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ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。(解説・平岡篤頼)
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Posted by ブクログ
序盤で物語に引き込まれるが、この展開と結末を予想できる読者はいないだろう 登場人物は自分と看護婦と医者の3人、終盤に女教師が出てきて構成が大転回する
匿名性、断章構成、贋、写真など 安部公房らしさが盛り込まれた作品だと思う。 何度読んでも不思議な気持ちになる。 覗いているのか覗かれているのか。 本物なのか贋物なのか。 現実なのか非現実なのか。 ノートを書いているのは誰なのか。
ずっと面白いが、正直言って全体としては意味不明。 以下はなんとか整合をつけようとしたもの。覗くという行為は世界の中の対象に価値づけをすることであり、そうして初めて世間は成立する。つまり、覗かれることなしには世間、ましてや時空間が成立しない。一方、そのような視線で覗かれることは嫌悪を惹起するものでもあ...続きを読むる。覗かれることなく覗くだけの箱男はその意味で人間とは隔絶した存在である。そのため、彼らにとって対象は等価値あるいは一様に無価値なものであり、角が取れたものに映る。彼らの価値は箱の中の手近なものにかぎられている。しかし、覗かれるためであるとも思われる裸をもつ「女」に対しては、箱男は覗かれることに嫌悪を抱かない。そのような「女」に触れているために、箱男の「僕」は箱から抜け出そうとするが、結局それは叶わず、世界全体を箱の内側にしようとする箱男。だが彼は迷宮に迷い込んてしまう。これは世間から一度隔絶されてしまった箱男がもう一度その接点を取り戻そうとするが、それが失敗に終わる物語として読むことができるだろう。
7年ほど前に読んで再読。まったく覚えてなかった。 プロットのしっかりしたストーリーではなく、後半にかけてどんどん崩れていく。前衛的。 感想が難しいけど、とても面白かった。箱男と同じ年に出版されたのが、重力の虹であることに驚いた。
読み終わるのに時間が掛かったけどすっっごかった。 虚実が入り乱れるし、かなり観念的なんだけど、ぐいぐい引き込まれながら読んだ。 何にも縛られない、本当の意味での自由を求めると外に開くのではなく、内に篭もり孤独を選ぶしか無いというやるせなさ。 箱男は浮浪者と違い、社会から離脱した(自ら社会を捨て...続きを読むた)存在であり、社会動物ではない。 つまり人間では無いのに、社会を見つめ続けたいという欲求だけは捨てられないアンバランスさが苦しかった。 学校にも行きたくないし、遊びに行く気にもならないし、誰にも指図されたくないし、誰とも話したくないけど学校で何が起きたかは知りたいし流行も知りたいからTwitterやインスタやテレビをぼーっと見るみたいな日は生産性も無くて、自分で自由にそういう1日を作り上げたはずなのにただただ苦しい感覚があって、それって箱男的生活だなぁと思う。 だからこそ見られることなく覗きたいという狡さが歪んで箱男になっていく彼らは他人事じゃないと強く感じて怖かった。 この本を読んでる間にメンタルがかなり落ちたときがあって、そのときは本当に箱男になりたいと思った。 時間をかけて読んだのと、ぼんやりとしかこの本のすごさを理解できなかったのが悔しい。 解説を読んでからもう一度読み返したくなった。 安部公房が東大理III出身だからか、箱男として生活したとき、視力がどのように変化するのか、発汗作用がどのように変化するのか等々の詳細が生々しかったのが、かなり観念的な内容が含まれているこの本にリアリティを与えていたように感じる。
東京の映画館でポスター 安部公房だよと教わる 年末年始 3冊貸してくれた中で1番読みにくいと聞いてあとまわし 読んでみると進む進む 今まで借りた本の中で今何ページ読めたかなーって気にすることが1番なかった本だった 1週間ちょっとのきゅーばんだけで読み終ったのでは? 映画も観てみたかったという気持ちと...続きを読む映画を観る前に読めてよかったという気持ち 既にNetflix配信されていることを帰宅後知りKAZUMAに思いを馳せる 砂の女以来安部公房 まだ2冊目だけど相変わらずの面白さにびっくりするゆいちゃまであった
映画がベルリン国際映画祭へ招かれたと耳にし、十数年振りの再読。段ボール箱を被って町中を徘徊する時点で奇異。そして贋箱男や看護婦との目まぐるしい遣り取り。いや、遣り取りはシンプルだが構成が躍動的でラストは置き去りにされる。読者置き去り小説であり、命題に至っては難題としか言い様のないテーマ。40年近く前...続きを読むに出版された当時はもう少し現代より監視の目も緩く生きやすかった筈だが、箱男にならざるを得ない程の窮屈さ。箱男になったからこその解放感や孤立感。理解するには至らぬが断片だけでも初読より触れたかな。
ダンボール箱に入って隙間から外の世界を覗き見る箱男が、複数人の視点から描かれている。途中から誰が箱男なのか、誰視点で書かれているのかが難解でわからなくなってくる。 見られることなく、覗き見たい…という欲求や、 普通の人間が箱男になってしまった経緯や、 浮浪者というか落伍者から見た世間や みんな箱男の...続きを読むことは見て見ぬふりをすることや 豊富な語彙量で表現される言葉の数々が印象的だった。人は安心したくてニュースを見ずにはいられない、とか世界は沸きっぱなしの薬缶みたいなものだ、とか魚になる夢を見るが、手足がないと、触りたくて走りたくて堪らなくなるとか…が記憶に残った。 途中差し込みの白黒写真や短い記述?もなんだか不気味で終始薄汚れたような雰囲気の小説だった。
なんだ…この作品は… ずっと、ずーーーっとよく分からないまま、そのまま読み続ける。しかし分からないからと言っても、決して途中で本を投げ捨てる訳でも無く、いつか分かる時が来るのか…ただただ字を読む。常に「私は誰?…ここは何処…?」状態。また別の感覚で表現するならば、万華鏡のような物から本の世界観を見て...続きを読むるような…または、手垢が付いたガラス越しにハッキリと何を見てるか分からない状態で物語を読んでるかの様でした。自分にとっては理解が難しく、頭の中をシャッフルされてるような感覚になりましたが「面白い」本であったなと。また読み返したい気持ちもありつつ、またあの迷宮に入る覚悟が持てるか…。映画化されてるので、いつか観られる時があれば是非観たいなと。
かなりアクロバティックな構造の小説。 特に後半は完全には理解できていないけども、小説という枠組み自体が箱人間の箱の内側に書かれた記録であり、またその中身の人間自体が入れ替え可能であるとすると、それは究極的には近代が自明のものとしてきた自我を深く疑うことに繋がってきそうだ。本物の自分とは?と、考え出す...続きを読むとアイデンティティが崩壊しそうな気味の悪さを感じてしまう。
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