箱男(新潮文庫)

箱男(新潮文庫)

737円 (税込)

3pt

ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。(解説・平岡篤頼)

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箱男(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    序盤で物語に引き込まれるが、この展開と結末を予想できる読者はいないだろう

    登場人物は自分と看護婦と医者の3人、終盤に女教師が出てきて構成が大転回する

    0
    2025年11月18日

    Posted by ブクログ

    匿名性、断章構成、贋、写真など
    安部公房らしさが盛り込まれた作品だと思う。
    何度読んでも不思議な気持ちになる。
    覗いているのか覗かれているのか。
    本物なのか贋物なのか。
    現実なのか非現実なのか。
    ノートを書いているのは誰なのか。

    0
    2025年10月17日

    Posted by ブクログ

    ずっと面白いが、正直言って全体としては意味不明。
    以下はなんとか整合をつけようとしたもの。覗くという行為は世界の中の対象に価値づけをすることであり、そうして初めて世間は成立する。つまり、覗かれることなしには世間、ましてや時空間が成立しない。一方、そのような視線で覗かれることは嫌悪を惹起するものでもあ

    0
    2025年08月28日

    Posted by ブクログ

    7年ほど前に読んで再読。まったく覚えてなかった。
    プロットのしっかりしたストーリーではなく、後半にかけてどんどん崩れていく。前衛的。
    感想が難しいけど、とても面白かった。箱男と同じ年に出版されたのが、重力の虹であることに驚いた。

    0
    2025年05月09日

    Posted by ブクログ

    読み終わるのに時間が掛かったけどすっっごかった。

    虚実が入り乱れるし、かなり観念的なんだけど、ぐいぐい引き込まれながら読んだ。

    何にも縛られない、本当の意味での自由を求めると外に開くのではなく、内に篭もり孤独を選ぶしか無いというやるせなさ。

    箱男は浮浪者と違い、社会から離脱した(自ら社会を捨て

    0
    2025年04月30日

    Posted by ブクログ

    東京の映画館でポスター 安部公房だよと教わる 年末年始 3冊貸してくれた中で1番読みにくいと聞いてあとまわし 読んでみると進む進む 今まで借りた本の中で今何ページ読めたかなーって気にすることが1番なかった本だった 1週間ちょっとのきゅーばんだけで読み終ったのでは? 映画も観てみたかったという気持ちと

    0
    2025年02月06日

    Posted by ブクログ

    映画がベルリン国際映画祭へ招かれたと耳にし、十数年振りの再読。段ボール箱を被って町中を徘徊する時点で奇異。そして贋箱男や看護婦との目まぐるしい遣り取り。いや、遣り取りはシンプルだが構成が躍動的でラストは置き去りにされる。読者置き去り小説であり、命題に至っては難題としか言い様のないテーマ。40年近く前

    0
    2024年11月04日

    Posted by ブクログ

    ダンボール箱に入って隙間から外の世界を覗き見る箱男が、複数人の視点から描かれている。途中から誰が箱男なのか、誰視点で書かれているのかが難解でわからなくなってくる。
    見られることなく、覗き見たい…という欲求や、
    普通の人間が箱男になってしまった経緯や、
    浮浪者というか落伍者から見た世間や
    みんな箱男の

    0
    2025年02月20日

    Posted by ブクログ

    なんだ…この作品は…
    ずっと、ずーーーっとよく分からないまま、そのまま読み続ける。しかし分からないからと言っても、決して途中で本を投げ捨てる訳でも無く、いつか分かる時が来るのか…ただただ字を読む。常に「私は誰?…ここは何処…?」状態。また別の感覚で表現するならば、万華鏡のような物から本の世界観を見て

    0
    2025年01月10日

    Posted by ブクログ

    かなりアクロバティックな構造の小説。
    特に後半は完全には理解できていないけども、小説という枠組み自体が箱人間の箱の内側に書かれた記録であり、またその中身の人間自体が入れ替え可能であるとすると、それは究極的には近代が自明のものとしてきた自我を深く疑うことに繋がってきそうだ。本物の自分とは?と、考え出す

    0
    2024年12月26日

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