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ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。(解説・平岡篤頼)
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Posted by ブクログ
今月、、、今年、、、、、、人生一面白かった小説だった。 「安部公房」という作家や「箱男」という作品の存在は知っており気になっていた。映画化するということを本屋でふと思い出し手に取り、購入してみた。 昔の作品だから面白いと思えるか不安と思っていたのも束の間、新聞記事!最高の書き出し!!箱の製法!!の...続きを読む3コンボで完璧に心を掴まれてしまった。 そこから更に、断片的な場面の描写がずっと続いていき、書いているのか、書かれているのか、その人は存在しているのか、想像か、嘘か、小説世界の話なのか、現実世界の話なのか、すべてが曖昧になっていく感覚がとても気持ちが良かった。 文体も美しく、読みやすく、それのお陰で余計にのめり込んでいき、1文、1文しゃぶりつくように読んでしまった。(こんな感覚『煙か土か食い物』ぶり、、、) きっと、この小説を10%ぐらいしか理解が出来ていないのだと思うが、それでも素晴らしい作品だったと思える作品だった。 この先もまた、何回も何回もこの小説を読むだろうと確信ができる。
「ぼく」って、誰? 見ることと、見られること。 見られずに見ることと、見ずに見られること。 見ることは、相手への優越性であり、支配欲であり、それが相手からは自分が見えないとなると、危険な中毒症状を引き起こす。 箱の内側が覗き屋の領分ならば、逆転して、箱の外側が内側ということも有り得る。 ダンボー...続きを読むル一枚を隔てて、どちらを内側と見るか、外側と見るかの違いだけだろう。 「箱」という安全装置は、箱に書かれた落書き(=ノート=遺書)であり、実際の「箱」という物質がなくても作用するのかもしれない。 見えているのに、見ていない。 それが、黙殺。 箱男も、言わば黙殺されている。 ところで、結局、本物の箱男は誰だったのか? 少年Dが出てきたあたりで、女教師=奈奈ならば、軍医殿という線が濃くなってきた気がするけれども。 しかし、まだ開幕のベルが鳴っていないのなら…。 箱男は書き手であり、読み手であり、…私だ。
ダンボール箱を頭からすっぽりと被り都市を徘徊する男。 新聞記事、AからDの挿入文、白黒の写真、そして箱男を名乗る語り手の「ぼく」 様々な表現で様々な物語を語り、その先にあるのは嘘か誠か。 意味がわからないのに惹きつけられ、気づけば読み終わった衝撃の一冊→ 読み終わってからだいぶん経つけど、今読み返...続きを読むしてもやっぱりわからない。 安部公房氏が目指す先がわからない。語り手が「元カメラマン」というのが意味あるのか、贋箱男とのやり取りが大事なのか、それとも看護婦か。 クライマックスで本当に意味がわからなくなり、最後の1行を読んだ瞬間、脳内が→ 「?」で埋まった(笑) 全ては嘘?幻?いや、でも確かにそこにあるはず……いやいやでも? この、夢と現を行き交う物語が安部公房氏の描く世界だったり、する?(砂の女もそんな感じだし)いや、違うか。違うよな。 難しい……でも読み切らせる安部公房氏の文章はマジですごい。他も読みたい。
久しぶりに再読したが。エキサイティングすぎる。後半の視点が変わりまくるあたりのついていけなさすごい。
「箱男」という一方的に見続ける存在。 私は箱男になりたいと思った。人に見られずに人を見れるなんて、そんなに愉しいことはないように思う。 だが、「箱男」は人間という立場を放棄しているからこそ誰にも見られない訳だし、決してノーリスクではないのを鑑みると悩ましいところではある。 著者はそんな「箱男」とい...続きを読むう生き物の特異性を利用して「作品」というものに対して面白い試みをしていた。 本書は主人公が物語を語っているように見え、そこには作者の存在が感じられない。なんとも奇妙な読書体験だ。
映画化のため、観に行く手前で再読。 学生時代に偏読した安部公房、いろんな人に貸したりしていたので「箱男」はどこかに行ってしまっていました。 なので再購入。 入れ替わる。 贋医者 贋箱男……… そして、ノート 匿名性で「覗き見る」行為と一方的にせまい箱のなかで評価分析を繰り返す。 よく、書評にイン...続きを読むターネットの匿名性に類似していると指摘されるけれど、ホント50年前によくこんな小説ができたなぁと驚く。 あるいは、匿名になりたい願望は昔からあったのかな。 民主主義の究極って…共同体を放棄したその先には… モヤモヤします。 2015.08.16 初めの出だしに衝撃を受け、 誰が誰だか分からくなる・・・(壁もそうであった) それを「ぞっとする」「不気味に感じる」のは日頃いかにアイデンティティを無意識に依存しているかということなのかな、なんて思いつつ・・・。
前半から中盤までは面白く読んだ 後半は安部公房の実験的?文章に困惑される。 部屋の隣は路地だったりのパラレルワールドで、すっかり、まんまと迷子になる。 面白いけど難解。難解だけど面白い。非常に引力は感じる。箱男のフィギュアがあったら欲しいなと思う私はもう箱に囚われてるのか?(箱自体はまだいらないけど...続きを読むも) 匿名性を纏い無遠慮に箱の中から世の中を見る箱男と顔出しで見られる事を意識する女。読んでてネット社会(特にSNS)と重なりハッとした。 だとしたら安部公房凄いな!と思う。 あと何だか無性につげ義春を読みなくなった とくに「ねじ式」ね。
ただいま映画『箱男〜The Box Man〜』が上映中である。公開日以降、最初の日曜日に観に行った。僕の個人的な事情なのだけれど、今年は、かつてないほど映画を観ている。俳優さんの演技というものについて理解を深めたいと思ったからだ。というのも僕の好きだった俳優さんは、演技について“天才”とすら称される...続きを読むこともあるほどに、演技について評判が良かった。にも関わらず、僕は素直に彼女の演技の評価を受け入れることができなかなった。実際、TVドラマや映画などで彼女の演技を観ても、彼女と、他の役者さんの演技の違いについて明確な“天才”たる理由や根拠を見出すには、いまだ至っていないのだ。僕は彼女の演技は好きなのだけれども、それは彼女の存在自体が好きだから、演技についても手放しで褒めているのだと、僕自身について、そう思われるのは不本意でしかない。彼女の演技は、演技としての確実な裏付けをもって堂々と評価したい。それには僕の、演技に対する理解を深める必要がある。僕は、僕自身の言葉で彼女の演技を賞賛したい。 さて。なにやら大幅に脱線しております。申し訳ございません。せっかくなので脱線ついでに、もう少しだけ映画版『箱男』について。 難解といわれる安部公房の物語だからこそ、俳優さんの、生き生きとした演技のぶつかり合いが発揮されていて、心ゆくまで堪能できた。この映画については、考察などは不要だろう。なにせ安部公房『箱男』の映画化なのだから。今年観た映画では、これまでで一番よかった。 『箱男』 箱の中の男の物語には違いはないのだけれど“箱男”が“箱男”として世界を覗き見る行為に終始するのかと思いきや、“箱男”は意外にも、あっさり“箱”を脱いで現実と向き合う“箱男”の物語だった。やっぱそうだよな、いかにも安部公房の物語らしいと思った。 “箱”に入る行為は一見、現実逃避のようだけれども“箱男”の真の“箱男”たる所以は、圧倒的な彼の主観のリアリティにあったと思う。一方、現実逃避として“箱男”に執着した“贋箱男”もまた、そこに彼なりのリアルを見出したのだろう。きっと“箱男”ってそういうものでしょ? 映画館にて。『箱男』の観客は、いつもの映画よりオジさんが圧倒的に多かった。きっと皆さん、安部公房の読者なのだろうな、と思った。
映画公開と知って急遽読んでみた。 覗き見の秘密的なゾクゾク感、高揚感、罪悪感 それだけではないなにか なかなか難しい。ダンボールを被ることで常に覗き見している自分がいて、周りからはただのゴミとなる。わかるようなわからないような、いったいこの話しの語りてはどこに行きつきたいのか? 真実がどこで、あるい...続きを読むは妄想なのか? 語りては、いま誰なのか? 混乱! はたして映像化されたらどうなるのか?怖くもあり、のぞいてみたくもある。
映画の予習のつもりで読んだがよくわからん。 本物の箱男は軍医殿? 冒頭から登場するAは贋医者の贋者となって女と暮らした? 見る、見られるの関係性がテーマとしてあるようだがそれを突き詰めたようなDの場合を読むと変態的なオチになりそうに思える。 匿名性を保ったまま一方的に対象を観察する箱男はSNS隆...続きを読む盛の現代とも重なるか。そういう見方は薄っぺらいような気もする。 終わり近くの女との別れのシーンが切なくて感傷的になってしまった。情緒的な小説ではないのに。
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