清浄島

清浄島

1,980円 (税込)

9pt

風が強く吹きつける日本海最北の離島、礼文島。昭和二十九年初夏、動物学者である土橋義明は単身、ここに赴任する。島の出身者から相次いで発見された「エキノコックス症」を解明するためだった。それは米粒ほどの寄生虫によって、腹が膨れて死に至る謎多き感染症。懸命に生きる島民を苛む病を撲滅すべく土橋は奮闘を続ける。だが、島外への更なる流行拡大を防ぐため、ある苦しい決断を迫られ……。

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清浄島 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月03日

    道立研究所に所属する研究者としての職責と向き合う土橋さんの姿に、今、モヤモヤしている私のパートのお仕事の悩みなど一掃されました。人間の命、愛玩動物の命、野生動物の命、寄生虫の命… 比べることなど意味はなく、ただ、自分のできる最大限を尽くすことしかないのですね。

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    Posted by ブクログ 2023年01月21日

    河崎秋子氏の本を読むときは、身構える。その中身はいつもヘビーで、特に動物を扱うときは、自分にとってやりきれない内容を含むことが多いからだ。そのショック受けた後遺症の元になったのが、ヒグマとペットの犬を扱った『肉弾』だった。そのストレートな描写に打ちのめされた。(いや、『颶風の王』からすでにその強烈な...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月15日

    久しぶりに一気読みしてしまった。それぐらい、次の展開が気になる内容だった。礼文島も根室も訪れたことがあり、描かれている風景が自分の思い出と重なったからかも。主人公はいい人に恵まれているな。

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    Posted by ブクログ 2023年01月14日

    「発展と病は隣り合わせ。人間が活動するかぎり病原体もまた大きな移動をする」「人と物の流れが感染症の拡大を引き起こしてきたことは人類の歴史が証明している」コロナの死者1日で500人超え、過去最悪なのに、また移動奨励GOTO。なんなんだろう…「動物実験でもそうだが、研究の上で殺生は仕方ない。だがそこで何...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月30日

    腹が異様に膨れて死に至る、寄生虫による感染症・エキノコックス症。
    礼文島の地域病とされていたエキノコックスの調査のため、土橋は島に上陸するが、島で生活するうち独自の風習やエキノコックスによる差別などに直面していく。

    エキノコックスについては多分史実の通り描かれてるんじゃないかと思う。
    昭和20年代...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月22日

    大正末期、増えすぎたネズミの対策で千島から天敵たるキツネを礼文島に放つ。

    戦後、腹が膨れる奇病が礼文島にだけ発生。
    エキノコックス症という寄生虫由来の病気。

    道立衛生研究所の土橋は単身、調査に礼文島に行く。

    実話がベースの小説。

    寄生する宿主(動物)を絶てば根絶できるので、礼文島内の終宿主を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月22日

    寄生虫感染症なのに礼文島の風土病とも言われた「エキノコックス症」に対する公衆衛生学者と町議、役場職員の闘いを描いた作品です。
    河崎秋子さん。私はこれまで「次から次に強い文章でたたみ込んで来ます。」「なにせ河崎さんの作品は構えてしまいます。重くて暗い。」などという感想を書いてきましたが、今回はかなり印...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月26日

    北海道に生まれ育った人間はエキノコックスの恐ろしさは子供の頃から何度も言い聞かされてきました。でも最初は礼文島だったなんて、ここ数年で知りました。そのことについて書かれた小説ということで興味を持って読みましたが、ノンフィクションのような作品で読み応えがありました。
    礼文島は本当に美しい島で、キツネも...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月25日

    読書備忘録759号。
    ★★★★☆。

    ドキュメンタリーかと思うばかりの物語でした。
    吉村昭を読んでいるのかと勘違いするくらい。笑

    物語はエキノコックス感染症撲滅に人生を掛けた人々の戦いを描く。

    時は大正。礼文島を山火事が襲う。森林の再生の為に苗木を植えるが植えたそばからネズミが食う。
    ネズミを駆...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年06月17日

    風光明媚な花の島、礼文にこんな歴史があったこと知らなかった。重いストーリーだったが、最初は好感を持てなかった主人公を応援したい気持ちになり、途中からは一気読みしてしまった。

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