夜露がたり

夜露がたり

1,925円 (税込)

9pt

「どいつもこいつも、こけにしやがって」「難儀だね、身内って奴から逃れられないものさ」、追い詰められ女と男は危うい橋を渡ろうとする。「あの場所の生まれでなければ」と呪い、「死んどくれよ」と言葉の礫をぶつけながら、その願いが叶いそうになると惑う。ここに江戸八景の本物がある。「傑作」と呼ぶしかない短篇集。

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夜露がたり のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月30日

    江戸市井物の短編集
    氏の長編が大好きなのだがこれはこれでたいそう面白かった
    通り一遍の人情物と思わせて一捻りがあったりなかったり
    短編集としてのバランスが実に良い

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    Posted by ブクログ 2024年03月04日

    市井の人を題材とする時代小説で、これまでの架空の神山藩の侍とは違っているのですが、砂原さんの文章のファンの方には楽しめると思います。短編集なのですが、8編通して「夜露がたり」ですね。

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    Posted by ブクログ 2024年02月23日

    時代物小説ながら勧善懲悪ではなく、人間の業を肯定する結末に満足できた。人の心の理不尽さを描くことで、登場人物への感情移入を容易にしてくれた。
    8編の中でも「死んでくれ」「さざなみ」「錆び刀」「妾の子」が好みだ。
    砂原浩太朗作品は追いかけていきたい。

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    Posted by ブクログ 2024年04月03日

    江戸の長屋で慎ましく暮らす人々を描いた八篇の短編集。行間に漂う、しめやかな冥さと心の機微が秀逸。恨みつらみに気が鬱ぎつつも、彼らの生への執着や人情に微かな希望が見えた。

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    Posted by ブクログ 2024年03月28日

    市井を描く八篇からなる短編集。
    砂原浩太朗さん、そう来たか!
    長屋に住む人々の物語。
    どういう展開になるのか楽しみにしていた。

    腰高障子を引けば全てが見渡せるほどの狭さ。
    井戸端でのかしましい声。
    全編を通して伝わる、長屋のじとっとした空気が重苦しい。

    「幼なじみ」
    P183
    〈いちど裏長屋に生...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月17日

    江戸下町の長屋に生きる訳ありの人々の姿を通して、人の心のうちにある昏い部分を描き出す8つの短編。
    夫婦、幼馴染、親子、友達、好いた女、昔の男。共に長い時間を過ごしても互いに明かせない思いがある。好きな相手だからこそ言えない思い。相手を思うが故に苦しむ主人公たちのやるせない思いが伝わってくる。
    どうに...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月11日

    市井物の時代短編集。8編「帰ってきた」「向こうがわ」「死んでくれ」「さざなみ」「錆び刀」「幼なじみ」「半分」「妾の子」
    初期のどうしようもなく暗かった頃の藤沢周平を思い出します。
    まあ、砂原さんご自身が「デビュー直後から藤沢周平への私淑を公言していた。」とおっしゃっているので影響を受けているのは間違...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月04日

    冒頭の「帰ってきた」以外は粒揃いで、流石砂原作品は市井ものも面白い。ただ神山藩シリーズのような傑作とも思わなかった。武士(浪人だが)が出てくる「錆び刀」はラストの展開含めやはり面白いので、武家ものがあってると思う。短編タイトルに込められた一筋縄でいかないストーリも良い。

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月01日

    「予想外の展開と結末を堪能できます」とあるが,個人的にはやりきれない結末が多い。

    朝のラジオで紹介されていて読んでみたくなってジュンク堂書店で購入

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    Posted by ブクログ 2024年03月24日

    江戸の市井の
    決して裕福ではない人々の営みを
    ありのまま描きながら
    奇をてらうでもなく
    誰にでもあるような気持ちの裏側を
    さらっと見せるのがうまい。
    情景や人物たちの様子が
    淀みない言葉によって
    ありありと浮かび上がってくるから
    その中へ入り込んでいるような気になる。
    いつまでも過去を引きずってしま...続きを読む

    0

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