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Posted by ブクログ
『高瀬庄左衛門御留書』で山本周五郎賞を受賞した著者のデビュー作。
信長・秀吉・家康とめまぐるしく覇権がが移りゆく時代を潜り抜け、加賀百万石の礎を築いた前田利家、彼を側近として仕えた村井長頼を主人公とした歴史長編。
時に厳しく時に温かい利家と長頼との主従関係の固い絆が語られる。
長頼が問う。
「殿は・・・天下人になりたいと思われませぬので」と。
それに対して利家は
「・・・漢(おとこ)なら、だれしも天下を望もう。・・・だが、わしが目指すのは、天下一のもののふ」と答える。
利家の性格・時代状況のなかでの彼の位置を著す箇所ともいえる。
そして、秀吉と柴田勝家が覇を争う賤ヶ岳での戦いに臨み、どちらに着くか、利家が決断を下す場面は圧巻である。
また、利家の側女であり長頼の妻ともなる「みう」も欠かせぬ存在であり、終盤、利家の正室まつ=芳春院と長頼との会合の場面も読み応えあり。
著者の以降の作品とはまた違った感のある小説。
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