ともぐい

ともぐい

1,925円 (税込)

9pt

明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河﨑流動物文学の最高到達点!!

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ともぐい のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    羆嵐をよんで羆文学に興味を持ち、読んだ。
    熊爪の強者感からの怪我してからの弱って行き方や赤毛に挑む心情描写が良かった
    死に様も私としては納得いった。
    みんな言ってるが顔をやられた人の手当て描写はすごい。これ読まなければ一緒こんな描写読まなかったかもと思う。
    (今年の春前に読んだので思い出しながら感想

    0
    2025年11月02日

    Posted by ブクログ

    前半の狩りの描写や村での人間離れした描写はとても面白かった。
    後半腰を怪我してから陽子を攫う辺りは前半の山に生きる熊爪から人が変わってしまったような気がして、作中の良輔と同じように寂しく感じてしまった。

    0
    2025年08月16日

    Posted by ブクログ

    むせかえるような男臭さのハードボイルド小説。今時こんな生活をしている人はまずいないし、誰が描いても想像力と地道な調査に基づく知識がないとできない仕事。どんな人の作品なのかと思いきや、女流作家の作品ということで驚嘆させられた。序盤の鹿狩りのシーンから圧倒され一気に深い山奥の世界へ引き込まれてしまった。

    0
    2025年06月10日

    Posted by ブクログ

    熊文学という響きから連想するイメージや期待を裏切らず物語が進行していく
    猟師としての行動や思考の過程は、人として生きる我々の範疇からずれているが、本来の動物の一員として生きる本来の姿だろうとも思う
    そして物語は熊文学のジャンルを越えた何かに変容していき、想像していた狩人と獲物との関係といったものとは

    0
    2025年06月01日

    Posted by ブクログ

    愛情という感覚を知らずに育った熊爪の生きざまが興味深かった。
    シンプルでより動物に近い生き方。
    街の人々の混沌とした関係や感情になじまない。
    その素朴さに魅かれ面白がった良輔の気持ちは、よくわかる。

    己の弱さのためだけに、熊として強く立派で素晴らしい赤毛を殺してしまったときの熊爪の気持ちは、言葉で

    0
    2025年06月01日

    Posted by ブクログ

    釧路から西へ10km程離れた白糠(しらぬか)の山中が主な舞台となっている。
    そこに熊爪と称する猟師が、一頭の名の無い猟犬とともに住んでいる。
    熊爪は、銃弾などの必要最低限の物を求めに白糠の人里に下りるが、基本は山中で自給自足の暮らしを送っている。
    唯一人間社会と繋がりを保っているのは、毛皮や鹿肉など

    0
    2025年05月23日

    Posted by ブクログ

    色んな意味で衝撃的な作品だった。
    自然界でも人間界でも弱肉強食と言われるが、本当の強さって何だろうと思った。
    ストーリーもインパクトがあったが、描写も素晴らしい。山の空気や匂い、野獣との死闘の迫力など、読者をこの物語世界へ引き込んで体験させる力があった。

    0
    2025年05月10日

    Posted by ブクログ

    類を見ない小説だった。
    唯一無二。
    私が知っている限りではあるけれど。

    こんなにも「生命」をありありと描写する作家に興味を持った。

    河﨑秋子さんとは、どんな人物だろう。
    調べてみると酪農の家に生まれ育ち、ご自身は羊飼いだったとか。
    納得。

    しかも『ともぐい』というタイトルのイメージ通り、爽やか

    0
    2025年11月17日

    Posted by ブクログ

    人間関係に悩むときに、僕自身も誰もいないところで、誰とも会話しないで過ごしたいと思う時はあるが、実際にそんな生活は自分ではできない。山で一人で生きるという選択は普僕にはできない。主人公の熊爪であっても、生活必需品を得るためには最低限の町との繋がりは必要であり、そこで人間関係も生まれる。不器用で、山で

    0
    2025年11月09日

    Posted by ブクログ

    賢くていいわんちゃんが、終始救い。
    熊にやられて治療する描写が、なかなかにグロくて薄目になりました。

    0
    2025年09月25日

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