香魚子の作品一覧
「香魚子」の「後宮の烏」「屍介護」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「香魚子」の「後宮の烏」「屍介護」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
「あゆこ」と読む。2005年『Us, you and me』でデビュー。作品に『さよなら私たち』、『隣の彼方』、『シトラス』などがある。
少女・女性マンガ
少年・青年マンガ
少女・女性マンガ
ラノベ
少女・女性マンガ
小説・文芸
Posted by ブクログ
※予め断わりを。毎回「ネタバレ」はしないようにと心掛けてはいる。ただシリーズも重なると中々難しいものだとも感じながら書いている。
***********
シリーズ4作目。
無論、3作目を受けての続編であることは言うまでもないが……
例えばシリーズ全体で見るなら①②が「起」、それに継ぐ③④は「承」という雰囲気を醸す。ただ同じ「承」であっても“緩急”で分けるなら③に対し④は“緩”に相当するだろうか。だからと言って“中だるみ”を意味するものでは当然ない。物語の構成として“あるべき”―より効果的かつ意義深い―道筋という役割(重要性)は充分なほど感じられる。そしてこれを境に物語は大きく動くだろうことも予感させる。まさに「転」への架け橋だ。
緊張と緩和。それが程よい配分で描かれているという感覚の中、とりわけ今回は「寿雪」のよりパーソナルな部分―心情であったり性格であったり―に重きが置かれ、寿雪の人柄という点で特に楽しませてもらったという印象が強い。
勿論、寿雪に関わる重要な出来事―事件―も起こる。そのことを通して “「烏妃」とは” という大きな命題にも一歩踏み込むことにもなる。ただ事の重大さを測るように、寿雪の揺蕩う想いにも大きな変化が生まれ、その絶妙な描写に深い共感/共鳴を覚えていく。
個人的な話にはなるが、恐らくここまで―シリーズ中、一番笑った回かもしれない。それは偏に寿雪が本来持つ「烏妃」ではなく一人の少女としての人間性―“本質”に魅せられたということに他ならないとも言えるのかもしれない。
寿雪が経験していく、「烏妃」としてこれまで有り様もなかった他者との関わり。その機会が質量共に増すたびに、緩やかに綻ぶ“宿命の殻”。
ただ一方で寿雪が「烏妃」として抱き、抱かれる“恐れ”“不安”“悲哀”或いは“憤怒”そして“憂い”もまた、望まれる“願い”と共にまろび動き出す。
第4巻。キレ味を増す筆致―心の内にみせるその微細な動きすらも逃さず丁寧に、そしてよりきめ細やかな表現で捉えていく―が、寿雪のそして係る人々の運命の導きを彩り豊かに描き綴っていく。
Posted by ブクログ
そもそもはTVアニメから嵌ったこの「後宮」シリーズ(1巻〜2巻までの内容は放送回として配信中)。原作を①〜⑦まで纏めて“箱買い”するほどの心酔――入れ込み様ではあったが、結果として原作小説はアニメ以上の質感。ここ(3巻)まで一気に(実質4日で)読み切ってしまった。
前作までの感想でも書いてはいるが、①〜②に関しては主人公である烏妃「寿雪」を中心とした、彼女に関わる人たちの為人を、後宮内で起こる摩訶不思議な事件に絡めながら、或いは切っ掛けに、寿雪との関係性も含め緻密に描き切っていく譚。つまるところ「紹介」を踏まえた“序章”、と言えなくもない。
彼女たちの諸々の素性や気質に触れ、深く知るたびその魅力に気付かされ、そして惹かれていく。
それはまさにこのシリーズを更に読み進めていく上で必要不可欠な“下地”を、読者に積ませているという感覚でもあろうか。無論この3作目を即座に手にした時点で、かく言う私もしっかりと“地ならし”――完全に魅了――されてしまった証なのだろう。
さて肝心の今作だが……少しばかりテイストが変わったと感じさせる。それは決して悪い意味ではない。謂わば新たなフェーズに差し掛かったという印象だ。
例えば「寿雪」とは何者――本来のあるべき姿、どうあるべき者なのか。なぜ“烏妃”として選ばれたのか。幾多の謎めいたものが彼女にはいまだ秘められている。それらを穿ち、解き明かすべく物語も進んでいくだろうことを期待させる――このままでは終われない。留まり続けることは不可避であることを予期させ、意味し、新たな段階に入ったという布石を匂わせる。
まさに物語の“スケール感”が変わったという感覚だ。
そして勿論、“面白さ”はそのまま変わることなく、作者が拘る“理”に従い、神秘的かつ圧倒的中華幻想譚は綴られていく。
Posted by ブクログ
『後宮の烏』2
当たり前のことを書くようだが、素直に①から読むことがお勧めとなるのだろう。
主人公は勿論のこと、脇を固める主要な登場人物の為人(背景など含めた)。そして物語の進行と共に生じるそれぞれが互いに抱く“関わり”への機微――絶妙に描かれる距離感や心情の変化など。今後の展開における基盤/基軸となる重要な要素が、①〜②を通して緻密に組み込まれていく。
因みにTVアニメでの放映はこの2巻までで終了している(この先についての予定はない)。それはすなわち物語として、ひと区切り(この先に噺が続くとしても)付くということを意味してもいる。
(※2巻までの主だった感想は1巻の方に纏めて記す)
余談ではあるが、実際③からは少しだけ“スケール感”――微妙ではあるが話のテイストが変わってくる。新たなフェーズ――本質的なことは何も変わらないが――に入ったという印象を受ける。
Posted by ブクログ
全7巻をまとめ買い。
元々この作品を知らないわけではなかった。
書店に赴けば、大概“面陳”或いは“平積み”扱い。人気小説であることを伝える。
ただ、いわゆる「中華ファンタジー」というものに些か苦手意識があり、中々手にすることもなく……。
ところが切っ掛けは不意に訪れる ―これまでにはない経緯で。それがTVアニメ。原作を読まずにはいられなくなるほどに、その世界観 ――物語に魅了されてしまう。
そして実際に原作を読み、その魅力がアニメ以上に艷やかであったことを目の当たりにする。
作者が綴る言葉、その描写―文章が放つ力は絶大にして巧妙。映像からでは知り得なかった繊細かつ圧倒的な“リアリティ”へと導く。
物語の面白さはもとより、そこに描かれる背景、心理、情景の緻密さが、物語をよりリアルで手応えのあるものに仕上げている。そしてその妙技が止めどない没入感へといざなうのだ。
例えば「物語」というものは、より具体的かつ鮮明にその描写を練り上げていくと、それが緻密であればこそそこに確固たる「理」が存在しない限り、何処かで“ほつれ”/破綻を迎える――それはファンタジーであっても同様――と感じている。
しかしながらこの物語には、その兆しすらも見当たらない。丁寧にすべてを描き切っている。
まさにそれこそがこの作品の凄みであり、“核”なのだろう。
優美で、そして謎めく「後宮」。そこに生きる者たちの喜怒哀楽――人の情、或いは“温もり”に溢れるその“様”を描く物語。
作者が作品に注ぐ揺るぎない「理」――その芯に支えられるからこそ、生き生きと浮かび上がる数多の情景。
表紙の扉を開いた瞬間から広がる「中華幻想譚」。まさに文字通り巧妙に仕掛けられた不思議な術で、“図らず”も私の心は絡め取られ惹き込まれていく。
まずは全7巻のうち①と②。気が付けばあっという間に読み切っていた。