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後宮の奥深くに住みながらも夜伽をしない特別な妃、「烏妃」。彼女は不思議な術の使い手で、頼まれれば依頼者の差し出す代償と引き換えに、呪殺、祈祷、失せ物探しと何でも引き受けてくれるという。そんな彼女のもとへ、あるとき皇帝がやってくるところから始まる、中華風ファンタジー兼ライトミステリー小説。
コバルト文庫出身の作家だからなのか、少女小説のような雰囲気もあってとても読みやすいです。硬質な烏妃の姿と言葉が非常に印象的で、美しい表紙イラストと相まって、あっという間に本の世界に引き込まれます。また、どの巻も連作の短編で構成されており、いずれのお話も謎解き短編として充分楽しめますが、共通して描かれる烏妃と皇帝のささやかな交流が二人の孤独をかえって際立たせているようで、大きな伏線と思われる二人の関係とそれにまつわるさまざまな謎とともに、先が気になってつい読み進めてしまいます。個人的には、衣装や風景を表現する作家の文章力を強くアピールしたい! ぜひ読んでみてください。
続編を求む
何となく、あらすじを読んだら「夜伽をしない妃」に惹かれて購入し読みました。
どちらかと言えば期待もそこまでなかったのですが、最初からガッツリ掴まれました。
読み進めていく中、情景が目に浮かび、言葉の使い方もとても美しかった。
内容もとても読み応えがあり、読むのがこんなに楽しかったのはいつ振りだろうか?というのがざっくりとした感想です。
本当に続編を書いて頂きたい。
Posted by ブクログ
全7巻をまとめ買い。
元々この作品を知らないわけではなかった。
書店に赴けば、大概“面陳”或いは“平積み”扱い。人気小説であることを伝える。
ただ、いわゆる「中華ファンタジー」というものに些か苦手意識があり、中々手にすることもなく……。
ところが切っ掛けは不意に訪れる ―これまでにはない経緯で。それがTVアニメ。原作を読まずにはいられなくなるほどに、その世界観 ――物語に魅了されてしまう。
そして実際に原作を読み、その魅力がアニメ以上に艷やかであったことを目の当たりにする。
作者が綴る言葉、その描写―文章が放つ力は絶大にして巧妙。映像からでは知り得なかった繊細かつ圧倒的な“リアリティ”へと導く。
物語の面白さはもとより、そこに描かれる背景、心理、情景の緻密さが、物語をよりリアルで手応えのあるものに仕上げている。そしてその妙技が止めどない没入感へといざなうのだ。
例えば「物語」というものは、より具体的かつ鮮明にその描写を練り上げていくと、それが緻密であればこそそこに確固たる「理」が存在しない限り、何処かで“ほつれ”/破綻を迎える――それはファンタジーであっても同様――と感じている。
しかしながらこの物語には、その兆しすらも見当たらない。丁寧にすべてを描き切っている。
まさにそれこそがこの作品の凄みであり、“核”なのだろう。
優美で、そして謎めく「後宮」。そこに生きる者たちの喜怒哀楽――人の情、或いは“温もり”に溢れるその“様”を描く物語。
作者が作品に注ぐ揺るぎない「理」――その芯に支えられるからこそ、生き生きと浮かび上がる数多の情景。
表紙の扉を開いた瞬間から広がる「中華幻想譚」。まさに文字通り巧妙に仕掛けられた不思議な術で、“図らず”も私の心は絡め取られ惹き込まれていく。
まずは全7巻のうち①と②。気が付けばあっという間に読み切っていた。
読み終わったら、ほーっと、感動のため息が溢れました。
久しぶりに、内容の濃い、引き込まれる小説に出会いました。
まだ、1巻目なので、これからが楽しみです。
2人共、抱えている物が重すぎる。
奥行きの深い話ですね。
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