香魚子の作品一覧

「香魚子」の「後宮の烏」「屍介護」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

プロフィール

  • 作者名:香魚子(アユコ)
  • 生年月日:7月30日
  • 出身地:日本 / 熊本県
  • 職業:マンガ家

「あゆこ」と読む。2005年『Us, you and me』でデビュー。作品に『さよなら私たち』、『隣の彼方』、『シトラス』などがある。

配信予定・最新刊

作品一覧

  • 昔の友達
    無料あり

    昔の友達

    少女・女性マンガ

    -
    全1巻0~198円 (税込)
    佳奈は27歳、会社の同僚の瀬古さんに片思い中。ある日、小中学校時代に友達だった麻由が派遣社員として佳奈の会社にやってくる。美人でモテる麻由は再会を懐かしがるが、佳奈は複雑で…?
  • マイ・チートデイ
    無料あり

    マイ・チートデイ

    少女・女性マンガ

    -
    全1巻0~198円 (税込)
    歩美と隆之は結婚して5年の子無し夫婦。絶賛セックスレス中。夫婦喧嘩でムシャクシャした歩美は学生時代の思い出の街に出かけ、昔好きだった男友達と偶然再会してしまい…?
  • エンドロール 単行本版
    完結

    エンドロール 単行本版

    少女・女性マンガ

    -
    全1巻660円 (税込)
    大学3年の夏、本多綾乃と仁志拓真は出会った。華やかな美人の綾乃は大学の有名人。仁志は映画監督志望でプライドの高いオタク。相性最悪のふたりに待ち受ける、想定外の未来とは――? ※「エンドロール」1~8巻をまとめて収録したものです。重複購入にご注意ください。
  • 屍介護【分冊版】 1
    無料あり

    屍介護【分冊版】

    少年・青年マンガ

    5.0
    1~32巻0~88円 (税込)
    扉の向こう、ベッドに横たわる、その姿は――。 人里離れた山奥に建つ、とある洋館。 新人ヘルパーの栗谷茜は、寝たきりの屋敷の主人「妃倭子さん」への住み込みでの介護を行う為、屋敷へ訪れた。 これまでの環境から心機一転。不安を抱きつつも希望を胸に妃倭子と対面した茜が目にしたもの……それは、 腐臭を放ち、肌が変色し、顔に麻袋を被せた 『死体』にしか見えない妃倭子の姿と、 明らかに異常なその介護の内容だった――…。 角川ホラー文庫原作、戦慄の介護ホラー奇譚、開幕。分冊版第1弾。 ※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
  • 屍介護 1
    完結

    屍介護

    少年・青年マンガ

    4.0
    全3巻770~1,001円 (税込)
    扉の向こう、ベッドに横たわる、その姿は――。 人里離れた山奥に建つ、とある洋館。 新人ヘルパーの栗谷茜は、寝たきりの屋敷の主人「妃倭子さん」への住み込みでの介護を行う為、屋敷へ訪れた。 これまでの環境から心機一転。不安を抱きつつも希望を胸に妃倭子と対面した茜が目にしたもの……それは、 腐臭を放ち、肌が変色し、顔に麻袋を被せた 『死体』にしか見えない妃倭子の姿と、 明らかに異常なその介護の内容だった――…。 角川ホラー文庫原作、戦慄の介護ホラー奇譚、開幕。
  • 春と嵐 分冊版 1
    完結

    春と嵐 分冊版

    少女・女性マンガ

    -
    全8巻132円 (税込)
    つぼみは高校2年生。1年生のときの担任教師に片想い中! 同クラの矢吹風馬が先生の従弟だと知り取り次いでもらおうとするが、学校イチのイケメンの風馬は想像を絶するひねくれ者で…!? 胸キュン連発のツンデレLOVE!
  • エンドロール 1
    完結

    エンドロール

    少女・女性マンガ

    3.7
    全8巻110円 (税込)
    大学3年の夏、本多綾乃と仁志拓真は出会った。華やかな美人の綾乃は大学の有名人。仁志は映画監督志望でプライドの高いオタク。相性最悪のふたりに待ち受ける、想定外の未来とは――?
  • 香さんは勝ちたくない 京都鴨川東高校将棋部の噂

    香さんは勝ちたくない 京都鴨川東高校将棋部の噂

    ラノベ

    4.5
    1巻682円 (税込)
    京都鴨川東高校に入学して調理部に入部した鈴木直は、将棋部で「王様」と呼ばれる東香に対局で勝てばつきあえるという噂を聞く。その勝負は校内で“交際対局”と呼ばれ、挑戦者が絶えないらしい。実は香は直の初恋の人で直に将棋を教えてくれた人でもある。が、小5のとき、香のある一言がきっかけで直は将棋をやめてしまった。もう彼女と関わることはないと思っていたが、噂にひどい尾ひれがついていることを知った直は、ある決意をした。『僕が予約していいですか? 明日から東先輩が卒業するまで』――調理部も漫研希望者も元柔道部も、みんな将棋部部室に集合! 運動部でなくても、青春はどこまでもまぶしい!!
  • 花は愛しき死者たちのために

    花は愛しき死者たちのために

    小説・文芸

    4.0
    1~2巻682~748円 (税込)
    「エリス、ほらご覧。また君のために人が死んだ」――硝子の棺に横たわる死せる美少女エリス。彼女は決して腐敗せず、いつの頃から存在するのかもわからない。棺は、黒装束の男に運ばれ、エリスは時代も国も超えてその姿を見せる。ある時は親を知らない墓守の青年の前に。またある時は友人の美貌に複雑な思いを抱く少女の前に。彼らはなぜ、エリスに惹かれてしまうのか? さらにある成金貴族の息子は、エリスのための“秘密の集い”にのめり込んでしまう。その先に、破滅が待ち受けているとも知らずに……。2021年集英社ノベル大賞準大賞受賞作!
  • 後宮の烏

    後宮の烏

    小説・文芸

    4.6
    1~7巻616~682円 (税込)
    後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという――。時の皇帝・高峻は、ある依頼のために烏妃のもとを訪れる。この巡り合わせが、歴史を覆す「禁忌」になると知らずに。 【目次】翡翠の耳飾り/花笛/雲雀公主/玻璃に祈る
  • 春と嵐 1
    完結

    春と嵐

    少女・女性マンガ

    4.3
    全2巻484円 (税込)
    つぼみは高校2年生。1年生のときに担任だった三宅先生に片想い中! バレンタインに渡すつもりだった手編みのマフラーは7月になってようやく完成。まもなくやってくる先生の誕生日に渡したいけどあいにくその日は日曜日…。同クラの矢吹風馬が先生の従弟だと知り取り次いでもらおうとするが、学校イチのイケメンの風馬は、想像を絶するひねくれ者で…!? 胸キュン連発のツンデレLOVE。
  • 秘密の花園でお茶を

    秘密の花園でお茶を

    小説・文芸

    4.7
    1巻726円 (税込)
    そこは―百花繚乱、色とりどりの花が咲き乱れる緑の王国だった。住宅街にひっそりと隠れ家のようにあるカフエ。その庭はまるで「秘密の花園」のよう。道端で気分が悪くなり、同級生に兄の店だと連れてこられた高校一年の滝川英美里は、庭に魅せられ、優しく微笑んで迎えてくれた美青年の店主に、誰にも言えない悩みを打ち明ける。美しい庭の花とあふれる香り、甘いお菓子で訪問客を癒す、目にも心にもやさしい物語。
  • 霜月先生の甘くない恋愛講座 1
    完結

    霜月先生の甘くない恋愛講座

    少女・女性マンガ

    4.6
    全2巻543円 (税込)
    勉強と同じように恋愛にもコツがある!? 成績優秀だけど、超絶モテない愛理。彼氏ができない理由がわからなくて、猛烈に悩み中…! そこに現れたのは、家庭教師の霜月先生。イケメンで優しく、モテるという噂を聞き、愛理は恋愛相談をするけれど、先生のアドバイスは超毒舌! だけど先生の言葉には、優しさが隠れているような…やっぱり無いような…!?
  • きみとユリイカ 1
    完結

    きみとユリイカ

    少女・女性マンガ

    3.3
    全4巻543円 (税込)
    ひとり暮らし中の女子高生、麻衣の家に突然やってきたのは“亘理”と名乗る男の子だった。北欧帰りの天才少年、だけどなんだか不思議でマイペースな亘理くんと麻衣は一緒に暮らすことになって!? キュートであたたかなふたりの同居生活がはじまります!
  • 号泣

    号泣

    小説・文芸

    2.8
    1巻550円 (税込)
    「ねぇ、知ってる? 日本の女子高生って――。」進学校として知られる天智高校。春休みのある日、人気者だった春日井奈々が校舎から転落死する。自殺と思われたが、転落前、彼女の背後に人影を見たという証言もあり……。奈々が所属していた部活は、部員の名前に偶然、春・夏・秋・冬の文字があることから「四季の会」と呼ばれ、憧れる生徒も多い。だが、奈々の死後、部員たちに異変が起きて…。危うく儚い青春ミステリー。
  • うぬぼれハーツクライ 1
    完結

    うぬぼれハーツクライ

    少女・女性マンガ

    3.0
    全2巻543円 (税込)
    かわいいのに彼氏はいたことなし、自分磨きと恋愛テクニックに夢中でうぬぼれ屋のゆり。自分にふさわしい彼氏をゲットするため、容姿端麗・文武両道、剣道部の綾倉くんにアタックするものの冷たくあしらわれてしまい…。いたくてかわいい、うぬぼれ小悪魔の恋の行方は!?
  • シトラス 1
    完結

    シトラス

    少女・女性マンガ

    3.9
    全2巻543円 (税込)
    少女たちが経験する挫折と成長の青春ストーリー。 小さな町・木ノ戸町でまっすぐに育ってきた志保は今年で中学3年生。ピアノを弾くのが大好きで将来の夢はこの町にピアノ教室を開くこと。そんな志保のクラスに美少女・奈七美が東京から転校してくる。奈七美との出会いで志保のすべてが変わりはじめる。
  • もう卵は殺さない
    完結

    もう卵は殺さない

    少女・女性マンガ

    3.8
    全1巻543円 (税込)
    物語のワンダーランドへようこそ。香魚子の誘う4ストーリーズ。 「きょうはなんの日」 ホワイトデーのちいさな期待と哀しみと。 / 「茉莉花にくちなし」 幽霊になった、だいっきらいなあの子は…。 / 「亘理くんとふれたなら」 雪の季節に孤高の天才少年と暮らした3週間。 / 「もう卵は殺さない」 夢を追ってたあの頃の私へ─。描かれなかった「主人公」への鎮魂歌。
  • 隣の彼方
    完結

    隣の彼方

    少女・女性マンガ

    4.2
    全1巻543円 (税込)
    本当の友だちが欲しい、好きな人を振り向かせたい。誰もが日常の中で抱える願いを、独自の視点から描き出した繊細な4編を収録。 【収録作品】ノストラダムスと榊くん/ひみつみっつ/隣の彼方/Keep a diary
  • さよなら私たち
    完結

    さよなら私たち

    少女・女性マンガ

    4.0
    全1巻543円 (税込)
    物語の舞台は近未来、死後の世界、あるいは何の変哲もない現代。待ちかまえる運命は時に幸福で、時に残酷で。そんな不条理の中を生きる、少女たちの切実な想いを描いた5編を収録。 【収録作品】時をかけるまえに/おとうとくん/失恋ファミリーレストラン/Us,you and me/さよなら私たち
  • 伯爵と妖精 1
    完結

    伯爵と妖精

    少女・女性マンガ

    3.9
    全4巻543円 (税込)
    19世紀イギリス、妖精が見える少女リディアは亡き母の後を継ぐべく、妖精博士の看板を掲げ修行中の身。しかし、周りには変人扱いされるばかりの日々。 そんな中、大学教授の父親に呼び出されロンドンへ向かうが、その途中不思議な宝剣をめぐる争いに巻き込まれる。 妖精国の領主、青騎士伯爵の末裔を名乗るエドガーに宝剣探しを依頼されるリディア。でも、エドガーは強盗殺人犯の疑いがあって…!?
  • 魔法使いの心友 1
    完結

    魔法使いの心友

    少女・女性マンガ

    4.0
    全2巻543円 (税込)
    楠そよは、目立たないが自他共にみとめる「いい子」としてすごす中学2年生。生徒会長で人気者の涼平先輩に憧れを抱いている。しかし、万能だけど空気が読めない美少女・魔美坂リサが転校してきてから、そよの生活は一変する。実はリサは魔界から、ある目的のためにやってきた魔女だった! リサの手助けをすることになったそよは、初めて知る自分の感情に直面していく。そして、そよは魔女の親友になれるの…?

ユーザーレビュー

  • 後宮の烏6

    Posted by ブクログ

    物語はいよいよ“結び”に差し掛かっていく。
    (念の為――ネタバレではないものの、概要含め核心部に触れる記述もあり。前回同様ご容赦を)

    それにしても今巻、シリーズ中最も緩急の激しい回であったかのように思える。いわばジェットコースターのような感覚。一気に空気が張り詰めたかと思えば、不意に弛緩と共に感泣を誘うような場面へと展開もする。
    これがクライマックスへの序章かと言葉もない。

    これまで「烏妃」として関わるべくもなかった者たちの存在――かつて禁忌と断じられていた他者との“つながり”。それらが一連の騒動(これが緩急を生むのだが)の狭間にあってより意味を深め、予期せぬ感泣を誘う。
    寿雪を愛おしく想う者たちとの“つながり”。それが“日常”の尊さ、その価値をより高めていく。
    それは無論、当の寿雪の心にもそれ以上のものとして宿りゆくのかもしれない。それを思うからこそ感慨もより深まっていくのだろう。

    「烏妃」である寿雪が予てより強いられてきた禁忌。それを葛藤の中で破りながらも、培ってきた――寿雪当人としては“図らずも”と言わざるを得ないところもあるのだが……――人々との“つながり”。その“つながり”が、今此処で“寿雪を必死に救い守るため”にと人々を動かす源泉になっている。
    「因果応報」――寿雪の心根がもたらし撒かれた種。それらが芽吹き様々な形をもって花を咲かせ、その豊潤な色香を伴って寿雪の元に還るさま。それを見て心が波立たぬは嘘であろう。
    例を挙げればキリはないが、とりわけ“束の間の日常を取り戻した”寿雪に対しての「花娘」の振る舞い(心遣い)には、殊の外鳥肌が立つほどの感情に“身悶え”もした。

    更にはそれらの様を綴る筆致だ。こと更押し売るでもなく“さらり”としているあたり、品と共に妙を感じさせるのだが、この品と妙がいわばこの巻での肝にもなるようだ。
    また“結実”という意味では、一貫して物語の隅々に至るまで丁寧かつ緻密に描くことを徹してきた手法が、ここにきてより功を奏し“効いて”いると感じさせる。
    物語が大きく動き出す中にあって、登場人物の人柄/為人、そして心情の機微などを子細に描いてきたことが、各々の“行動原理”を読みやすくしている。つまり、彼らが寿雪のために『なぜ』“動く”のか。その『なぜ』、行動を促す“背景”=根源/原動力が明確に見えてくるからだ。
    手に取るようにその“なぜ”が分かるからこそ、感情移入もしやすくなるし、感慨深さも一層増す。
    まさに描写の緻密さが生む功績だ。

    いよいよ物語は最終局面を迎えていく。

    0
    2026年10月26日
  • 後宮の烏5

    Posted by ブクログ

    遂に5巻だ。
    軽重にかかわらず、此処まで悲喜交交の経験/経緯を経て、「烏妃」を背負う寿雪、そして彼女に関わる人々の命運が、いよいよ佳境へと誘われていく。
    物語は最終局面へと。大きなうねりを伴って動き出す。

    『取捨択一』――何かを選ぶということは何かを捨てるということ。全てをもっては征けぬ。その覚悟を持たなければならない、と……。

    ひとりであること――人と関わらぬことを余儀なくされてきた「烏妃」としての寿雪ではあったが、否応なく人との関わりを知ることになる。それによりこれまで“ひとり”であった頃には有りもしなかった類の「苦悩」「不安」「喜び」「慈しみ」「憤り」「悲しみ」「淋しさ」「嫉妬」そして「愛」を知ることになる。ただそれらの感情は「烏妃」としてではなく彼女自身の内面と向き合うことに他ならない。それはつまり芽生えゆく“自我”を意味する。
    更にはそれが“世”に変化をもたらすトリガー(銃爪)にもなること(それは懸念/憂慮でもあった)を、いよいよこの5巻では語っていく。

    彼女の中に生まれた「感情」や「想い」。それらは蓄積された“経験”の中で育まれたものだ。
    ただし、そのことが「寿雪」だけに関わる事柄ではないのもこの物語の要。世の激動をも意味している。
    とりわけ寿雪、そして彼女を“想う”高峻――「冬の王」と「夏の王」であるふたり――に課せられた宿命(もしくは“責務”とも言えるのかもしれない)に係るからこその“えにし”である。

    作者の筆致はなおも丁寧で、ともすれば“細かい”。ただそれこそがこの“ファンタジー”――中華幻想譚――をより確かな、リアルなものにしている。
    作者が懐き、事の始まりより秘めるべく“理”が、物語に生きる一人ひとりの意志を介してより明白なものに、そして物語をより肌身に触れる感覚で震撼させていく。

    さて物語は遂に終焉に向かっていく。楽しみと淋しさを、今、私は心の中に宿している。

    0
    2026年10月22日
  • 後宮の烏

    Posted by ブクログ

    アマプラのアニメから知りこの世に未練を残した魂を海へと渡らせる主人公の寿雪や周りの人々の心理描写が細かく描かれていて本当に面白いです。

    0
    2026年09月19日
  • 後宮の烏4

    Posted by ブクログ

    ※予め断わりを。毎回「ネタバレ」はしないようにと心掛けてはいる。ただシリーズも重なると中々難しいものだとも感じながら書いている。

    ***********

    シリーズ4作目。
    無論、3作目を受けての続編であることは言うまでもないが……
    例えばシリーズ全体で見るなら①②が「起」、それに継ぐ③④は「承」という雰囲気を醸す。ただ同じ「承」であっても“緩急”で分けるなら③に対し④は“緩”に相当するだろうか。だからと言って“中だるみ”を意味するものでは当然ない。物語の構成として“あるべき”―より効果的かつ意義深い―道筋という役割(重要性)は充分なほど感じられる。そしてこれを境に物語は大きく動くだろうことも予感させる。まさに「転」への架け橋だ。

    緊張と緩和。それが程よい配分で描かれているという感覚の中、とりわけ今回は「寿雪」のよりパーソナルな部分―心情であったり性格であったり―に重きが置かれ、寿雪の人柄という点で特に楽しませてもらったという印象が強い。
    勿論、寿雪に関わる重要な出来事―事件―も起こる。そのことを通して “「烏妃」とは” という大きな命題にも一歩踏み込むことにもなる。ただ事の重大さを測るように、寿雪の揺蕩う想いにも大きな変化が生まれ、その絶妙な描写に深い共感/共鳴を覚えていく。

    個人的な話にはなるが、恐らくここまで―シリーズ中、一番笑った回かもしれない。それは偏に寿雪が本来持つ「烏妃」ではなく一人の少女としての人間性―“本質”に魅せられたということに他ならないとも言えるのかもしれない。
    寿雪が経験していく、「烏妃」としてこれまで有り様もなかった他者との関わり。その機会が質量共に増すたびに、緩やかに綻ぶ“宿命の殻”。
    ただ一方で寿雪が「烏妃」として抱き、抱かれる“恐れ”“不安”“悲哀”或いは“憤怒”そして“憂い”もまた、望まれる“願い”と共にまろび動き出す。

    第4巻。キレ味を増す筆致―心の内にみせるその微細な動きすらも逃さず丁寧に、そしてよりきめ細やかな表現で捉えていく―が、寿雪のそして係る人々の運命の導きを彩り豊かに描き綴っていく。

    0
    2026年09月12日
  • 後宮の烏3

    Posted by ブクログ

    そもそもはTVアニメから嵌ったこの「後宮」シリーズ(1巻〜2巻までの内容は放送回として配信中)。原作を①〜⑦まで纏めて“箱買い”するほどの心酔――入れ込み様ではあったが、結果として原作小説はアニメ以上の質感。ここ(3巻)まで一気に(実質4日で)読み切ってしまった。

    前作までの感想でも書いてはいるが、①〜②に関しては主人公である烏妃「寿雪」を中心とした、彼女に関わる人たちの為人を、後宮内で起こる摩訶不思議な事件に絡めながら、或いは切っ掛けに、寿雪との関係性も含め緻密に描き切っていく譚。つまるところ「紹介」を踏まえた“序章”、と言えなくもない。
    彼女たちの諸々の素性や気質に触れ、深く知るたびその魅力に気付かされ、そして惹かれていく。
    それはまさにこのシリーズを更に読み進めていく上で必要不可欠な“下地”を、読者に積ませているという感覚でもあろうか。無論この3作目を即座に手にした時点で、かく言う私もしっかりと“地ならし”――完全に魅了――されてしまった証なのだろう。

    さて肝心の今作だが……少しばかりテイストが変わったと感じさせる。それは決して悪い意味ではない。謂わば新たなフェーズに差し掛かったという印象だ。
    例えば「寿雪」とは何者――本来のあるべき姿、どうあるべき者なのか。なぜ“烏妃”として選ばれたのか。幾多の謎めいたものが彼女にはいまだ秘められている。それらを穿ち、解き明かすべく物語も進んでいくだろうことを期待させる――このままでは終われない。留まり続けることは不可避であることを予期させ、意味し、新たな段階に入ったという布石を匂わせる。
    まさに物語の“スケール感”が変わったという感覚だ。

    そして勿論、“面白さ”はそのまま変わることなく、作者が拘る“理”に従い、神秘的かつ圧倒的中華幻想譚は綴られていく。

    0
    2026年09月12日

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