあっという間に読みきりました。高校卒業まで育った街での出来事だったので余計に思い入れと色々と考えさせられる内容でした。ということでまだ読んでない栃木県足利市やその周辺の方々は特に!他地域の方にもですが関係なくお薦めというか読むべきだと思います。

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2017年02月13日

購入済み

これがXとゆー本なのだ

以前、書店でXという本で話題になっていた本書。遅まきながら興味を持ち読んでみました。
少し冗長な感じを受けるところもあったけど、努力と熱意でここまで解決できるなんてすごいと思いました。
冤罪に遭われた方も、かわいいお子様を失ったご家族の方も、少しでも慰められたのではないかと思います。

#アツい #切ない #感動する

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2023年01月06日

Posted by ブクログ

 『騙されてたまるか 調査報道の裏側』を読み、こちらの本に至りました。事件の現場は地元に近い場所ですので、距離感はよくわかります。足利も太田も同じような意識で、県境というのはあまり感じられません。真犯人は特定されているのになぜ逮捕に結びつかないのか、真犯人ではないのか、警察はなぜ動けないのか・・・、いろいろと疑問が出てきます。真犯人の命が尽きる前に、とにかく早く事件解決してほしいと切に思います。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

だいぶ前に読みました。ジャーナリストとはこんなにも自ら動いて検証して記事に書く人たちなのか、と驚きました。桶川の本も読みましたが、この人の本を通じて、新聞やニュース報道されている内容をそのまま鵜呑みにしてはいけないのだな、と思いました。そして、警察に目をつけられて犯人に仕立てられたら抜け出すのはとても困難だということも。。未だに冤罪事件が無くならないのですからね…。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

びっくり。表紙が隠されて販売されていたらしく前から気になっていて、それも地元の知っている書店のおすすめということもあり二度びっくり。ノンフィクションで、調べてみると実は今もまだ犯人は捕まっていないみたい。これを読んだらなんで捕まんないんだろうと思うかもしれない。本当にもどかしくて、警察や検察、科警研、裁判所が絡んだことは詳しくはわからないけど、わからないから悔しい。読んでてもなぜ?なぜ?がいっぱい。同じくらいの子どもを持つ親として時々涙しながら清水さんや遺族の方と同じ気持ちで、ただただ犯人が逃げ得になるなんて許せないし適当な判定で犯人と決めつけることも許されることではない。
自分にとって馴染み深い地名が出てきて、他人事ではないと思ったし、何の罪のない子どもたちが巻き込まれてしまったことに悲しい気持ち。自分の子がと思ったら、、。
これを読んで心動かない人がいるのかな。なんとかしたい。そんな気持ち。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

内容は表紙のインパクトさを超えている
それほど皆に見て欲しい見た方がいいと思った1冊
今の日本の警察、マスメディアの在り方に1人の記者が人生をかけて問いかけていたのがよく伝わった こんな人がまだ今の日本にいて良かった

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

縦社会に属しているからこそ自身の権威を守るために問題を隠蔽し、闇に葬ろうとする。
本来正義を貫かなければならない立場の杜撰な精神には心底呆れます。
正しい審判が下されますように。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

胸の奥に重い余韻が残る。群馬・栃木の連続幼女誘拐殺人事件を追う中で浮かび上がるのは、DNA型鑑定の不確かさ、目撃証言の矛盾、そして司法の怠慢。足利事件を冤罪としながらも、その真犯人が未だ逃げ続ける現実が怖ろしく感じられた。被害者遺族の苦しみも、菅谷さんの取り戻せなかった年月も、何度も胸を締めつける。「正義はどこにあるのか」を問い続けさせる作品。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

6.7時間で一気に読み終えてしまうほど、引き込まれる内容でした。ノンフィクションを読むのは初めてでしたが、ジャーナリスト視点で事件を追っていく臨場感が面白かったです。

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

ノンフィクションと思えないほどの読みやすさ。内容が興味深いこともありますが、とにかく著者の文章力に脱帽でした。そして、とてつもない熱量と気持ちがこもった言葉の数々に圧倒されました。
これは読んでよかった。いや、もっと早く読んでおくべき作品でした。
文庫Xとして世に知られていなければ、手に取ることは絶対になかったと思います。さわや書店さんに感謝。

この本の内容が本当であれば、闇が深すぎるなと思いつつ、この本をまるっきり鵜呑みにすることもダメなんだろうなと考えながら最後は読んでいました。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

袴田事件を取り扱ったスタンダップ・コメディで話題になった芸人のお勧めする本と聞いて読んだ。
記者という存在に対しての見方が少し変わる。正直な話、記者とはwebに貼り付いては右から左に真偽のわからない情報を垂れ流す習性のある人々ばかりと思っていたのだが、情報を求めて足を使い、人に向き合い、公のために自分の得た情報を公開する。そこには正義と仕事に対する使命感がある。こんな方もいるのだなと思った。
手記と呼ぶには言葉の使い方が軽妙で面白く、最初から最後まで被害者の少女たちに寄り添う気持ちに溢れている。この方の努力が報われますようにと願わずにはいられない。

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2025年08月04日

Posted by ブクログ

ノンフィクションものなので内容についてのコメントは控えるが、構成と文章が上手く、引き込まれる本だった。

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

パンドラの箱を開けてしまった気分、読む前と後で価値観が変わるくらい衝撃を受けた。
人を裁く人に漏れなく読んで欲しいと思った。一冊にかけられた熱量が半端ではない。
真実かどうかの問題ではなく、ノンフィクションというジャンルにおいて間違いなく名作、語り継いで行かなければと使命感を感じた。

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2025年06月10日

Posted by ブクログ

著者の脅威的な真実への執着によって事件の全容が明らかにされていく、まるでフィクションのようなノンフィクション。
パチンコ店で誘拐するっていう手口が悪質だなと…。”子どもをパチンコに連れて行った親も悪い”と、心の片隅に植え付けられるようで嫌な気分である。悪いのは誘拐犯なのに。
子どもを失った上に、そのような言葉で自分を責め、他人にも責められ続けた親の心情はいかばかりか。
最近は何か事件があると、SNSで被害者にも責任があると言い出す人がいるが、報道の情報しか知らない人がよく言えるよなと恐ろしくなる。

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2025年04月13日

Posted by ブクログ

ノンフィクションとは信じ難い、ドラマのような話だった。取材をし続ける信念はもちろん、被害者遺族にも受け入れられるジャーナリストの人柄の良さが垣間見えた。

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2025年03月05日

Posted by ブクログ

地道な調査で何年も前の事件の情報を集めていく筆者の執念が凄まじい。いまさら新情報なんて得られないんじゃないか、と思いきやそんなこともなく。むしろ警察や検察が当時発表した情報の信ぴょう性が次々と揺らいでいく。

真犯人への怒りはもちろんだが、自供を強要した当時の警察への怒りも同じくらい感じる。自分たちの筋書き通りの、ただ「犯人であってほしい」だけの人を有罪に追いやる強引さ。これも一つの執念に見えるが、根本には何があるのか。上司からのプレッシャー?こいつが犯人に違いないという思い込み?

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白いという言い方は、適切ではないかもしれないけど、とても引き込まれる内容でした。著者の清水潔氏の本である、桶川ストーカー事件の時もそうでしたが、ジャーナリストとして、しっかりと信念を持って行動しているのがわかる内容でした。とにかく、北関東連続幼女誘拐殺人事件の被害者女児たちが、報われるために真犯人を捕まえたい一心で行動を起こしている。そのためには、すでに犯人として捕まっていた、菅家さんの冤罪を晴らさなければ警察は再度捜査を再開しないため、これを当初の目標のように行動していく。誠実な対応で、知り合いなどを通じて、被害者遺族や目撃者に話を聞くことにも繋がっていく。被害者の小さな声を拾い、権力に立ち向かっていく様子はカッコいいです。
この本を読んでいると、それぞれに事情があるでしょうが、警察、科研、検察、裁判所、マスコミなどが本当に信用できなくなってきます。
遺伝子検査の杜撰さ、組織のプライド、捜査員の誠意のなさなど、これらが如実に捜査を妨害している。被害者の母親が捜査員にいっていた、間違えたなら、なぜごめんなさいといって調べなおしたりしないんですかという言葉が印象に残った。
残念だけど、冤罪はなくならないのではと思ってしまう。
いままで、知らなかった飯塚事件や、免田事件なども調べてみたくなりました。

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2025年01月25日

Posted by ブクログ

衝撃的。

著者の情熱、緻密な調査が真実を明らかにしていく。
読んだあとも、様々な疑問が出てくるような本。

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2025年01月15日

Posted by ブクログ

素晴らしい書籍。
小説フィクションには好き嫌いがあったり、面白いかどうかという部分でのコメントになりますが、
こちらに関してはとにかく
多くの人に読んでもらいたい知っていただきたい。
そんな本でした。

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2025年01月09日

Posted by ブクログ

文句なしに今年読んだ中で最も衝撃を受けた一冊。調査報道のバイブルと言われるだけのことはある。
真実を追い求め公権力とも戦いながらひたすら丁寧に取材を行い、遂には冤罪の立証まで辿り着く。貴社の鏡。その反対に、警察や検察が、自分たちの筋読みに沿った都合の良い証拠だけを集め、自分たちに都合の良いストーリーに仕立てていく姿、組織防衛のために真実を隠し闇から闇へと葬り去る姿に恐ろしさを感じる。

我々自身が、公権力やマスコミから流される情報を鵜呑みにせず、冷静な目で客観的に事実を捉える目が求められる。

報道を志す全ての記者やテレビマンが手本とすべき本。そして警察や検察、裁判所が反面教師として読むべき本。

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2024年11月09日

購入済み

真犯人

昔の警察官の捜査の杜撰さに驚きます。
また、パチンコ店に子供を連れて行くというのも現在の感覚からしてみると驚きです。
自分で一から捜査して真犯人を突き止めた清水さんは良い意味で執着心がすごいと思いました。

#ドキドキハラハラ #ダーク

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2024年03月10日

購入済み

自分の目で確かめる

真実か嘘か、誠か否か

判断は人それぞれだし、それで良いとは思う。
昔は狭い世界でしか情報が得られなかった分、噂話の独り歩きは当たり前でありメディアを【信じるしかなかった】というのが世の中であると自分も思ったりもした。

しかし、現在は違う。
ある程度の情報は自らの手で調べる事ができる。
溢れかえる人の声や雑音の中から、その話題の根底を知ってから自分なりの答えを出したい。
そんな人にはこの著者を是非ともお勧めしたい。

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2023年01月12日

暴かれるのは、公的機関の闇…。

著者の徹底した取材姿勢には「桶川事件」の本を先に読んでいたので知っていたが、この本は…犯人を指差している?!

いつの日かは分からないが、著者の見立て通りの犯人が、少しでも早く逮捕される事を願うのみだ。警察がもっと謙虚に成れればの話だが…。

それにしても警察や検察等の司法機関って、頭が硬いと云うか……、「謝罪すら出来ないのであれば、今後この様な無様な事件は絶対に(!)取り締まれよ!」と言いたくなった。

最後に、他の方のレビューで、この著者の著作と個人ルポライターである一橋文哉氏の著作とを比べて「こっち(清水氏)の方が信憑性が有る…」的な感想を書いておられたが、日本テレビと云う報道機関に属している人と個人ルポライターでは、調査方法等が全く異なるもので、一概に優劣を語るべきではないと思ったので附言しておく。

#切ない #怖い #ダーク

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2022年04月02日

購入済み

ゆっくり解説で気になって

本当にルパンは誰なんだ
なぜ自首しないんだ
なぜ誰も封じないんだ

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2021年06月23日

購入済み

マスコミに対する気持ち

最近のマスコミは大した裏とりも無しに、ネットで騒がれている話題をニュースとして取り上げ、それが真実ではなくただの噂話程度の物だったとわかっても、報道はなかったかのようにスルーする。その態度には呆れ果て、今ではテレビも新聞も真実を伝える機関ではない、視聴者、読者が飛び付くような話題しか報道しない、ただの娯楽ショーだと思っている。
この著者のように、自分の足を使って地道に真摯に取材しているジャーナリストがいた事に驚き、感銘を受けた。
同時に正義を果たすはずの警察、検察側の、身内を守るためならこんな非道な事がまかり通る事に、恐怖を覚えた。普通に日常を送っている市井の人間が、無事に一生を終える事自体が奇跡とも思える非道だった。

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2021年04月04日

Suu

購入済み

3つの重大な過ち

衝撃的な内容でした。

著者は予断を持つことなく、人と人とのつながり紡ぎ、途方もない取材によって陰謀とも言える警察・検察の捜査と無実の人を殺人犯に仕立て上げた不確実な証拠を暴いている。

重大な過ちとは、杜撰な捜査と不確実なDNA鑑定によって生み出された冤罪、そのDNA鑑定が証拠なって死刑となり、刑が執行されてしまった飯塚事件、そして未だに真犯人を逮捕できない現実。

著者は上記を執念とも言える取材によって明らかにするばかりか、タイトルの通り真犯人を特定し、本書の中で決定的な証拠まで提示している。

しかし警察は過去の捜査の失態や他の事件への波及を恐れて真犯人逮捕ができない。

本書ではそこまでの内容が詳細な取材によって語られている。
真犯人は今も同じ街でのうのうと暮らしている言うからかなりの衝撃だ。

冤罪被害者である菅家さんが逮捕された当時の報道は幼かった自分には判断出来なかったであろうが、歳を重ねた現在の判断力をもってすれば無期懲役は当然と感じるだろう。

上辺だけの報道で判断したならば。

この本で自身の固定観念や先入観を著者に見事に見破られた気がした。

私は元々死刑に関しては必要だと思っている。
それは本書を読んだ今でも変わらない。

世の中のあまりに無慈悲とも言える凶悪事件が確実に存在し、極刑を以ってしても報われない被害者と遺族がいると考えるからだ。

しかし、如何なる事件であっても一方的な意見に偏った判断はあまりに危険である。

同じく著者の桶川ストーカー事件でも語られていたような情報操作とも言える報道が現実としてある。

報道被害を生むような不確実なものではない、真実を追求した本書は価値観を変えるに値する見事な一冊である。

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2020年01月23日

購入済み

この現代にも探偵がいた。

現実の事件でありながらまるで探偵小説のようだ。
現代にも探偵はいたんだなと感動した。

冤罪が晴れて出所した人がタクシーの運転手に尋ねる場面ははっとさせられた。
正直自分もタクシー運転手のように報道機関の情報をうのみにし、
無罪になった人を無実だとは思っていなかったのだ。
情報をいい加減に受け取り、勝手な印象で他人を判断していることに気づかされた。

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2019年11月25日

購入済み

この本を読んで。

私は、桶川ストーカー殺人事件 遺言、に続いてこの本を読みました。
前著での感想には、やっとわかった、と書きましたが、もう一つ思った事は、この著者清水さんは警察、或いは暴力団によく殺されなかったなという事でした。
私は過去、殺されかけた事や、硫酸を浴びせてやるという脅迫電話を繰り返し受けた事があります。又、山口県で起きた銀行強盗の犯人達と思われる人々、信者から預かった刀剣を暴力団と思われる人に売り渡し続けた福岡県朝倉郡の僧侶もよく知っています。後者の2つについては、警察に情報提供しましたが、立件される事はありませんでした。又、東京新宿のホテルで高価な時計を盗まれた時も通報した先の新宿署?の警官から、あんた法律をもう少し勉強した方がいいと言われました。私は時計を失くしたと言っているのではない、盗られたと言っているにも関わらず、民事だと決めつけられ、名前を聞いても答えず電話を切られました。他にもありますが、つまり個人的な経験から警察というものに全く信用を置いていない私ですが、この本を読んで私の認識はまだまだ甘いと思わされました。無念が晴らされていない被害者と遺族は一体どれくらいいるのか。
それでも、ジャーナリストと呼ばれる人々の中にも清水さんの様な人がおられるのは、僅かな救いです。
毎日起こる殺人事件。強盗事件。その他。まさに、殺人犯、犯罪者はそこにいる。つまりは非常に身近な存在として存在するのです。私の知る限り、彼らは普通の人間と変わりません。中には前述した僧侶の様に、地域の人達に頼られている人さえいるのです。
ただ、毎日の報道に接していていつも不快に思うのは、被害者と加害者が共に報道される時、双方未成年であった場合、加害者の人権だけが守られる事です。又、飛行機事故の時、亡くなられた方々の氏名を延々と一般公開するのは何故なのか理解に苦しみます。


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2019年02月08日

購入済み

チェイス元ネタ?

Amazonプライムのドラマ チェイスを観ている流れでこの本が、元ネタらしいことを知り読んでみました。
一気に読破。
いまや絶対的なイメージのDNA鑑定も黎明期はかなり怪しい鑑定だったことをしり驚愕。
いや素晴らしいノンフィクション作品でした。

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2018年01月09日

Posted by ブクログ

こんな話が実在してしまうのかと驚いた。
絶対的な正義として認識しがちな警察も、検察も、裁判官も、所詮はただの1人の人間。
気を抜くと、ふと自らが心の拠り所とするストーリーに従って生きようとしてしまう。それによって誰かを貶めることになるとしても。
そうして小さな真実が覆い隠されるその行為が積み重なった結果に、目も当てようもない冤罪事件が発生してしまうのかもしれない。

徹底的に事実とデータ、小さな声に向き合い続け、国家権力に立ち向かってでも、真実を追い求める清水記者のバイタリティとその執念にただただ感服した。

冤罪事件は、多様な形でドラマ化されることがあるが、大概はその主人公は弁護士、または被害者家族であるのが多い。本書のように記者目線で物語が描かれるものはほとんど見たことが無い。
恐らくそれは作品作りにおいて、伝えたいメッセージや想いに対して、「マスコミ」という属性がノイズとして乗ってしまうからなのかなと思う。
清水記者が本書の中でも語る通り、全てがそうではないとしても、やっぱりマスコミは時に過激で陰湿で、醜い、エゴな報道行為を行うことがあり、世間もそういうものだと認識している。
つまり、仮に記者を主人公とした作品を作った場合に、主人公への100%での共感、感動が出来ないからなのだと思う。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

評価を満点にするのは、犯人がつかまってからにしたい。杜撰な捜査、犯人に仕立て上げる。本当に嫌になった。後半はルパンのことに執着してしまったが、ここまで調べるか!と思った。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新刊のときに正体不明の手書き文字のカバーかかっててそれで覚えてた。なんかこのタイトル無駄にエキセントリックで良くないよな中身はすごく良いのに。文学賞授与してフィクションなんだよ的な印象づけするつもりだったのかなと思った。一応、大宅壮一ノンフィクション賞にもノミネートされたみたいだけど。
結局今年の夏も行方不明で捜索中のニュースが流れてて、なんていうかもう色んな要素が含まれてるので簡単にあーだこーだ言えない。

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

足利事件を中心に連続幼女誘拐殺人事件としてのDNA型鑑定の矛盾や冤罪の証明を進めていったドキュメンタリー。まるで推理小説のようだが現実に起こったこと。
ちょうど先日もDNA鑑定のいいかげんさが報道されていたのでこういうことがまだまだあるんだろうなぁ。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

推し芸人さんがおすすめしていたため手に取った1冊。
何となく知っている事件のノンフィクション作品。冤罪事件といえば袴田事件があるが、日本は逮捕されたらほぼ有罪が決まっているようなもの。逮捕率が高いことは大変ありがたいことだが、自分がもし誤認逮捕された時に最後まで無実を訴え続けられるだろうか?誰かが最後まで私の無実を信じて、証明しようと奔走してくれるだろうか?そう思うとゾッとする。
人間は都合のいいものだけを見て、都合の悪いことはなきものにするのは常だが、警察にそれをやられては困る。そして、科学の力は絶対と思われがちだが、必ずしもそうではないとも思う。今のDNA鑑定ならかなりの精度なんだろうなとは思うが…。
客観性が必要な状況でも、公平公正に客観視するのはやはり難しいんだなー。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

この国の政治、司法やメディアに対する信頼はもうないが、著者のようなジャーナリストがいると知れたことが唯一の救い。
何度も現場に赴き、自分の耳で関係者の声を聴く。権力に屈しない、保身に走らないジャーナリストの在り方を教えられた。

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

一番小さい声を聞く

刺身やお肉を食べる時、私はその魚や動物たちを殺すという工程からあまりにも自然と目をそらしている
同時に、死刑という仕組みからも焦点をきちんと当てたことがなかったのだと気づいた
きちんと考えること、考え続けること、正義を凝り固まらせないこと、自分を信じること
今の子供たちがカマボコが海を泳いでいると勘違いしていることを笑えないな

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2025年08月26日

Posted by ブクログ

非常に緻密な取材、現場に足を運び続けることで、長い時間が経っていても改めて見えてくることがあるのだなということは実感される。
DNA鑑定によって犯人であるとされたが改めて鑑定し直すと誤りであった、ということがあるのはなかなかショッキング。
冤罪の可能性がありながら死刑執行された人もいたということだと思うので、個人的には死刑制度には反対だな、と思う。
死刑制度の問題点として冤罪の可能性がどうしてもあること、犯人自身の内に持つ病理みたいなものをちゃんと解明せず、社会にフィードバックができずに事件を終わらせてしまうこと、があるように思う。
影響力の大きな組織にくっつく「記者クラブ」が、その組織の「言い分」を報道する、と言うような構造の問題。「小さな声を聞け」というのはそこへのアンチテーゼ、というか本来の報道の基本なのだろう。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

一時期(かなり前)文庫Xとして話題になっていた本。 こたけ正義感がおすすめしていたので手に取った。 現実の話なのかとゾッとする。 組織、国、規模が大きくなるにつれて、「正しい」犯人を見つけ出し罪を償わせる、ということがこんなにも難しくなるのはどうしようもないことなのか。 犯人(と著者は断定しているし警察もその人を認識している)なのに、捕まえられない。ということが本当に起こるのか。 などなど、、、、自分が突然まったく接点のない罪に問われたら、逃れられなかったらどうしよう、、、と取り留めもなく考えてしまった。

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

つい先日、袴田巌さんの再審無罪が確定したこともあり、本書を食い入るように読んだ。

公的権力による証拠の捏造。
DNA型鑑定も信じきっていたので、とても恐ろしかった。
疑われたらおしまいだと思った。

知らない誰かの言うことに同調して間違ったとしたら、はたして謝れるだろうか。
自分の意思で自分がよいと思うものを選びたい。そして間違ってしまったなら、きちんと「ごめんなさい」を言おう。

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2024年10月31日

Posted by ブクログ

犯人は、まだ捕まっていない…。

そういえばニュースにあった、というくらいの記憶。
無罪が確定した、というのは覚えていますが
一体何があったのか、は。
こういう事件だったのか、と思うと同時に
犯人捕まっていないのか、と。
確かに、もう証拠が古すぎて、というのはあるかと。
そして警察の言い分というかやり方が
どうなのか、とも聞きたいものがあります。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

3.8
常日頃マスメディアにはあまりいい印象を持っていないけれど、ここまで正義感に溢れたジャーナリストがいることにびっくりした。

被害者遺族の「ごめんなさいが言えなくてどうするの」という言葉がグサグサ刺さる。
子どもでも分かるようなことが出来ない大人。警察と司法のクソさに怒りというより虚しさを覚えました。

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2025年08月07日

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